文献情報

  • Chapin, S. H., O'Connor, C. and Anderson, N. C.: Classroom Discussions―Using Math Talk to Help Students Learn, Grades K-6, Second Edition, Math Solutions (2009).
http://www.amazon.co.jp/dp/1935099019/
http://books.google.co.jp/books?id=2NX4I6mekq8C(「書籍のプレビュー」で本文が読めます)

乗法の交換法則をめぐる討論

3-4頁に書かれているのは、乗法の交換法則に関する、小学校3年生の授業です。先生は「かけ算の式における数の順序は答えに影響を及ぼすか?」と質問し、子どもたちの出す例をもとに、「どちらの数が先にあっても、答えは同じ」を導きます。
討論の中で、2つの意見が出ました。Eddieの意見は、「5つの袋にリンゴが2つずつ」と「5つの袋にリンゴが2つずつ」を比べると、順序に意味があるという主張になります。それに対しTiffanyは、それら2つの場面は別だけれど、答え(リンゴの総数)は同じであり、順序は重要ではないと主張します。
教師は2人の意見をそれぞれ整理し、この討論をまとめています。その際、「2つの式(5×2と2×5)は、違った場面を表すのに使えないっていうの?」とTiffanyに質問しています。この発問から、交換法則により5×2=2×5あるいは□×△=△×□が成り立つとしても、ある場面を表す式が、□×△でも△×□でもいいとする考え方は、先生の持つねらいでも、クラスで共有したい内容でもないことが伺えます。

外部リンク

最終更新:2014年10月30日 06:44