倉山恭子(くらやま きょうこ)は『極・魔導物語』の登場人物。完全版以降のバージョンでのみ登場する。あるルートでは作品におけるもう一人の主人公、もといあるルートではラスボスの役割を担うなどメインキャラクターの中でも特に重要な位置にいる。
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概要
感田大学の考古学教授である中山仁に部下として同行し、本隊から分かれたのか単独で遺跡の調査を行っていた調査員の一人。スタート地点からそう遠くない場所にいるため序盤に合流することができるが、合流せずにストーリーを進めることもできる。合流しなかった場合は最後までストーリーに関係してこない。
合流した場合、まず遺跡へ転移させられた田中たち7人から助けを乞われて出口までの誘導を担当するが、中山たちが確保していた出口はいつの間にか封鎖されていることに気付き、その場を見張っていた探索員たちの遺体らしきものを発見する。しかし、倉山はこれを全く気にも留めない様子で別の出口を探しに向かい、その後も脱出を最優先するあまりに田中の友人たちの死を淡々と扱ったことで田中たちの反感を買い始める。最終的には衝突を起こし、田中たちから一人残されて別れることとなるが、このときに作中では描写されない経緯を通じて人ならざるものと化し、田中たちに襲い掛かるようになる。田中たちを殺害し一人生存した人ならざる倉山は出口から脱出し同僚の元に向かうが、その外見から同僚に恐れられ敵対行動を取られてしまう。この後の展開は描写されない。
また、序盤に彼女や他の調査員を統率する立場である中山が合流している場合、後の展開は変わってくる。この場合の倉山はある時点まで中山の忠実な部下として彼に随伴し続けるが、段々と金銭に執着し彼に異議を示すような言動をとるようになる。最終的にはアルルの遺体を発見した報酬を自分の思うままにしようと考え、中山への脅迫のために田中一行の一人である白地癌時を射殺し、更には脅迫に屈しなかった中山をも射殺してしまう。ここで田中一行の生き残りと倉山が対峙し戦闘に突入するが、この戦闘の結果によってもまた後の展開が変わる。
この戦闘で敗北した場合、ここからは倉山を主人公として物語が展開していき、倉山はアルルの遺体を奪ったあと、遺跡内に安置されたシェゾやルルーの遺体から宝物を奪い取って逃走経路へ急ぐ。しかし、出口を目前にして突如動き出したアルルの遺体に深手を負わされてしまい、ここで発生した戦闘に勝利した場合は死亡、敗北した場合はアルルによってどこかへ連れ去られる。なお、このルートでは彼女が戦闘メンバーに入って経験値を積んでいないなどの理由によって彼女のレベルが十分でないと、以降の戦闘で満足に戦ったり逃走したりすることができず、ゲームの進行が不可能となる(極・魔導物語物語では彼女のレベルが20未満だとレベルが20まで上がる事で修正された)。また、勝利した場合でも、パーティメンバーは田中と西村次郎と揚羽木葉というアンバランスな三人になるので注意が必要。
人物
裏切った時点での敵グラフィックでは銃を左手で構えていたり、怪物と化した倉山の敵グラフィックも左手をこちらに向けていたり、ほかにも分断された状態で襲い掛かってくる彼女の腕も左腕である事から彼女が左利きである可能性は高い。また、倉山は怪物と化す過程において、左手首を分断されたほかにも上半身と下半身を分断されているが、これらはすべてが別々に動いて主人公たちを襲う。意思表示を行うのは上半身だけのようだが、その台詞などを見る限り倉山は怪物になった後も多少の知性や理性を留めているようだ。
疑問が残る点も多く、例として分岐した後のいずれのストーリーにおいても、主人公たちがなかなか発見できなかった遺跡の脱出経路をいつの間にか知っているが、どのタイミングで倉山がこれを発見したかは作中で明らかになっていない。一方、分断された彼女の体との戦闘では下半身だけの姿でコンパスを使ってきたり、左手首だけで主人公たちの肉をかみ砕いたりなど不可解な攻撃をしてくるが、これはただ単にほかの敵の攻撃パターンを雑に使い回しただけのものと思われる。
二次設定
『ANGEL DEAD』では何故か佐野恭子に名前が変わっており、歩行グラフィックも金髪になっている。また、彼女を仲間にしないとストーリーが進行しない。そして、特技を持っていない戦闘員として白山吾作達に同行するが、ストーリーの中盤で突然白山達を裏切り、ヴゼルを復活させたラスボスとして彼らを待ち構える。さらに、一度倒されても復活を遂げ、倉地彰によって白山が元の世界へ帰還するのを妨害する。その後、彼女は覚醒した白山と一戦を交える事になる。
なお、彼女が戦闘に参加した時のグラフィックや敵として戦う事になる彼女の敵グラフィックは現在、完全版以降の彼女が裏切った際に発生する戦闘の敵グラフィックと同一のものである。また、復活を遂げた彼女と戦う事になる敵グラフィックも完全版の化け物となった彼女と戦う時に発生する戦闘の敵グラフィックと同一である(その上半分は画像サイズの影響なのか隠れてしまっている)。
そのほか、名前はないが同じ歩行グラフィックの人物が『RPGぱろでぃ』にこっそり出演していたりもする。
考察
この項目の内容は明確な根拠となる描写を作中に持たず、主に憶測によって書かれていることに留意して欲しい。
- 彼女が化け物の姿にまでなって田中達を襲撃した理由はただ単に彼らが気に食わなかったためか、それとも彼らを「捨て駒」だと考えていて、その始末をつけるためだと考えられる。
- サタンから何ら手がかりを得ることもなく遺跡の脱出口を知っていたが、ストーリーの中で田中達の進行方向から大きく離れていたその場所まで彼女が辿り着き、そして、その存在を彼女が知ってしまったという様子が暗示されている描写は見受けられない。
- 作中で彼女が出口を探しに戻る描写が見受けられないことから、序盤以前からその脱出口の存在を知っていたという可能性が高いと見受けられる。但し、そうだとすると元から出口を知りつつも田中達をその場所へ案内しなかったことになる。
- 当初田中たちを誘導した先の出口が封鎖されていたことは彼女も想定していなかったと思われることから、当初は彼女にも彼らを救出する意思はあったのかもしれない。しかし、そこが封鎖されていることを知り田中達を引率して遺跡の奥地へ向かうようになると、大きな歴史的価値を持つ品々(ミイラ等)に彼らが触れる機会が生じる事に反感を覚えてしまい、気が変わったのだと思われる。
- 田中たちに反感を覚えていたかもしれないからこそ、万が一の時の犠牲のために田中達を引率させ、自身の邪魔にならないようにゆくゆくは全滅させようと考えていたのかもしれない。「もたもたしていて出口が塞がってしまったら困る」という理由で先を急ぐのも、脱出させるためではなく宝(アルルの遺体)を手に入れたいがためであると考えられる。
- 化け物となった彼女はまずサタンを殺害し、サタンが玉座を持つ間の奥の墓場に安置されたアルルの遺体を入手した。そして、田中達の始末をするためにサタンの間への近道である死体置き場(ラリーのミイラが置いてある場所)に通じる穴の出口手前で彼らを待ち伏せ、見せしめのために木田を殺害した。
- 別ルートで中山を裏切った際に白地を射殺したのも見せしめのためだろう。
- 木田を殺して立ち去った後、木田の殺害現場からすぐ近くの場所で自分の足に達を襲わせ、その後用無しとなった西村次郎と尻高事朗を殺害した。このときに自分の左腕を使ったのか彼女自身がやったのかは分からないが、その殺害現場に踏み入った田中達は左腕に襲われている。
- 田中が出口に辿り着くと、倉山は喜びのあまり油断していた増田を殺害。続いて田中を襲撃して戦闘に突入する。戦闘で田中を打ち負かした倉山は捨て台詞を吐いてそのまま探索員達のテントへ向かうが、探索員たちからは自分が倉山であると認識してもらえず、「自分のどこが化け物なのか」という必死の訴えも虚しく射殺されてしまう。
- 田中にナイフを所有させなかったのも、田中が彼女に反抗するための武器を持つことが不本意だったからだと考えられる。彼女はアルルの遺体を発見する以前からその遺体が遺跡内部に実在するものだと知っていたようだが、どんな経路で彼女がそれを知ったかについてまではこのゲームでは触れられていない。そこが一番の問題点であるが、遺跡にある数々のミイラや過去の世界に移動する摩訶不思議な現象を目の当たりにする中でその確信を持ったのだろうか。
- 何故、彼女がアルルの遺体にこだわるかと言えば、カメラで撮影した写真だけでは彼女の満足は満たされなかったのだろう、彼女にとってはアルルの遺体そのものが「大金」に見えていたからかもしれない。
- 中山合流の際には序盤こそ概要の通り彼に随伴していたが、遺跡調査の報酬の話の時には白地を脅し、普段の彼女の性格から考えると不自然なほどに気分が高揚していた(完全版では彼女の態度を田中は不審に思っていた)。白地は中山に何かを訴えようとしていたが、中山は彼女や白地の不審なところに全く気がつかなかった(完全版での田中の発言によると白地は青ざめた顔をしていたらしい)。
- 白地を殺害したことについて彼女を非難した中山を射殺した際、彼女が「先生なら分かってくれると思っていたのに」と発言したのはある意味、普段、中山は彼の部下である探索員達からの信頼を得てないというところから、中山はもし彼女に銃を向けられたら、中山は自分だけが田中達を見捨てて助かろうとしただろうという一種の期待感と中山に対する皮肉が込められていたものと考えられる。しかし、その期待を裏切り、自分に歯向かい、彼女にとって完全に用をなさなくなった中山との縁を切ったのだとしたら、彼女はおそろしいほど優秀な部下であった事が分かる。
- 彼女は銃の扱いにも手馴れていて、人ならざるものとなった際に銃を失ってしまった後でも口癖のようにその事を口にしていたのは、もはや彼女からすれば、自分が所持していた銃は自分の体の一部として機能していると考えていたからかもしれない。
- 彼女が田中達を「馬鹿」だと罵ったのは、彼女は優秀であるがゆえに自尊心がかなり高かったものだと思われる。
- 彼女は皮肉にも自分が求めていたアルルの遺体に大金持ちになるという野望を打ち砕かれてしまったが、その事態が起きなければ、本当に彼女は大金持ちになっていたかもしれない。彼女がこのゲームのストーリーにおけるもう一人(もしくは真)の主人公である事は間違いないだろう。
- 運んでいたアルルの遺体に襲われて腹に穴を空けられ、無線を通じて探索員達に助けを求めるも救援が来ず、意識が朦朧とする中でかつて自分が欲したアルルの遺体をたった一つの銃で打ち破る。
- 執念の余り探索員達のテントまで足を運ぶものの、探索員達の前にたどり着いた彼女は既に息絶えていたらしく、死んでしまった。
- もし、彼女がヴゼルの使者、もしくはそのヴゼルの生まれ変わりだとすればあのアルルの遺体が彼女を連れ去ってしまう意味深なエンディングも理解できる。
台詞
- 実は…先生がいない間にもう一つの出口を見かけたんですがね…
田中達を裏切った際に中山に対して彼女が放った台詞。彼女は田中達と遭遇する前に遺跡の入り口の前に空いていた怪しい穴を既に発見していた事を明かした。なお、これは物語物語における彼女の台詞であり、完全版の彼女の台詞のものとは少し違う。
- 先生の死も事故死として扱っておけば何の問題もないわ…岩の下敷きになって死んだってね……
まさに彼女の計算通りだと言わざるを得ないような台詞である。中山の部下達からの人望がない事を考慮すれば、誰も中山の死を悼む事はないだろう。これをアルルの遺体を担ぎながら、発言しているのだから、増田の言う通り、彼女は凄まじい精神力の持ち主である。
- 銃を持った私に勝てると思ってたのか?本当に馬鹿な連中だったな
化け物となった彼女が自分の手で殺害した田中に向けて放った捨て台詞。彼女は負けず嫌いな性格である事が分かる。しかし、この時、彼女が持っていたのは銃ではなく、木田、もしくは尻高から奪ったであろう、コンパスである。
- あの宝も身体の中に入れたし、これで私も大金持ちだ
恐らく彼女は自分の口から腹部へとその宝を入れたのであろう。宝とは遺跡のミイラがつけていたペンダント類であると思われるが、彼女はアルルの遺体を入れている可能性もある。彼女が田中達を裏切るイベントで彼女が勝利し、彼女一人で逃げ延びようとする場合でもペンダント類は博物館で高値で売れると独り言をつぶやいていた。
- だから・・・・・私は化け物じゃない
彼女は同じ探索員の仲間達に対して自分が人間である事を訴えるが、ご察しの通り、誰がどう見ても彼女は人間ではない。当然、この後、探索員達の手によって彼女が射殺されるのは言うまでもない。この事から、もしかしたら、彼女はかの有名な男が虎になる話のように、自分の外形を彼女の内心に相応しいものへと変えてしまったのかもしれない。
データベース
極・魔導物語(原作版)から完全版にかけてはパーティキャラクターたちの能力値が全員同じであったため、能力値における特徴などはなかったが、物語物語では多くのキャラクターたちの能力値に個性が付いた中、倉山は敏捷性のみが高く、後のステータスは体力を除いて軒並み低い。しかし、彼女の特殊技能であるピストルやその強化版はMPを1しか消費しないため、回復アイテムさえ持ち合わせていれば、彼女は西村よりは、安定した戦い方ができる。
味方としての基本ステータス
基本情報 | 完全版 | 物語物語 | 極魔導仮 |
---|---|---|---|
名前 | 倉山恭子 | ||
肩書き | 中山の部下 | 探索員 | |
キャラ画像 | |||
顔画像 |
基本装備 | 完全版 | 物語物語 | 極魔導仮 |
武器 | (なし) | ||
盾 | (なし) | ||
鎧 | (なし) | レザーアーマー | |
兜 | (なし) | ||
装飾品 | (なし) |
ちなみにパーティキャラの中で最初からレザーアーマーを装備しているのは彼女のみである。
極・魔導物語(仮)では中山も最初から同じものを装備している。
極・魔導物語(仮)では中山も最初から同じものを装備している。
能力ステータス | 完全版 | 物語物語 | 極魔導仮 |
初期レベル~最高レベル | 1~50 | ||
必殺確率 | 1/30 | 1/10 | |
最大HP変動域 | 40~600 | 38~504 | 40~500 |
最大MP変動域 | 40~600 | 3~200 | 5~200 |
基本攻撃力変動域 | 15~150 | 14~105 | 10~110 |
基本防御力変動域 | 15~150 | 13~101 | 10~100 |
基本精神力変動域 | 20~300 | 23~169 | 20~370 |
基本敏捷性変動域 | 20~300 | 25~398 | 25~400 |
覚える特殊技能
レベル | 完全版 | 物語物語 | 極魔導仮 |
1 | ピストル | ||
※ | ピストル (マグナム) |
※彼女が裏切るイベントで田中達が敗北した際、彼女が覚える。この時、彼女が覚えていた「ピストル」は忘れてしまう。
名前 | 消費 | 説明 | 備考 |
ピストル | 1 | 相手を撃つ武器 | 基本ダメージ25(精神依存) |
ピストル (マグナム) | 1 | 相手を撃つ武器 | 基本ダメージ35(精神依存) |
敵として登場した際の能力
物語物語では倒した際の所得が設定されたが、実際は倒しても入手できない。
敵キャラ能力値 | 完全版 | 物語物語 | 極魔導仮 |
名前 | 倉山恭子 | ||
キャラ画像 | |||
敵画像 | |||
最大HP | 350 | ||
最大MP | 10 | 360 | |
攻撃力 | 60 | ||
防御力 | 20 | ||
精神力 | 140 | ||
敏捷性 | 140 | ||
経験値 | 0 | 127 | 130 |
お金 | 0 | 257 | 260 |
アイテム | (なし) | ||
備考 | 増田を殺して彼女を仲間にするルートの中盤で戦闘が発生する。 |
行動内容 | 行動条件 | 優先度 |
ピストル | 常時 | 50 |
敵キャラ能力値 | 完全版 | 物語物語 | 極魔導仮 |
名前 | 腕 | ||
キャラ画像 | |||
敵画像 | |||
最大HP | 200 | ||
最大MP | 10 | ||
攻撃力 | 70 | ||
防御力 | 25 | ||
精神力 | 131 | 130 | |
敏捷性 | 137 | 140 | |
経験値 | 0 | 117 | 120 |
お金 | 0 | 230 | |
アイテム | (なし) | ||
備考 | 増田を殺さず彼女を仲間にするルートの終盤で戦闘が発生する。 |
行動内容 | 行動条件 | 優先度 |
頃っす | 常時 | 50 |
極魔導仮 | ||
噛み砕く | 常時 | 50 |
敵キャラ能力値 | 完全版 | 物語物語 | 極魔導仮 |
名前 | 足 | ||
キャラ画像 | |||
敵画像 | |||
最大HP | 200 | ||
最大MP | 356 | 360 | |
攻撃力 | 70 | ||
防御力 | 25 | ||
精神力 | 131 | 130 | |
敏捷性 | 137 | 140 | |
経験値 | 0 | 116 | 120 |
お金 | 0 | 230 | |
アイテム | (なし) | ||
備考 | 増田を殺さず彼女を仲間にするルートの終盤で戦闘が発生する。 |
行動内容 | 行動条件 | 優先度 |
コンパス | 常時 | 50 |
敵キャラ能力値 | 完全版 | 物語物語 | 極魔導仮 |
名前 | 倉山恭子 | ||
キャラ画像 | |||
敵画像 | |||
最大HP | 900 | ||
最大MP | 9999 | ||
攻撃力 | 100 | ||
防御力 | 50 | ||
精神力 | 50 | ||
敏捷性 | 50 | ||
経験値 | 0 | 300 | |
お金 | 0 | 600 | |
アイテム | (なし) | ||
備考 | 増田を殺さず彼女を仲間にするルートの終盤で戦闘が発生する。 |
行動内容 | 行動条件 | 優先度 |
通常攻撃 | 常時 | 50 |
連続攻撃 | 常時 | 50 |
歯 | 常時 | 50 |
コンパス | 常時 | 50 |