伝説の勇者ミド

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dangerousss

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伝説の勇者ミド(でんせつのゆうしゃ みど)

設定

『勇者』渡葉 美土(わたりばみつち)
希望崎学園の生徒。
小柄、貧乳、伊達眼鏡をかけている。おとなしくてちょっと暗い印象の美少女だが、
心の中では男のちんこを貪ることばかり考えている、どこにでもいるビッチ。
肉感的な誘惑を苦手とするため、甘言やペテンをよく用いる。あだ名はミド。

ある日、社会科準備室で伝説の剣「まるごし」を引き抜いてしまったところ、
希望崎学園進路相談室・就職課(通称ダーマ)から『勇者』と認定された。

本来は部室棟の最深部にいると言われる魔王を倒しに行く使命を
押し付けられているのだが、まずは軍資金という事でトーナメントに参加する。
また、有能な人材はスカウトしたいとも考えている。

【伝説の剣「まるごし」】
「そこに剣があるように見える」だけの剣。
実は、「まるごし」などという剣は物質的には存在しないのだが、誰がどう見ても
そこにあるように見える。つまり、初見の相手からすればただの剣。
見えるからミドも引き抜くことができたのであるが、しかし剣は存在しない。
よって、振ろうが刺そうが何も斬れる事はない。まさに丸腰である。

「身体スキル」:【すばやさLv.2】【たいりょくLv.2】
「知的スキル」:【かしこさLv.3】【おちつきLv.2】
「固有スキル」:【おもいだす[魔]】【みりょくLv.2】
「オプション」:【伝説の剣「まるごし」Lv.3】【ナイフLv.2】


※以下は場外で行動を共にする脇役であり、MAPには登場しない。

『盗賊』逆立 当真(さかだてあたま)
希望崎学園に掃いて捨てるほどいるモヒカンザコ。
ミドがキビダンゴをひとつあげたところ、付き従うようになった。
放し飼いにしておくと民家のタンスやツボから薬草や種もみを強奪してくるので
とても便利。レアアイテムを持ってくると、ご褒美にセックスしてもらえる。

『賢者』姦崎 絡(かんざきからむ)
触手。ミドを前に、「ビッチ行為などという愚かな事はやめるんだ。
快楽に浸かっているだけでは動物と変わらないぞ!
君のためにも相手の男のためにもならない。君の心は、精神は何の為にある!」
と、股間に触手を突き入れながら語った。
「気持ちよかったので」と、そのまま連れ回されている。

『力士』股ノ海(またのうみ)
力士。土俵の外でも常にまわし一つで生活し、また、まわしを
していない事も多いという。
修行熱心で、よく裏山で稽古をしている姿が目撃される。
大外刈り、巴投げ、サマーソルトキックなど多彩な技を持つ。

魔人能力『おもいだす』

直接会話した人間の言葉を、半永久的に記憶しておける能力。
一度に覚えておけるのは相手が言葉を区切るまでを「セリフ1つ」とし、
セリフ3つまで。セリフ1つはどんなに長くても、単語のひとつひとつに
至るまで詳細に記憶できる。
相手のセリフの終了と同時に『ふかくこころにきざみこむ』と念じることで発動。
4つ以上覚えようとすると、古い順に記憶から完全に抹消される。

プロローグ

†伝説の勇者ミド プロローグ『ふたつの決意』


――視界が開けると、鮮烈な青。

目の端からは太陽が、白くてまっすぐな陽光をちらつかせる。
中空には薄い雲がところどころ浮いている。雨の気配は一切なく、空気が軽い。
息を吸って吐くだけで心地良い、そんな美しい日だ。
涼やかな風が通り、どこからともなくドラゴンクエストの序曲が響いた。
……勇者の旅立ちを祝福するように。

そこに、渡葉美土は立っていた。小柄で眼鏡な少女だ。
制服の腰に剣を差しており、頭部には、宝石のついた謎の額当て。
彼女こそが、「伝説の勇者」……通称ミドだ。

目の前には萌える若草の草原、を思わせる広大な校庭。
振り返れば王城のごとき威容、を備える巨大な校舎。
草原の奥には洞窟のごときダンジョン、を狂頭が用意しており、
ぐるっと回ればうっそうとした密林、そのものの中庭がある。
無闇に広がる学園は、未知に満ちた大陸そのものだ。

待ち受けるのは大冒険に違いない。
しかし使命を秘めた若者は、怯まずただ前を向いて進むのだ。
いま、物語が始まる――


そして、早速勇者は、最初の一手を講じた。

ニア そうび → E ぬののぱんつ → はずす

するりと、必要以上にスムーズな手つきで縞もようのぱんつを脱ぎ捨てるミド。
刹那。彼女の隣でバイクをふかしていたモヒカンの男が、煙をあげて発奮する!
パーティメンバーのモヒカンザコ、逆立当真だ。
「さあモヒカン、仕事だよ。……それっ!」
「ヒャハ、ヒャヒハッ、ヒャッハアァーーーー!」

そしてミドは、自らのぱんつを何のためらいもなく投擲した。
ぱんつは校舎の二階の窓から、どこかの教室へ。
「ヒャッハーーーーーー!!」
当真は排煙をあげて青空を台無しにしながら、バイクで校舎へと突撃していった。
おそらくどこの教室にぱんつがあるのかもわかってはおるまい。
つまり、

「ミド殿……今の行動は?」

……と、ミドにその意図を尋ねる触手があった。
細かい事は気にしてはいけない。静として粛とした佇まいの触手。名は姦崎絡という。
ミドは平然と触手に答える。
「あの子、校舎に入っちゃえば、他の種もみとかに目移りして適当に暴れるから。
何か取って来てくれれば儲けものでしょ? ちょっとした釣りよ釣り。
フィッシング。面倒なのよ……自分でタンス開けたり、家捜しとかするの。
ぱんつなんて、別にいらないしね」

「なっ……。なんという事を。彼は家畜ではないのだぞ、我々と同じく
人権があるはずだ。それを……」
絡は、軟体でありながら堅物めいた口調で語る。なお、彼に人権があるのかも不明だ。
「いいじゃない、楽しそうよ、彼。いいモノ持ってきたら、ご褒美もあるんだから」

ミドには一切の罪悪感がない。むしろ、楽しんでいるのは彼女の方にも見える。
うっとりと眼を濁らせて頬を紅潮させており、心なしか体は汗ばみ、熱を帯びる。
くちびるからは僅かによだれが漏れ、ぶるりと腰元が震え、
ぱんつの消えた局部には触手が突き込まれていた。

……触手が!
「あっ。ホラ、そんなお堅いコト言いながら、またこんな」
「違う、違うぞ! これは私の手ではない!」
快楽に歪んだ顔を向けるミドに、絡は全ての手をハンズアップして無実を主張した。
「えっ」
ミドはいまさら足元を確認する。そこにいたのは……

*レッサー触手が あらわれていた!

――『あらわれていた』!
どこぞのダンジョンから這い出てきてしまったのか? そのタコ状の生物は、
ごきげんな動きで、吸い付くようにミドにその足を這わせている。
エンカウントだ! 慌ててBGMがバトルシーンのものに移行した。
とはいえ、そこで繰り広げられているのは、何ひとつバトルではなかったが……

淫靡な水音が、しばし周囲を支配した。

どれ程の時が過ぎただろうか。
力の抜けた体勢で息を荒くしながら、レッサー触手はミドに現金を握らせた。
負けを認めたのだ。ルールは、2人の中だけにある。
ちなみに、校庭の真ん中である。絡は、終始あきれ顔で見つめるしかなかった。
「ひい、ふう、みい……うん、ありがとう! またよろしくね」
何かをヤりきった表情でレッサー触手を見送るミドであった。

「ヒャッッハアァーーーーーーーー!!!!」

と、ちょうどそのタイミングで、当真が校舎一階の窓を突き破りながら
バイクで飛び出してきた。手には数本の大根を抱えている。
「お、薬草ね。上出来上出来」
「ヒャハ、ヒャハァー、ハフハフ」
「よしよし」
ミドは当真のモヒカン頭をナデナデしながら、口にぱんつ(ストック)を詰め込んだ。
トップブリーダーさながらの手際である。

「じ、人権、人権を……」
立ち尽くしたままぼやく絡を尻目に、ミドは当真のバイクの後ろにまたがった。
絡もあわてて最後尾につかまる。
「さあ、今日はどんな冒険が待っているかね」
ミドは、ブラをはずして釣りざおにセットし、当真の前にぶら下げた。

「ヒャハァーー!!」
当真がアクセルをふかし、BGMにチョコボのテーマが流れる。
この勇者パーティは、このように、馬ニンジン方式で走るバイク……
馬車馬のごとく働くモヒカン動力を馬車がわりに移動するのだ!

(魔王、そんなものはどうでもいい……しかし、そこに捕らわれているという姫。
その噂が本当ならば……)
ミドは1人、そんな事を考えていた。突然、使命を押し付けてきた学園の就職課。
その受付――本人は神官と名乗った――の言葉。果たしてその真偽は。

(まあいい、とりあえず今はトーナメントに備えて力をつけるんだ。
あの賞金さえあれば……。そのためには、さて、どう勝とうかな)
さんさんと輝く太陽を背に、バイクは排煙でそれを隠しながら進んでいく……。


†††


その頃。
カメラのフラッシュに囲まれた明るい部屋で、男がインタビューに応じている。

――本日の取組みを振り返って、いかがですか?
「真っ直ぐにぶつかっていく事ができました、自分の相撲が取れたと思います」

――現在6連勝。大関昇進も見えてくると思いますが、それについて
「いえ、今は意識していません。ただ自分の相撲を取るだけです」

――明日の相手は横綱。一筋縄ではいかないと思いますが
「胸を借りるつもりでぶつかりたいと思います。とにかく自分の相撲を取る事です」

――ありがとうございました。明日も頑張ってください
「ありがとうございました」

インタビューを終えた関脇 股ノ海は、部屋を後にする。
その瞳は闘志でみなぎりながらも、決して品を失わない。風格ある佇まいである。
……その股ノ海が、廊下を歩きながらふと顔をあげ、ぽつりと、言葉を漏らす。

「大魔王、か……」

誰にも聞き取れないような声だ。周囲も気づきすらしない。
(しかし。今の自分がすべきことは違う)
股ノ海は思考を続ける。
(自分の相撲を取ることだ。全てを賭して目指すんだ。力士としての、高みを。)

(そう、『横綱』を――!)

決意の背中を、蛍光灯が艶やかに照らした。


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