自動車学校

登録日:2011/11/24 Thu 01:26:52
更新日:2023/10/31 Tue 17:15:27
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自動車学校とは、自動車の運転免許を取得する為に通う施設で、教習所ともいう。
『自動車』学校ではあるが、バイク免許やフォークリフト免許を取得できる学校もある。

概要

入学資格は18歳以上(17歳でも入学できるが、仮免は18歳以上でないと取得不可能)。
相場はだいたい入学~免許取得まで25万円前後だが、地域ごとのバラつきが大きい。分割払いも可能なので金銭面で不安があるなら相談してみよう。
学生でなくともお高い値段だが、免許を取るなら通う方が色々と無難。理由は後述。
ただし上記の25万円という金額は「全ての科目や試験を全く不合格にならずに一発でクリア」した場合の金額であり、再試験などが必要になった場合はその為の追加費用が発生するという事を覚えておこう。

所謂塾のように希望に沿った日時に通うタイプが一般的であるが、
昨今は間をおかず一気に卒業まで持ち込みたい人のために在学期間中ずっと寮などに宿泊して詰め込み授業を行う、合宿タイプの学校も増えている。
その為、パンフレットを見ると「最短○○日」という売り文句を掲げている学校も多い。

授業

基本的に「学科」と「実技」の2種類で構成される。
お客からお金をもらっているとは言え、自動車運転は人命に関わることなので、認定は結構厳しい。

学科

標識の解説や走り方等の講義を行う。
1人の教官が壇上で講義をしてそれを多人数が聞く……という大学の講義と同じ形式だが、もっぱら眠いと評判。
しかし講義中に寝ていたり、他の生徒と私語をしていたりすると情け容赦なく怒鳴られれば甘い方。最悪単位を貰える事無く退室を命じられるので注意。
「俺ら金払ってんだぞ?そんな扱いして良いと思ってんの?」という意見もあるかもしれないが、学校からすれば生徒はお客様ではなく、対価を払って講習を受けさせて貰っている立場なのだ。
まして自動車学校というのは車を運転するドライバーを育成しているのであり、当然そのドライバーが知識不足のせいで運転を誤れば、人が死ぬ事だって実際に有り得るのだ。高校大学の授業ように『出席さえしてれば良いんでしょ?』とお喋りや居眠り半分で受けられてはたまったものではないのである。
実際に講義中に何度も私語をしていた生徒が、教官から再三注意されても態度を改めなかった事で退学処分になった事例も本当にあるのだ。
時には警察官がチェックしに来ることも。

と言うかこれを疎かにすると後で痛い目に遭うので真面目に聞いておこう。教官もかなり具体的な試験対策や知識も多く教えてくれるので猶更だ。
かなりの苦行だけど……。

イラストやビデオが古臭かったりシュールだったりする。
(いまだ少年隊ヘアーが現役だったり、演技があからさまだったり、撮影技術が昭和レベルだったり、怪人ゾナーがいたりetc……)
まぁそれを楽しむのも一興。

実技

学科で習った事を元に実際に運転する。
受講者は運転席に、教官は助手席に座る。助手席にもブレーキがついている。
学科に比べて主体的になるため、面白さは段違いだが、
教官が受講者の能力に応じて認定を与えるシステムになっているので、学びが遅くただ消化しているだけではなかなか先に進めない。

必然的にマンツーマンになるので、教官との空気が悪くなると最悪。
基本的には指定することも出来るはずなので、余程のことがなければ(※生徒自身に問題があるなど)ずっと最悪ということはないと思われる。

検定


実技・技能の一定段階ごとに検定試験が行われ、一定以上の点数を取得できないと合格不可能。
学科の検定には○×式の「効果測定」、実技の検定は「修了検定」「卒業検定」がある。
大要だけ覚えていたら細かい数字を聞かれて撃沈する人も少なからずいる。

合宿タイプの学校だと、宿の定員の関係で早く卒業してほしいので採点基準が甘くなるという噂もある。

その他

主に入学直後に行われるシミュレーション(レーシングゲームみたいなアレ)や適性検査。
ちなみにシミュレーションは複数の交通弱者が自らの意思で轢かれに来ているのでは?という定評があるが、大体のところはまだギリギリセーフなゾーンを攻めてきている。
一見困ったシミュレーションだが、世の中もっと理不尽で不幸な事故も多いので、これぐらいは回避出来ないと実際困る。

そして後半で行われるタイヤ交換や応急救護、危険予測等。

応急救護の時は穴の開いた靴下を履いてくるとひどいことになる。

卒業までの流れ

入学

オリエンテーション

第一段階

効果測定

修了検定

仮免get

第二段階

効果測定

卒業検定

コンスタントに通えれば1~2ヶ月程度で卒業可能。
もちろん授業やアルバイトによって左右されるが、時間が掛かるとしても半年もあれば十分だろう。
あまり間は開け過ぎずに集中して卒業した方が良い。
あまりに時間を掛けすぎると10ヶ月位で期限切れになる。
期限切れを起こすと全ての教習が無効となり、入学からやり直しになるので注意。

自分のスケジュール管理ももちろんだが、教習を受けたいのに、予約がいっぱいで受けられないということもあるので、
教習所の混み具合も吟味する必要がある。
特に3月は就職や進学を控えているという事情から、春休み中に免許を取っておこうと考える高校3年生でごった返すので注意。
そもそもの話、いったんサボり始めるとずるずる休み続けて最後に凄まじく忙しくなったり、途中の話がすっぽり抜けて後々困ることになる人が多数である。

  • 第一段階
学科では車種や免許の種類、道路標識等、自動車運転の基礎を学ぶ。
実技では教習所内に設置された信号、カーブ、坂道、踏切等を走行する。

  • 第二段階
学科はより高度でつまらないものになる。
仮免取得が前提となっている為、実技は教習所の外に出て実際に運転を行う。
一般車両も当然走行している為、もたもたしていれば追い越されたり、クラクションを鳴らされたり、幅寄せされたりと散々な目に遭う。
(教習中の車両に対する幅寄せ等は禁止されているので止めましょう。というよりマナーとしても止めましょう。何かあったら即事故ります。)


卒業検定に受かれば晴れて免許取得!!
……とは行かず、都道府県ごとに指定された会場(公安委員会、警察署等)で最終試験がある。

最終試験は実技試験と筆記試験、しかし教習所を卒業することで実技試験は免除される為、大抵は学科試験のみ。
(その為教習所に通わずに直接免許を取得することも可能だが、
判定水準は異常に厳しい……はっきり言って、合格率は限りなくゼロに近いのでお勧めしない)
ただし、公認のない教習所(後述)では実技試験を免除されないのでちゃんと調べておこう。他の教習所より妙に安かったら危険。
試験場で合格した人はこのことに妙なプライドを持っており、教習所で取得した人をやたらと見下したがるとか。
殊に、大型自動二輪免許は、かつては試験場でしか取れなかったためにその傾向が顕著。

実際に経験すればわかるのだが、(当然ながら)卒検より筆記の合格基準が厳しい(90点以上)。
もちろん教習所はこの試験に合格できるように教えてきているわけだが、中には一発で合格できず何度も最終試験会場に通いつめる事になる人もいる。
その為、場所によっては試験対策のセミナーを設置していることもある。
また場所が近い人は兎も角、地域で最終試験会場から離れている場合は交通費もかかる為、案外費用もバカにならない。
必要かつ基本的な問題しか出ないのでしっかり覚えていればまず落ちない……と言いたいが、ひっかけを狙っている設問や微妙に難解な文章の設問もちらほら見受けられる。
ひっかけを見抜くことは当然として、何よりも確実に正解を取れるところは取っておくことこそが確実な合格へと繋がる。
実際そこそこ落ちる人を見かけるので、変に面倒がったりナメてかかったりしないで、真面目に勉強しましょう。
自動車学校ではひっかけられやすい箇所(注意点)を教えていることも多いので、後から復習すればいいとは思わずどうにか眠気を我慢して受講しよう。

教習車

実技教習や試験に使用される車両たち。
教官用のスピードメーターや補助ブレーキなどが装備された「特殊自動車」で、ナンバーはいわゆる8ナンバーを装着する。

  • 二輪車
二輪の普通免許は殆どがCB400Fourだったが、現在はCB400 SUPER Four(場所によってHYPER VTECモデル)が普及している。さすがに現在はほとんど存在しないが、CB400Fourの前はVFR400Kなどであった。
大型はCB750Fourが主流だったが、CB750の生産が終了したためか一部ではXJR1300や883Rを導入したりもしていた。現在はNC750Lが主流である。
また二輪は教官による監督・追従・補助が難しいため、公道での教習や試験を行わない。(代替としてシミュレーション機による擬似路上走行体験、事故発生場面についての学習を行う。)

  • 普通車
後方の確認がしやすいなどの理由から原則として5ナンバーのセダン型が使用される。
車種はトヨタ自動車のコンフォート教習車やカローラアクシオベースのトヨタ教習車が主力だが、近年では前述のベースとなる車種が日本でほぼ発売されなくなったことから、3ナンバー車やメルセデス・ベンツ等の外国車を使う教習所もある。
変わったところではマツダ教習車で、これはタイで生産されているマツダ2のセダン(これも市販車は日本未導入)を国内向けに改装して導入している。
近年では市販車での普及もあり、ハイブリッドカーや電気自動車を教習車に使うところもある。
MT免許の教習でも高速教習ではAT車を使う事がある。これは教習所によってまちまち。

なお、その教習所が自動車メーカーのお膝元である場合は特殊な車両が教習所に回されるケースもある。
一例では群馬県の太田市は株式会社スバルのお膝元で、教習車は長らくスバル・インプレッサを使用している。

法律上は「乗車定員5人以上で、長さ4,400mm以上、幅1,690mm以上、軸距(ホイールベース)2,500mm以上、輪距1,300mm以上の普通車」と決められている。

  • 準中型車
2017年に新設された新しい免許区分。小型トラックがメインで使われ、ダブルキャブ仕様車が多い。

  • 中型車
中型トラックをベースに積載量を上げた増トン車が使われる。ダブルキャブ仕様で、荷台にはダミーウエイトを載せている。

  • 大型車
大型トラックの前輪1軸、後輪2軸、ダブルキャブ仕様車。ダミーウエイトは勿論ある。

  • 二種免許
普通二種免許は普通車と同じ。
中型二種の教習車は幅2.5m、長さ9mのバス。
大型二種の教習車は幅2.5m、長さ11mのバス。
中型・大型二種の教習車は前ドアがなく、その部分に教官席が設置されている。ただし中古の路線バスを転用した場合は普通に前ドアがある。
バックアイはあったりなかったり。

  • けん引免許
トレーラーなんかを運転するのに必要なけん引免許はセミトレーラーを使用する。頭は中型車と同じ。

  • 大型特殊自動車免許
フォークリフト、クレーン車、ロードローラー、ショベルカー等の重機を公道で運転するのに必要な免許。
対象となる車種は数多いが、教習車にはフォークリフトを使用することが多いようだ。
なお、勘違いされがちだが、この免許は重機を「公道で走らせる」ために必要な免許であり、これを操作して工事などの作業を行うには別の免許が必要。

用語


  • 通い
自分で教習を受けたい日をその都度予約し、学校に行って授業を受けること。
最も一般的な自動車学校の形式。
少子化や車離れ(特に都会)などで生徒数が減少していることもあり、気に入った教官を指定できたり、温泉があったり、高級車で教習できたりとどの学校も生徒確保に必死。

  • 合宿
自動車学校付近の寮や宿に宿泊し、学科授業や実技教習を朝から夜までみっちり受けて卒業まで持ち込む形式。
取得する免許の内容にもよるがだいたい14日~20日くらいで卒業できる。
決まった時期にまとまった人数を見るためか、宿代を含めても通いの場合より安く済む場合が多い。
最寄り駅までの交通費が出る場合もある。
詳しくは合宿免許を参照。

「とにかく安く、短期間で卒業したい」という人にはうってつけの方法。
ただし短期間で教習を終わらせられる分、原則として私用による途中帰宅はできず、
見ず知らずの人と共同生活を送ることもあるので日程や内容はしっかり検討する必要がある。
また、合宿ができる教習所はド田舎にあることが多く、交通量が少ないので、第二段階の公道教習がヌルいとされる。
その分、都会で運転した時に戸惑ってしまうこともある。

  • 効果測定
前述した学科の検定試験。○×式で仮免50題・卒検95題、時間は30分。ペーパーまたはPCで行う。
油断していると細かいミスで失敗することも多い。
一定回数以上落ちると補修を受けさせられたりすることもある。
これに受からないと終了検定や卒業検定が受けられない。

  • 仮免
「仮運転免許」の略称。
第一段階終了時に付与される。
これがあると、特定の条件を満たした場合に私有地以外での運転が可能になる。

  • みきわめ
実技第一段階および第二段階、全ての技術を獲得したと認定した教官が受講者に与える称号。
効果測定同様、これが無いと終了検定や卒業検定が受けられない。

  • 自主経路
教官が道を指示するのではなく、目的地のみを指示し経路は自分で考えること。
運転よりも経路を覚える方が面倒だともっぱらの評判。経路を間違うと計画の立て直しとなる。そうなると焦って失敗する人が多い。
レアケースだが、経路を間違え続けた挙句目的地に到達できなくとも運転に全くミスがなければ合格がとれたりもする(全ての自動車学校で判断基準が同じかどうかは不明)。

  • 教官
文字通りである。学科や実技でお世話になる。
どこの教習所にも短気・ヒステリック・不快な教官はいるので担当になったら出来るだけ早く卒業できるように頑張ろう。
しかし厳しくしているのは本当に安全運転して欲しいという気持ちが根底にあることも忘れないように。

どうしても反りが合わないときは、学校によっては申し立てて教官をチェンジすることができたり、
教習所によっては授業そのものがオムニバス形式で毎回担当が変わることがあったりするのでうまく活用しよう。

一方教官が優しかったり、やたらフレンドリーだとドライブ感覚の楽しい教習になるので人気も高い。

しかし世間話に気をとられていると注意力散漫になったりミスしたりするので注意。

こちらの方に顔を向けてなくても助手席のミラーでしっかりチェックしているので集中して運転しよう。


  • 公認
教習所には「指定自動車教習所」と「届出自動車教習所」の二種類があり、一般に「公認」と看板に掲げているのが前者、それ以外は後者と考えてよい。
よく「公認がある」とか「まだ公認がない」とか言われる。

どこの公認かというと、公安委員会の公認(指定)を受けた、ということであり、講習内容などの条件を満たしたうえで、ある程度の実績が必要となる。
先述の通り公認のある自動車教習所を卒業すれば試験場での実技試験が免除される。
卒業者の事故率が高い、合格率が低いなどの理由で公認が取り消されることもあるため、各自動車学校では卒業の際に「一発で合格してくださいね!」などと念を押すこともある。



余談

  • 運転教本に出てくる女の子はどこぞの動画サイトでまとめられているくらい可愛い。
  • 危険予測のビデオの見所は見事なカースタント。ぶつかる前に自ら吹っ飛ぶため現実の事故ではありえない安全な吹っ飛び方をする(車の上を転がるなど)。
  • とある教材ビデオに出てくる事故を起こす男がどうみても俺達。
  • 一般的に通学よりも合宿の方がとりやすいが、免許を取りやすい自動車学校はだいだい事故率は高い傾向にある。
  • 一般的には自動車学校、自動車教習所と呼ばれるが地方によっては車校や自校等と呼ばれたりもする。
  • 運転免許更新でもそうだが、自動車学校入学時点でも視力が悪いと入学出来ない。視力が悪い人はちゃんと度の合うメガネやコンタクトレンズを用意しておこう。

自動車学校で教えてくれないこと

  • 給油方法
一切教えてくれない。セルフガソリンスタンドが主流である現在では、自分で給油するのがほぼ一般的である。が、自動車学校ではせいぜい「自動車はガソリンで動く」ということくらいにしか触れない場合が多い。
  • 教習車以外の車両のこと
当たり前といえば当たり前だが、細かな機能の差異や運転の仕方について違いが出ることについて一切触れない。
  • 自動車の管理方法
最も基本的なメンテナンスであるオイル交換、エレメント交換など一切触れない。車検というものについてもほぼ触れることはない。
(※別の筆者だが、オイル交換程度の基本的メンテナンスは自動車学校で教わったので場所によって異なるのかもしれない。)
その他にも、例えば外気温が平均して低い寒冷地の場合「サイドブレーキをかけず、ATならパーキングレンジ、MTならリバース及び1速」に入れて停めておくといった方法が必要(厳寒期等はサイドブレーキワイヤーの凍結により走行のトラブルの原因になる)だが、自動車学校は基本的にはそれを教えない。


上記以外にもさまざまな事柄があり、近年発生した事例では…

『免許を取り立ての初心者が「運転していたら車が動かなくなってしまった」と電話があった→駆けつけてみたらガソリンが底をついていた』
 →給油という概念を知らない

『中古車屋で試乗のために店員の監督のもと運転席に座る→「あの、これってどうやってスイッチを入れるんですか?スタートのスイッチがどこにもないのですが」』
 →教習車がボタンスタートであったため、キーシリンダーでスタートするということが分からない

『↑の続きで、始動方法を教えてキーを渡す→キーを回してエンジンがかかっても、キーを回し続けた状態を続けようとする』
 →教習車がハイブリッドカー化していたため、エンジンをかけるということが分からない

といった件も発生している。
これらの実例は、自動車保有の必要性・必然性の低下ととも自動車に対する理解度が下がっているためであり、自動車学校ではこれらのことに一切触れないため「車に知識・興味のない人が免許を取得した後、マイカーを手に入れた際のトラブル等の発生原因の一端」として無視できないものとなっている。
最も、自動車学校はそもそも営利団体であり、「入所した教習生に"免許を取得させる"」ことだけが至上命題あるため、それ以外のことに触れないからと自動車学校に非は無い。

自衛隊の自動車教習所

一般人が通うことはできないが自衛隊は指定教習所と同じものを自前で持っているのでオマケ的に紹介する。
自衛隊自動車教習所とか訓練所を略して自教とか自訓などと呼んだりする。
なぜ自衛隊が独自に教習所を持つのかというと、大型免許の絡みがあるからだ。
大型免許は普通免許などの 下位免許をとってから3年間の運転経験 がないと取得できない。
下位免許さえあれば後は3年ペーパードライバーでもいいけどね
しかし自衛官は特例で18歳からいきなり大型免許を取得できるとのを聞いたことがないだろうか?*1
自衛官は民間人と違って大型から取れるが、それはつまり民間の教習所には存在しない
18からいきなり大型車を乗るための教育訓練カリキュラムが必要
それを教える教習所は自衛隊以外には必要ないということになる。
だから「いきなり大型」を教えるための教習所を自衛隊で持っている。
そしてせっかく教習所作ったんだから「いきなり大型」じゃなくても
入隊した時点で普通免許プラス3年経ってる隊員や、大型じゃなくて中型でもいいやって隊員向けにも
教習所に受け入れる余裕がある限り教習している。*2
ちゃんと公安委員会の許諾を受けていて、教官や運営も自衛官がやっているので教習や座学や試験は普通の教習所と同じ。
卒検以降の筆記試験は公安委員会に出向いて受けるのも同じ。

ただし、民間の教習所は 学生がお金を払う側の「お客様」
サボろうが何しようが客の勝手である。客だからお金を無駄にする権利すらある。
教習所はお金と引き換えにお客様に教育という商品を与えるお店なので
妙な教習をして客に悪い評判を与えたくないし、なるべく早く技能を覚えて卒業してもらわないと回転率が落ちる。
なのでお客様方を確実に効率よく学んでもらって満足度を下げず早いうちにどんどん卒業してほしい立場となる。
(どう教えても素質ないような人は退校させた方がお店にも都合がいいだろうけど)

それに対して自衛隊の教習所は「自衛官が」「職務に免許が必要だから」「本来の仕事を休んで給与はそのままで」通うのだ。
教習所自体も同じ自衛隊施設、教官も同じ自衛官、
というか「 規定の日数までに免許と運転技能を身に付けてくることが仕事 」なのである。

「てめえら給料貰いながら教習受けるってことをわかってんだろうな〜」ということで
ミスったら 良くて罵声 、下手すると車から降ろされて蹴りを食らってから教習再開になる。

自衛隊はタダで免許が取れるよ。嘘じゃないよ。

ちなみに自衛隊の教習所で取った大型免許は「大型車は自衛隊車両のみ」の限定が付く。
これは自教は2008年以前の大型と普通の二択しか免許がなかった時代から教習機能をアップデートしていないためだ。
(自衛官が自衛隊内部で自衛隊車両を動かせれば良いので直す必要性も予算もない)

そのため「大型は自衛隊車両のみ」免許を持った自衛官が退職した場合も中型は乗れるし
「2007年以前の基準の大型」を動かせる免許なので今の中型よりちょい大きい自動車もやれるはずなんだが
そんな隙間みたいなケースを要求するよりは限定解除して普通の大型乗ってもらえということなのだろう。

さて話を戻すと自衛隊教習所は「いきなり大型」の必要がある隊員を優先する教習所なので
「うちの部隊で大型乗りを2人増やしたい…候補者は2人で、入隊したてで免許ない19歳のA君、普通免許取って3年経ったばかりのB君かあ」
「えっ?今年の自教の枠は『いきなり大型』を一人分しかないんですか?」
「じゃあAを自教に入れて、Bは 部隊が金を払うから民間教習所に行け
というケースが起こりうる。

Bはたまたま民間の教習所でも大型取れる条件を満たして自教枠がなかったので
優しい教習所で外でも使える大型免許を国費で取れることになった。A君がんばれ

戦車部隊への配属の場合、大型免許をすっ飛ばして大型特殊免許のみの取得を命じられる時がある。
出来上がるものは「原付とカタピラ車限定の大型特殊」のみ乗れる免許証である。
これはトリビアの泉でもネタにされた。

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最終更新:2023年10月31日 17:15

*1 もちろん戦車とか特殊な車とか「若いうちにでかい車を動かす職務の隊員」のみの話で、車両適正検査が良かった子しか関係ない話だが。

*2 入隊してすぐはどんな隊員かわからないので1、2年様子を見てから「こいつには国費で免許取らせてもいいかな」となるので、免許取らせようと思った頃には下位免許+3年を満たしてることは往々にしてある。