赤松楓

登録日:2017/01/19 Tue 16:58:57
更新日:2024/02/05 Mon 23:37:50
所要時間:約 7 分で読めます






…はじめまして、私。この狂った物語の主人公さん。




赤松(あかまつ)(かえで)とは、ゲーム『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』の登場人物であり、本作の主人公。
シリーズ初の女性主人公でもある。(番外編や外伝も含めると3人目。)



《超高校級のピアニスト》の肩書を持つ、幼少の頃からピアノと共に育った少女。
寝るのも食べるのも忘れてピアノに打ち込むほどの、自称&他称”ピアノバカ”であり、その腕前がコンクール等で認められ、超高校級の称号を与えられた。
彼女のピアノの腕前を象徴するエピソードとして、なんでも某国の王がお忍びでピアノを聴きに来たという話もあるほど。
実際に作中でもクラシックの名曲を会話中の例えに用いたり、コロシアイという状況下でもピアノを弾きたい欲求を抑えられなかったりと、
その”ピアノバカ”っぷりは度々描写されている。

性格は明るくて前向き、皆を引っ張っていく求心力を持ったリーダー気質。
才囚学園のコロシアイに巻き込まれても「ここから出たらみんなで友達になろう」という目標を掲げ、
その状況に真っ向から立ち向かうべく行動するなど、主人公に相応しいメンタルの強さがうかがえる。

ピンクのベストに金髪のロングヘアー、そして歴代主人公と同じく頭頂部のアンテナが特徴。
さらに音符の形をしたヘアピンや、五線譜が踊る丈の短いスカートなど、服装の端々からピアニストらしさ(?)も垣間見え、
背中にはボックスタイプのリュックを背負っている。

また、過去のキャラクターを含めても非常にスタイルが良く、バストは90cmの大台に乗っており、
身長も167cmと女性にしては比較的高めである。(そもそもロンパ女子の身長が全体的に高めなのはあるが。)


学級裁判におけるセリフは、それぞれ以下の通り。

論破:「それは違うよ!」
賛成:「それに賛成だよ!」
偽証:「この嘘を真実に!」
パニック議論:「聞こえたよ!」
反論ショーダウン真打:「その言葉斬っちゃうよ!」
議論スクラム全論破:「これが私たちの答えだよ!」
発掘イマジネーション:「これだよ!」
ブレインドライブ:「繋がったよ!」
選択肢正解:「そっか!」
証拠品提出:「そっか!」
選択肢不正解:「しまった!」


今作から登場する「パニック議論」は複数人が同時に話す中で論破をするというシステムだが、
これを聞き分けられるのは赤松がピアニストであるから、という理由付けがされている。


物語冒頭で自分と同じく隣のロッカーに入っていた最原終一と出会い、それから行動を共にするようになる。

1章以降も最原とは無印の苗木誠霧切響子タッグを彷彿とさせる息の合った推理を見せ、
時には反発しつつも、それでも互いを助け合い、支え合いながら、コロシアイ学園生活とその首謀者に立ち向かっていった。




追記・修正は寝る間も惜しんでピアノに打ち込みながらお願いします。




さようなら狂った物語の主人公さん





































以下、第1章の重大なネタバレを含みます。







































ここまで…みたいだね。


やっぱり、私じゃ無理だったか。首謀者の正体には辿り着けなかったね。









第1章『私と僕の学級裁判』における、天海蘭太郎を殺害した犯人。


…そう、まさかのいきなり主人公がクロになるという前代未聞の展開であり、これには身構えていたプレイヤーもその多くが度肝を抜かれた。

上記の「彼女が本作の主人公である」という記述は間違いではないが、厳密には彼女が主人公を務めるのは序章~1章学級裁判終盤までの間のみ。



犯行に至った動機はモノクマの提示した「タイムリミット」。
元々は、そのリミットまでに殺人が発生しなければ大量のモノクマを動員してコロシアイ参加者を皆殺しにするというモノクマの脅迫に対し、
赤松と最原はコロシアイの首謀者を暴くことでそれを防ごうと考え、タイムリミット寸前に図書室の隠し扉に首謀者がやってくるはずだという最原の推理から、
入間に作成させたセンサー付きカメラを図書室に設置し、それによって首謀者を隠し撮りすることで正体を暴く」という計画を立てていた。

しかし「本当に首謀者を暴いただけでコロシアイは終わるのか?」「首謀者がそのまま皆殺しを強行したら?」と考えた彼女は、密かにあることを決意していた。
それは、決して自分だけが生き残るためでも、ましてや私怨によるものでもない。ただ、みんなでここから出て友達になるために……
この手で首謀者を殺す事でコロシアイを終わらせる」という美しく残酷な決意だった。


彼女の犯行のトリックは最原が立てた計画を利用したものであり、

①切ることになっていたはずのカメラのフラッシュ機能を最原に隠れて作動させておく。
②カメラのシャッターが作動したタイミングで、見張りの教室から図書室へと繋がる通気口に砲丸を投げ込む。
③砲丸は本で作られた道を通り、フラッシュでカメラに気付いてそれを調べようとする人間の頭上に落ちる。

という、大掛かりなピタゴラスイッチ仕掛けだった。

実は彼女による犯行及びその準備は、ぼかされてはいるが地の文においてしっかりと描写されているという叙述トリックの形を取っている。
(例:砲丸を通気口に投げ込む際には「私は手にしていたものを投げ捨てて」という描写が存在するが、その直前まで赤松が箒を持って教室を掃除していた事が上手くミスリードになっている。)

もっと言うとこの一連の犯行は全て同行していた最原の目の前で行われたが、彼もまた実際に事件が起きるまで彼女の犯行に気付くことはできなかった。*1



しかし、死体となって現れた天海は首謀者ではなかったことが判明し、モノクマは学級裁判の開催を宣言。
加えて前以てモノクマが提示していた「クロだと名乗り出たらその場で卒業できる」という初回特典によって、自白して罪を償うということも叶わない状況に。
それでも彼女は「学級裁判さえも利用して、首謀者探しをする」という決意の下、裁判に臨むのだった。

実際に裁判に突入してからも赤松は”犯人を探す”とは言わず一貫して”首謀者を探す”と発言しており、
途中で最原が疑われても「彼がクロでないことは誰よりもよく知っている」と胸中で述べるなど、ここでも一応伏線は張られている。



プレーヤーは終盤までは赤松を操作して裁判を進めていくが、裁判が進むにつれて最原の様子がおかしくなっていく。
誰よりも赤松の近くにいた彼は彼女がクロであるという可能性に気づいていたが、真実を暴く事を恐れて口を開けずにいたのだ。

それに気づいた彼女は偽証をしてまで最原の潔白を証明し、自らが犯人だという残酷な真実へと、仲間たちを、そして最原を導いていく。
その姿から最原は彼女の真意を悟り……それを受け継ぐことを決意する。





キミが僕に託そうとしているもの……

"キミの想い"は……

……無駄にはしないよ。





そしてプレーヤーの操作は、からへと移り変わる。

かくして、「狂った物語の主人公」は探偵によってその犯行と真の動機を暴かれ、最初の学級裁判は終わりを告げた。

おしおきを前にした彼女は、自身の望みだった「残されたみんながコロシアイに打ち勝って、外に出て友達になること」を願い、
彼女の優しさに支えられていた仲間たちの涙に見送られながら、処刑台に昇っていった。





私は信じてるから! だから、キミも自分を信じてあげてね!

…ね? 約束だよ。




おしおき:『ねこふんじゃった

首輪で吊り下げられた赤松が落ちた先は、巨大なピアノの鍵盤の上。
そのままモノクマの指揮とモノクマーズの操作の下、首を吊られながら全身で”ねこふんじゃった”を演奏させられる。
首元を抑え苦しみながら振り回される赤松、高速化していく演奏、響くブーイングと次々投げ込まれる石……

……演奏が鳴り止んだ時には、首を吊られたまま傷だらけで力無く項垂れる彼女の姿があった。
更に、裏に無数の棘のついた鍵盤の蓋が彼女の方へ倒れていく……

その直前、突如モノダムがモノキッドを鍵盤の中に突き飛ばす。

呆然とする生徒たちの目の前に残ったのは、まるで彼女を食したかのようにその血を閉じた鍵盤から垂れ流す"人喰い"ピアノ。
そして彼らの足元には、同じくピアノの餌食となったモノキッドの生首が転がるのだった…。



こうして、物語は最原終一を主人公として続いていく。彼女が遺した想いを胸に抱かせながら。

彼は、もう二度と真実から目を背けないと、みんなと一緒に外に出たいと願った君の想いを無駄にしないと、
遂に主に弾かれることのなかった、彼女の研究教室のピアノの前で―――軽やかに鍵盤を叩く、彼女の面影に誓ったのだった。





うん、約束だよ。
…後は任せたからね、最原くん。

…さようなら。






【余談】
  • 彼女のことを「悲劇の主人公」と評してしまうのは簡単だが、経緯や結果はどうあれ、
    彼女が明確な殺意を抱いたこと、そして目的のためなら実際に人を殺せてしまう人間であることは、疑いようのない事実である。
    だが、その事実こそが彼女を「只の前向きなだけの主人公」ではなく「狂った物語の主人公」たらしめている、大きな魅力の1つでもある。ちなみにクライマックス推理における犯人を名指しされた際の彼女の表情は結構悪い微笑みを浮かべている。自身の行いを自虐的に非難しての微笑みと思われるが、その描き方はなかなかに皮肉が効いている。

  • 赤松操作時の通信簿イベントは1章限定のものとなっている。1章で退場してしまう都合で用意されているのは各キャラそれぞれ2イベントまでだが、
    ちゃんと全員分しっかり存在するので、コンプリートするには何度か1章の自由時間をやり直す必要がある。

  • 本編クリア後に解禁されるおまけモード『だんがん紅鮭団』では、彼女を操作する事は出来ない。
    発売前のゲーム情報誌では赤松視点での同モードの紹介画像も載っていたため、シリーズ初の女キャラ視点によるギャルゲーモードを期待していたファンはその期待を裏切られる形となった。そのため、ファンからはDLCとしてでも実装してほしいという要望も少なくなかった。

  • また、(非)日常編で最原を操作出来るのは2章からであるため、赤松と天海の最原視点の通信簿は紅鮭団でしか埋められない。
    多くのプレーヤーが彼女との通信簿イベを求めて血眼になって彼女を探し回った。(赤松は寄宿舎入口付近にいるため、初見だと中々見つけにくい。)

  • 同じくおまけモードである『育成計画』では、舞園澪田など、歴代の音楽関係キャラとの会話等をイベントで見ることができる。
    また、本編とは違い最原を異性として明確に意識している描写があり、百田に最原の事を冷やかされたり、2人きりで食事に行こうと誘ったりしている様子。
    末永く爆発しろ。

  • 『ハッピーダンガンロンパS 超高校級の南国サイコロ合宿』では、色々なキャラと仲良くしている様子が見られ、腐川入間の口の悪さにも冷静に対応して見せている。
    また、それまでは遠出してもピアノの事ばかりで旅をあまり楽しんでこなかったため、島で見た事や感じた事をめいっぱい楽しもうという考えから、天海の協力を得てジャバウォック島の手描きの地図を作成している。
    ちなみの彼女の演奏は、普段はクラシックを聴くと寝るタイプであるこまるでも夢中で聴いていられるらしい。

  • 中の人が舞台版の江ノ島盾子であること、公式HPでの「1章はアレ」という警告などから、彼女が1章で死亡する事を予想する声はそれなりにあったらしい。
    …流石に、クロになる事まで予想できたプレーヤーは少なかったと思われるが。

  • 音楽関係の才能、1章で犯行を行う(共に結果としては失敗)、1章での主人公との同行キャラ、主人公の後の行動や想いに大きな影響を及ぼす…など、
    一作目の舞園を彷彿とさせる共通点が多く仕込まれている。その一方で、
    「学級裁判のルール(存在)を知らなかった舞園と、知っていた赤松」
    「犯行に失敗し逆に返り討ちにあった舞園と、犯行自体には成功している赤松」
    「学園の外にいる仲間のために事件を起こした舞園と、学園の中にいる仲間のために事件を起こした赤松」
    「主人公に罪を着せようとしていた舞園と、主人公の罪を庇おうとした赤松」
    のように対になっている部分も多く見られ、舞園に対するアンチテーゼ的な存在として作られたのではという声もある。只の偶然なのか狙ってのことなのかは不明。

  • デスゲーム作品のダブル主人公の片割れ」「まだ最終回ではないのに死んでしまう」「死亡シーンの発表日(赤松の場合はゲームの発売日)が1月12日」など某特撮主人公と共通点があったりする。ただあちらはある意味赤松以上に衝撃的な死を遂げているが……。

  • 「主人公の後の行動や想いに大きな影響を及ぼす」「金髪」「巨乳」「序盤で死ぬ」「食べられて死ぬ(赤松の場合は比喩的に)」「ほかの重要人物の前でむごたらしい最期を迎える」など、某魔法少女と共通点があったりする。

  • 前述の通り「パニック議論」を聞き分けられるのは赤松がピアニストであるからという理由付けがされているが、別に最原でも聞き分けられるついでに言うともう1人聞き分けられる人物がいる。

  • 「主人公」という生存フラグを堂々とへし折ってしまったキャラクターである。余談だが「操作キャラ≠プレイヤー」という図式を利用したギミックとしてはバテン・カイトスシリーズがある。

  • 彼女のドット絵が描かれたコロコロスタンプが発売されている。しかし、1章プレイ後に使うと先述の内容から(悪い意味で)狙った感が見える。

  • 体験版の最原のセリフに「3人の主人公の部屋だったよね」というものがあるが、1章プレイ後に見返すと中々皮肉が効いている。


追記・修正は手にしているものを投げ捨ててからお願いします。

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最終更新:2024年02月05日 23:37

*1 一応、行動が時折不自然だと違和感を抱いてはいた。