ハーピー/ハルピュイア(ギリシャ神話)

登録日:2016/10/21 (金) 23:12:00
更新日:2024/01/06 Sat 08:45:04
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ハーピー/ハルピュイアとはギリシャ神話に登場する怪物である。
半人半鳥、或いはハゲワシの体に人間の女性の頭を持つ姿として描かれることが多い。
ハーピィとも。

・説明

父親は海神ポントスとガイアの息子タウマース、母親はオケアノスの娘であるエレクトラで、妹に虹の女神であるイーリスがいる。
このように由緒正しい生まれなのだが彼女達は神の血が薄かったのか、醜い怪物として生まれてしまっており、母親の美しさは妹のイーリスが正統に受け継いでいる。
元々はクレタ島の土着信仰に伝わる風の精霊だったらしく、暴風と共に飛び、群雲の乳を搾ると伝えられている。
これは雨雲の事とされており、彼女たちが雨をつかさどる事を詩的に書いたものと思われる。
ちなみに、ギリシャ神話が浸透していない時代では醜悪どころが、むしろ可愛らしく描写されている。

神々に罰せられ、盲目にされた預言者にして王であるピーネウスの食事を、しゃがれた金切り声をあげながら貪り食った挙句に糞をまき散らして餓死寸前にするエピソードで有名。
そこをたまたま通りかかったイアソン一行の一人である有翼人の兄弟ゼテスとカライスによって長い追跡劇(現代で言うならドッグファイトか)を展開、
武装した二人が武器の重さであまり早く飛べない事をいいことに素早く飛び回り、翻弄するも持久力の差で音をあげ、結局捕まってしまう。
イアソン一行はこのまま殺そうとするが母親にハーピーの一人であるケライノを持つゼテスとカライスは流石に叔母でもある彼女達を殺す事が出来ず、
騒ぎを聞きつけたイーリスが駆け付け、仲裁に入り、二度とピーネウスの食事を貪り食わないように言っておくので殺さないでほしいと要求。
イアソン一行もこれを承諾すると彼女たちはクレタ島の奥地へ帰っていった。

また、ダンテ・アリギエーリの神曲にも登場し、自殺者の森に棲む獄卒的な存在として描かれ、自ら命を絶ったことで樹木に変えられた者達の葉を啄むという。


・創作上では


半人半鳥という姿から、同じくギリシャ神話に登場するセイレーンと混同されることがあるが、
セイレーンと違って美女としては伝わっておらず、声も美声どころかしゃがれた金切り声の上に糞をまき散らす等むしろ醜い存在として伝えられており、ある意味では対を成している。

しかし、近年ではそういった醜女として描かれることは珍しく、セイレーン同様に美女として描かれることがほとんど。
「美しい乙女」として描かれるセイレーンに対し、ハーピーは色気全開のセクシーなお姉さんか、野性味溢れるワイルド美少女として描かれることが多い。
具体的にどんな感じかと言えば、明確に彼女らをモチーフとしている『遊戯王』に登場するモンスター、ハーピィ・レディを見ればだいたい分かるだろう。


・余談


名前は掠め取る女という意味であり、複数名はハルピュイアイ。

ハルピュイアはギリシャ語読みでハーピーは英語読み。


勘のいい人は気づいたかもしれないがモデルは説明を見てわかる通りハゲワシ
というのもハゲワシは死体を貪り食う生態だが血まみれになりながら内臓を啄むその様が恐ろしげであり、
ピーネウスの飯を貪り食う彼女たちのモデルになったと言われているのだ。


【登場作品など】


  • 追記・修正はハーピーに食事を邪魔されないようにお願いします。

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最終更新:2024年01月06日 08:45