ポケモン・ザ・ムービーXY 光輪の超魔神 フーパ

登録日:2016/07/27 Wed 06:41:44
更新日:2024/04/09 Tue 09:43:37
所要時間:約 9 分で読めます





あらたな伝説のおでましだ!




出典:ポケモン・ザ・ムービーXY 光輪の超魔神 フーパ、OLM・TEAM KAMEI、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku、
©Pokémon ©2015 ピカチュウプロジェクト、
©2015 Pokémon. ©1995-2015 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.、東宝、2015年7月18日公開。


『ポケモン・ザ・ムービーXY 光輪(リング)の超魔神 フーパ』とは、2015年7月18日に公開された劇場版ポケットモンスターシリーズ第18作目である。

同時上映は『ピカチュウとポケモンおんがくたい』

●目次

◆概要

アニメ『ポケットモンスター XY』の劇場版となる。
ちなみに2015年秋には『XY&Z』編へ突入した関係上『ポケモン・ザ・ムービーXY』としては早くも最終作。

前作ラストに公開された初予告ではゲンシカイキした超古代ポケモンの映像が流れていたが、どちらかといえば脇役寄りに抑えられている。
とはいえ何気にグラードンが登場した初の劇場版作品なのでそれを喜ぶファンもいたとかいないとか。

BW以降一部のBGMを除いてDP以前のBGMが使われていなかったが、アレンジ版として多数流れており、
「砂漠でバケーション」と「レッツゴー」が無印編か締めで流れていた「続くッたら続く」。
「俺たちも戦うぞ」が『ルギア爆誕』の「脱出」。またルギアの登場BGMではアレンジ版でその映画のキャッチコピーだった「命をかけてかかってこい」が曲して引用された。
他にも「伝説VS伝説~砂塵の大決闘~」では冒頭にメガシンカBGMが流れた後、『水の都の護神』のBGM「出撃」のアレンジ。
「~希望の光~アルセウスのテーマ~」が『アルセウス 超克の時空へ』 のBGM「さらば未来の子供たち」としてアレンジされるなど過去の映画で使われたBGMがアレンジとして使われた。


前作が30億割れした危機感からなのか、前売り券の内容も歴代屈指で豪華。
アルセウスと、カイオーガ・グラードン・ディアルガ・パルキア・ギラティナ・キュレムから選択して1体選べる仕様となっている。
特にアルセウスは一定の確率で色違いで、おでましポケモンもキュレム以外性格固定など、ガチな仕様となっている。
更に同年実施された他のイベントも合わせれば、メガラティアス以外のゲストポケモンは全てどこかで配信されている。

ところが、配布ポケモンや映画の宣伝に力を入れ、前売り券もそれなり好評だったにもかかわらず、興行収入は前作を下回り歴代最低を記録した。何でやねん。
2014年から続く妖怪ウォッチブームなどが一因と思われる。
現在は次回作が歴代最低を更新*1したため、その位置にはいない。(その次回作は2020年冬の映画が歴代最低を更新し、その位置にはいない。)

更にどうでもいいが第6世代の劇場版作品で唯一タイトルに入るポケモンが1匹だけだったりする。

ちなみに長いポケモン映画の歴史の中で初めて、サトシが伝説ポケモンに明確に指示し、バトルする作品
これは脚本が冨岡淳広氏に変わったことも大きいだろう。

映画は70分と短めだが、小説版は脚本の冨岡氏が執筆しており、補完版としても人気。

2021年の“みんなで決めよう!ポケモン映画歴代シリーズNo.1決定戦!”ではXYシリーズ1位を獲得。他のシリーズ一位の作品ともども、無料生配信が行われた。

◆あらすじ

旅を続けるサトシたちは砂漠の中にあるポケモンセンターで休んでいた。
セレナ作のおやつを食べる彼らだったが、明らかにおやつを盗む怪しげなリングが。

リングの正体は幻のポケモン・フーパ。
100年前に強大な力を封印され、バルザとメアリと共にデセルシティで暮らしながら封印を解かれる日を待っていたのだった。
ところが封印しているツボには『怒り』とそれを具現化した『影』が発生していて……

果たしてフーパは己の影を打ち破れるのか。そしてサトシとデセルシティを襲う運命とは!?


◆主な登場人物


ご存知スーパーマサラ人。
プールで遊んでたところフーパのいたずらに巻き込まれることに。
伝説級のメガシンカポケモンを率いたり、終盤では短時間ながら久々(『幻影の覇者』の嘘予告以来)の闇サトシ化するなどなかなかの活躍。

ポケモンパフォーマーの少女。この作品からショートヘアーで登場。
その腕前は着実に上がってるらしく、序盤でドーナツ型ポフレを作り好評を博した。

ミアレジムのジムリーダー。
生身で触れると危険ないましめのツボを運搬するため全自動持ち上げマシンを作る。
劇場版公開時にはシトロイドと一緒に配信ポケモンの受け取りに関する注意事項の説明を担当した。

シトロンの妹。
本人は大きな活躍こそしないが、後半にて野生のヒポポタスを連れ出し技の指示までやってのける。
もうポケモンレンジャーでも目指せよ。

  • バルザ、メアリ
フーパの世話役を務める兄妹。
メアリは本作のしょこたん枠。
彼らの曽祖父はかつていましめのツボでフーパの力を封印し、取り戻したければデセルシティで自分らと暮らすよう進言した。
幼少の頃のエピソードもあり、バルザの子供の頃のCVはナルト。

ご存知ラブリーチャーミーな敵役。
いましめのツボをポケモンパワーアップマシンか何かと勘違いした挙句封印を解いてしまう。
余談だが彼らが劇場版で事件の原因になるのはかなり稀(大抵ほかに悪役キャラクターがいるため)
その一方で、ラストシーンも久々に彼らであり、セリフこそなかったが「いいかんじー」を連想させる場面だった。
見所はソーナンスのミラーコート。
怪獣大戦争から逃げ惑うムコニャの前で、いつも通り体を張ってギラティナのシャドーボールを跳ね返す大活躍を見せる。


◆主な登場ポケモン

※本作ではシナリオの都合上かなりの伝説ポケモンが登場するが、多すぎるため暫定的に味方サイドのみ記載

  • ピカチュウ
ご存知電気ねずみ。
サトシの相棒の個体以外に、序盤でフーパのいたずらにより大量のピカチュウが召喚された。
おきがえピカチュも登場するよ!

フーパ

本作の劇場配信枠。くぎゅ。
異次元を介し様々なものを召喚できる能力を持つ幻のポケモン。
いたずら好きな性格をしており「びっくりした?」「おでましー!」「ギシシ(笑い声)」が口癖。
サトシとピカチュウを「サートン」「ピーカン」と呼ぶ。
召喚時は身体のリングを使用するが、自分自身がリングを通り抜けることはできない。

  • ときはなたれしすがたのフーパ
本作の山ちゃん枠。
こちらがフーパの本当の姿。
強大なパワーを持ち伝説級のポケモンを一気に複数匹召喚することすらできる。
最初町の人の食べ物を盗んだりして迷惑をかけていたが、その代わりに召喚した金銀財宝によって町は豊かになった。
が、他者を思いやる心が未熟だったのと村人がフーパの力に酔いしれて欲望を増大させ、
フーパ自身も自分の力に酔いしれて誇示しようとしたことが原因で、やがて伝説のポケモンによるバトルがエスカレートし大災害を招いてしまった。

現在はいましめのツボによる力でそのパワーを封印されている。
封印された力はやがて自我と怒りを溜め込み、他者の手により解放されることを望むように……。
呼び出した伝説ポケモン達を怒りの力で洗脳し操って攻撃を仕掛けてくる。
以降殆どの場面に出るのはフーパの影として。

伝説(幻)のポケモン

サトシの味方

フーパの影に対抗すべく、フーパによってリングから召喚される。

深海より登場。
フーパの影がフーパにご執心で注意散漫だったとはいえ、その機動力とパワーでフーパの影を圧倒し続ける高い戦闘力を見せた。
それゆえにフーパの影には危険視されて真っ先に送り返されてしまった。
映画だと特定不可だが、小説版ではあの海の神ルギアと同個体だとはっきり説明されており、サトシと会話をし、彼を「優れたる操り人」と呼ぶ。
スタッフ陣も思い入れが深かったらしく、はじめに呼び出されるポケモンとしてルギアにしたとのこと。ルギア爆誕でのBGMも用いられている。
なお相方はこんな事態になっても現れなかった。

石もなしにメガシンカしてサトシに協力。そのスピードで伝説ポケモン達の追撃をかわし続ける。
レックウザと共に召喚された時、サトシは「ラティアス!」「レックウザ!」と呼んでいるが、ラティオスに対しては不思議そうであった。
主演映画の件があるだけに意味深である。シンオウリーグ準決勝でも対決しましたし…。

過去作と異なり色違いの個体が登場する。
暴れん坊の緑色と異なり、フーパの影の危険性を理解してサトシ達に協力。
サトシ側の主戦力として、メガレックウザとなって八面六臂の活躍を見せる。

フーパの影が呼び出したポケモン

ホウエン伝説ポケモン。レックウザは前述通りメガシンカを披露したが、こちらはゲンシカイキしての登場。
カイオーガは蒼海の王子を手助けして以来二度目の映画登場だが、同一個体かは不明。
グラードンは千年彗星が見えた際に自身に似た化け物が出てきたが、ご本人の登場は初。

グラードンはすべてを掻っ攫った真の主役その2(その1は後述)。
怪獣大戦争で唯一飛行できずに置いて行かれる*2、キュレムを誤って攻撃しその後に彼の流れ弾で冷凍される*3
海上での伝説勢ぞろいの場面で自身は腰まで水に浸かっている*4、そんな不遇にもめげずに画面でしっかりセンターを確保する*5
最後に帰っていく伝説ポケモンで唯一徒歩で海を渡って帰宅する*6
などなど、
ルビサファの対カイオーガ戦に匹敵するアウェー感のかたまりで、ネタに事欠かない。

シンオウ伝説ポケモン。
各々の鳴き声は、神々の戦い3部作及びアニメ『D&P』と全く同じ。何なら「ときのほうこう」「あくうせつだん」も同じ。
ホウエン組と違い共演機会が多いポケモンたち。今作でも共演した。
鳴き声のせいで「モスラが敵として破壊の限りを尽くす作品」とも。

イッシュ伝説ポケモン。
お仲間は回想シーンで退場したので、ホウエン・シンオウ組と違って個人参戦となった。
別個体なのか、今作はゴジラではない。
その一方、レシラムとゼクロムの遺伝子を宿した最強のドラゴンポケモンであるという設定は『聖剣士』と同じ様で、
背中の翼に雷球or炎球を取り込んでブラックキュレムorホワイトキュレムに自由自在にフォルムチェンジできる。
川もゲンシグラードンも凍らせた。


その他のポケモン

かつてデセルシティに力を貸した伝説があり、バルザたちも彼の能力を宿したアクセサリーを持つ。
本物は終盤ちらっと登場。
小説版ではサトシがきちんとシンオウ地方の冒険で会ったことがあると言及している。

過去の回想でレシラムゼクロムと共にフーパと対決する形で登場。すべてを掻っ攫った真の主役。その活躍は推して知るべし。
モチーフはあの怪獣の電子音だろうか。配給が違うせいでその声が流用出来ないからか、人間の声を加工するという手段になったのだろう。
ちなみにCVはシンジ(『D&P』でのライバル)。

レジギwwwガガガガガガガガwwwwww


◆余談

この作品の序章ともいえる作品がセブンイレブンの映画前売り券の付属DVDとして「おでまし小魔神フーパ」が発売され、フーパとバルサ、メアリーの子供時代を描くエピソードがある。

尚、本作には伝説のポケモンが多数登場するが、配給元が配給元のため、その鳴き声が怪獣の王者やら、守護神の巨大蛾やら大地の神やら、三首の龍等の怪獣達の鳴き声が流用されており、ポケモン版大怪獣バトルというとんでもない事態となってしまっている。

また「おでまし小魔神フーパ」に同時収録された「フーパのおでまし大作戦!!」がおはスタにて放送され、
サトシとフーパのショートアニメで、フーパがリングからポケモンを出してサトシに様々ないたずらをし、最後には自分もそれが返ってくるオチとした作品が発売された。
サトシの表情の崩れ具合など、後の『サン&ムーン』の作風にも近い。


◆主題歌

  • エンディングテーマ『Tweedia』
作詞:Kenji Tamai, Akiko
作曲:Kenji Tamai, Masahiro Tobinai
歌:安田レイ



なあ、影とお前……、
どっちも『フーパ』なんだろ?

だったら、

仲良くするべきだよ。






次作→

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最終更新:2024年04月09日 09:43
添付ファイル

*1 2016年夏に『君の名は。』『シン・ゴジラ』公開や、来場者配布ポケモンも「SM発売前なのにハッピータイム覚えた普通のゲッコウガLv100」などの要因も重なった。

*2 フーパの能力なのか、カイオーガは空に浮いている。

*3 その後自ら氷を溶かして脱出しており、伝説らしい力は見せつけている。

*4 ルビサファでも一応は地面を作って頑張っていたのに……

*5 結果的に「猛烈に背が低い人」みたいに映っている。しかもセンターで目立つ。

*6 カイオーガは泳いで、それ以外は飛んで帰った。