銀河に名立たるハルトマン

登録日:2016/05/27 Fri 00:40:10
更新日:2023/11/09 Thu 20:37:41
所要時間:約 7 分で読めます







ゲーム『星のカービィ ロボボプラネット』のBGMであり、作中歌。
作曲は安藤浩和氏。作詞は後述。



概要

ゲーム側の星のカービィシリーズでは初となる歌詞付きの音楽。
実際にカラオケJOYSOUNDでも期間限定の配信が行われ、作中ではキャラクターが歌う場面も存在するが、どちらもキャラクターボイスではなく歌声っぽいメロディーで奏でられている(後述)。
『ロボボプラネット』までの本シリーズにおいて古くは『夢の泉の物語』のオリジナルサウンドトラックで宮田まこが歌うボーカルアレンジver.に溯り、直近では10年以上も前のテレビアニメ版のOP・ED主題歌(+αでエアロビ天国も)…と数は少ない歌詞付き音楽だが、本楽曲はそんな中で久々に作曲された形となる。


本作に登場する架空の組織「ハルトマンワークスカンパニー」のメインテーマソング。
社員の一部であるラボトリィ達は毎朝これを歌い、勤務に励むのだとか。
オープニングムービーに始まり、主に各レベルの通常ボス戦で流れる原曲「VS.悪のカンパニー」(理由は後述)と、原曲をカラオケ向けにスローテンポでアレンジしたバージョンなどが存在する。
ボス戦では相手が改造されたメタナイトだろうとクローン大王だろうと、特別なテーマを流すことなく一律でこれor一部フレーズを使用したテーマが使用される(例外はメタナイトボーグ改、D3砲、裏モードの一部ボス)ため、
彼らが今は「悪の組織の手先」であり、自分はそれと戦っているのだ…という実感が自然に湧く。
それ以外でも様々なBGMに多数使われているが、発売前から公式サイトで聴けるステージ1-1「キカイのせかいのだいぼうけん」でも最初のステージっぽくのどかにアレンジされたバージョンが使われるため、あまりのギャップに「この曲かよ!?」と思ったプレイヤーもいるだろう。



さて肝心の内容は、社歌と言うよりか、社長のプレジデント・ハルトマンの人物像が読み取れる異端の内容となっている。
歌詞を丸々掲載すると著作権侵害にあたるおそれがあるため全部は載せられない。後は各自実際にプレイするか検索するかして頂くとして、1~3番それぞれの内容をざっくり要約するとこんな感じ。


1番:ハルトマン賛歌
2番:ブラック企業丸出し
3番:カネ


どこが社歌なんだ!


1番には「銀河に名立たる王者」「星々を手折り束ねて」など、彼を支配者に祀り上げるようなフレーズが多い。
支配欲が極めて強い彼の人柄や、貪欲なまでに星の資源を奪い尽くす底無しの欲望が見えてくる。

2番は「心その身さえ捧げよ」と、捉え方次第ではブラック企業ともとれる物騒なフレーズが見られる。
また「宇宙を舞う青き翼」「夢歌う桃色の花」という、メタナイトとカービィの暗喩と思われる変わった部分も。
メタナイトは前述した通り、確かに全身改造済みの「メタナイトボーグ」としても洗脳されてしまっており、「心その身~」と非常にマッチしている。
ただ、「夢歌う桃色の花」に関してはカービィの歌ってぺんぺん草も生えないほど酷いはずでは…

3番には「黄金の化身」はカネの暗喩らしきフレーズが。悪の企業のトップらしい思考である。
その一方で3番の歌詞は今までと少し毛色が違い、何か意味深。どういう事なのだろうか。
なお、3番に限りゲーム内では収録されておらず、カラオケやニンドリ(2016年7月号)の記事でしか拝見することができない。



社歌ができるまで

当然、この歌はなにも無から生まれたわけではない。
リードサウンド担当の安藤浩和氏がハル研公式ブログで語るところによれば、まず、ゲームの開発序盤はもちろん真っ白な状態でスタートするため、ディレクターの説明や提示されるキーワードをたよりに作曲を行う。
前々作の『星のカービィWii』、前作の『TDX』がそうであったように、この最初期に作られたフレーズは作品全体を象徴し、統一感を持たせるためのテーマとしてステージ曲など他の多くの場面で用いられている。
今回はゼネラルディレクターの熊崎信也から「悪の企業っぽいテーマ曲を作って」と言われたため、テーマとなるフレーズを安藤氏が考えて最初に完成したのが、本作のボス戦BGMであったという。

ところが開発中盤、このBGMに関して安藤氏を驚かせる出来事が。

今度は突然、「”社歌”を歌うムービーを作る」と言われて、ちょっとビックリ。
「えっ!歌を作るの?」と思っていたら……
私が知らないうちにディレクターの熊崎が、既にボス曲のメロディに歌詞をつけていて、その場で歌ってくれました。
しかも三番まで!(笑)
「作らなくても、もうある!」というわけで、二度ビックリ。
まぁ考えてみれば、この曲はもともと「企業のテーマ曲」として作ったのですから、これが「社歌」として適さない理由もないわけで、これで行くことに異論は無かったのですが……*1

そう、前述の歌詞はなんと熊崎直々に作詞していたのだ。
元々ボスキャラやストーリーと並行して音楽へのこだわりようも有名である熊崎氏だが、まさか歌詞まで自分で作っていたとは誰が予想できたのだろうか。
安藤氏が二度ビックリしたのもうなずける話である。


フレーズが使われている主な曲

  • ファーストコンタクト
オープニングムービー「宇宙からのファーストコンタクト」にて、母艦アクシスアークスから大量のキカイ化装置とインベードアーマーが降下するシーンで流れる。
大規模な侵略シーンをバックに、軍歌のような物々しさが際立つ。

  • キカイのせかいのだいぼうけん/よみがえる大地
前述通り。
Nintendo Directで本作が最初に公開された時の音楽がこれであったのだが、まさかマジもんの社歌であったとは誰も予想できなかっただろう…
ある条件を満たすことで視聴可能となる「よみがえる大地」は前者のオーケストラ風アレンジで、機械をテーマにした本作と真逆の生きた音色による社歌は普段とまた違った趣がある。

  • ハルトマンワークスカンパニーのテーマ/つい、口ずさんでしまいましたわ♪
タイトルで「ん?」と思ったかもしれないが、厳密にはボス戦前のスージー登場時に流れるため、事実上彼女のテーマと言った方が正しい。
似ているように見えてイントロ等の部分が結構異なっており、後者はゲーム中に前述した歌声のようなメロディーに合わせて歌詞が台詞で流れる。
公式HPのしんりゃくレポートでは完成版に至るまでの試作曲が3つ公開されており、3つ目以外はかなり雰囲気が異なる。

  • マザーズ・キャプション
本作で初めて登場した、「ポーズ画面専用」のBGM。
一見なんてことは無いのだが、タイトルを見る限り
「今回のコピー能力の説明文って、もしかしてカンパニー最大のマザーコンピューター・星の夢が書いていたのでは?」
…なんて想像も浮かぶ。



以下、ゲーム本編をクリアした人向けの解説。最終モードクリアまでを含むネタバレまみれなので注意!!




余談

  • 2017年、星のカービィシリーズは25周年を迎えた記念にオーケストラコンサートが開催されたのだが、
    コンサート後半に演奏されたロボボプラネットメドレーの後に、カービィの声優で本作では秘書スージーの声も担当している大本眞基子女史が前作で声の担当をしたセクトニアとスージーのミニドラマの後、今度は大本女史ご本人が登場。
何と銀河に名立たるハルトマンを大本女史本人が生で歌う……という驚きの一幕もあった。

  • 『ロボボプラネット』以降も歌詞が用意された楽曲は存在するが、実際のゲーム中にボーカル付きBGMが流れるのは『スーパーカービィハンターズ』まで待つこととなる。


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最終更新:2023年11月09日 20:37

*1 2016年5月24日 “社歌”を作りました --- 『星のカービィ ロボボプラネット』より