幻竜族(遊戯王OCG)

登録日: 2016/02/18 Thu 13:40:02
更新日:2023/12/30 Sat 13:39:42
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「どう違うの?ドラゴン族と」


「わからん!」



幻竜族とは遊戯王OCGに登場する種族の一つ。

●目次

概要

初出は2014年の第9期『ザ・デュエリスト・アドベント』であり、24番目に登場した種族。
2017年に第10期でサイバース族が登場するまでは、ゲーム内に存在する種族の中ではもっとも新参であった。

名前の通り所属するモンスターはドラゴンが中心。
というか外見で判断する限りは本来ならドラゴン族に分類されるようなモンスターがほとんどである。
海竜族ですらドラゴン族でまとめればいいんじゃないか、と言われたこともある中、こちらはほとんどがドラゴンドラゴンしている。

それでもわざわざこの種族を登場させたのは、恐らくあの子達が環境において大暴れしすぎて下手にドラゴン族を増やせなくなったため。
外見的に華やかで子供を中心に人気の高いドラゴン型のモンスターを増やすための妥協案だったのだろう、とデュエリスト達からは言われている。

……もっともその原因となった彼らが禁止カードになったことで現在もドラゴン族は続々と登場しているわけなのだが。

あえて特徴を挙げるのであれば半透明のものや光り輝くもの、神話やおとぎ話に登場するようなモンスターが多い。
メタファイズ・アームド・ドラゴンや幻界突破のテキストから判断すると恐らくはドラゴン族が変化を遂げた存在なのだろう。

扱いに関しては、現実世界におけるドラゴン≒デュエルモンスターズの世界における幻竜くらいに考えてもよいかもしれない。
それらを意識してか、英語版での名称はファンタジー作品において古竜を意味するWyrm。

幻竜族の登場と同時に誕生したカテゴリには竜星があり、以後しばらくは幻竜族≒竜星のイメージが強かった。

というのも、新種族の割に新規がなかなか増えなかったことと、
幻竜族の登場から数えて1年半以上もの間、竜星以外のカテゴリが現れなかったこと、この2点が原因である。
しかし、2017年最初のマキシマム・クライシスで幻煌龍真竜が追加され(真竜は以前から関連モンスターが少しずつ出ていたが)、ようやく活気もわいてきたと言えよう。

種族固有の特徴というのはさほど明確には決まっていないようだが、
非カテゴリの一部のモンスターには他に例のあまりないユニークな効果を備えたものが多い。
また、通常モンスターそのものを戦術の主軸する幻煌龍や、永続魔法や永続罠をアドバンス召喚のリリースに用いる真竜なども、
これまでのOCGのセオリーから外れた要素を打ち出している。

これらを鑑みると、「幻の竜」という呼び名に則った「物珍しさ」をコンセプトとする種族なのかもしれない。



以下、幻竜族モンスター及びそのサポートカードの一例、竜星等に関しては当該項目を参照。



一覧

通常モンスター

  • メタファイズ・アームド・ドラゴン
星7/光属性/幻竜族/攻2800/守1000
光属性の通常モンスターへと変化したアームド・ドラゴンLV7のリメイクモンスター。
変化前とステータスやレベルは変わらず、攻守の値は2800/1000。
もう片方のリメイクモンスターに比べると効果を持たないこともあり地味に思えるかもしれないが、実は星7の通常モンスターでは最高の攻撃力を誇る。
最上級と同じステータスを持つため一部帝サポートの恩恵を受けられる。

  • 幻殻竜
星4/闇属性/幻竜族/攻2000/守0
幻竜族の下級通常モンスター。レスキューラビットでリクルートでき、守備力0の闇属性なので悪夢再びやおもちゃ箱にも対応。

  • 幻煌龍 スパイラル
星8/水属性/幻竜族/攻2900/守2900
スパイラルドラゴンのリメイクモンスター。


効果モンスター

  • 破面竜(ネイキッド・ドラゴン)
星3/炎属性/幻竜族/攻1400/守1100
仮面竜(マスクド・ドラゴン)のリメイクモンスター。アランカルではない。
自身の戦闘破壊時にデッキから守備力1500以下の幻竜族を呼ぶリクルーター。
種族以外のステータスは仮面竜と同じだが、こちらは攻撃力ではなくリクルート先の守備力を参照する。
要は専用リクルーターになった黒き森のウィッチ。
殴られると最上級が呼び出せるので、強制転移で相手に大ダメージを与えるといい。

  • イルミラージュ
星3/風属性/幻竜族/攻1600/守1000
エクシーズにまで対応した強化版の強者の苦痛を内蔵した下級チューナー。
互いのモンスターの攻守を自身のレベル・ランク×300下げる。
ただし苦痛とは異なり、守備力も下がりかつ自分も弱体化するので扱いは難しい。
このカードはレベル3攻1600/守1000なので、実質攻700/守100となる。
一応レベルのわりに攻撃力はあるので標準的ステータスなら相打ちにできる。
苦痛と違い下降値が高くエクシーズにも対応はするが、エクシーズは低ランクでも
高攻撃力持ち(ランク4の攻撃力2500組等)が多いので過信は禁物。

  • ナイト・ドラゴリッチ
星4/闇属性/幻竜族/攻1700/守0
つまずき+アヌビスの呪いを内蔵した制圧力の高い骨。
デッキやエクストラから特殊召喚された幻竜族以外を強制的に守備表示にし、
更に守備力を元々の守備力分だけ下げる効果を持つ。
エクストラからの連続召喚を行うテーマが多い現在の環境において非常に優秀な効果である。
永続効果なので、発動した効果しか止められないクェーサー餅カエル等に刺さる。
闇属性で守備力0なので、破面竜、悪夢再び等に対応する。
ただし、あくまでデッキから出現したモンスター限定なので、
通常召喚はもとより手札、墓地、除外からの特殊召喚には未対応、
相手の幻竜族は対象外、効果は阻害しない、自分も弱体化を受ける点には注意。
弱体化対象がデッキ限定なので基本的に手札から出てくる儀式と相性がよく、
中でもカオスMAXは相手の守備0への攻撃が通ればワンキル確定である。

  • 竜胆(リンド)ブルーム
星4/地属性/幻竜族/攻0/守1800
竜胆は本来「リンドウ」と読むが「リンドブルーム」と読む。
相手にも影響力がある超重武者を内蔵した下級。
モンスター同士の戦闘時、ダメージ計算を互いの守備力の数値で行わせる。
ドラゴリッチと比べて制圧力に欠けるものの、こちらは確実にダメージが与えられる。
この効果ゆえに守備力が1800と高めなので破面竜で呼べないのは注意。
更に相手のブロッカーも強化すること、直接攻撃は対象外なこと、幻竜族自体攻守の極端な連中が多いことにも注意。
現時点での最高守備力は最上級の3000、下級の最高値は2000で次点の1800と続く。

  • マグマ・ドラゴン
星4/炎属性/幻竜族/攻1600/守1200
ラヴァ・ドラゴンによく似た釣り上げ効果持ちの下級。
自身の特殊召喚時に一度、墓地の幻竜族を効果を無効にして守備表示で特殊召喚できる。
蘇生対象にレベル制限はなく、墓地で発動する効果までは無効にしないので破面竜や
ガイザーを蘇生して更なる展開へ繋ぎたい。

  • ドラゴンダウザー
星4/地属性/幻竜族/攻1500/守1500
ペンデュラム黎明期に登場した下級。
戦闘破壊または相手の効果により破壊された時、地属性のペンデュラムをデッキからリクルートできる。
特殊召喚したモンスターはターン終了時に破壊される。
幻竜族よりはペンデュラムデッキが主な職場になるだろう。

  • 竜宮のツガイ
星6/水属性/幻竜族/攻2000/守1200
手札のモンスター1枚を捨ててデッキからレベル4以下の幻竜族をリクルート。
マグマ・ドラゴンかナイト・ドラゴリッチかイルミラージュあたりが候補。
ツガイからイルミをもってくればチョウホウ、マグマをもってきてイルミを
蘇生させればガイザーが狙える。

  • タツノオトシオヤ
星7/水属性/幻竜族/攻2100/守1400
レベル・スティーラーを内蔵した最上級チューナー。
1ターンに3回までレベルを下げてレベル1の幻竜族トークンを生成できる。
なのでこれ1体で5~7のシンクロが可能。
ただしデメリットとしてこのカードは幻竜族の効果でしか特殊召喚できない。
現在これを呼べるのはガイザーか破面竜くらいなので手札事故には注意。
一応通常召喚は可能なので死皇帝の陵墓を使うか、早々に墓地へ送りたい。
マグマ・ドラゴンで蘇生すれば星態龍になれる。

  • 獄落鳥(ごくらくちょう)
星8/闇属性/幻竜族/攻2700/守1500
心変わりを内蔵したアタッカーとして使える最上級チューナー。
手札のチューナーを墓地へ送り相手モンスターのコントロールを1ターン奪取できる。
奪うのは裏でもよく、奪取後に攻撃制限やリリース制限が一切付かないので、
性能は本当の意味で心変わりだったりする。
更に墓地のチューナー×100攻撃力を上げるので、シンクロや自身の効果を使う度に強化されていく。
高レベルかつ低守備力なので、上級チューナーを呼べるぴよコッコや破面竜に対応する。
現時点では通常召喚可能なチューナーの最高レベルかつ2位の攻撃力となる。
(1位はベアルクティ-メガビリスの2800)
高攻撃力持ちのチューナーなので、チューナーを多く使う【チューナー】では非常に有用。
イージーチューニングを使えば手軽に攻撃力を2700強化できる。
名前はトリだが、頭の部分をよく見るとキバがある(=ドラゴン寄りである)のがわかる。

  • 龍大神(りゅうおおかみ)
星8/光属性/幻竜族/攻2900/守1200
メタファイズ・アームド・ドラゴンを凌ぐ攻撃力を持つ光属性の最上級モンスター。
相手が特殊召喚を行った際、相手にエクストラから1枚を墓地へ送らせる効果を持つ。
エクストラが破壊でではなく墓地送りなので優秀と言えば優秀だが、
相手に選択させる関係上、サイバー・ドラゴン・ノヴァ餅カエルのように、
墓地へ行っただけで発動するカードが増えた現在では逆にしっぺ返しを食らう可能性もあるので注意。
龍大神を相手に送り付けて自分がノヴァの効果を利用してしまうのも一つの手。

  • アークネメシス・プロートス
星11/闇属性/幻竜族/攻2500/守3000
「ネメシス」に属する特殊召喚モンスター。属性が異なるモンスター3体を除外する事で特殊召喚できる。
属性を1つ宣言し、宣言した属性を持つフィールドのモンスターを全て破壊して次のターン終了時までお互いにその属性を特殊召喚できなくする効果を持つ。
属性統一デッキに対して高い制圧力を備えているが、特殊召喚封じのみを目的としてフィールドに存在しない属性を宣言する事はできない。
このカード単体でメタを張れる闇属性を宣言したとしても、このカードは効果破壊耐性を持つので自滅する事は無い。


融合

  • 沼地のドロゴン
星4/水属性/幻竜族/攻1900/1600
同じ属性で種族が異なるモンスター×2
幻竜族初の融合モンスター。簡易融合対応。
自身および自身と同じ属性のモンスターに効果対象耐性を与え、フリーチェーンでそのターンだけ属性を変化できる。
なかなか面倒な能力持ちだが、フリーチェーンと言っても対象に取られてからチェーンしたのでは遅い。なので、能動的に自分の属性を変えられることを生かしたい。
こいつの登場による一番の影響は、超融合のマトになるモンスターと、未来融合で落とせるモンスターがいきなり増加したことだろう。


シンクロ

  • たつのこ
星3/水属性/幻竜族/攻1700/守500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
地味に増えてきた下級のシンクロチューナー。
他のモンスター効果を受けず、手札モンスターをシンクロ素材にできる効果を持つ。

  • メタファイズ・ホルス・ドラゴン
星6/光属性/幻竜族/攻2300/守1600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
ホルスの黒炎竜Lv6のリメイクモンスター。
シンクロ召喚時に素材とした非チューナーモンスターの種類で効果が変わる。
通常モンスターなら他のカード効果を受けない。
効果モンスターなら自身以外の表側カード1枚を無効化。
ペンデュラムなら相手が選択したモンスターを攻撃不可にして永続的に奪取する。
ペンデュラムを含めれば非チューナー2体で全ての効果が使える。
効果を持たない融合やシンクロ等を素材にしても効果が使えないのは注意。


エクシーズ

  • 竜巻竜(トルネードラゴン)
ランク4/風属性/幻竜族/攻2100/守2000
レベル4モンスター×2
モンスターになったサイクロン。フリーチェーンで素材を切って魔法・罠を1枚破壊。
攻撃力がそこそこあるので最悪でもアタッカーとして使えるのは割と大きい。

  • 星輝士(ステラナイト) セイクリッド・ダイヤ
ランク5/光属性/幻竜族/攻2700/守2000
光属性レベル5モンスター×3体以上
シャドールインフェルノイドライトロードを絶対殺すマン。
素材を持つ間、互いのデッキの墓地送りを封じ墓地から手札へ戻るカードも除外。
素材の消費で相手の闇属性モンスターが発動した効果を無効にして破壊。
素材が3体必要だがテラナイトXモンスターに重ねてエクシーズ召喚可能。

ランク6/闇属性/幻竜族/攻2400/守2800
レベル6モンスター×2
意地でも相手へ干渉する吸血鬼
素材の消費で対エクストラ専用の月の書。
相手の効果でフィールドから離れたら自身を裏守備表示で特殊召喚。
自身がリバースしたらフィールドから1枚を墓地送り。
「離れた」と緩い条件だが、同じ条件のアブソルートZeroやスタダウォリアーと違い、エクストラデッキへ戻ると特殊召喚できない*1ので注意。
ちなみにNo.が登場するアニメZEXAL放映はOCGでは第7期途中から第8期までであり、当時は幻竜族は影も形もない。
このカードは後付けのOCGオリジナルとは言え、設定的にそれでいいのかというツッコミ所ではある。


リンク

  • 竜絶蘭(りゅうぜつらん)
リンク4/地属性/幻竜族/攻3000
【リンクマーカー:左/右/左下/右下】
トークン以外のモンスター2体以上
リンク召喚時に墓地の「竜」にまつわる種族を参照にして様々な効果を発揮する大型リンクモンスター。
ドラゴン族ならその数×100バーン、
恐竜族ならその数×200分自己強化、
海竜族ならその数×300分相手モンスター全体弱体化、
幻竜族ならその数×400分ライフ回復
無理に全種族を混ぜると1つ1つの効果量が小さくなりがちなので、
勝利に直結しやすいドラゴン族のバーンに、高打点を生かせる自己強化の恐竜族か弱体化の海竜族辺りの1・2種類に絞って使いたい。


魔法

  • 幻界突破
自分フィールドのドラゴン族をリリースし、同じレベルの幻竜族を特殊召喚する永続魔法。
特殊召喚された幻竜族モンスターには戦闘破壊したモンスターをデッキへと戻す効果が付与される。
このカードを軸に幻竜族とドラゴン族をコラボレーションさせたデッキを組んでみるのもまた一興。
これが除去されても付与した効果は消えないので安心を。


  • 異層空間
フィールド全体の幻竜族の攻守を300上昇させるフィールド魔法。
墓地に存在する幻竜族モンスターを3枚除外することで、フィールドのカードを1枚破壊出来るがややコストが重い。
攻撃力の上昇のみを求めるならば構築が狭まるものの一族の結束を優先した方が良いかもしれない。


  • 竜魂の幻泉
墓地からモンスターを特殊召喚し、種族を幻竜族へと変化させる永続罠。
そのかわり蘇生時の表示形式は守備表示に限定されているのでリビングデッドの相互互換と言える。
幻竜族を素材に指定しているモンスターの特殊召喚やドラゴリッチの効果をすり抜けるのに有用。

  • 幽麗なる幻滝(げんろう)
2種の効果を備え、1つ目はステータスを指定しない幻竜族サーチ
2つ目は手札・フィールドの幻竜族を任意の枚数墓地に送り、送った枚数+1枚のドロー効果。

前者は何気にとんでもないことが書いてあるが、
幻竜族カテゴリはどれもサーチ・リクルート手段に特に困ってはおらず、万能サーチとはいえ遅い罠を入れるスロットはあまりない。
また非カテゴリの幻竜族もサーチするより破面竜でリクルートしたほうが手っ取り早く、
現状「わざわざこのカードでサーチしなければならない」モンスターはあまりいないのが難点。
強いて言えばその破面竜を持ってくるくらいか。

そのため、むしろメインは後者の効果で、手札交換を行えるのはもちろん、
フィールドの幻竜族を巻き込めばサクリファイス・エスケープも可能で、なかなか扱いやすい。
また、後者の効果を使うタイミングがない時でも前者の効果を使えばこのカードが腐らない。

反対に、前者のサーチ対象がデッキにいなくても後者の効果の存在からデュエル後半で引いても完全に紙と化すわけではない。
このように2つの効果が相互に欠点を補っており、2重の意味で1粒で2度おいしいカードといえる。

  • 相剣暗転
自分フィールドの幻竜族モンスター1体と相手フィールドのカード2枚を対象として破壊する、言わば幻竜族版《毒蛇の供物》。
供物とは異なり対象が減っても不発にならない。



崇高なる追記・修正は幻の如く。其の編集者は頂に佇む。


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最終更新:2023年12月30日 13:39

*1 エクストラデッキに戻ると裏側表示になって情報がリセットされ、「このカード」と言う条件が満たせなくなる