ダブルアーツ(漫画)

登録日:2010/11/05 Fri 04:25:47
更新日:2024/04/18 Thu 05:51:58
所要時間:約 3 分で読めます





『ダブルアーツ』週刊少年ジャンプで2008年17号から41号まで連載された古味直志による漫画。全3巻。

概要

手を繋ぎ続ける主人公、独特の世界観、更に連載前に同誌に掲載された読み切りが高評価だったために、連載序盤はアンケが相当取れていたらしく、
高掲載順、センターカラー連発、果ては早い時期に表紙を飾るなど、当時の新連載の中では稀に見る好スタートを切った。

しかし連載が進むにつれ、作品の雑かつ稚拙な部分が徐々に露呈し、目立ち始めた中盤以降人気は失速。
それを感じ取ったのか、編集部もプッシュの対象を『トリコ』に切り替えたために、露骨なプロテクトがかかることもなく、呆気なく連載が終了した。

作者が中学生の頃から考えていた話らしく、それをネタに「フレア(笑)」とかいう人もいる。

結果的に、アンケが余り取れず打ち切られたものの、単行本の売上自体はそこそこ高く、また多くの伏線を残したまま連載が終了したため、
月刊などの系列雑誌、特に非アンケ主義方針の雑誌への移籍再連載、あるいは同世界観による別作品での作者のジャンプ復帰を望む声も未だに存在する。

作者は後の連載作品『ニセコイ』で大成する。


あらすじ

未知の奇病トロイが蔓延する世界で、少女エルーは、自らも感染しつつ感染者のを吸引する巡回僧(シスター)として患者に治療を施し続けていた。
シスターの宿命として長く生きられないことを冷静に受け止めつつ、トロイの無くなる世界を夢見ていたが、ある日の治療の帰り、トロイの発作を起こしてしまう。
エルーは死を覚悟したが、偶然通りかかった少年キリが彼女の手を取ったことにより、発作が収まる。

不思議な力を持つ少年と病気の少女が織り成す物語。


登場人物

・キリ=ルチル
主人公(ホームズ役)。なんだかすごい髪型。不思議な力『フレア』を持つ。ありえないほど芸術の才能があるが、センスが最悪。
実家は仕立て屋で、芸術の才を活かしてペンキ屋のバイトをしていた時にエルーと知り合う。
母ちゃんは合法ロリで、父ちゃんは巨人。

・エルー(エルレイン)=フィガレット
ヒロインでもう1人の主人公(ワトソン役)。寝癖。連載開始時には『かわいくない』だとか『男じゃないのか』とか散々言われる。普通に可愛いと思うんだが。
ナギンと呼ばれる戦闘民族(四大部族の一つ)の分家筋に当たるので、運動神経も悪くない。
後に『ニセコイ』の第3回人気投票で何と10位を獲得し、まさかのカラー扉絵登場を果たす(本人はやや困惑気味だったが)。
本作のファンであれば、この扉絵をよく見ていただければ「あること」に気づいていただけるはず…。

・スイ
キリの元カノ(交際期間1週間)。黒髪ロング。ナギンの純血種で、その例に漏れず戦闘狂。
熱しやすく冷めやすい性格らしい。武器はフラフープ。

・ファラン=デンゼル
色々とすごい伝説がある人。前髪バッテン。すごい強い、スイを一瞬で倒した。キリとエルーの師匠だったりする。『双戦舞(ダブルアーツ)』を教える。
見た目に反して色々とコミカル。

・ルーシー=ゼズゥ
敵。武器は持たず、手刀で相手を殺す。口癖は『鳥葬にしてやる』。なぜかキリの能力に異常な反応を示す。


用語

・トロイ
正式名称は「透化病(とうかびょう)」。700年前に初の発症例が確認され、これまでに10億人以上がトロイの犠牲になった。
すでに感染している者との接触により感染。発症すると発作を起こして、徐々に体が透けて一分程度で消滅してしまう。感染者の手は冷たい。

トロイの治療法は患者から毒を吸い出す『吸引(ドレイン)』と呼ばれるもの。
女性には稀にトロイへの耐性が強い者がおり、そのような女性がシスターになり、患者に直接触れ、自身の体に毒を吸引して病気の進行を遅らす。
しかし、吸引ではトロイを完治することはかなわず、完全な治療法は未だに見つかっていない。

・フレア
キリが持つ不思議な力で、キリに接触した人物の免疫力・治癒力・身体能力を強化する。
手を繋ぐほど、触れる人数が多ければ多いほど、その力もより増大する。触れる人数X人につき、各個人の身体能力もX倍になるわけである。
『フレア』という名前はキリがつけた。

・双戦舞(ダブルアーツ)
ファランが編み出したキリとエルーの二人一組の武術。ワルツをベースとした戦い方。

余談

実は『空想科学読本』の柳田理科雄氏は本作の大ファンであり、読者からの質問を受けてワクワクしながらフレアの空想科学的解説を行ったのだが、
図書館通信掲載の1週間前に打ち切りになってしまい、メチャクチャ落胆したと語っている(詳細は『空想科学読本7』参照)。
ちなみに挿絵の近藤ゆたか氏はエルレインの口を借りて「1枚絵で表現しにくい能力ですねぇ」と発言していた。
(同様のネタは『るろうに剣心』の二重の極みに対しても発している)

2014年に発売された古味の短編集『恋の神様』では、書き下ろしのカラーイラストが掲載された。
また巻末のおまけ4コマにも、ダブルアーツを題材とした話が載っている。

銀魂』ではアニメオリジナル回で本作をモデルとしたと思しき回がある(銀さん土方が手錠で繋がれてしまう話)。



___この物語は、ひとまずここで幕を下ろします
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最終更新:2024年04月18日 05:51