ドラコ・マルフォイ

登録日:2009/07/14 Tue 23:49:27
更新日:2024/02/17 Sat 22:52:31
所要時間:約 9 分で読めます





Draco Malfoy


ドラコ・マルフォイとは、ファンタジー作品『ハリー・ポッターシリーズ』の登場人物。


概要

1980年6月5日生まれ。
ホグワーツ魔法魔術学校に通う魔法使いで、イギリスの純血魔法族の中でも屈指の名門・マルフォイ家の一人息子。そのことを鼻に掛けており、スリザリン寮の同学年の生徒の中でもリーダー格である。

役回りとしては、主人公であるハリー・ポッターのライバル的存在……だが、かませ犬みたいになる事も多い。まあ海外学園物によくいる嫌味なお金持ち的ポジションと思って良い。
後述の権力のおかげでやりたい放題言いたい放題。だが、それに実力が追い付いていない為、軽くあしらわれる事もしばしば。


人物と性格

一言で言えば陰湿な、しかし愛すべきヘタレ

子分であるグレゴリー・ゴイルとビンセント・クラッブを引き連れ、ことあるごとにハリー達につっかかり、嫌がらせや皮肉や当てこすりやネガキャンに余念が無い。更にマグル生まれのハーマイオニー・グレンジャーに対しては、面と向かって「穢れた血*1と吐き捨てた程。
ただし、やたらと当たりが強くて突っかかるのは初対面時のすれ違いと、利害関係でどうとでも変容してしまう上流貴族の柵の中で、情の薄い繋がりしか持てずにいた自分と主人公達仲良し三人組を比べて、嫉妬していたからというのも理由だった節がある。
身内や親しい相手には意外と寛容で、本当に親しい人間に対する侮辱は許さない気質はハリーとも似通っている辺りから、ハリーがもしスリザリンに組分けられたら二人はマブダチになって、ロンやハーマイオニーともそこまで険悪にはならなかったんじゃないか、とファンの間ではしばしば語られている。

また、純血主義で他人を見下す態度は、彼が尊敬する父を手本にしたものであることが作者から示唆されている。
闇の魔法使いによる支配を望んでいたり、死喰い人へ憧れたりする面も、彼自身が冷酷であるというよりは、「闇の帝王が魔法界の指揮を取ることに失敗したことへの落胆」の中で育てられたことや、彼自身やマルフォイ家が権威を強めるのを望んでいたことが主な理由である。
良くも悪くも周りの環境に流されやすい、ある種純粋な人間と言えるだろう。

ペット、もといガールフレンドは雌のパグ犬。名前はパンジー・パーキンソン。なお一応断っておくが同じ寮の同級生の女子、ようは人間である。加えておくとパグ犬呼びはグリフィンドール側からの評価のもの。彼女も作中で絡むことこそあまり無いものの、ハーマイオニーとは犬猿の仲。

容貌については、ガッチガチに固めた金髪のオールバック(実写映画)が特徴のイケメン
原作小説では髪の色はプラチナブロンドであることが表記されている他、「肌が青白く顎は尖っている」らしい。
身長は、5巻『不死鳥の騎士団』では当時グリフィンドールのクィディッチキャプテンだったアンジェリーナ・ジョンソンからチビ呼ばわりされていた*2ものの、
6巻『謎のプリンス』では「図体の大きな2人*3なのにその間で威張り散らしている背の高い青白い顔のマルフォイがいないと奇妙にしょんぼりしているように見える(要約)」という風に地の文で綴られていたので、急激に伸びたのかもしれない。成長期の男子なら珍しいことではないだろう。
7巻『死の秘宝』においても、マルフォイ邸の中でハリーと相対した際に、更に背が伸びたという旨の記述がある。
ちなみに映画で演じるトム・フェルトン氏の身長は現在175cmだそうだ。


親族

父・ルシウスはホグワーツの理事も務め魔法省高官にも顔が効く名士。
だが、実はかのヴォルデモート卿の直参の部下「死喰い人」で、しかもリーダー格の存在。ちなみに子分であるクラッブとゴイルの父も死喰い人なので、彼らがマルフォイに頭が上がらないのもその為。
母・ナルシッサはやはり名門のブラック家出身。なお、これが最終巻エピローグでの意外な伏線となる。
その他、祖父にアブラクサスがいたが竜痘に罹り既に亡くなっている。

両親から惜しみない愛情を注がれており、それもあってかドラコも両親に対する愛情が非常に強い。
日本語訳では両親を「父上」「母上」と敬意をこめた呼び方で呼ぶことでそれを表現しているし、両親を侮辱した相手にキレるほど。この点はヴォルデモート卿やバーテミウス・クラウチ・ジュニアあたりと異なる、ある意味ドラコの特徴の一つ。
そして、彼らとの明暗を分けた要素でもあるだろう。


実力と能力

名門の出ではあるが、魔法の腕は凡庸な模様。少なくとも、まともに決闘すればハリーにフルボッコにされると思われる。
授業態度も基本的に不真面目。魔法薬学は、担当にして自身の寮の寮監であるセブルス・スネイプの後ろ盾(及びそのとき負傷していた状況)もあるからか、下準備を教授公認でロンに丸投げしてもいる。
その他の教室のシーンでは大抵やる気無さそうにしていたり、教師の警告・忠告を丸無視して勝手な行動に及びトラブルを招いたりという場面も目立つし、成績について父に叱責される場面もあった。

ただ、そこはやはり純血の出ゆえ才能は無いわけではない。実際、スネイプでも突破できない閉心術を駆使し、作者からも公式で「閉心術の才能がある」と明言された。
加えて、魔法薬学に長けることを示唆する描写もあり、『ふくろう試験』である程度の成績を修めないと履修できないクラスに進んでいる。
また魔法道具のプロである「ボージン&バークス」の店長ボージンですら修理困難、不可能の可能性ありと判定*4していた「姿をくらます飾り棚」も、約一年かかったとはいえ独力で無事に修復した。更に監督生にも選ばれている。

フィジカル面では、2巻からハリーに対抗してスリザリンのクィディッチチームのシーカーを務めている。
愛箒は『ニンバス2001』……しかし、旧型『ニンバス2000』を駆るハリーに敗北する始末。
一応ドラコが(必要の部屋に籠るために)試合を欠場した時には、ロンはそれを勝機と見ていた程なので、それなりに実力はあるのだろうが。
また、クィディッチに取り組んだのはハリーへの対抗心だけが理由ではなく、クィディッチが大好きで心からうまくなりたいと思っていた(小さい頃は選手になることを夢見ていたほど)ことが、続編『呪いの子』では語られている。


登場当初こそライバルとしての活躍が期待されていたが、巻が進むごとにヘタレ&小物化が酷くなっていき……?


以下、ネタバレ











5巻で父が信用を失ってからは、マルフォイ自身がヴォルデモートの命を受けて行動している。言うなれば、死喰い人“見習い”。だが実際は全く期待されておらず、ルシウスに対しての懲罰、人質のような面が強い。
ドラコ本人も、当初はヴォルデモートに期待されていると調子に乗っていたが、後に自分の現状を見つめ、失敗すれば殺されるだけでなく家族の命も保証されないことを知り、強い恐怖に苛まされる。
本人も両親の愛を受けて育ったせいか、他の死喰い人と違って平気で人を殺せるような残忍さは持ち合わせていない。
またホグワーツへの愛着もあるようで、ホグワーツに侵入した死喰い人に校舎を蹂躙される様に悲痛な表情を見せていた。
なお、父の失脚によりクラッブから甘く見られるようになり、最終巻では今まで唯々諾々と従っていた彼に命令を無視され、三人とも命の危機に陥るハメになった。
しかしクラッブとゴイルのことはドラコなりに大事にしてはいたらしく、命の危機に陥った際に自分の身の安全を顧みずに2人の身を救おうとした。



各巻での活躍(ネタバレ注意)


  • 1巻『賢者の石』
原作での初登場は入学準備のための、制服の仕立ての場面。
ハリーがロンと出会ったのはホグワーツ特急の車内なので、実は彼よりも先に初めて出会った同年代の魔法使いということになる。

この時点では目の前の相手が「あの」ハリー・ポッターであるとは知らず、どの寮に入りたいかやクィディッチ、箒の話題で気さくに話しかけていた。
もっとも話の内容は、両親がマグルで今まで魔法界のことなど知らなかった者達を入学させるのはおかしいという旨*5ハグリッドを悪く言う物で、また言動の端々に高慢さと傲慢さをこれでもかとばかりに匂わせていたため、
一方的に聞かされる羽目になったハリーは、口にこそ出さなかったが内心で「なんて嫌な奴だ」と悪印象を抱くに至った。

その後、ホグワーツ行きの途中で再会。
この時にはハリーが例の「生き残った男の子」と知っており、そのうえで彼がロンと一緒にいる事について「友達は選んだ方が良い」とハリーを仲間に誘う。
しかし、先の交流でドラコの高慢さに嫌気が差していた(「友達は選べ」という発言からもそれがうかがえる)ハリーはすげなく拒絶。
その挙句ドラコの発言を逆用して「友達を選ぶ」と言ってロンを選んだ事からこれが原因となって長きに渡る対立が始まる。
なお映画版ではここで初登場&初対面。ドラコの側から友人に誘うが、しっかり偉そうな態度を見せたことと、ロンからの嘲笑に対してそのまま喧嘩を返したりしたため、やはりハリーからは拒まれていた。

飛行術の授業では、暴走事故を起こしたネビルが落とした「思い出し玉」をくすね、担当のフーチ先生が彼を医務室に運ぶ為に一時退席している間、
事前の「勝手に箒を飛ばした者は即退学」との警告を無視して箒に乗って思い出し玉をどこかに隠そうとする嫌がらせを仕掛ける。
それを見咎めたハリーが追跡し、更にそれがミネルバ・マクゴナガル教授の目に留まった事でハリーがクィディッチ最年少シーカーに選ばれる結果となったため、
間接的にハリーの箒の才能を開花させたと言える(実際ハリーもそう言ってのけており、ぐうの音も出ないフォイであった)。
マクゴナガルに連れて行かれるハリーを見て、どんな懲罰を受けさせられるのだろうと思ってかニヤニヤしながら見送っていたが、
結果ハリーにホグワーツ史に残る栄誉を与える事となったのは皮肉であろう。
なお、ドラコが許可なく箒を飛ばした件でどのような処罰を受けたかは不明。

クィレル先生から城内にトロールが進入したという報告を受けた時は、他の生徒達と同様に慌てふためき、凄まじいビビり顔を晒していた。

3人組が夜中に寮を抜け出していた際はマクゴナガル教授にチクるが、自分も抜け出していた為一緒に罰則を受けるハメになる。
「禁じられた森」での罰則の最中、謎の人物がユニコーンの血を啜っている所を目撃し、情けない悲鳴をあげて尻尾を巻いて逃げ出した。

終盤の学年末パーティーの場面では、当初この年の寮杯はスリザリンが得るはずだったため、他の寮生らとともに喜んでいた。
だが、ダンブルドア先生の計らいで……?



  • 2巻『秘密の部屋』
ハリーに対抗してクィディッチのシーカーに就任し、また財力にものを言わせてチーム全員に『ニンバス2001』を寄付。
しかし、最初の試合でグリフィンドールにフルボッコにされる。
また、代々スリザリン生の家系であったことから3人組(特にロン)に真っ先に『スリザリンの継承者』として疑われるが、全然そんなことはなかった。
と言うか、ホグワーツには(純血を重んじる風潮のために魔法界の旧家の多くは必然的に姻戚関係にあるため)スリザリンの家系の生徒や教師なんか一杯いるのにピンポイントで決めつけるなんてとんだ言いがかりである。

……まあそれだけドラコの言動がひどかったということでもあるが。ハーマイオニーに差別発言をしたのもこの巻でのことだし、生徒やゴーストが石化して皆が恐怖に怯えているのに、一人だけウキウキしたり思わせぶりな態度でドヤ顔していれば「こいつ何か知ってるんじゃないか」ぐらい思われても不思議はない。
実際父親などには手紙を出して独自に情報収集しており、
少なくとも「前回秘密の部屋が開かれたのは父上よりも前の時代で、そのときには女生徒が一人死んだ」ことを掴んでいた。
その上で「今度死ぬのは誰だ、グレンジャーが死なないかな」とニヤニヤしながら闊歩していたため、不審な態度が怪しまれたという次第。配下のクラッブとゴイルからも「実際は秘密の正体を知ってるんじゃないか?」と何度も訊かれていたらしい。

しかし、今回『秘密の部屋』を開放した元凶はその父親ルシウス・マルフォイである*6ため、実の所ロンたちの予想もそれほど的を外していたわけではない。
ただルシウスがその真実を息子への手紙に書かなかっただけである。

ちなみに、ルシウスが初登場したのは本巻からだが、やっと父上と一緒に現れたと思いきや、公衆の面前で成績の悪さを罵倒されるという厳しい教育を食らっている。
また、日本語訳では「ボージン&バークス」のボージンからは「若様」と呼ばれている。


  • 3巻『アズカバンの囚人』
魔法生物飼育学の授業中にヒッポグリフのバックビークを怒らせ、切り裂かれる。
それを利用してバックビークを処刑させるとともに、ハグリッドを退職に追い込もうとする。
危険な生物を用いた授業をするのだから、ハグリッドも安全に気を配るべきだった……が、
彼は「ヒッポグリフには決して敬意を忘れてはならず、間違ってもナメた態度を取ってはならない」とちゃんと注意喚起していた。なのに、ドラコもドラコで教師の注意や説明を聞かず、安全をまるで軽視していたため、半分以上は彼の自業自得と言える*7
中盤ではクラッブ達と共に『吸魂鬼(ディメンター)』に扮してクィディッチの試合に乱入。ハリーをビビらせようとするが、逆にハリーの放った守護霊にビビって転倒。
他にもホグズミードで透明マントに隠れたハリーにフルボッコにされる、クィディッチの決勝戦でハリーに反則の妨害行為を働きマクゴナガル先生にカス呼ばわりされた挙句敗北、そしてハーマイオニーを挑発したらマジギレされて物理的にぶん殴られる、そもそも自分自身も吸魂鬼を恐れていた……etc.と、この巻では小物感全開。


  • 4巻『炎のゴブレット』
この巻で開かれる三校対抗試合の招待校・ダームストラングに入学する可能性もあったが、母の反対で実現しなかったことが明かされた。

背後からハリーに呪いをかけようとするが、ムーディー(クラウチjr.)に罰としてケナガイタチに変身させられた。
前巻でハグリッドの授業をぶち壊したような真似を繰り返したのだろうが、今度は教師にその慢心を徹底的に矯正される羽目になった。
件の変身を解除された時は「父上が黙ってないぞ!」と怯えながら言い放つが、百戦錬磨の闇祓いたるムーディ(のフリをした他人だったけど)がその程度で動じるわけがなく「それは脅しか!!」と逆に激昂され慌てて逃げだす事になる。
しかしそれでも懲りないのが我らがフォイたるゆえん。三校対抗試合では徹底的にホグワーツからのもう一人の選手セドリック・ディゴリーを応援する*8一方、ハリーには陰湿な嫌がらせを続けていた。
また、ダンスパーティーにはパグ犬連れで参加。ちなみにドラコのローブを見たハリーは「英国国教会の牧師のようだ」という感想を抱いている。


  • 5巻『不死鳥の騎士団』
監督生に就任。また、闇の魔術に対する防衛術の新たな教授となったドローレス・アンブリッジに気に入られ、彼女の手先『尋問官親衛隊』等の役職に就任して横暴を働くが、最終的にはジニーの「コウモリ鼻糞の呪い」により撃退された模様(映画版ではカット)。
帰りのホグワーツ特急の中では、『ダンブルドア軍団』のメンバーから大量に呪いをかけられ、キングズ・クロス駅に着く頃にはクラッブとゴイル共々巨大なナメクジになっていた。


  • 6巻『謎のプリンス』
ルシウスがアズカバンに収容されたことで、死喰い人の中で地位が下がり精神的に追い詰められ始める。ヴォルデモートの命を受けてダンブルドアを殺そうとするがどれも上手くいかず。
おまけに、新たな魔法薬学の教授・ホラス・スラグホーンに目をかけてもらおうと媚を売るが、悉く無視される。スラグホーン教授は、お気に入りの生徒や様々な名士を親族に持つ生徒を集めたサロンめいたものを開いているが、ロンと同じく「輝くような才能はない」と見做され、先祖の威光も通じなかった模様*9

ますます精神的に追い詰められる中、ゴーストであるマートルに惚れられたり、ハリーが放った「セクタムセンプラ」で体をぶった斬られたりしつつ、1年かけて『必要の部屋』で「姿をくらます飾り棚」*10を修理。これによって大勢の死喰い人がホグワーツへ侵入するのを幇助した。
しかしその後、ダンブルドアを武装解除するも罪悪感に苛まれて殺せなかった為スネイプに殺してもらい、死喰い人達共に姿を消したが、この時意図せずして『ニワトコの杖』の所有者となった

余談だが、今回修理した「姿をくらます飾り棚」の初出は2巻である。
これほど前からこんなところに伏線を仕込んでいたとは……J.K.ローリング恐るべし。


  • 7巻『死の秘宝』
実家がヴォルデモートのアジトにされてしまい、ビクビクしながら暮らすハメになる。また、後に家に連れてこられたハリーにを奪われる。
最終決戦では『レイブンクローの髪飾り』を手に入れようとするハリー達の前に立ち塞がる*11が、
暴走したクラッブの『悪霊の火』に殺されかけ、彼らに命を救われることになる。
その後祝勝会では、自分たちが場違いだということを自覚していたため、親子三人で自分たちがここにいてもいいのか戸惑いつつ縮こまっていた。なお映画では祝賀会には参加せず、ひっそりとホグワーツから立ち去っていた。
実は、常にビビっているのは単に死にたくないから。また、最後までハリーを撃つのを躊躇っている。




後年、同級生ダフネ・グリーングラスの妹アステリアと結婚した。
そっくりな外見なのに、中身は正反対で実家の家風を嫌う息子『スコーピウス・ヒュペリオン』を授かる。パンジーは……?
ちなみに、息子の名前は星座とギリシャ神話の登場人物に由来しており、この時点でブラック家の命名のお約束がマルフォイ家に受け継がれていること判る。
ハリー達に向かって目礼する等、ある程度関係は改善された模様。

……実は、ハリーとの初対面時は「ドラコなりに」友好的に接していたり*12、ゲーム版では蛙チョコのハリー・ポッターの偉人カードを持っていたりする等、元からそこまでハリーを敵視してはいなかったんじゃないかと思われている。
まあその「初対面」が高慢だわ図々しいわ押しつけがましいわで、ドラコの「友好的」がかなり酷いものではあったのだが。
両者が本当に相互理解して和解するには、どのみち長い時間は要したのだろう。



  • 続編『呪いの子』


演者

映画ではトム・フェルトン氏が一作目から演じている。吹き替えは三枝享祐、ゲーム版は木内レイコ。
フェルトン氏は最近ラッパーデビューを決意した。ぜひホグワーツの制服でラップを踊っていただきたいものである。
また、『KH』シリーズのキャラクター、ロクサスのコスプレをしたこともある。

名悪役を演じた俳優の宿命か、フェルトン氏は見知らぬ子供から石を投げられたり、いきなり蹴られたり、世界中の子供達の悪意を『マルフォイ』として受けて思春期を過ごした。
しかしそんな辛い境遇にも折れずに、東日本大震災の被災地に温泉卵を2000個寄付してくれたり、映画の上映待ちで待機している人たちにピザをプレゼントしたり、「今後(マルフォイ役として)イメージが固定されて悪役しか仕事がなかったとしても役者として本望」と述べ、子供達からどんなに酷い目に遭わされようと「自分が『本当はいい人』なんて言ってしまえば、それは子どもたちにサンタの存在を否定しているのと同じ事だ」と、このまま一生嫌われ続けても構わないと非常に前向き且つ寛大なコメントをしたりと、演じている本人は大変な好青年である。

勿論普通の人気も(地域や年齢層の差はあれど)あったわけだが、本人がそれを実感したのは初めてお鉢が回ってきた『謎のプリンス』の日本でのプロモーションの時とのこと。成田で詰めかけたファンを見て「マジか」と思ったとか。
2016年にも、ルシウス役のジェイソン・アイザックス氏と共に"親子"で来日してサイン会やチャリティーグッズの販売を行い、グッズの売り上げを熊本の震災の復興支援に寄付した。
また、フェルトン氏の父親は漁師で、マルフォイ役としてデビューした間もない頃にインタビューに答えた将来の夢として父の跡を継いで漁師になりたかったそうだ。

ちなみに、2015年頃公式サイトで行われている組分けの儀式に挑戦してみた所、「グリフィンドール」というある意味誰もが納得の結果になった。
(本人はその結果にいたくご不満で、「なんてこったい!」「一生スリザリン!」とコメント)
2020年に再挑戦したら今度は「ハッフルパフ」と出てしまった
やはりフェルトン氏はこの結果をお気に召さず、「悲しい日だ……いろんな意味で……」との感想を述べている。
最近では、2023年にもとしまえんの跡地に完成したハリー・ポッターの施設完成イベントに極秘来日しファンを喜ばせた。

実は、ハーマイオニーの中の人の初恋の相手である。ちなみにフェルトン氏は好意を持たれていたのは嬉しいと認めつつも、自身は意識していなかったと語っている。


余談


  • ネットでの扱い
実は「マルフォイ」というファミリーネームは英国圏内ではかなり独特で、作中で初対面のロンに名乗った際、これが理由で彼に思いっきり笑われた。(もともとはフランス出身の家系らしい)
そんなわけで作中の残念な活躍ぶりと独特な名字からファンにネタにされまくっており、日本では2ch(現5ch)等でやたらフォイフォイうるさいキャラにされてる程。
何か冗談めかしたレスやコメントに対して「黙るフォイ!」と返すやり取りは、ネット界隈においては定番と言っても過言ではない。
そのせいか、この項目でも語尾という語尾に「フォイ」がつけられていたことがあるフォイ
公式も悪ふざけでこのネタに便乗したらしく、ワーナーブラザースが発売したLINEスタンプの実写シリーズでキザな表情で「君の瞳にフォイしてる」にドヤ顔で「フォフォイフォイさ」、険しい表情とバックの炎からの「テンション高まるフォイと言ってるスタンプがマジで存在している
この実写シリーズはキャラ崩壊が激しいと評判だが、その中でもマルフォイがぶっちきりで濃すぎる存在感を放っている。

  • 映画での出番
映画ではフェルトン氏の演技力もあり、見事な小悪党ぶりやヘタレっぷりと変わった名字が妙に記憶に残りやすいマルフォイだが、その存在感に反して映画での登場時間は『賢者の石』〜『死の秘宝PartⅡ』まで、合わせて驚きのたった31分30秒に過ぎない。



追記・修正よろしくお願いしますフォイ。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ハリー・ポッター
  • マルフォイ家
  • ネタバレ項目
  • 魔法使い
  • 純血
  • 死喰い人
  • ニワトコの杖
  • 監督生
  • スリザリン
  • イタチ
  • フォイ
  • 愛すべきフォイ
  • ドラコ・マルフォイ
  • トム・フェルトン
  • 人気者
  • 陰険
  • エリート
  • ライバル
  • イヤミ
  • 憎めない悪役
  • 愛すべきヘタレ
  • 愛されキャラ
  • フォイのある項目
  • みんな大好き
  • 謎の人気
  • 愛すべきお坊ちゃま

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月17日 22:52

*1 イギリス魔法界では、マグル生まれの魔法使いに対する最大にして最低の侮辱語・差別語とされる。ハーマイオニーは言われた時点ではまだ意味を知らなかったが、居合わせたグリフィンドール生たちは聞くやいなや大激怒している。

*2 アンジェリーナは長身との描写があるので、彼女からすればそうなのだろう。

*3 いつも従えているクラッブとゴイルのことを指す。

*4 ただしボージンのこの判断は、彼が現物と破損状況を見ていないための推測ではある。そのため正確には「修理できる保証はない」。

*5 ハリーに関しては「両親がどちらも魔法使い」と本人から聞かされたことで仲間と見なしていた模様。しかしハリーにとっては自分こそ「マグルのもとで育てられ、今まで魔法界のことなど知らなかった」身の上なので、自分が罵倒されたように感じて当然である。

*6 『秘密の部屋』を開放する鍵となった「リドルの日記」を所有し、それをジニー・ウィーズリーの手元に忍び込ませた。自分の手を汚さず、敵対する家の娘にやらせたのである。

*7 なお、出血を伴う怪我だったとはいえそこまで深刻な重傷だった訳ではなく、しかも魔法界では多少の切り傷を治す程度は造作もない事である。腕が折れた挙句抜かれてしまった骨を生やす羽目になった去年のハリーと比較すればよくわかる。

*8 ただし本心から応援していた訳ではなくハリーへの嫌がらせの為にハッフルパフ・レイブンクローの生徒がセドリックを応援するよう煽っていただけで、エピローグではセドリックを侮辱している。

*9 スラグホーンは死喰い人を嫌っており、旧知の仲だったノットが死喰い人だったと知った時は興味を失っており、ドラコがアブラクサスの孫であると聞いてもアブラクサスが死んだことは残念がりつつもドラコには全く興味を持たなかった。

*10 5巻でモンタギューがフレッドとジョージによってこの棚に突っ込まれたとき、ホグワーツ側とボージン&バークス側の会話を両方聞いており、その話を聞いたことでこの作戦を思いついたらしい。

*11 杖は母親のを借りた。このためルシウスの杖がヴォルデモートに取り上げられていたのを合わせて親子三人全員杖を失った。

*12 険悪になったのは、映画版ではロンの方から煽ったりマルフォイ家の醜聞をハリーに教えた為。原作では、最初の出会いでドラコの高慢さや愚痴の多さにハリーが嫌気が差したため。