加頭順/ユートピア・ドーパント

登録日:2010/11/24(水) 17:31:33
更新日:2023/08/29 Tue 23:34:07
所要時間:約 6 分で読めます






わたし、ショックです



仮面ライダーW』の登場人物。名前の読みは「かず じゅん」。

演:孔大維(コン・テユ)



【概要】

ミュージアムのスポンサーである『財団X』の使者の一人。ミュージアムの業績や支援金の話で度々、園咲家を訪れていた。

常に抑揚のない口調とテンションで淡々としている。人並みの感情を持っているのだが、
その口調と常時完璧な無表情のため全く表に出ず、他人からは感情がないように思われがち。
驚いて手に持ったものを取り落とす姿をよく見かけるが、顔はあくまでポーカーフェイスである。
こんな男でも昔はバーニングなテニスをしていたのだ。

園咲家から追放された冴子を救い、その後も彼女を手助けするような立ち振舞いをする。
その理由は、


冴子(あなた)が好きだから」


そうこの男、惚れた女のためこの計画を建てたのだ。
しかしあまりにパーフェクトなポーカーフェイスのおかげで終盤まで全く信じてもらえなかった。
「こんなに心のこもってない告白は初めて」と言われた時は、ショックでフォークを落とした。


園咲家の崩壊後、若菜を使って地球全土の人間のうちガイアメモリ適正の無い者を消滅させる『ガイアインパクト』を継続し、
新生ミュージアムのトップを冴子にしようとする。

スポンサー側である加頭がわざわざ入れ込む理由は、ひとえに愛する冴子のためであるが、
冴子はあくまで“父親が期待を寄せる若菜(妹)より自分の方が優れている”と父親に認めてもらいたかったのであり、
加頭のお膳立てを「こんな形で若菜に勝っても……死んだお父様は絶対に認めない!」と完全に否定。
冴子に拒絶され続けた加頭は、最終的に若菜を助けるために挑んできた冴子を返り討ちにして締め殺した。


結局一人きりの理想郷か……


実は不死の兵士『NEVER(ネクロオーバー)』であり、生身の状態でドーパントの攻撃を受けても死なない。

刃野やマッキー、ウォッチャマンら情報屋の面々、果てはヒロイン(?)である亜樹子まで、フィリップの周辺の人物を襲撃。
若菜とシンクロしていたフィリップを苦しめ、若菜を目覚めさせようとした。

目覚めた若菜を使ってガイアインパクトを達成しようとしたものの、その最大の理由である冴子には拒絶され、
最終的に翔太郎に若菜を奪還されたためガイアインパクトは失敗。
最期は仮面ライダーWと戦い、激闘の末マキシマムドライブを喰らうも立ち上がり再度ドーパントに変身しようとしたが、
ガイアウィスパーが唱えられた瞬間メモリが崩壊。そのまま立ちすくんだまま消滅した。



お前の罪を……数えろだと……?

人を愛することが、罪だとでも……


ラスボスチックなお父様の後に登場した(加頭の登場自体は結構前からだが)裏ボス的存在である。
人をパーツ扱いにして残虐非道、それでいて純愛に生きたりと、なかなかの良ボスと言えるだろう。
この後に出た最後の敵はあんなのだったけど気にするな。



ユートピア・ドーパント


スポンサー特権という奴ですね。コレは私と適合率98%
まさに、運命……

\ユートピア!/

貴方とは、次元が違う

身長:222cm
体重:111kg
特色 / 力:人間の生きる希望を奪ってエネルギーに転換する、重力を自在に操作する
スーツアクター:藤井祐伍

加頭が「ユートピアメモリ」で変身する「理想郷の記憶」を司るドーパント。
武器は「理想郷の杖」
この杖は重力を操る能力を持ち、「攻撃前に相手の動きを停止させる」「相手を空中に浮かべ吹っ飛ばす」などと変幻自在な攻撃・防御が可能(変身時にも周囲の物体を浮かせる)。
また手で触れた相手から希望や願望といった「生きるための感情」を吸い取って蓄え、それを自らのエネルギーに変換する能力を持ち、それによって相手を上回る強さを獲得することができる。
そして感情を奪われた人間は顔を失ったのっぺらぼう状態になり仮死状態にされる。
この能力で刃野、マッキー、ウォッチャマン、サンタちゃん、クイーン&エリザベス、亜樹子は希望を襲われてしまった。

強力な能力だが生きているものにしか効果はない上、相手の肌に直に触れなければ使えないため、翔太郎には帽子で阻止された。

純粋な戦闘力もかなり高く、火炎弾や雷、地割れを引き起こし攻撃する。
また仮面ライダーアクセル・トライアルの動きに対応するほどのスピードも持っており*1照井竜を火炎弾攻撃で大火傷させ照井焼き状態戦闘不能にまで追い込んだ。
その後照井は病院へ搬送され、退院後も全身に包帯を巻いたミイラ人間状態になったが、これでもまだ物理的な被害としては軽い方らしく、フィリップ曰く「彼が特異体質でなければ、この程度では済まなかった」らしい。

だがガジェットのワイヤー程度であっさり拘束されて死にかけたりしたので、感情の無い機械相手には滅法弱い。

《ユートピアメモリ》

園咲家の者が使うものと同じ“ゴールドメモリ”のガイアメモリ。
本来、ゴールドメモリは園咲家の人間しか使えないが、スポンサー特権で入手した。
加頭との同調率は98%で、非常に相性が良い。
ちなみにメモリ表面の「ユートピア」の「U」の文字は、二人の人物が向かい合い手を取り合うように見える。
が、手の組み方を見ると、指の位置がおかしい。握手というよりは手揉みをしているような感じである。
実際に手を組んでみるとわかるが、一人で手を組めてしまう。
加頭の一人よがりの理想郷とマッチした、皮肉なデザインである。

ちなみに、「W」は「U」を二つ合わせて出来たアルファベットという説がある。
二人で一つのWに対して、一人きりのUtopiaという対比も偶然か計算したかは不明だが、中々面白い物ではある。



【顛末】

サイクロンジョーカーエクストリームとの戦いではWの「希望」を吸い取ろうとするも、文字通りの「命懸け」のフィリップの“最後の思い”を吸いきれず圧倒される。
〈エクストリームメモリ〉に加え〈プリズムメモリ〉を使ったMD〈ダブルプリズムエクストリーム〉の連続キックを受けてメモリブレイクされ、消滅した。
メモリが壊れたため、亜樹子達も無事に元に戻っている。

ゴムパッチン攻撃はしない。あとさりげなく若菜にセクハラをした。





以下、ネタバレです。
知らずに閲覧されると、私ショックです





仮面ライダーダブルRETURNS 仮面ライダーエターナル

実は超能力者「クオークス」でもあったことが判明。
パイロキネシスやサイコキネシスは自身の能力であったのだ。

更になんと「ロストドライバー」と「エターナルメモリ」を使って『仮面ライダーエターナル レッドフレア』に変身している。



私、仮面ライダーでした


レッドフレアの姿で大道克己を痛めつけるも、彼が何かを感じ取ったエターナルメモリを掴んだ瞬間、
何故かエターナルメモリが不調となり、変身解除されてしまう(後にこれは克己とエターナルメモリが共鳴し、加頭に使われることをメモリが拒否したと克己が言及している)。
以降は、有事の際は自分と一番相性の良いユートピアメモリを用いてユートピア・ドーパントに変身するように。

克己を捕獲後はアイズ・ドーパントでもあるドクタープロスペクトと行動を共にし、
彼を殺すために現れた克己をドーパントとなって殺害しようとするも、再びエターナルメモリが彼に反応を示し、
導かれるようにロストドライバーとエターナルメモリを手に取った克己が、真の仮面ライダーエターナル・ブルーフレアに変身したことで形勢は逆転。
エターナルメモリのマキシマムドライブで変身を解除された後、トドメに生身でエターナルのキックを喰らい『蹴り殺された』
そう、加頭は克己に一度殺されていたのだ。
※ちなみに仮面ライダーに変身もしていない生身の人間状態で殺されたのは『真・仮面ライダー 序章』の氷室巌くらいで、どちらも財団という組織に属している共通点がある。


なお、この時もユートピアの能力である「感情を吸い取る能力」を使用したが、NEVERの特徴として、人間らしい感情が失われつつあった為か、
もしくは彼がすでに一度死んでいる(=生きていない)存在である為か、ほとんど精神力を吸い取ることができず、克己も仮死状態にはならなかった。


私、仮面ライダーに二回もやられてました


私、本当にショックです


その後、彼はまだ組織に必要だとして、田畑など「財団X」に遺体が回収され、NEVERにされた(細かい事に生前と死後ではユートピアの色の明るさが違う)。


風都探偵

故人であるため本人は登場しないが、5巻「超人r」と12巻「迷路棟のh」で回想シーンで登場。
5巻ではリアクター・ドーパントの膨大なエネルギー対策に翔太郎が「膨大なエネルギーを秘めた相手に最も有効な手段」と、ユートピア・ドーパントを回想しながらダブルプリズムエクストリームの使用を提案したことで、
「希望を奪う能力による凶行で溜め込んだエネルギーに上乗せする形で、許容量をオーバーさせるエネルギーを叩き込んだ」と間接的に最終決戦の補足がなされた。
12巻では翔太郎の親友である本条隼人の研究に対してガイアメモリを提供していたことが発覚。
「わざとらしく物を落とす人」とはっきり言われているあたり、作中人物の目からみてもかなりの奇行だったようだ。


後の作品への客演


仮面ライダージオウ

EP LAST「2019:アポカリプス」にて、ン・ダグバ・ゼバサジタリウス・ゾディアーツ、ゲムデウスバグスター、仮面ライダーエボルと共に召喚された。
ウォズオーマジオウ誕生の祝辞には何か思うところがあるのか気怠げに拍手を贈り、その後オーマジオウに倒されて爆散した。



余談

感情表現の乏しい加頭順であるが、演じたコン・テユさんの素は滅茶苦茶明るい。
ファイナルトークショーではかなりのフリーダムっぷりを見せつけた。

冴子さん「私もなんか殺されちゃって……」
加頭「すみません。あんだけ好き好き言ってるのに全然信じてくれないから、ついカッとなって……」
ウォッチャマン「完全にただの犯罪者の台詞だよ!


なお、後にコン・テユさんは『特命戦隊ゴーバスターズ』Mission37『黒と白の花嫁』にてゲスト出演。
イエローバスターこと宇佐見ヨーコの小学校時代の初恋相手だった長谷川先生を演じている。
加頭とまったく違う素のコンさんのキャラクターが見られるので、Wファンならずとも必見といえる。

また、フィリップが消えるシーンで台本に泣くなと書かれていたのに菅田将暉さんがもらい泣きしてしまったのは有名な話だが、
それを見たスタッフ一同&若菜姫、加頭、霧彦*2が大号泣し、興奮冷めやらずコン・テユさんがダブルドライバーを買いに行ったらしい。
(我慢できず帰りの電車内で開封&音声確認、照井と冴子姉さんと一緒にはしゃぐ)


『仮面ライダーエターナル』で自身が演じる加頭がエターナル・レッドフレアに変身したことについては、
そのメイキングで「仮面ライダーになれた」と喜ぶ姿が確認できるが、一方でレッドフレアは既に変身した状態で登場しているため、
「変身シーンもやりたかった」と残念がってもいた(そのせいか、「変身解除をする」という、変身シーンがないことのイジりにも見える紹介をされている)。


「追記・修正してもらえないと、わたしショックです」

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最終更新:2023年08月29日 23:34

*1 ただし周囲の重力を倍化させて鈍らせていた

*2 翔太郎役の桐山漣氏と非常に仲が良く、クランクアップ後も彼の送り迎えに来ていたほど