テュポン(ギリシャ神話)

登録日:2011/05/08(日) 19:26:40
更新日:2022/11/01 Tue 06:48:32
所要時間:約 5 分で読めます




Typhon

テュポン(テューポーン、テュポエウス、テュフォーンとも)はギリシャ神話に登場した最強の怪物である。

パパママはタルタロス(奈落)とガイア(大地)。
ゼウスたちオリュンポス神族がティタン神族やギガス神族との戦いに勝ち、調子に乗り始めたので懲らしめるために生まれた(※基本ガイアが発端だが)。
その姿はギガス神族を遥かに凌ぐ巨体(頭は星々を掠め、両腕を伸ばすと東西に届いたとされる)で千(百)の頭を持ち*1、巨大な蛇の下半身を持つ。
……両脚がヘビの胴体と尻尾になって肩から100匹のヘビを生やしたシュワちゃんとイメージすればいいかも。

後に妻にエキドナ(巨大蛇)を迎え、
ヒュドラ(九頭蛇)、ケルベロス(三つ首犬)、オルトロス(二つ首犬)、ラドン(大蛇)、キマイラ(怪物の女王)などをもうけた。
ゼウスたちを襲った理由は調子に乗っていることを諫めるため。
ガイアにしてみればギカス神族とティタン神族は両方とも自分の子供であるために、
孫、曾孫世代のオリュンポスにいい加減にしろとお婆ちゃんのガイアもとうとうトサカにきてしまったのだ(※自分の思い通りにならないからです)。
テュポンはおかんガイアの言い付けの通り、パーティーやってたゼウスたちを襲った。慌て逃げ出したオリュンポス神族たち。

※ちなみに、この際に慌てふためいた牧神パンは魚に変身しようとして失敗……「山羊の上半身に下半身は魚」と云う珍妙な姿になってしまい、
これを永遠に笑う為に(ヒデエ)星座にされたのが『山羊座』
※そして、アフロディテとエロスがはぐれない様に互いをリボンで縛り、「魚」に化けて逃げた姿に感心して星座にされたのが『魚座』である(異説あり)。



……しかしゼウスだけはリーダーの手前、テュポンに立ち向かった(自信もあった)。
……得意の雷をぶつけるゼウス。
槍(鎌の説もあり)を突いたりとラッシュを掛け、一気に畳み込んでしまおうとする。

何も出来ないテュポンはただただガードを続ける。


『ワシはスーパーゼウスじゃあ!』


\ピシャーン!!/


……得意満面になって留めとばかりに雷を落としまくるゼウス。轟音と共に大地が裂け、土煙が巻き上がる。
天地は揺らぎ、大海を沸騰させる神々の戦い!! ……人間涙目である。
『バカめ! 主神たる俺様には何人たりとも勝つことは出来んのだあ!』勝利を確信し、笑いの止まらないゼウス。しかし……。

大先生『何なんだあ~今のはぁぁぁ?(巻き舌)』


\デデーン!/



ゼウス『ひっ! ……』

大先生『笑ぁぁらえよ……ゼウスぅぅぅぅぅ(巻き舌)』

テュポンはゼウスの猛攻にも関わらずほとんど無傷。何もできなかったのではない。何もしなかっただけだったのだ。

この『お前ぇぇぇ……私に何かできたのかぁぁぁぁ?(巻き舌)』と言わんばかりのテュポンの余裕にさすがのゼウスも逃げ出した。
逃げ出したゼウスをテュポンはやすやすと捕まえ、ゼウスの体の腱を切って反省しろと洞窟に閉じ込めた。

しかし見張りのデルピュネがヘルメスに騙され、ゼウスは脱出……再戦に臨んだゼウスは天馬の引く戦車に乗り込むと、本気モードでテュポンに挑んだ。
その後、劣勢を挽回しようとしたテュポンは自業自得だが運命の女神モイラの作戦にハマり、
全ての望みを叶えなくするという『無常の実』を食わされ、大幅にパラメーターダウン
ゼウスは、前回の反省を活かした戦い振りで遂に大先生をマグマの底に突き落とし、止どめとばかりに山を投げ付けて蓋をして閉じ込めてしまうのだった。


ゼウスWIN!!
\ピシャーン!!/


ゼウス『やっぱりワシは最高神じゃあ!!』
しかし、テュポンは不死身の体を持つため、死ぬ事は無く、何とか「蓋」を押し退け様とする度に地上が鳴動するのが「地震」の始まりなんだとか。*2

また、「台風」=タイフーンの語源もテュポンの荒れ狂う様から名付けられた物である。

ちなみにゼウスがテュポンを閉じ込め、「蓋」をして封印したとされるのがヨーロッパ最大の活火山である「エトナ火山」である。

大先生(火山)が近年もビンビンに活動していらっしゃるよ……怯えてさしあげろ(名言)






一応、余談めいたものを述べると訳によってはゼウスがテュポンと最初から「互角」の争いを演じるバージョンもある。
……と云うか、元の神話では世界を道連れにした戦いの末にゼウスの怒りにより灼き滅ぼされたとされている。
何しろ、ゼウスの雷は現在イメージされているような普通の雷ではなく、元々の描写では放つと空間中に満ちるオールレンジ攻撃で、しかも電気属性どころか万能属性持ちで、世界はおろか宇宙をも灼き尽くせるとか抜かされているからである。
寧ろ、ゼウスとタイマン張れたテュポンが異常なのだ
大筋の流れは変わらないが、ゼウスがギリシャ神話の最強神であるのは間違い無いので悪しからず。







追記、修正は大災害(テュポン)を前にしても逃げない方がお願いします。

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最終更新:2022年11月01日 06:48

*1 描画が大変なのでメデューサのような頭にされることが多い

*2 一部伝承ではゼウスの弟・海神ポセイドンが地下水を動かしているという説もあった