クレタの牝牛(漫画)

登録日:2011/10/01(土) 01:21:11
更新日:2024/01/25 Thu 21:57:29
所要時間:約 6 分で読めます




田亀源五郎の読み切りゲイ漫画。

オークラ出版より発行のアンソロジー集「肉体派 vol.17 極!!雄っぱい」に収録された。

現在発売中の田亀氏の単行本「筋肉」(オークス)にも収録されている。


◆あらすじ

神話の時代。
半人半牛の怪物ミノタウロスへの生け贄を要求する暴君ミノス王を倒すべく、
英雄テセウスはミノスの居城クノッソス宮殿に乗り込む。

「長年 我がアテナイの若者たちを居りもせぬ怪物ミノタウロスの生け贄としてきた報いだ!」

「愚かなりギリシャ人(ヘレネス)よ、ならばその目でしかと確かめるがいいわ!
 王の牡牛ミノタウロスの姿を!」

不意を突かれたテセウスは怪物に捕らえられ、なすすべもなく食い殺されるかと思われたが……。

◆登場人物

  • テセウス
「イヤだ……イヤだ……ウソだ……ウソだ……」

アテナイの王子。
ギリシャ神話の大英雄だが、見た目はいつも通りの田亀的ヒゲマッチョである。
ミノタウロスにあんなことやこんなことをされえらいことに。
タイトルの意味は……。

  • ミノス
「私も最後まで見届けさせて貰うぞ。
 ミノタウロスの花嫁に選ばれた者は、いったいどのような運命を辿るのか……」

クレタ島を治める王。
こちらは田亀作品には珍しいタイプのエキゾチックオッサンキャラ。絡みがないのが残念。
神話では最高神ゼウスとフェニキア王女エウロパの間に生まれた子で、母エウロパは欧州(ヨーロッパ)の語源になっている。
主人公の敵の王様であり、テセウスをミノタウロスに与えた張本人……と如何にもヒールなポジションのキャラだが、
冷静に考えると作中でやってる事はほぼ成り行き任せなのは内緒。 

「その者は天からやって来たのだ!天駆ける神盾に乗って雷のように空から!」

ミノスの后パシパエが牛に恋して産んだとされる怪物。
が、その正体はUFOに乗って飛来した宇宙生物だった。
ミノタウロスは通り名でミノス王のつけた本名はアステリオス(雷光)。

単行本「筋肉奇譚」では1ページを割いてコラム形式でミノタウロスの設定を解説しており、それによれば、
「ミノタウロスはクローンを宿主に植え付け宿主の遺伝情報を取り込みながら増殖するタイプの生物である」とのこと。
なんだこの本格SFは……たまげたなぁ。

◆エピローグ

監禁されミノタウロスに犯され続けたテセウス、だんだんと腹が膨らみ乳首からは白い液体が噴き出す。

「そうか!アテナイの王子よ、そなたミノタウロスの子を孕んだのだ!」
「アステリオスの子を産むが良い!そしてその乳で育てるのだ。
 産まれる子供はこのクレタの守護神となろう!」


「産め!神の子を!」


「ぎゃあああああああああああっ!!」


― THE END ―

◆総評

異種姦、雄乳、出産と盛りだくさんの内容に加えて時代物に対する造詣の深さ、
アイディア力が光る田亀先生の魅力がつまった短編といえよう。
興味のわいた方は早うホモ漫画まみれになろうぜ。
「イヤだ……イヤだ……!」


追記・修正はミノタウロスに尻を掘られてからお願いします。

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最終更新:2024年01月25日 21:57