ダーク・アームド・ドラゴン

登録日:2011/06/05(日) 23:22:43
更新日:2023/12/17 Sun 20:09:33
所要時間:約 6 分で読めます





相手の場にはBF-アーマード・ウィング、伏せはミラー・フォースとスターライト・ロードとわかっている。
こちらは手札1枚……絶体絶命だ! そんな時はこの呪文を唱えてみよう




ボチ ヤミ サンタイ



ダーク・アームド・ドラゴン


特殊召喚・効果モンスター
星7/属性/ドラゴン族/ATK2800/DEF1000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地属性モンスターが3体の場合のみ特殊召喚できる。
(1):自分の墓地から闇属性モンスター1体を除外し、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。


PHANTOM DARKNESSで登場したモンスター。
このパックは過去に登場したモンスターがダーク化したモンスターが多数登場しており、
このカードもアームド・ドラゴンLv7が闇に堕ちた姿である。
わるい・アームド・ドラゴンなのである。
略称はダムドが一般的。ちなみに、この「ダムド」という読みの英語は、「酷い(damned)」というものが存在する。

イラストはアームド・ドラゴンと対を成すかのように背面から見た姿が描かれている。
後に必殺技カード「ダーク・ジェノサイド・カッター」が登場した*1

効果の方はかなり強力で自身の召喚条件と合わせると出した時3枚までカードを破壊できる。
3枚も破壊できれば大抵相手の場はがら空きになるので安全に攻撃を通せるし、
通常召喚した下級モンスターとの戦闘ダメージの合計はだいたい4500ぐらい見込める。

だがしかし墓地に闇3体という召喚条件が非常に厳しい。
多すぎても駄目だし少なくても駄目。
強いカードも出せなければ紙クズと同じである。

KONAMI的にも召喚条件の厳しさからかそこまで使えないと判断したのだろう。レアリティはレア。
プレイヤーとしても、情報が出た当初は「出せれば強い」カードなんて過去にはいくらでもあるので、このカードもそれらと同じように埋もれるものだと思われていた。
思われていたのである……





あれ?
これって簡単に出せるんじゃね?



そう!実はこの墓地に闇3体という召喚条件は想像通り、いや想像以上に簡単なものだったのだ!


まず墓地に闇がない時の墓地肥やしだが、そこは属性。
このカードと同時に登場した終末の騎士、海外では同時で日本では後に登場したダーク・グレファーなど非常に優秀な墓地肥やしが揃っている。
さらにシンクロ召喚が登場したことにより自分のモンスターを能動的に墓地に送れるようになったので3体などあっという間だった。
というか前2者はこのカードを筆頭にした闇属性サポートのために登場したものなので、相性が抜群なのはあたりまえなのだがやりすぎであった。

そして墓地に闇が4体以上になった時だが、そこ属性。
ネクロ・ガードナー、ゾンビキャリアディアボリックガイなど汎用性が高い優秀なモンスターの中には、自力で墓地から動けるものが揃っている。

加えて当時はルール上、召喚直後に起動効果を発動宣言できたため、例え奈落の落とし穴に落ちようとも最悪1枚は破壊することが出来た。
そのため、最初に破壊するカードはモンスターまたは表側表示の魔法罠を指定するのが定石だった。

召喚条件こそあれど召喚コストが無いため、手札に複数あれば連続して特殊召喚し、2800を並べてビートすることも可能。
流石に運が絡むが、3枚揃っていればダイレクト3回の8400ダメージで1ターンキルも可能。
このように極めて簡単に特殊召喚され、シンクロ黎明期当時に猛威を振るったアンデシンクロとともに大暴れし、このカードを切り札・主軸としたデッキは【ダムドビート】【シンクロダムド】と呼ばれていた。

そんなわけで環境の象徴と化したダムドは結局08年9月に準制限、09年3月に制限カードと順調に規制をくらった。
だがそれでも一枚で勝ち筋を作れるので、BFインフェルニティ等の闇が多いデッキならば墓地調整がしにくいデッキでもほぼ投入されていた。
制限となったこのカードの役割は、禁止カードになる前のカオス・ソルジャー −開闢の使者−のそれに近く、
展開されたときの切り返しや、相手のライフを削り切るフィニッシャーとしての運用が主であった。

とはいえ登場後、環境もインフレして来たため2014/04/01に準制限カードへ制限緩和された。
が、そのタイミングで闇属性墓地肥やしテーマのシャドールが登場し、大方の予想通りそこで暴れたため、半年後の10/01にまた制限カードへ戻された。
そもそも14/04/01頃に使用率が低かったのは、単にその頃の闇属性があまり強くなかっただけであって、
このカード自体のカードパワーはインフレが続く8~9期基準としても落ちている気配はなく、今後も闇属性デッキのエースとして君臨し続けるだろう。
その後シャドールはネフィリム・ミドラーシュ共に無制限となり完全復活したため、シャドールの活躍次第でこのカードの命運も変わってくるだろうと思われたが、
シャドール含めた闇主体のデッキがさっぱり環境に顔を見せなくなった為か2019/07/01に再び準制限、同年10/01にはとうとう無制限へと完全釈放と相成った。
環境のインフレに伴い、これ程までのパワーカードが無制限へと舞い戻るのもまたかつての開闢の使者を思わせる。

ちなみに値段は強力さの割にすごく安い。
もともとのレアリティが低いうえにゴールドシリーズ2010などにも再録されたため100円ぐらいで買える。
その強さが買われたのか、デュエリストエディションではレアリティがウルトラに昇格した。
イラストの格好良さと、闇属性の切り札というポジションにようやく相応なレアリティとなったといえる。

なお、TCGではシークレットレアだったため再録されるまでは2万円ぐらいだった。
当時ギャラリーが「すげえ!英シクダムドだ!」と漏らしてしまったため敗退したデュエリストもいるとかいないとか。
環境需要の低迷なども相まって値は下がったがTCGではOCGには存在しないアルティメットレア仕様のダムドが存在し、その人気からこちらが値上がり傾向である。


◇リメイク
2018年にはリメイク版が登場している。コイツ自体がアームド・ドラゴンLV7のリメイクなので、リメイクのそのまたリメイクということになる。

  • 撃滅龍 ダーク・アームド
ランク7/属性/ドラゴン族/ATK2800/DEF1000
レベル7モンスター×2体以上
「撃滅龍 ダーク・アームド」は1ターンに1度、自分の墓地の闇属性モンスターが5体のみの場合、
自分フィールドのレベル5以上のドラゴン族・闇属性モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。その後、自分の墓地からカード1枚を選んで除外する。
この効果の発動後、ターン終了時までこのカードは攻撃できない。

普通のエクシーズ召喚に加え、墓地の闇属性が5体の時のみ、上級の闇ドラゴン1体でエクシーズ召喚できる。
除去効果も健在だが、素材の数と言う制限があるので普通は1回か2回が限度。さらに攻撃制限のデメリットも背負っており、本家ダムドよりも全体的な使い勝手は悪化している。
その他、除外するカードの制限はなく、除外するのは効果であり、破壊できるのは相手フィールドに限られる。
攻撃制限がかかるのは効果を使った後なので、攻撃した後なら踏み倒せる。


◆主な相性のいいカード
一緒に暴れまわったのが多いのでだいたい規制がかかっている。

◇闇の誘惑
闇専用の手札交換カード。
出しやすいとはいえダムドは腐りやすいので処理したりできる。

◇異次元からの埋葬
除外されているモンスターを3枚持ち主の墓地に戻すことができる速攻魔法。
墓地型BFやシンクロアンデットのお供。
墓地枚数を調整することで召喚条件を整えられるし、効果コストで除外したモンスターを戻してまた効果発動コストにしたりできる。
「メタビート側が初手《マクロコスモス》で完封していたのに、埋葬からダムドが飛び出てきて盤面が崩壊。そのまま負けてしまった。」なんて話もよくあった。

◇大寒波 (禁止)
自分の次のターンまで魔法・罠が一切使えなくなり伏せることもできなくなる魔法カード。
ダムドの親友その1。
効果を安全に使えて返しのターンの守りもできなくなるので使われたらほぼ死刑宣告と思っていい。

ダーク・ダイブ・ボンバー
ご存じ最凶シンクロモンスター。
ダムドの親友その2。
こいつと一緒に並ぶと2800+2600+(1400×2)=8200でワンキルが成立する。
これが後攻1ターン目からけっこうな確率で出来た時期があったためみんなのトラウマ。
大寒波があるとよりベター。

ちなみにエラッタされて帰ってきたが、効果使用にかなり制限がかかったので並べるだけではワンキルは無理。
しかし相性が良い点には変わらず並べれば最低でも4000ダメージを与えられる可能性自体はあるので再び活躍できるだろう。

次元融合 (禁止)
◇異次元からの帰還 (禁止)
親友その3その4。
適当に墓地の奴らを除外した後使うだけで場にモンスターが並ぶ。
両者とも禁止カードなのでリミットレギュレーションでは使えません。

◇終末の騎士 (制限)
◇ダーク・グレファー (準制限)
墓地肥やし界のハンセンとホーガン。
ダムドを最速降臨させる上では今も昔も重要な2枚。

終焉の精霊(ジ・エンド・スピリッツ )
攻守が除外された闇属性×300になり、破壊されたら除外された闇属性を全部墓地に戻す。
ダムドの効果で除外する度に攻守が上がり、破壊すれば弾が補充される。

◇ヴェルズ・サラマンドラ
墓地のモンスターを2体まで除外して攻撃力を除外した数×300上げる、肥えすぎた時の調整に
ヴェルズ且つ恐竜族なのでオピオンやラギアのX素材に使える。

◇闇王プロメティス
召喚成功時に墓地の闇属性モンスターを任意の枚数除外、エンドフェイズまで攻撃力を除外した数×400ポイントアップする。
召喚成功時にしか使えないが上限無しなので簡単に調整できる。


◇貪欲な壺 終わりの始まり
墓地に増えすぎた闇属性モンスターの枚数調整に。アドバンテージも稼げる。

◇ダーク・ネフティス
墓地の闇を2体除外して墓地に送り、次の自スタンバイフェイズに特殊召喚。
単体でも使える調整役、魔法・罠破壊のオマケ付き。

◇ダーク・クリエイター
上記のカードと違い、2体づつ闇属性モンスターが墓地から消えるので少々扱いづらいが、特殊召喚という大きな利点がある。
特殊召喚の条件が5体以上なので、5体→効果で除外し3体→ダムド
と繋げれば満足できる。

ファントム・オブ・カオス
墓地のモンスターを除外して名前、効果、攻撃力をコピーする闇属性悪魔族の下級モンスター、素の攻守は0。
相手にダメージを与えられない上に効果はエンドフェイズまでだが、最近は召喚僧から出てきて効果を使ったらオーバーレイされている。

◇ビーステッド
墓地の闇属性を除外して特殊召喚でき、マグナムートならダムドをサーチできる。
相手の闇・光属性へのメタにもなる。

追記・修正は墓地に属性モンスターが3体のみの場合にお願いします。

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最終更新:2023年12月17日 20:09

*1 ちなみにアームド・ドラゴンLv7の効果名がジェノサイド・カッターである