魔界の扉編に登場した能力(幽☆遊☆白書)

登録日:2012/07/16(月) 22:43:50
更新日:2024/02/16 Fri 17:44:34
所要時間:約 16 分で読めます





オレの領域(テリトリー)へようこそ…!!




幽☆遊☆白書』の世界には、人間界、霊界の他に妖怪達の住まう「魔界」が存在する。

この魔界と人間界の間にある、2つの世界を隔てる「界境トンネル」の結界が薄くなると、魔界からのエネルギーが人間界に影響を及ぼす。
それにより、通常の人間にも特異な能力を持つ者達が存在し始める。

この人々を作中では「能力者」と呼称していた。

暗黒武術界で多数の強力な妖怪が登場した後に、主人公達の前に立ちはだかった次なる敵が、紛れも無い「人間」であった事実は、当時の読者達に衝撃を与えた。

この項目は、作中で登場した能力とその能力者の一覧である。


■能力の概要

基本は全て、漢字名にフリガナとして英名。
発現する何日か前に強い目眩や吐き気に襲われた後に能力者となる。*1

能力の種類はその人間の生い立ちや性格、思い入れにより決まる。

能力者ごとに「領域(テリトリー)」と呼ばれる有効範囲があり、これを敷く事で各人の能力が発動する。また、霊感のあるものや能力者は領域に入ると分かるらしい。
蔵馬曰く「異空間に迷いこんだような違和感」とのこと。

基本的に霊能力の一種であるため、能力者となった者は妖怪など普通の人間には見れないものも見えるようになる。

その実態は、魔界との境界が薄れることで起こりうる脅威から身を守るための力
直接的な戦闘力が低い能力が多いのも、あくまでも「自衛のための力」である事の現れである。
恐らくは終盤にて界境トンネルが完全に開かれた際も、能力者は増えたものと思われる。
…作中のキルレシオ的にあんまり妖怪から身を守れてない気がするが、これは相手の格が違い過ぎたためだろう。


(シャドー)

相手の影を踏む事でその者の動きを封じる能力
単純ながら効果は強力であり、暗黒武術会を勝ち抜いた幽助の動きすら封じた。
肉体の動きどころか霊力などを使った力も一切使えず、その気になれば、相手の鼻と口を塞ぐだけで相手を窒息死させることも可能など、一度術中にハメてしまえば最強クラスの能力と言っても過言ではない。
強く念じる事で自分の影を使って物を動かす事も可能だが、元々出来ると分かっていた描写ではなく、死にかけたおかげで能力が進化した可能性が高い。
更に、影を動かした直後に気を失った為、恐らく気軽に使える能力ではない。*2

能力者

15歳。不良そうな外見とは裏腹に、小心者で頼まれ事を断れないタイプ。
しかし、内心そんな自分にコンプレックスを抱いている。
幼い頃、「影踏み」でいつも鬼役になっていたのが能力のきっかけ。

故郷の蟲寄市を「陰気臭くて娯楽も無いシケた街」と嫌っていたが、能力に目覚めてから故郷愛に気づき、街を守るために立ち上がった。
神谷との戦いでは、神谷の手で身体を動かす事も声を出す事も出来なくされながらも、影を動かして血文字を書くという機転で幽助に神谷の存在を伝えた。
その後は瀕死の状態でさらに能力を酷使したためか、仙水一味壊滅まで入院する事になり戦線離脱。

その後は彼女が出来たようだが、デートをすっぽかされたりするなど、あまりいい彼女とは言えない模様。

アニメ版では事件後、城戸たち3人は幻海から「できる限り、能力は使うな」という忠告を受け、事件解決後は生涯能力を使わなかった事が語られた。


禁句(タブー)

領域の範囲は10mほどで出入り自由。
領域内ではあらゆる暴力行為が禁じられ、「~と言ってはいけない」と宣言する事で能力が発現、「能力者が指定した言葉(禁句)」を口にした者は魂を抜かれてしまう。*3
意味のある単語としてではなくただの文字の並びの指定であり、例えば「あつい」という言葉を禁句にされた場合、「あ」と「つ」と「い」を続けて言った時点で魂が抜かれる。
この時、全く別の用途・意味で言っても発動するので、禁句によっては迂闊に言葉を発する事すら難しくなる。

作中では、
ぼたん「クワちゃん、オレンジジュースでいい?」
桑原「あ
蔵馬「オレも同じものでいいよ」
桑原「ついでに氷も入れてくれ。コップは透明なのがいいな。ストローもあったらつけてな」
というやり取りで桑原は魂を抜かれた。

また1文字だけでも禁句指定することができるうえ、指定できる禁句の数にも制限は無いと思われる(少なくとも50音全て指定するだけの猶予はある)ため、やろうと思えば何か発言した時点で魂を抜くことまで可能となる。
一方で特定の発音または発音の並び("あつい"="atsui")を指定しているとも取れるので、発音が異なる場合*4魂が抜かれない可能性があるが描写がないので不明である。

ただし、「暴力行為」でなければ相手の行動に制限はなく、能力も使う事ができる。例として蔵馬は植物を操る能力を使い、柳沢の胸ポケットから鍵を盗み、さらに眠らせることに成功している。
殴る蹴るのような行動でなければ直接触れられる事も防げないため、推測にしかならないが「触れるだけで経絡秘孔を突き死に至らしめる事が可能」な北斗神拳のような技に対しても恐らく無力。
故に相手次第ではこの能力が仇となってしまう危険性もあり、「完封」できるわけではない。
また能力者自身も禁句のルールを破れば、魂が抜けてしまう。それにより能力が解かれるために魂が抜けた者は元に戻るが、発動者自身は領域が解除された後でも自力で元に戻る事は不可能。
霊体すらない魂だけの状態となるため、誰かに戻してもらわなければ、1日であの世行き。

能力者

  • 海藤優(CV:二又一成)
17歳。(人間体の南野秀一としての)蔵馬の同級生にしてライバル
「盟王高校始まって以来の秀才」とも評されるが、総合テストで一度も蔵馬に勝った事がない(ただし文系の成績は彼の方が上)。
海藤と蔵馬の頭脳戦は、本作でも屈指の名勝負である。この勝負で敗れてからは、蔵馬とは良き親友となった。

趣味は読書・俳句・翻訳と、完全に文系のそれであり、若くして本も出版している文系の天才である彼ならではの能力と言える。
能力に目覚めてからはあらゆる言葉のパズルや言霊もマスターしたらしい。対戦中は「負けたことがないから(自分で禁句を言ったら能力が解除されるのか)わからない」と嘯いていたが、「自分で禁句を言ったらどうなるのか」を知るためにわざと自分で禁句を口にしたところ抜け出た魂を自身で戻せず、城戸と柳沢が幻海に助けを求めたのが幽助らと出会うきっかけともなった。
幽白の世界で激ムズゲーとして知られる『ゲームバトラー』をやり込んでいるゲーマーでもあり、「10回やれば7、8回は勝てる」とコメントしている。

その後は彼女の尻に敷かれながらも、高校生作家として活躍中。
ちなみにこの彼女、海藤以上の凄腕のゲーマーである。


模写(コピー)

触れた相手の姿形のみならず、声紋・指紋はもちろん、記憶や性格、果ては本人すら知覚していない「気紋(人間や妖怪に存在し、一人一人違う)」までも完全に「真似る能力。恐らく、耳紋や眼紋すらも再現しているのだろう。なお、強い痛み(アニメ版では霊妖力を込めた一撃)を与えられると変身は強制的に解除される。
「相手に変身する」という能力は能力系バトル漫画の定番だが、恐らく単純な変身能力ならトップクラスに高性能。また、記憶をコピーするために相手の持つ情報を知るためにも使えるなど応用も利く。
ただし、前述の強制解除と直接的な戦闘力は皆無なのが弱点。*5
また衣服までは変わらないので、完璧に変装する場合は着替える必要がある。
(桑原に変身した際、続いて出てきた本物の桑原は学ランをパクられてシャツとパンツ一丁だった)

非常に便利なこの能力は「医師(ドクター)」戦、「遊熟者(ゲームマスター)」戦など要所で重要な活躍をした。
医師(ドクター)」戦では、女性看護師に化けて敵に一杯食わせる戦果を挙げたが、そうなると女性の服を引っぺがしたという事に……?
あんまりにも非常事態だったから許してあげてください。
後に少し魔が差したりもしたようだが、柳沢本人の性格も相まって、悪用はしなかった。

能力者

16歳。愛称は「ヤナ」
彼自身が幼い頃より変身願望が強く、特技は物真似。先生や親の形態模写を毒気たっぷりに演じては怒られていたらしい。
ただしTVゲームには疎く、ゲームバトラーの問題を全部覚えた海藤には「ある意味アホだ」と呆れていた。原作でのゲームマスター戦ではパズル魔人と対決し、パズルが得意な海藤にコピーして勝利する活躍を見せたが、アニメでは幽助とアクション魔人による対決に変更されたため数合わせだけに終わった。

その後はクラスメートの高松さんに片思いしてたが、結局思いを告げる事は無かったようで、幼馴染らしきボーイッシュな少女(彼女もかなり可愛い)と10年後に結婚。
尻に敷かれてそうである。

その生い立ちが示す通りお調子者で三人の中ではリアクションも大きいが、基本は良心的で前述の通り高松さんのコピーが可能でも能力の悪用はしなかった。

盗聴(タッピング)

領域内の人間の思考を聞き取る=盗聴する能力。領域範囲は30mほど。
領域内の人間の心の声が会話と同じように聞こえ、強い思考であればあるほど大きな声で(本人曰く「そいつが一人で叫んでるみたいに」)聞こえるらしい。
劇中ではある女子高生と担任教師の禁断の恋を暴いた。探偵としてもやってけそうな能力である。
領域を広げている間は半ば強制的に聞こえてしまうので、室田にとって有意義な情報が手に入るとは限らない。
仙水の心の声を読んだ時には、恐ろしさのあまり発狂しかけてしまった。

余談だが、彼との戦いで幽助が使った読心術破りの打開策は有名である。


「右ストレートでぶっとばす」

「真っすぐいってぶっとばす」

「右ストレートでぶっとばす」

「真っすぐいってぶっとばす」

能力者

  • 室田繁(CV:福田信昭)
年齢不詳(恐らく20歳以上)。元プロボクサー志望。
言うまでも無く盗聴癖があり、猜疑心の強い性格。
中学生の時に、親友が自分の陰口を言っているのを聞いて猜疑心が強くなってしまったのが能力発現のきっかけらしい。

後に幽助らと(恐らく入院した城戸の護衛も兼ねて)別れた後、グルメ巻原(正確には彼を乗っ取った戸愚呂(兄))に能力ごと喰われてしまい、死亡。魔界の扉編の幽助側で唯一の犠牲者となった。
原作だとグルメ巻原(戸愚呂(兄))の口から語られるだけで明確な描写はないが、アニメ版では「喰われるシーン」が追加されている。
初登場時には雀荘での賭け麻雀で能力を使って荒稼ぎしていた。アニメ版での初登場場所は喫茶店に変更されている。


医師(ドクター)

能力者

詳細は当該項目を参照。

狙撃手(スナイパー)

能力者

詳細は当該項目を参照。

水兵(シーマン)

能力者

詳細は当該項目を参照。

遊熟者(ゲームマスター)

能力者

詳細は当該項目を参照。

美食家(グルメ)

能力者

詳細は当該項目を参照。



以下、ネタバレ






◆次元刀

領域は両手。次元をも切り裂く光の剣を生成する。
普通の霊剣と比べると鋭く実在の物に近いスタイリッシュな形状となっている。
防御力無視・ガード無視で敵を切り裂くチート剣。
また、あらゆる結界をも切り裂く事ができる他、次元と次元の間を抜けて別の場所に移動するという芸当もできる。

能力者

能力覚醒当時15歳。暗黒武術会以降、霊能力が使えなくなっていたが、すべてはこの能力に目覚めるための休眠期間だったらしい。

あまりにチートが過ぎる故か、桑原本人はこの能力を自在には扱えない。
強い怒りが発動のキーになっている模様。本人は気付いてないが、最低でも仙水・樹・飛影はこれに気付いている節がある。
仙水戦以後も同様の模様で、自在に扱えるようになったかは不明。


■余談

作中で仙水忍暗黒天使(ダークエンジェル)門番(ゲートキーパー)と呼ばれていたが、これは能力名でなく、単なる仲間内でのコードネームだったようである。
一応、2人とも名前に関連する力は持ってはいる。

元ネタは「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンド
作者本人としてはパロディのつもりで、読者も笑い飛ばしてくれると思っていたとの事。むしろパクリだと言われて凹んだらしい。その為か魔界の扉編以降では登場しない。

しかしながら、このあからさまなまでのパロディがなければ、後年多数生まれるジョジョをひな形とした数々の能力バトル作品は生まれなかったかもしれないわけで、幽白を語る上で見過ごせない要素であったりする。



◆追記修正(Wiki籠り)
アニヲタが能力者。領域はアニヲタwiki内。項目の追記、修正を行う。

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最終更新:2024年02月16日 17:44

*1 アニメ版ではこういった前兆となる症状は表れず、後述の城戸曰く突然目覚める模様

*2 負傷しつつ意識はあれど声が出せず体も全く動かせないという状況下で、必死に情報を伝えようとした結果、影で血を動かすことに成功。

*3 なお、「~と言ってはいけない」と言わなければ能力は発動しないらしい。また、禁句は後から変更する事も可能。禁句を事前に知らせることが必須条件であるかどうかは不明だが、領域の入り口の禁句を明示した貼り紙も能力の一部らしく、変更に連動して文面が変わっている

*4 「アツゥイ(atsuui)」「あとぅい(atui)」等

*5 霊的な能力までもコピー出来るわけではないようで、後述の室田をコピーしても彼の領域“盗聴”を使用していない。