ポリゴン(ポケモン)

登録日:2010/04/21(水) 21:47:05
更新日:2024/03/26 Tue 13:50:48
所要時間:約 12 分で読めます




研究の末生み出された人工のポケモン。
基本的な動作しかプログラムされていない。


ポケットモンスター』シリーズに初代から登場するポケモン

本項では進化形であるポリゴン2についても記述する。


■CONTENTS


ポリゴン


全国図鑑No.137
分類:バーチャルポケモン(赤緑のみシージーポケモン)
高さ:0.8m
重さ:36.5kg
タマゴグループ:鉱物(性別不明)

タイプ:ノーマル
特性:トレース(相手と同じ特性になる)
  /ダウンロード(相手の防御が特防の数値以上なら攻撃が、未満なら特攻が一段階上がる)
隠れ特性:アナライズ(ターンの最後に攻撃すると技の威力が1.3倍になる。相手の交代時にも適用される)

HP:65
攻撃:60
防御:70
特攻:85(初代のみ75)
特防:75
素早さ:40
合計:395

努力値:特攻+1


名前の通り、セガの「初代バーチャファイター」や「バーチャレーシング」とかで見るような、一昔前のポリゴンのようにカクカクに角ばった姿をしている。
シルフカンパニーの科学技術により世界で初めて人工的に作られたポケモン。古代人に作られたゴルーグや500年前に作られたマギアナといった人工ポケモンが登場したが、実はその時代からシルフカンパニーがあった…のか?

基本的にプログラムされた行動しか出来ず、ポケモンというよりロボットに近いと言える存在。
体を電子化し電脳空間を自在に移動する能力を持つ。ある意味デジモンの元祖。
呼吸をしていないので宇宙まで行けると期待されていたが、未だに成功していない。

違法コピー対策のためかプロテクトが掛かっており、複製不能なんだとか。しかし育て屋にメタモンと預けるとタマゴは発見できる。
ウルトラサン・ウルトラムーンでは時代遅れと言われてしまったが、近年では電子空間で怪しいデータがないか見回っている役割を担うこともある。


◆ゲームでのポリゴン


タマムシシティスロットコーナーで大量のコインと引き換えに入手可能なレアポケ。
赤・ファイアレッドとピカチュウ版では9999枚、青は8300枚、最も少なくて済む緑・リーフグリーンでも6500枚必要。

その割に能力値は低めで大した強みは無い。特徴的な専用技「テクスチャー」も微妙…
しかし、図鑑完成には避けて通れない道である…

ダイヤモンド・パール』ではウラヤマさんの庭で出現する他、『プラチナ』ではトバリシティでギンガ団から救出された物を譲り受ける事が可能。

サン・ムーン』と『US・UM』では、グラジオが殿堂入り後の防衛戦でポリゴンZを、バトルツリーアクロマがポリゴン2とポリゴンZを使用してくる。

Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』ではヤマブキシティで貰える他、7番道路で野生化。

ソード・シールド』では当初は登場せず、エキスパンション・パス『鎧の孤島』で解禁。
ストーリー終了後、マスタード師範の息子のハイドから隠れ特性のポリゴンを貰える。
『冠の雪原』ではダイマックスアドベンチャーの道中でたまに登場する。

LEGENDS アルセウス』ではさすがに誕生より前のローテク世界が舞台と思いきや 時空の歪み限定で「紅蓮の湿地」に出てくる ハイテクポケモン……。

SV
でも当初は登場しなかったが、エキスパンションパス『藍の円盤』で無事内定した。
なお、とある場所ででんきテラスポリゴンが登場するというわかる人にはわかるブラックなネタが仕込まれてる*1


◆対戦でのポリゴン

初代では同じく両刀型の能力や補助技に恵まれたピクシーの影に隠れがちだった。
「じこさいせい」「テクスチャー」が差別化要素だが、素早さが低く耐久力もさほどでもないのが辛い所。

金・銀』からは進化形のポリゴン2が登場したことにより、リトルバトルへの参加が可能となった。
こちらでは上記の微妙さから一転、「攻撃範囲が広い」「特性のおかげで火力も高い」「耐久力も並以上」と素早さ以外は優秀なアタッカーに。
ただし、性別不明のためタマゴ技を継承できず、リトルマッチ以外では「トライアタック」「じこさいせい」等を使えないのが難点。



ポリゴン2


さらに研究が進められ能力が高まった。ときどきプログラムにない仕草を見せる。

全国図鑑No.233
分類:バーチャルポケモン
高さ:0.6m
重さ:32.5kg

タイプ:ノーマル
特性:トレース(相手と同じ特性になる)
  /ダウンロード(相手の防御が特防の数値以上なら攻撃が、未満なら特攻が一段階上がる)
隠れ特性:アナライズ(ターンの最後に攻撃すると技の威力が1.3倍になる。相手の交代時にも適用される)

  • 種族値
HP:85
攻撃:80
防御:90
特攻:105
特防:95
素早さ:60
合計:515

努力値:特攻+2

ポリゴンのバージョンアップ版。
進化条件はポリゴンに『アップグレード』を持たせて通信交換。
かなり感情が豊かになり、人工知能を持たせているので様々な物事を自己学習する。
その結果、時折プログラムにない仕草をするようになったほか、ポリゴン2同士にしか分からない謎の言語を覚えたことも。

見た目もテクスチャマッピングがされたゲームのポリゴンのように、全体的に丸くなり(まるでアヒル型のおまる)、小型化に成功したのか高さや重さも下がっている。
元々は惑星開発用に作られたので真空の宇宙で活動できるが、未だに空を飛べず、無重力空間では身動きがとれないのがネックらしい。


◆対戦でのポリゴン2

特攻を筆頭にほぼ全ての能力が強化され素早さ以外はバランスの良い能力値を持つ。
金銀の頃は「のろい」「じこさいせい」等を利用した耐久型が、耐久有利な環境にマッチし、当時トップメタだったカビゴンとはまた違った形で猛威を奮っていた。
しかし『ルビー・サファイア』からはわざマシンの内容変更で「のろい」が没収されてしまい、前作程振るわなくなってしまった。

その一方で、特性『トレース』が独特でサンダースや『もらいび』持ちのほのおタイプを完封してみたり『いかく』持ちに『いかく』し返してみたり等、使い方次第では面白い事が出来る。

「10まんボルト」や「ほうでん」「れいとうビーム」「トライアタック」「でんじは」「どくどく」等、ノーマルタイプらしく技も豊富。
ただし「あくのはどう」はこの時点では覚えない。

ただほのおタイプの技が無いのではがねで止まりやすいのが欠点。
粘れるなら「めざめるパワー」を粘っておきたい。
第四世代で追加された新特性『ダウンロード』でアタッカーになってもいいが後述のポリゴンZが最大のライバルかも。
防御と特防がほぼ同じポケモンは『ダウンロード』対策調整をしていることも多い。

このままでも十分強いが、『ダイヤモンド・パール』からはさらにポリゴンZへの進化が可能となっている。
加えて『ブラック・ホワイト』からは進化前のポケモンの耐久力を上げる『しんかのきせき』というアイテムが登場。
系統的には進化前だが元々最終進化形だった事もあって十分な耐久種族値のあるコイツに持たせるとすさまじいことに
物理方面に特化させればあのクレセリアを越え、なんとバシャーモのタイプ一致とびひざげりを鉢巻以外なら耐える。特化鉢巻でようやく中乱数1発。ちなみに特殊方面なら等倍ではあるがカイオーガの雨下しおふきが同じく特化眼鏡で中乱数1発になる。


ただし近年は強化された「はたきおとす」の存在もあり過信は禁物。
また『サン・ムーン』からはZワザの登場で、きせきポリ2でも全く油断できない火力インフレになっている。

現在では当たり前になっている対面構築仕様のひかえめHC型は、実は第五世代の中盤に確立した比較的新しい型であった。当時ポリゴン2、ガブリアスハッサム、化身ボルトロスキノガッサカイリューによる一切交代しないことをコンセプトとする対面構築が成立していたが、対面構築が確立したのはこの頃だとされている。

OR・AS』で互換切りされる以前は「すてみタックル」で遂行速度を上げた物理型も存在していた。それ以降も「からげんき」で状態異常に睨みを利かせる両刀型が一定数使われる。

VC版『金・銀・クリスタル』の配信以降はレートでは使えないものの「のろい」型が復活。
ポケムーバーの仕様上隠れ特性固定となるが、後攻になると火力が上がる『アナライズ』なので相性が良い。

『ソード・シールド』では「どくどく」を失ったことで純粋な耐久型が難しくなったものの、環境にゴーストタイプが多い・かくとうタイプが少ないことや「どくどく」「はたきおとす」習得者の減少などで突破されにくくなったため、高耐久アタッカーとしてまだまだ活躍中。
対ゴーストに「イカサマ」もあり、「イカサマ」「アイアンテール」の火力を上げるために『アナライズ』で採用されることも増えている。

『スカーレット・バイオレット』でも蒼の円盤で内定 レギュレーションFから参戦したが……はたきおとす取得者が多く出たのと
やはり火力インフレのせいでしんかのきせきをつけたポリゴン2でも火力が受けきれない事例が多かったためか使用率が大幅に下がっている


ポリゴン2について、すっかり忘れられた小話をひとつ。
タイプを変えることができる「テクスチャー(テクスチャ―2)」を用いた話はしばしば話題になる。
たとえば第三世代では「ヌケニン相手に出してテクスチャーを使えばなかなかダメージを与えられない型になる」、
第七世代では「ポリゴンZはZテクスチャーによってタイプを変えながらZワザの効果でステータスを一気に上げられる」など。

しかしやはりこの「テクスチャー」絡みと言えば、第二世代で両立できた「のろい」との相互作用
「テクスチャー」でゴーストタイプに変わってから「のろい」を使えば、相手に効率的にダメージを与えられる。
そしてポリゴン2はこの双方の「のろい」と相性が良いのである。
但し「テクスチャー」は対象ランダムの上に第二世代時点では覚えられるゴースト技が「あくむ」しかなく
(「のろい」は???タイプなので対象外・「めざめるパワー」はノーマル扱い・更に当時「シャドーボール」は覚えられない)
「テクスチャー2」もノーマル・かくとうあく技を受ければゴーストタイプに変化するかもしれないと言うあまりにもリスキー極まりない仕様。
当時のポリゴン2では机上の空論にも甚だしく、つまり対戦環境での笑い話のひとつ……で終わるはずだった。
(ちなみに安定してこのコンボが出来るようになったのは、金銀VC・「シャドーボール」・「テクスチャー」の仕様変更が揃った第七世代だったりする)

さて、この時代に開発されたポリゴン2の型に「おんがえし/のろい/じこさいせい/ねむる@たべのこし」というものがあった。
これはポリゴン2が状態異常に弱いことを受け、「だったら状態異常を回復できるねむるを併用すればいいじゃん!」という思考に至ったものである。
とにかく徹底的に耐え続けてPP合戦を耐え抜くことを目的としており、まさに「耐久の第二世代」を象徴する型。そのあまりの死ななさから「ゾンビポリ」というあだ名がつけられた。
このゾンビという言葉は「何度でもしつこくよみがえってくる」という意味でつけられたのだが、これを伝聞で聞いた層が上記の「テクスチャー」の話とこのゾンビという言葉から受ける印象を結び付けてしまい
ゾンビのごとく呪いをかける地雷型のポリゴン2の呼称」と勘違いした人がいたのである。

話はさらに混迷を深める。金銀世代は互換切りの後も独自のコミュニティを築いて、その中で対戦理論を円熟させていった……というのは有名な話なのだが、
あろうことかこの「テクスチャー」+「のろい」型を研究して実践投入する層がいたのだ。対戦もすっかり煮詰まったので変態型の考察もかねて、ということらしい。
こうなると金銀から離れている聞きかじった程度の人は、その話を伝聞で聞いて「『ゾンビポリ』がまだ活躍している!」と勘違いしてしまう。
そしてさらに数年後のある時、まったくの偶然で金銀ガチ勢と聞きかじった人が偶然会話する機会が訪れる。

「金銀ってゾンビポリ(テクスチャー+呪い)ってのがいたんですよね?」
「えっ?ゾンビポリ(自己再生+眠る)なんてとっくに時代終わってたよ。かくかくしかじか……」
「えっ、じゃあテクスチャーは?」
「なんでそんなマニアックなもん知ってんのwあれはランダム性が強すぎて変態型の域を出なくて……」
「ああ、じゃあゾンビポリ(テクスチャー+呪い)ってそんなに強くなかったんですね」
「だからゾンビポリ(自己再生+眠る)は昔の流行で、とっくに時代が終わってて……」

実際にはここまでアンジャッシュのコントみたいになることは少なかったが、そこで初めて「ゾンビポリ」の認識違いに気づくというわけ。
俗称というものがいかに不確かかという一例である。ゾンビポリはまだ分かりやすかったし笑い話になるのだが、この時代の俗称はかなり複雑だったのだ。

この話をすると必ずテクスチャーとのろいの相互作用について「そんなにうまくいくわけがない」というツッコミをされるのだが、
VCが出る前の金銀環境というのは本当に「暇を持て余しすぎてメタがガチガチに固まってしまった」ような環境。
「耐久の第二世代」にあってポリゴン2がそもそも耐久力がそれなりに高く、特にカビゴンなんかを相手にうまくハマれば強いんじゃないかというところから研究が始まったド変態型。
メタが煮詰まりきってそういうことを試すような人がいたという、後の「カシブフーディン」的な話である。



ポリゴンZ


さらに優れたポケモンを目指し追加したプログラムに不具合があったらしく動きがおかしい。

全国図鑑No.474
分類:バーチャルポケモン
高さ:0.9m
重さ:36.5kg

タイプ:ノーマル
特性:てきおうりょく(タイプ一致技の威力が1.5倍から2倍になる)
 /ダウンロード(相手の防御が特防の数値以上なら攻撃が、未満なら特攻が一段階上がる)
隠れ特性:アナライズ(ターンの最後に攻撃すると技の威力が1.3倍になる。相手の交代時にも適用される)

  • 種族値
HP:85
攻撃:80
防御:70
特攻:135
特防:75
素早さ:90
合計:535

努力値:特攻+3


進化条件はポリゴン2に『あやしいパッチ』を持たせて通信交換。
電子空間だけでなく異次元空間も移動出来るように更なる性能アップを図ろうと、いかにも合法じゃなさそうなパッチを当てたため色々バグってしまったという、グレーゾーンギリギリなヤバいポケモン。
また、進化条件が2回とも通信交換となっている唯一のポケモンでもある(そのためやろうと思えばレベル1で2進化できる)。
詳しくは項目参照。 



Pokemon GO


やはりというか何というか、野生出現の確率は低めであり、タマゴも10kmのものから生まれるという入手が難しいポケモン。レイドバトルやGOロケット団から入手出来るようになるなど入手は少しずつ簡単になっているが……。

進化させる際も「アップグレード」「シンオウのいし」と2回とも道具進化になっているため、また一苦労するものの、通常技に「ロックオン」があるのでゲージ技は出しやすい部類。

2020年9月のコミュニティ・デイではピックアップ対象となり、色違いが登場した。期間中にポリゴンZまで進化させると、特別に「トライアタック」を覚える。

ポケスペでのポリゴン

図鑑所有者の一人、グリーン手持ちの一体としてポリゴン→ポリゴン2が登場。
詳細は手持ち項目にて。
なお2021年現在ポリゴンZも登場しているが、グリーンのポリゴン2が進化した個体ではない。



ポケモンショック


1997年12月16日に放送された「電脳戦士ポリゴン!」で初登場した……のだが……

この回は電脳空間を舞台としており、それらしさを出すため赤と青の光を高速で反転させるいわゆる「パカパカ」と呼ばれる演出を多用した。
これを見た一部の視聴者(主に子供)がそのショックにより吐き気や目眩、酷い者は病院に運ばれるという事態が発生。

後にポケモンショック等と呼ばれるこの事件は新聞やニュースで大きく報道され、マスコミの的外れな報道も手伝い、関連番組の放映が中止され、ポケモンという作品そのものの批判にまで発展。

後にこの現象が他の番組でも起こりえたという事が判明し、事態は次第に沈静化していったのだが…………

しかしこれが原因でポリゴン一族は以降のアニメには一切登場出来ないようになってしまう。
実際にフラッシュを起こしたのはポリゴンではなく10万ボルトを起こしたピカチュウなのに。

更にはこのポリゴン登場回も欠番になってしまい、実質動くポリゴンはどうやっても見れなくなってしまった。登場したポケモンを紹介する「オーキド博士のポケモン講座」にも当然登場しない。

その罪滅ぼしか以降のシリーズでは進化形が追加され地味に強化されたりしている。

実は金銀編ED『ニャースのパーティ』で扉からポケモンが雪崩れ込む中にこっそり猛スピードで飛んでたり、20年後の『サン&ムーン』ではナリヤ・オーキドの台詞中に名前のみ登場している。






『ポリゴンは何も悪くない(Porygon did no thing wrong)』ので、追記・修正はアニメ再登場を願ってお願いします。

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最終更新:2024年03月26日 13:50

*1 なお相性面では電気テラスはそれなりにポリゴン系統と相性がいい