黒の組織

登録日:2011/09/15 Thu 23:53:13
更新日:2024/04/24 Wed 15:40:57NEW!
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黒の組織(あるいは黒ずくめの組織)とは、漫画名探偵コナン』に登場する犯罪組織の便宜上の呼称


●目次

【概要】

名実共に本作における全ての元凶。
構成員の一部は全身黒ずくめの服装をしており、幹部級の主要構成員のコードネームは洋酒やカクテルの名前に由来しているのが特徴。
そのためコナンは主に「黒ずくめの組織」「黒ずくめの男達」などと呼んでいるが、灰原及びジョディ達FBI組は「あなた(彼)の言う組織」「例の組織」と表現していて、他の人物も「組織」とだけ言うことが多く、正式な名称は未だ不明。
作者は『名探偵コナン70+SDB』で読者の「黒の組織に正式名称はないのか」という質問に、「出てないだけで俺の中にはある」としているので正式名称は別にあることになり、更に「組織の名称が明かされれば組織のボスが誰かも分かる」とも回答している。
なお「黒の組織」という表記は、原作においてはサブタイトルや本誌掲載時の柱でしか使用されておらず、作中の描写としては使われたことがない。アニメではもっと使われているが最近は原作に準じる方針になったのか使われなくなった。

◆構成員

連載初期は、末端の宮野明美や登場してすぐに爆死したテキーラといった一回きりのキャラがポツポツと出る程度で、ジンとウォッカがその出番の大半を担っていた。
だがベルモットが登場した辺りから徐々に登場頻度が高くなり、コードネーム持ちの幹部のほか下っ端も続々と増え、コナンが元の姿に戻ることに加えて組織との対決も物語の本筋になりつつある。
アニメスペシャル『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』では、後に登場するキャンティ、コルン、キール、バーボンは第1話の時点で既に所属していたことが明らかになっている。*1

構成員は(当然といえば当然だが)最初は下っ端として入り、コードネームを与えられるに至るまでには何らかの功績が必要なようだが、キールは組織に入って間もない頃の活躍が認められてすぐにコードネームを与えられたため、新人でも働き次第では短期間で昇進できる模様。
また年功序列主義ではないのか、シェリーのように10代でも組織にとり有用だと判断されれば幹部に据えられている。
逆に沼淵己一郎のように役立たずと見なされた場合は、別に警察に捕まりかねないような失態を犯していなくても容赦無く薬の実験体へと回される。

任務の際は単独で行動することももちろんあるが、ペアや複数人で動くケースも多い。
なお、83巻のおまけページによれば「コードネームを持っているものは基本的に皆同格」 で、そのメンバーの中でチームを組んだら今回はジンがたまたまリーダー的な役割を担うことになっただけだという。
しかし実際は階級の上では同格であっても、「あの方」及び「ラム」といったトップ2人との関係性などの要因で自然とヒエラルキーが形成されているようだ。*2
また、No.2にしてボスの側近であるラムだけは階級として別格で、コードネームの付いたメンバーにも命令できる。
幹部同士の人間関係については、親しくしている者たちもいれば、特定の相手には敵愾心を隠さない者もいるなど、こればかりは犯罪組織といえど一般的な組織と同じ。

宮野夫妻、板倉卓、アマンダ・ヒューズ、直美・アルジェントなど、外部の人間を騙したり脅したりして組織に引き込み、計画に必要な物を作らせたり協力を無理矢理取り付けたりしようと画策することもある。
更に組織に加入している人物の家族が、本人が望むと望まざるとにかかわらず構成員になるケースも見受けられる。

かつて組織に所属し、そこから脱走した灰原は、近くに組織の人間がいると独特の勘が働いて感知する場面が少なくなかった……が、そばにいる誰がそうなのか特定まではできず、最近ではそのレーダーが機能しないなど設定を持て余している中々都合よくはいかない。
灰原自身が、現在のよく殺人事件に遭遇する平和な日常に慣れてしまい『なまった』のも一因ではある……が、コナンは彼女の変化をむしろ「よかった」と考えているので、致し方ないところではある。

『奇妙な人捜し殺人事件』における宮野明美の証言では「連中はいつもカラスのような黒い服を纏っている」との事。
しかし今まで登場した組織の人間で、そんな如何にも堅気でないと一発で分かるような目立つ格好をしていたのはジンとウォッカ、テキーラ、ライフルを持っているのを一般人に目撃されたのに何故か粛清されていないキャンティぐらいしかいない。多分初期だから設定が固まっていなかったんだろう。一部のコードネーム持ちの連中のファッションセンスが異常なだけだろうか。
一応、近年のエピソードにおいて、ベルモットがメアリー・世良を暗殺する任務の際に引き連れていた下級構成員達は"如何にも"といった感じの装いだったが。


◆規模

資金的にも人数的にも規模はかなりデカい
具体的には
  • 杯戸町で食中毒+異臭騒動+火事を同時多発的に起こした上で数十個のプラスチック爆弾を用意する
  • 墜落して警察に調べられても足の付かないオスプレイや多数の兵器、果ては潜水艦までをも扱える
など、相当なバックがあるようだ。*3
そう考えると、近年の劇場版の犯人達はこのような事を少数または単独で実行している事になる。

活動資金は闇取引や弱みを握った上での脅迫、銀行強盗等のいかがわしい手法で賄っている様子。
スピンオフ作品『名探偵コナン ゼロの日常』では幹部たちが高級そうなレストランで食事をしていたり、『天国へのカウントダウン』では宮野明美が家賃1年分を前払いしてとあるマンションを借りたりしていたので、金額の相場は不明だが構成員らに少なからず報酬を支払っているものと見られる。

また、組織の影響力は政財界、医学界、科学界、経済界などに幅広く及んでいる。犯罪総合商社か?
具体的には、人気女優や人気アナウンサーといった芸能・マスコミ関係、自動車会社会長で経済界の大物、衆議院議員、代議士の秘書、IT大企業「TOKIWA」の専務でプログラマーといった仕事を表向きの職業としている者達もいる。
その一方でゲームデザイナーやコンピューターグラフィックの技師に仕事を依頼している他、有名な製薬会社の工場を組織の研究施設として利用していたり、更には拳銃密輸をしていた会社の土地に新しいラボ(研究施設)を作るために社長を脅して会社を畳ませ、会社があった跡地に組織の研究施設を建設しようとしたりしていた。
このことから、建設業界や(資金面も)金融界に影響力があった可能性があり、手を伸ばしている範囲は広大で節操なくも見える。

『江戸川コナン誘拐事件』時点での工藤優作は、コナンに自分がどれほど危険な立場にいるかを思い知らせるために一芝居打ち、
「心配するな、インターポールにも友人がいる…彼らに頼んで奴らの組織を探ってもらうとしよう…そのうち例の薬が手に入り、おまえの体も元に戻るだろう…」と語っている*4
だがこれは初期の発言で、初めて組織と本格的に敵対する事となった『黒ずくめの謀略』では、ラムの指揮のもと二手三手先を読んでいるかのような動きを見せる組織に「我々は彼らの事を甘く見ていたようですね」と認識を改めている。

『名探偵コナン30+SOD』で作者は読者の「黒の組織は世界中にあるのか?」という問いに対し、「あるかも」と答えている。
そう考えると普段登場しているのは日本支部に過ぎず、海外支部もあるワールドワイドな組織ということになる。このためか、例えばベルモットはアメリカ人だが日本語をネイティブレベルで使いこなしているし、加えて特に劇場版では(スパイや離脱者も含め)コードネーム持ちの何名かが英語以外の言語を話している*5ので、その地位を得るためには外国語の習得、それもネイティブスピーカーとも問題無くやり取りができるレベルまで到達する事も求められるのかもしれない。
実際、他諜報機関からの潜入捜査官だったものの、劇場版『純黒の悪夢』においてはロンドン、トロント、ベルリンで活動している構成員がいた。

また、『純黒の悪夢』のせいで故人・離反者を含めた組織の作中における登場人物は半数近くがスパイもしくは裏切り者という事になってしまい、更にスパイ達の名前が一覧として表示されたNOCリストを見る限り、まだまだ膨大な人数が潜入捜査を続けているようだ。この事にジンは深い警戒心を持っている様子である。
その内コードネームを持つ3人は早々とメールで正体を報告されて劇中で始末された。残った者達は結果的にスパイであると知られなかったため無事だと思われる。
もはや一周回って、これだけ敵が入り込んだり造反者が現れたりしているのに未だ組織の中枢に辿り着ける者がおらず、潰される気配が一向に無い事が凄いのかもしれない。


◆隠匿性

兎に角証拠の隠滅を最優先としており、表舞台に出る事はまず無い。
近年のアニメオリジナルエピソードや劇場版では組織と同クラスかそれ以上に凶悪な犯罪者やグループが登場し、作品によっては最強クラスの単独犯が登場した事もあるが、これらの犯罪者は自らボロを出す場合が多く、その点に関しては組織とそれ以外の凶悪犯との違いとも言える。
灰原曰く「組織が立ち去った後は何も残らない。煙のように消えるかそもそも事件があった事すら気付かせない」との事。
ベルモットは『ゼロの日常』において、フランベの様子を組織の隠匿性になぞらえ「痕跡は残さず関わる者全てに芳醇な酒の香りを纏わせる…」と表現している。
ただ、作中で起きた事件の大半は隠滅工作の気配すらなく発覚し、特に劇場版では足がつかないのが不思議なくらい公衆の面前で大暴れしている。

マスコミにもメンバーあるいは協力者が入り込んでいるようで、組織に関わるニュースについては大抵公表前に情報を掴み、事前に証拠や証人を始末する等している。
ただし、情報が出回る事自体を揉み消す程の権力を有しているわけでは無い様で、組織が関わった事件が(組織の仕業とまでは判明しないものの)新聞等に載っていることは何度かある。

新人や疑いがかかった者には盗聴器・発信器・多数の監視が付く(この際付ける盗聴器は、付けられている者が気付かないよう一定時間が経つと自然に消滅するというオーパーツ級の代物)し、加えてたとえ組織とは全くの無関係であろうとも工藤新一や羽田浩司のような目撃者や、足が付きそうな構成員がいたら情けを掛けずに速やかに始末する等、その姿勢は徹底している。
更に構成員らも、例えば捜査機関の追っ手に捕らえられそうなどといった組織の不利になりうる状況に陥ったと判断するや速やかに自決を遂げ、とにかく安全第一ならぬ秘匿第一とでもいうべき姿勢をコードネーム持ちから末端まで貫いている。
その他恐ろしいことに『裏切りのステージ』のように「曲名が組織に関わる人物に似ているから」からという理由で調査に赴く場合さえある。

現在はコナンのみならず、FBI・CIA・MI6・公安警察などの捜査機関が独自に組織を追っていることが判明している*6
最大の敵はFBIの赤井秀一


◆活動・目的

組織としての活動は要人の暗殺、闇取引、APTX4869をはじめとした謎の薬の開発等。
灰原曰く、半世紀前から極秘プロジェクトを進めている。「時の流れに逆らって死者を蘇らそうとしている」らしい。
ただ、『夕陽に染まった雛人形』において、灰原は自分の研究はそんな夢のような薬ではなく「この地球のほとんどの人間にはその価値を見いだせない愚かしい代物」「この小さな国の女の子にしか必要とされない雛人形のような物」だと評している。
この研究はかつては灰原の両親も携わっていた。


◆その他

ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』でのルパン一味は、彼らのことや峰不二子は灰原のコードネーム、APTX4869のことまで知っていた。
テレビスペシャル『ルパン三世 the Last Job』の前日譚でもある漫画『風魔VSルパン お宝争奪大作戦!』の登場人物・神楽坂飛鳥が実年齢(25歳)より若く見えることについて、黒の組織やAPTX4869の存在を示唆するやり取りがある*7


【主な構成員(元構成員含む)】

◇トップ

組織のボス。ベルモットいわく「石橋を叩いて壊すほどの慎重居士」な性格。
2006年にインタビューで作者が「実はボスの名前は既に原作に出てる」と言っちゃったため、正体予想は激化していた。
だが2017年、ついに正体が確定……!したはいいが目的はおろか、容姿すら未だに謎。


◇コードネーム持ち

性別次第で決まるようだが、男の幹部は全員蒸留酒由来である一方、女の幹部はカクテルワインやリキュールなど、由来に統一性が見られない。


「あの方」の側近で組織のNo.2。赤井曰く「ジン以上の大物」で、赤井が組織にいた頃には2、3回しかその名を耳にしたことが無いらしい。
詳細は当該記事で。


CV:堀之紀
実行部隊のリーダー的存在で、工藤新一にAPTX4869を飲ませた張本人。
「あの方」からの信頼も厚く「あの方」から直々の命令を受けることも少なくない。
詳細は当該記事で。


CV:立木文彦
ジンの介護側近として二人組で行動するシーンが多い。
詳細は当該記事で。


CV:小山茉美
千の顔を持つと称されるほど変装能力に長けている。「あの方」のお気に入りで、他の幹部連中からは良く思われていない。
表の顔はアメリカの人気女優であるクリス・ヴィンヤードだが……?
詳細は当該記事で。


  • バーボン
CV:古谷徹
表の顔は私立探偵の安室透。組織きっての「探り屋」
だが、実は彼には更にもう一つの顔がある。
詳細は当該記事で。


  • キール
CV:三石琴乃
表の顔は日売テレビの人気アナウンサー・水無怜奈
組織に潜入していたスパイに捕らえられ、尋問を受けるも無言を貫き通し、唯一残された歯という武器を使って相手の手首に噛み付いたばかりか、逆に拳銃を奪い取り返り討ちにしてのけた功績からコードネームを与えられた。
実は彼女にももう一つの顔がある。
詳細は当該記事で。


  • キャンティ
CV:井上喜久子
左目の部分に蝶のタトゥーを入れた女性スパイナースナイパー。一人称は「あたい」。
26歳前後である高木渉の顔を見て、「かわいい坊や」と口にしていたのでそれなりの年齢だと思われる。多分中の人のように17歳ではない。
人を射殺する際に興奮して笑い出すなど好戦的で残虐な性格で、派手な破壊行為を楽しんでいる節がある。また蓮っ葉な口調で喋り、獲物を捉えて気分が昂った時には過激で下品な言葉を口走る姿も見られる。

狙撃の腕前は確かで、アニメでは組織のアジト内部にあるシミュレーションルームで650ヤード(約594メートル)の狙撃に成功している
(ただし、赤井はそれを上回る700ヤードからの狙撃を行っており、彼女は同じ距離の設定でシミュレートした時には狙いを外していた)。
一方でやや詰めが甘いところもあり、狙撃のためライフルを構えているところを多くの一般人に見られてしまったことも。ピスコは消されたのに何故かお咎め無し。まあ大手自動車メーカーの会長で「経済界の大物」と知れ渡っていて犯行現場を撮られたピスコと、どう見てもヤクザの一員にしか見えないキャンティでは、「顔を見られた」ことでの影響の差は違うだろうが。
残酷なだけでなく仲間意識が強い面もあり、後述のカルバドスの件でベルモットを恨むようになり、初登場時には本人に面と向かって怒鳴り散らしているし、「あの女があの方のお気に入りでなきゃとっくに殺ってるところさ!」とまで吐き捨ててさえいるほど。

『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』では、取引相手の社長が仲間を連れてくると想定してトロピカルランドでコルンと共に待機していた。
しかし相手が一人で来ていると判り、ジンから「撤収しろ」と連絡が来ると出番がないことを悔しがっていた。


  • コルン
CV:木下浩之
痩身で長身の体格をした寡黙な男性スナイパー。狙撃の腕前もキャンティと同様に高い。主にキャンティとコンビを組んで行動することが多い。
少し片言気味なことに加え、他の車と異なって進行方向とは反対向きに停められた車*8を見て「日本人の車の停め方は不思議」と評していたので、外国にルーツがあるのかもしれない。

滅多に感情を表に出さないが、狙撃時には「俺…(撃つなら)頭がいい」と発言するなど、やはり危険人物であることがうかがえる。
キャンティ同様、カルバドスの一件からベルモットには良い感情を抱いていない。しかしキャンティと違って面と向かって食ってかかる描写はなく、『純黒の悪夢』ではベルモットの指示に従っている事から私情に流されない人物であることが窺える。また同作ではスパイのスタウトと仲が良かったようで、暗殺した後に「俺……信じてた……残念」と呟くなどキャンティ同様に組織内での仲間意識は高い。
基本的にキャンティと行動を共にしており、気の強い彼女にさぞ尻に敷かれているのでは……と思いきや、意外にもコルンの方が主導権を握っているようで、彼が撃ちたがっている標的の体の部位をキャンティが譲るシーンも二度あった。
またコミュ障な割に頭も回るらしく、『黒鉄の魚影』ではターゲットの居場所の付近を走るトラックのタイヤを打ち抜いて騒ぎを引き起こすことにより、一度は身を隠した相手の注意を惹き付け窓辺に誘き寄せて撃ち抜く*9、という芸当を見せたことも。

『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』ではキャンティと共にトロピカルランドで待機していたが出番は無かった。
観覧車に見とれておりキャンティのツッコミを受けて赤面するなど乗りたかった様子であった。

ちなみに毛利蘭役の山崎和佳奈氏はこのキャラが結構お気に入りらしく、
「ちょっと頭が悪そうな所が気になる。この人は騙されて組織に入れられているのかも。本当は良い人なのではないかと勝手に思ってしまって、小さい頃に親に捨てられ愛を知らずに育ったに違いないとか裏設定が勝手に思い浮かんでしまうこともある」と語っている。
……確かに悪党ながらどこか憎めないキャラなのは確かである。ただ江戸川コナン役の高山みなみ氏からは、コルンのことが気になっている旨を口にしたら「ちょっと変」と苦笑されてしまったそうな(笑)


  • カルバドス
CV:なし
故人。男性スナイパー。ショットガンのレミントンを愛用しているほか、ライフルによる狙撃にも長ける。
他にも最低4丁の拳銃を隠し持っており、対峙した赤井は組織への潜入時にカルバドスと面識がなかったようで「どっかの武器商人かと思った」と述べている。

赤井に両足を折られる重傷を負わされたあげくに組んでいたベルモットに見限られ、結局捕まる前に自殺する。
スナイパーとしての腕前も不明*10でセリフも無い、強いて言えば自決する際の呻き声ぐらい。アニメではそれすらもカットされるという不遇な扱いを受けている。

キャンティとコルンとは親しかったようで、コルンが言うにはベルモットに惚れていたらしく、その感情を利用した上で見殺しにする形で死に追いやったとして、二人はこれ以来ベルモットを恨むようになった。
なお生前に登場した時には最後まで黒タイツだったものの、コルンの回想の中では銃を構えたサングラス姿の上半身が描かれている。


  • シェリー
CV:林原めぐみ
APTX4869を開発した若き天才科学者。逃走という形で組織を抜けており、裏切り者として組織に追われている。
灰原哀の正体。


  • ピスコ
CV:村松康雄
故人。享年71歳と現時点までに登場した幹部の中では1、2を争うほどの高齢だった上、本人曰く「あの方に長年仕えた」という。
外部から潜入したスパイではなく、生え抜きのコードネーム持ちでは珍しく年齢が判っている。

表の顔は大手自動車メーカーの会長・枡山憲三で、経済界の大物。
『黒の組織との再会』で開かれたとある追悼パーティーにて、逮捕される寸前だった構成員の暗殺に成功し、会場に潜入していた灰原も拉致する。
だが、報道カメラマンに殺人の瞬間を偶然押さえられたうえに、そのことについてまったく気づかなかった為、口封じとしてあの方の命を受けたジンに射殺される。

コナンが事前に呼んだ目暮を始めとする警察の監視の目すらものともせずに暗殺を成し遂げ、群衆の中でも一目で灰原をシェリーだと気付いた有能っぷりを発揮し*11、あえて「探偵さ」を見せたコナンが、ただの小学生ではなく警察を裏から動かしていた事も当然ながら見抜いた*12
作品終了レベルの情報を持っており本人もそれを材料に交渉しようとしたが、カメラマンの件であの方に見限られ、情報を口にする前にジンによって始末されてしまった。
なお、彼の自宅はその後全焼した……。

組織の構成員の例に漏れず、必要とあらば例え子供でも手にかけようとする冷酷な性格の持ち主だが、宮野夫妻と親しくしていた事や後述のアイリッシュが深く慕っていたのを見ると、裏切るような真似をしない限りは基本的に仲間に対しては情が深い人物なのかもしれない。


  • テキーラ
CV:廣田行生
故人。関西弁を話す大男。『ゲーム会社殺人事件』に登場。
小銭を拾おうとするコナン(実際は発信器を靴に付けていた)に向けて悪態を吐きながら蹴り飛ばすなど素行の悪さが災いしたのか、
プログラマーと取引中、組織とは無関係の一般市民が企んだで起きたアクシデントに巻き込まれ爆死、という不遇な末路を迎えた。
また、後に『黒の組織との接触』ではとあるCGクリエイターにも何かのプログラムを発注していた事が判明。その案件はウォッカが引き継ぐこととなる。


  • ライ
CV:池田秀一
FBIの赤井秀一が「諸星大」という偽名を用いて組織に潜入していた時のコードネーム。


  • スコッチ
CV:緑川光
警視庁公安部から組織に潜入していた男性捜査官。本名は諸伏景光といい、苗字からもわかるように長野県警の諸伏高明警部の実の弟。
スパイだとバレたため自決した。
詳細は当該記事で。


◇その他の構成員

CV:玉川砂記子
シェリーこと宮野志保の姉。享年25歳。
妹とは違って、(組織の監視付きではあったものの)普通の暮らしをしていたが*13
彼女が交際していた赤井がFBIから組織に潜り込んだ諜報員だったと発覚したことで、組織から「実質的にスパイの手引きをした危険人物」と見なされ、命を狙われることになる。
明美を始末する理由付けとして組織は「無事に完遂すればお前達姉妹を組織から抜けさせてやる」という嘘の条件で、銀行強盗(アニメでは現金輸送車襲撃)を実行させてその失敗を口実に殺そうとしていた。
そうした組織の予想を裏切り結果的に10億円強奪を成功させるも、最終的にはジンの手によって自殺に見せかける形で殺されてしまう……。

なお、生前明美は大事な妹へ向けて姉として様々なメッセージを残していたことが明らかになり、ジンに殺害されなければ、それを渡すことができたはずだったことが『トイレに隠した秘密』で判る。
*14
また、赤井が本当は組織に潜入する目的で自分に近付いていたことまで察していた上でそれでもなお彼を愛していたらしく、強盗に赴く直前には赤井に「これで組織から抜けることができたら今度は本当に彼氏として付き合ってくれますか?」とメールを送っていたようだが、その内容は未だ全て(「P.S.」以降)が明かされていない。
明美の最期を看取り、今際の際の言葉を聞き届けたコナンは打倒組織の決意を固めた他、赤井は彼女の妹である灰原を守ることを誓った。更に幼少期には降谷零とも面識があるが、バーボンが彼だとは気付いていない。

小学生時代は組織の都合で学校を転々とさせられていたとのことだが、小学校卒業時に在籍していたのは奇しくも今の妹と同じ帝丹小学校だった。
当時のクラスメート達からも人望があったようで、彼らは明美の死を知らないため、彼女が自分達と音信不通で同窓会に来ないのを残念がっていた。

ちなみに、中の人は赤井秀一役の池田秀一氏とリアル夫婦である。


  • 宮野エレーナ
CV:鈴木弘子→林原めぐみ
宮野家母。故人。
日本人とイギリス人のハーフ。
組織の科学者で、APTX4869の初期型とでも言うべき薬を作り上げた。
患者とも必要最低限のこと以外は喋らないほど無愛想で無口だったため、仕事で知り合った阿笠博士や組織の者達からは「何を考えているのかよく分からない」と不気味がられていたらしく、組織内では「地獄に堕ちた天使(ヘルエンジェル)」と呼ばれていたという。
しかし家族想いな人物だったようで、産んでから短い間しか顔を合わせることができなかった志保のため、彼女の20歳までの誕生日を祝うメッセージを吹き込んだカセットテープを明美に託しており、『トイレに隠した秘密』において紆余曲折を経てそれを見付けたコナンは、エレーナのことを「正真正銘のエンジェル」だと賞賛していた。

ちなみに組織に騙されるまでは、「宮野医院」という個人医院の院長で、その頃にまだ幼かった降谷とも出会っている。ハーフであることが原因でいじめられていた彼を温かく励ます姿も見られ、降谷の初恋の人となるほど慕われていたようだ。
また実は赤井家の母メアリー・世良は彼女の姉であるため、エレーナの旧姓も“世良“と考えられる。
つまり、明美と秀一はいとこ同士だが、彼がそれを知った上で(及びそれを利用して)明美に接近したのか、そもそも2人がその事を知っていたのかは不明。


  • 宮野厚司
CV:中村悠一
宮野家父。故人。
妻エレーナと共に組織で薬の研究をしていた。
本編の30年前には「白鳩製薬」なる製薬会社に勤務して薬の開発に携わっていたようだが、周囲からマッドサイエンティストだと糾弾され、学会を追放されてしまう。その詳しい経緯は不明。
その後組織に加入させられるまでは、白鳩製薬が倒産したのも相まって宮野医院を妻と共に経営していたらしい。また、妻とのやり取りで「君(エレーナ)のお姉さんも……」と言っていたため、少なくとも義姉であるメアリー・世良とは面識があった模様。
彼が学会を追放されたマッドサイエンティストと言われていた旨をコナンが阿笠博士に伝えた際には、「気さくで感じのいい人だった」「ワシの発明品を評価してくれた」などといった好印象が語られており、人当たりの良い人物であったことがうかがえる。また、志保が生まれる少し前の頃を描いた回想シーンにおいても妻を思いやる良き夫ぶりが描かれていた。 

名前の由来は、アニメ版『コナン』で何度も作画監督を務めた青野厚司氏だと思われる。


CV:龍田直樹
末端中の末端構成員。
身軽さを買われてヒットマンに育てようと組織に拾われるが使い物にならなかった為、シェリーの作ったAPTX4869の実験体に回される事に。シェリーの元へ送られる前に脱走するが、組織の影に怯えて追手と勘違いした無関係の人間を3人殺害している。
もっとも「組織に入る前から遊び半分で人を殺していた為同情の余地はない」と灰原は語っている。
(この遊び半分で犯した殺人というのは、『浪花の連続殺人事件』で語られた件である可能性は高い。表向きは事故死として扱われたこの事件の真相を灰原が知っていたのは、沼淵が組織に所属した際にこの事件の真相を喋った*15か、事件解決後に真実が公表された為と考えられる)
彼の証言を警察は苦し紛れのウソと思って取り合わず、既に裁判が行われて死刑判決が下りていることで組織は「わざわざ始末するまでも無い」と事実上放任している。

そんな彼も警察に再度捕まる直前、少しだけ良心を垣間見せることに。


  • 楠田陸道
CV:岩田光央
故人。コードネームを持たない下位構成員。
キールが入院している可能性のある杯戸中央病院へ、入院患者を装い潜入していた。
正体を知られた挙げ句、追跡してきたFBI捜査官が赤井だった事を知ると、その恐怖に怯え拳銃自殺をした。
その後行方不明扱いとなっていたが、『緋色の序章~緋色の真相』において、死亡したはずの赤井のダミーとしてその死体を利用されてしまったことが発覚した。


  • 呑口重彦
故人。上記の追悼パーティーでピスコに殺された構成員。
殺され方は別の少年探偵のマンガこの島で何回か見られていたシャンデリアの落下による圧死というもの。
表向きの顔は政治家で贈収賄を行なっており、そのことで警察からマークされていた。
なお、彼の死後に家族が全員蒸発しているらしい……。


  • イーサン本堂
CV:小山力也
故人。CIAから組織に潜り込んだ諜報員。
日系二世のアメリカ人だが、家政婦として働いていた女性と日本で結婚した。
前述の水無怜奈(本堂瑛海)及び本堂瑛祐の父親で、組織に潜入したばかりの娘がミスを犯してしまったことでジンに目を付けられたのを機に、自分が彼女に殺されたかのように偽装して命を断つ事で娘の命を救った。
その行為によって、期せずして娘はキールのコードネームが与えられるのだった。
ちなみに担当声優の小山氏は、神谷明氏の降板後に毛利小五郎の役を引き継ぐこととなり、小五郎とイーサンを兼任する事となった。


◇アニメ・劇場版でのみ登場した構成員

  • 原佳明
CV:橋本晃一
天国へのカウントダウン』に登場。
故人。享年32歳。IT企業「TOKIWA」の専務でプログラマー。
穏やかな風貌の男性で出会って間もない少年探偵団からもすぐに好かれるようになったが、裏では組織のコンピューターに不正アクセスして機密データを盗んでいた。結局ツインタワービルからアクセスしていた事がばれ、自宅にいた時にジンに踏み込まれ射殺された。
その際に側にあったケーキを切り分けるための銀のナイフを手にし、「銀をローマ字表記にしたらGINになり、英語読みにするとジンになる」として、自分はジンに殺されたとダイイング・メッセージを残していた。
殺害された後はツインタワービル連続殺人事件の犯人の手により、アリバイ工作のため連続殺人事件のうちの1件にカモフラージュされた。


  • アイリッシュ
CV:幹本雄之
漆黒の追跡者』に登場。
故人。屈強な体格を誇る金髪の男性。変わった形の眉毛が特徴。
父親のように敬愛していたピスコを殺したジンを恨んでいる。ジンがピスコを手にかけたのはあの方の指令であったため、あの方の指令で行ったという裏事情を知らなかった可能性もある。
コナンと新一が同一人物という情報を手に入れ、ジンの失脚を目論む。組織内でベルモットの次にコナン=新一だと知ったのは彼である。
圧倒的に不利な状況でも自分を助けようとしたコナンの姿に心打たれ、最後はコナンを狙ったキャンティの銃弾からコナンを庇い死亡した

作中では捜査関係者のトップとすり替わって誰にも気づかれていなかったり(佐藤美和子には怪しまれていたが)、帝丹小学校と帝丹高校に忍び込んでコナン=新一だという事を突き止めたりした。
更に終盤では不意討ちとはいえ刑事達を一網打尽にし、毛利蘭さえも肉弾戦で一時押されてはいたものの機転を利かせて制圧した他、コナンのキック力増強シューズのダイヤルを正確に撃ち抜いたりするなどかなり優れた人材。

ちなみに映画『黒鉄の魚影』では蒸留酒のコードネームを持つメンバーの1人として紹介されている。


  • 岡倉政明
『漆黒の追跡者』に登場。
故人。享年32歳。代議士秘書。
組織の工作員で、自分が殺されないための保険として組織のNOCリストが保存されたメモリーカードを持っていた。
その事は組織にばれていたが、組織に消される前に広域連続殺人の犯人に殺害され、遺体は練馬区西大泉の憩いの森に遺棄された。
組織の一員だったが、かつて自分を助け犠牲になった女性の命日に他の助かった人々(今回の被害者)同様に花を贈る義理堅い人物でもあった。


  • キュラソー
CV:天海祐希
『純黒の悪夢』に登場。
組織のNo.2であるラムの腹心の部下。外見の特徴は銀髪のロングヘア、両の目の色が違うオッドアイ、モデル並みにスタイルの良い美女。

ボクシングが得意な安室と対等にやり合い、警察庁の入っている庁舎*16の窓から旗立て棒を伝って飛び降りても無傷、次いでそこにたまたま居合わせた一般人の車を奪って赤井と安室を相手に逃げ切るなど人並み外れた身体能力、運転技術を持つ。
公安警察に捕まってからも上手く隙を突いて脱走することに成功している。

更に特筆すべき点として、大量のスパイの情報が記載されたNOCリストの内容を一瞬見ただけで全て覚えてしまうという瞬間記憶に近い特殊な能力まで保持している。*17
過去にその特殊な脳に「組織にとって都合の悪い事実を記憶してしまった」ことでベルモットに始末されそうになったが、ラムにその特殊能力を見込まれたことで命を救われ、以降ラムに忠誠を誓って部下として仕えていた。

劇中ではある出来事で記憶喪失に陥り、元太と歩美と光彦と親交を深めていく。
記憶を失う前は好戦的な性格だったが、記憶喪失中は大人しくて彼らとの交流では優しい笑顔を見せている。終盤、記憶が完全に戻り組織への帰還を待つだけとなったが、元太と歩美と光彦との時間を振り返った彼女が選んだ道、染まった色とは……。

『黒鉄の魚影』ではイメージシーンに登場したが、既に死亡していることが言及されている。


  • スタウト
CV:マイケル・リース
『純黒の悪夢』に登場。
故人。MI6(イギリス秘密情報部)から組織に潜り込んだ男性構成員。
正体が発覚したことでロンドンにてコルンに狙撃され死亡。


  • アクアビット
CV:カート・コモン
『純黒の悪夢』に登場。
故人。CSIS(カナダ安全情報局)から組織に潜り込んだ男性構成員。
普段はトロントのCNタワーで観光ガイドを行っている。
ヘリで近づいたキャンティに狙撃され死亡。


  • リースリング
CV:沢海陽子
『純黒の悪夢』に登場。
故人。BND(ドイツ連邦情報局)から組織に潜り込んだ女性構成員。
ノベライズ版において本名はレオン・ブッフホルツと明かされている。
ベルリンで逃亡の末にジンに撃たれて死亡。


  • バーの男
CV:安井邦彦
『エピソード“ONE”』に登場。本名は不明。
とあるバーで、脅迫用のネタとなるフィルム*18をウォッカに渡していた。
正体はとある捜査機関から潜り込んだスパイ。しかしジンに正体を見抜いていることを暗に仄めかされ、車で逃げようとするが仕掛けられていた爆弾で爆死した。


  • ピンガ
CV:村瀬歩
黒鉄の魚影』に登場。
コーンロウの髪型が特徴の男性。25歳*19
キュラソー亡き後にラムの側近の座に収まった。野心的な性格で、のし上がるためには手段を選ばない。特にジンに対しては強い敵愾心を見せている。それにしてもアイリッシュといいピンガといい、ジンはどれだけウォッカ以外から嫌われているんだ。
「ジンにそっくりだがジンもどきのチンピラだ」とコナンに挑発された時には逆上している。
最新鋭の機器類の操作・ハッキング能力を始め、ナイフを用いた戦闘術や体術に優れ、更には劇薬の類も駆使する強敵。のはずだが、前作に登場した犯人が個人で組織全体を上回る能力の持ち主だった為、そいつよりは弱いと言われる事も*20

世界中の防犯カメラを繋ぐICPOの施設やパシフィック・ブイに変装して潜入し、バックドアを仕掛けたりと暗躍。
同施設のエンジニアである直美・アルジェント、及び彼女が開発したシステムでシェリーと同一人物と表示された灰原を拉致し潜水艦に監禁するにあたっての幇助や実行犯を務めたり、映像の違和感に気が付いて詰問してきた同僚を口封じのため毒殺したりするなど、様々な悪行を躊躇なく敢行する。

しかし、ICPOの施設でのハッキングを見られる、特徴的な匂いの麻酔薬を使用して気づかれる、変装中の身分のジェスチャーを知らないこと、変装状態の癖が抜けなかったことで別の人物になりすます際に癖が出てしまうなど、ミスも多い。
特に最後のミスでトリックを気づかれ、コナン(眠りの小五郎)に衆人環視のもと正体を暴かれその場から逃走。証拠の隠滅が最優先のはずなのに、これだけミスが多いと本当に組織の幹部かと疑いたくなるが。
もっともこれらのミスは、予定外の灰原拉致に関連する数多くの仕事をこなさねばならず、応急処置的に証拠隠滅せざるを得ない状況になったこともあるが。

最終的には、ジンたちが脱出・放棄した潜水艦の証拠隠滅のための爆破に巻き込まれて消息不明に。
なおこの時、ジンは潜水艦の証拠隠滅をわざと伝えず、巻き込まれる様に仕組んでいたと思われる。
エピローグでの安室のセリフから消息を絶った事は確定していたが生死はぼかされていたものの、ティーチイン舞台挨拶において作者から正式に「亡くなりました」と断言された。

逆上したりミスが多いなど、確かに総合力では用心深さや常に二手三手先を読んだ行動をするジンには及ばないのかもしれない。
だが、コナンの正体が工藤新一である事まで突き止めた点では恐ろしい存在である*21これはアイリッシュにも言える事だが、オリジナルキャラがコナン=新一だと知ると確実に死亡フラグである。

なお、爆弾が炸裂する瞬間には何故か薄っすらと笑みさえ浮かべていたが、そのときその胸中に去来したものは何だったのだろう?
コナンをして「人の死に慣れすぎて」いると言わしめたほどなので、自らの死にも……ということなのか。もはや知るすべは無いが。

DVDの特典資料によれば、当初の構想では「潜水艦の爆発に巻き込まれそうになったところをコナンに救われ、たとえどんな悪人だろうと死なせはしない、という彼の『探偵としての信念』を知ったことで心を動かされ、警察に連行される際に『組織が老若認証を欲しがった理由』についてコナンに明かそうとするが、口封じのためキャンティに狙撃され死亡」という流れだったとのこと。


◇その他の作品に登場した構成員

特別編に登場したメンバー
特別編26巻『飛行船にかけた願い』に登場。
故人。表の顔はパナスヌガラ王国の歌手で、本名はアミリーン。
殺しの依頼を糸を使った暗号でやり取りをする殺し屋で、パナスヌガラ王国のラトゥナ姫の命を狙っていた。
だが、コナンに正体を見破られ、灰原を人質にとって目的を達成しようとするも失敗、腕時計型麻酔銃で眠らされて捕まるも、
その後、警察に護送される車の中で、歯に仕込んでいた毒薬を服用して自殺した事が語られている*22


  • ジュネリック
特別編26巻『黒の組織…現る』に登場。通称「ジュネ」。幹部の中では灰原と並び最年少クラス。
幼い頃に両親に捨てられるが、ずば抜けた知能に組織が目を付け、13歳の時に施設から引き取られた。
気が弱くて周りからいじめられていたが、自分の一つ年上であるシェリーに助けられた事からシェリーを慕っていた。
彼女の研究の手伝いをしていた事もあったが、後に人の記憶を操る薬の研究に取りかからされたという。

シェリーの脱走後、帝丹小学校の紹介ページから幼児化した彼女=灰原を発見。
研究所を爆破する前に盗み出したAPTX4869を自らも服用して幼児化する事で組織を脱走した。
そして、記憶を操る薬を使ってある夫婦の息子として振る舞い、更に灰原を自分の姉にしようとしていたが、光彦と元太の活躍により失敗した。
その際、記憶を操る薬の入ったビンを落として割ってしまい、気化した薬を過剰に吸引したことで記憶を失い、記憶を操っていた家族と共に引っ越していった。
オリジナルの組織メンバーのほとんどは最後に命を落とす事がお約束となっているが、彼だけ生存しているのは小学生になっている事が大きな理由といえるだろう。


  • 黒髭
特別編35巻『豪華客船をウイルスから守れ』に登場。
故人。シェリーの隣の研究室で、致死率の高い強毒性のウイルスの研究をしていた人物で、コードネームもあったが「黒髭」と呼ばれていた。
ウイルスの力を実証させる為に、豪華客船にウイルスを持ち込んで検証を行おうとしたが、事前に黒髭の存在に気付いたコナンと灰原によって、ウイルスが蔓延する前に阻止。
組織に研究を失敗とみなされ暗殺される前に逃げ出すが、その日の夜に組織の手にかかって殺されている。


○ゲーム版に登場したメンバー
  • ケイト=ローレン
CV:柚木涼香
PSゲーム『3人の名推理』の第3章「追憶の宝物事件」に登場。30歳。
組織の連絡員で表の顔はセシリア共和国の通商大臣・エリック=ガムランの秘書。
ウェーブがかった長い金髪を持つ美女。ベルモットに容姿が似ている。
セシリア共和国にある秘宝「デザイア・キューブ」を狙う組織の命令により秘書となり潜入していた。
人捜しの依頼のために毛利探偵事務所を訪れた事でコナン達と関わる事になる。
中盤で組織の一員であることが判明、任務失敗の責任を取る事となり、ジンから生き延びるチャンスとして、闇オークションを台無しにしたエリック達を暗殺する任務を与えられる。
だが組織の企てに気づいたコナンの策によって遊園地内のアトラクションに誘導され、最終的に彼に麻酔銃で眠らされる。
終盤は城からエリックを狙撃するが失敗。直後にジンとウォッカに撃たれて地面へ落下し、コナンの呼び掛けに答えるもそのまま死亡した。


○テレビドラマ版に登場したメンバー
  • 黒服の男
演:不明(クレジット未表記)
テレビドラマスペシャル2作目『工藤新一の復活! 黒の組織との対決』に登場。コードネームや本名は不明。
ケーキに含まれていた酒の成分により元の身体に戻った灰原こと宮野志保の命を狙う。
志保を見つけるとナイフで襲うが、蘭に妨害されて逃走。
無事逃げ帰るも任務は失敗したうえに証拠も現場に残してきてしまったので、帰還直後にジンに見限られ射殺された。
ウォッカには「ナイフを落とした時点でテメーは命も落としてんだよ」と蔑まれてしまう。




追記・修正はあの方の命令だ。

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最終更新:2024年04月24日 15:40

*1 今の所は、原作でもキャンティ以外は作中で何年か前から既に組織にいたことが判る描写が存在している他、キャンティのコードネームと役職を灰原はコルンの事と共に知っていた。しかし一方でキールとバーボンの事は知らなかった。

*2 ジンに銃口を向けられたピスコは「あの方に長年仕えた私を殺すとお前の立場も」と発言しているし、キャンティはベルモットに対して「あの方のお気に入りじゃなければとっくに殺してる」と癇癪を起している。劇場版でもキールが「(ピンガがラムの言いなりなのは)ラムに気に入られてもっと上のランクに上がるためね?」と話していたこともその裏付けと取れるか。

*3 ただしオスプレイは、使用を決定した時のメンバー達の反応からして組織にとってもとっておきの隠し玉だったらしく、組織は国外の企業か死の商人などに有力なコネクションを持っている可能性がある。

*4 なお、コナンは「これはオレの事件だ!オレが解く!!父さん達は手を出すな!!」と啖呵を切り、日本から離れることも拒否した。

*5 ジンが『純黒の悪夢』(ノベライズ版のみ)、キールが『黒鉄の魚影』でドイツ語、バーボン及びシェリーが『ハロウィンの花嫁』でロシア語。

*6 他にもCSIS、BNDの潜入捜査が判明。薬品開発やIT関係など、やっていることがやっていることなので産業スパイなどもいてもおかしくない。

*7 とはいえコラボ企画の為、原作設定に影響することはまず無いと思われる。

*8 FBIのキャメル捜査官が組織の追跡をやり過ごす為、ドリフト走行で路上駐車されていた車と車の間に自分の車を進入させたので、他の車と向きが逆になってしまった。

*9 結果的に相手は一命を取り留めたが、元々これはその人物の娘を脅して無理矢理協力を取り付けることが目的のパフォーマンスなのでコルンがしくじったというわけではない。

*10 ベルモットから後述の事情はあれど誘われるくらいなので、ある程度の実力はあった模様。とはいえ10〜20m程度離れた所を走っている蘭に何度も発砲しても掠らせることすら出来なかった場面を見ると、少々その腕前には疑問が残る

*11 といっても、宮野一家とは昔から親交があったうえに、例の薬で人間が幼児化する可能性があることを知っていたからだが。またシェリーこと宮野志保を「志保ちゃん」と呼んでいたことから、「灰原哀」と同じ年頃のシェリー/宮野志保を見知っていた可能性も高い。

*12 もっとも、この時のコナンの過剰に強気な態度や発言は、ピスコに銃撃させた高純度のアルコールである蒸留酒・スピリタスが気化、炎上し火事を誘発させるまでの時間稼ぎだったが。

*13 明美がそれを許されたのは、IQテストの結果が志保ほど高くなく、組織にとって英才教育を施してまで重用する価値は無いと判断されたかららしい。

*14 『天国へのカウントダウン』では、生前の姉の肉声が吹き込まれた自宅の留守電メッセージ聞きたさに灰原は何度も電話をしていた。

*15 表社会では決して発言できないことでも、闇社会に属するここでは喋ることもあるだろう。

*16 なお現実の2号館は20階建てで、警察庁の入ったフロアは16階より上の階全てにある。一番低い階でも16階。

*17 組織にいた頃に面識が無かったにも関わらず、「彼らの元に連れ戻すつもり」かと灰原に言われてその正体を見抜くなど洞察力も中々の物。

*18 『エピソード“ONE”』は、第一話を2016年当時の時代背景を反映してリメイクしたものだが、それでも2010年代までにはほとんど使われなくなっているフィルムを渡しており、USBメモリのような現代的な情報媒体とする改変はされなかった。

*19 公式解説記事「魚影の書」に記載。

*20 その人物は、組織の同僚たるバーボンとスコッチと対決している。

*21 彼がコナンか灰原の正体を見抜いた後ジンに始末されるという事は、『黒鉄の魚影』公開前のプロモーションでストーリーが発表されてピンガの存在に触れられた時点で、予想していたファンは少なくなかった。

*22 余談だが、本編の『コナン』では犯人が自殺しようとするシーンはいくつかあるものの、アラックのように歯に仕込んでいた毒薬を服用するといったものは、阻止できない為か本編で登場した例は無い。