ガンダムエピオン

登録日:2010/01/27(水) 10:20:25
更新日:2023/11/11 Sat 04:19:10
所要時間:約 16 分で読めます





※推奨BGM:コードネームはヒイロ・ユイ

ゼクスは宇宙でウイングガンダムゼロを手に入れ、
OZのトーラス部隊を殲滅する。

一方、ルクセンブルクの古城に潜入したヒイロは、
トレーズから新型のガンダムを託される。

だが、それはゼロと同じ魔のモビルスーツであった!

新機動戦記ガンダムW、第34話!

その()はエピオン







私はまだ、自分を弱者と認めていない!



新機動戦記ガンダムW』に登場するモビルスーツ(MS)の一機。
デザインは大河原邦男。



■目次





■機体データ


型式番号:OZ-13MS
所属:OZ(トレーズ派)→サンクキングダム→ホワイトファング
頭頂高:17.4m
重量:8.5t
装甲材質:ガンダニュウム合金
装備:
ビームソード
エピオンクロー×2
エピオンシールド
ヒートロッド
のみ



□アビリティレベル

ファイティングアビリティ:レベル160
ウエポンズアビリティ:レベル140
スピードアビリティ:レベル160
パワーアビリティ:レベル150
アーマードアビリティ:レベル140


■機体解説


OZ総帥の任を解かれたトレーズ・クシュリナーダが、幽閉先であるルクセンブルクの古城の地下にて極秘に完成させたMS。
乾いた返り血のような暗い赤と黒に塗られた装甲と、背面に設置された二枚の翼が特徴。
各部の装甲形状も刺々しく、その姿は悪役然とした不気味なものとなっている。

「エピオン」はギリシャ語で「次の、次世代の」の意味。


開発にあたってはトールギスをはじめとしたOZのMSに加え、オペレーションメテオで地球に降下した5機のガンダムのデータが参考になっている。
そのため装甲材にガンダニュウム合金を採用するとともに、頭部には折れ曲がったブレードアンテナとガンダムフェイスを備え、名実共に「ガンダム」の名を冠するに相応しい機体として完成された。
ちなみに、本編中に登場するOZ系MSの中で唯一頭部前面のメインセンサーが四角いカメラではない。


本機はモビルドールを初め、トレーズが嫌悪する全ての人心無き兵器へのアンチテーゼを込めて生み出された機体である。

「私の戦いは終わったが、戦いという行為に回答を見つけなければならない。そのためのMSとして、ガンダムがもっとも相応しいと考えたのだ。
そして私は、勝者と敗者に祝福を与えたい。これはそれを可能にする機体だ」

という理由でこの機体には反抗の象徴でありOZと敵対してきたガンダムの姿と名前が与えられている。

一方、神代創の小説版ではトレーズはエピオンをガンダムとしては生み出していないとされ、
ゼクスもカーンズがエピオンを「ガンダム」と称するまで、エピオンをガンダムとは認識していなかった。


背面にある巨大な二枚の翼や可変機構など、基本的な機体構成はウイングゼロによく似ている。
また、何処からデータを手に入れたのかは不明*1だが、ゼロシステムと同質のエピオンシステムを搭載している。
完全にパイロットへの直接入力のみのオリジナルと違い、こちらは専用ヘルメットを介して最低限の映像情報も用いて操縦する。

ただ決定的に違う点として、あくまでトレーズの持つ信念や理想に基づいて造られたもので、劇中で彼が言っている通り元来この機体は「戦闘兵器」ではない。*2
そのため兵器的な側面を半ば度外視され、武装は近接武器オンリー(それも敗者になるためのもの)で遠距離攻撃武器は一切無く、迎撃・牽制用のバルカンすら付いていない。
またトールギス以上の機動性に加えゼロシステムの存在により、本機を乗りこなすには強靭な肉体や精神力が必須で、並のMSパイロットが本機を操ることはまず出来ない。

だが速力、加速、運動、追従性などの基本性能は最新鋭のMS・MDをも圧倒するレベルは当然のことで、
基本スペック、総合的な戦闘能力は「最強の戦闘兵器」として生み出されたウイングゼロと同等以上であり、基本性能の高さやゼロシステムと同列のシステムの存在も相まって、本編時点においてウイングゼロと正面から互角に渡り合える唯一の機体である。
もう一度繰り返すが「戦闘兵器ではない」にも関わらずである。

なお、トレーズはこの機体を敗者のための機体として開発したため、トールギスⅡやⅢとは異なり、この機体そのものにはエレガントさを求めていない。
そのため、白や青といったトレーズ自身のパーソナルカラーを用いておらず、その背反色と言える黒と赤を採用している。

…しかし幽閉されていた身でこんなハイスペックな機体を極秘に開発できるだけの設備やら人員やらどうやって用意したのだろうか?
「トレーズだから」の一言でなんとなく説得力はある気がするが

■MA形態(巡航形態)


上記の通りMS形態から長距離巡航のMA形態への変形機構を有する。
資料によってはウイングガンダムなどと同じく「バード形態」とも表記される。

変形プロセスとしてはマニュピレータを腕部に収納すると共に、リアアーマーを開き腰部を背面までのけぞらせることで両脚部を頭部の前方まで展開。
更に腰部にシールドを取り付けることで、まるで双頭の竜の様なシルエットとなる。
字面で解り難い人はハンブラビと同じと姿勢と考えてくれればいい。
それでもピンとこない人は物凄いエビ反りと思ってください。

この形態は超高速戦闘の形態ではなくあくまで巡航のためMS形態より高速飛行になるわけではない
メインスラスターを防いでしまい、股関節部分から消耗を抑えたサブスラスターを使用するため形状変化を考慮しても速度は上がらず、内部構造も切り替えエネルギーの消耗を抑えた長時間の飛行が可能になるというもの。
高速飛行ではなくあくまで長距離の巡行するための形態である。
なお、神代版では「変形後の姿はエレガントではない!!」とのことで、変形機能はなかった事にされている。
上記の通り、閣下はこの機体そのものにはエレガントを求めていないのだが


ゼロシステム


本編のシステム起動画面では『SYSTEM-EPYON』。
一部の資料ではエピオンシステムとも表記されたりと厳密にはゼロシステムではないが、機能的にはウイングゼロに搭載されたゼロシステムと基本的に同じ。

コンピューターで戦況を分析・予測。そして予測された未来への対処法や結末をパイロットの脳へ直接送り込むシステム。
簡単に言えば勝つための情報を教えてくれるシステムである。
しかし『パイロットの脳にあらゆる可能性を送り込む』のが問題で、並のパイロットでは精神崩壊必至。場合によっては狂死すら有り得るという危険な代物。
詳細は上記の『ゼロシステム』の項目で。

ちなみにウイングゼロと違いコクピットは小型モニター内蔵の専用ヘルメットで操縦を補助する仕様となっている(ヘルメット無しでも操縦自体は可能)。

ときた洸一の4コマ漫画では、ゼロシステムではなく、なぜかモビルトレースシステムが搭載されたエピオンが登場。
乗っていたヒイロはバード形態でエビ反りを強いられた*3



■武装


  • ビームソード
右腰アーマーにマウントされた大型ビームサーベル。ビルゴキラーその1。
グリップ部の鍔に二枚のプレート状のパーツがあり、グリップエンドから伸びるケーブルがマウント部の右腰に接続されている。
通常のサーベルはグリップに独立した動力を内蔵しているのに対し、このビームソードはケーブルを介して機体本体のジェネレーターから直接エネルギー供給を行う。
そのため他のガンダムが持つビーム系白兵武装に比べても圧倒的な出力を誇り、通常戦闘用の低出力状態でもガンダニュウム合金製でプライネイトディフェンサーの防御力に定評が有るビルゴ数機を一撃で両断してしまう。
更に出力を引き上げると剣身も機体全長を越える程にまで延長され、最大出力状態では宇宙要塞バルジの中央司令部まで優に届くサイズでバルジを一撃で破壊するという出鱈目な威力を発揮した。*4
『敗栄』で加えられた設定、描写でも、足場のリーブラの巨大な破片に向かってビーム刃を発生させただけでも真っ二つに切り分けるほど。

両手首部分に設置されたガンダニュウム製のクロー。配置が配置なのでおそらくウイングガンダムのランディングクローをそのままコピーした物と思われる。
カギ爪の要領で使用出来るが、作中では使用されなかった。
変形時には竜の足の爪を思わせる。

左腕のガンダニュウム合金製シールド。
実体弾・ビームを問わず防ぐ優れた耐久性を誇る。
近接白兵・格闘を主とする機体に合わせ、取り回しに優れた軽い小型の物を採用している。
変形時には後腰部に接続される。

  • ヒートロッド
シールド先端に接続された多数の関節状のパーツで構成された(多節鞭)。
可変時には尻尾状に盾と共に設置される。
赤熱化させる事で、ガンダニュウム合金すらも熔断する。
打撃や敵の捕縛、武装の奪取などいろいろ使える。
ビルゴキラーその2であり主に通り魔描写で使われた。
人間の限界を遥かに超えた反応速度を持つMDすらも一切反応も出来ない超高速戦闘で一瞬で懐に入り込み溶断しまくった。


■劇中の活躍


◇TV版

完成時期は不明だが、オペレーション・ノヴァでルクセンブルクが戦場となった際、トレーズ自身が古城に招き入れたヒイロの前にその姿を現し、その場でヒイロに譲渡される。
その際、トレーズは
「その機体に乗って勝者となってはならない。ガンダムエピオンは兵器ではないのだ。君が敗者として帰還することを望む」
と告げる。

しかし、ヒイロはシステムに呑まれて手当たり次第に『敵』*5を破壊。
システムの命令通りの「勝者」になってしまう。

その後、ヒイロと共にサンクキングダムに帰還するが未だシステムを制するには至っておらず、ロームフェラによる王国への大規模攻撃の最中暴走し、王国崩壊後も単機で戦い続けていた。
そんな時ウイングゼロに乗ったゼクスと遭遇。
完全にシステムにのまれていたヒイロはゼクスを敵と認識し、ゼクスもこれに応じたために両機は激しい戦闘を繰り広げる。
だが、途中でお互いのゼロシステムがオーバーロードしてしまい、戦闘は終了。
戦闘後にヒイロとゼクスが機体を交換したため、エピオンはゼクスの機体になる。

暫くはゼクスと共に戦いから遠のいていたが、ゼクスがホワイトファングの指導者に迎えられると同時に、ガンダムの名と姿を持つエピオンも「反抗の象徴」として同組織に所属することに。
以降は要塞バルジをビームソードで切り刻んだり、ゼロ以外のガンダム4機をたった3機のビルゴⅡを操り翻弄するなど、圧倒的な戦闘力を見せ付けた。

そして、AC195.12.24に繰り広げられた最後の戦いでは再びヒイロのウイングゼロと対峙。
リーブラの内外で激しい戦いを繰り広げた末、左腕を切り落とされ敗北を喫する。
直後、リーブラの動力炉をウイングゼロの自爆で破壊しようとするヒイロの前に現れ、ビームソードを動力炉に突き刺しその大爆発の中に姿を消した。
こうしてエピオンとゼクスは「敗者」として姿を消し、新たな時代を指し示した。


ちなみに最終回でウイングゼロに向けて搭載していないはずのバルカンを撃つ描写がある。通称「謎バルカン」。
一応エピオンが直接ブッ放している描写はないが
  • ホワイトファング加入時に改修されバルカンが付いていた
  • リーブラ内の防衛システムの一種が作動した
など未だ様々な憶測を呼んでいる。
一部の文献では先の仮説の通り、ホワイトファング加入時に牽制用のバルカンが増設されたとされた。
身も蓋もないことを言うと恐らくスタッフの設定チェックが甘かったためのミスと思われる。実際Wの後半は現場がバタバタしてたし…。


続編『Endless Waltz』には登場していないが、後述の関連作品には登場している。



◆ガンダムエピオン(Endless Waltz版)


EW版のTV本編を描く『敗者たちの栄光(敗栄)』や、EWよりも未来を描く小説『フローズン・ティアドロップ(FT)』に登場するにあたって、カトキハジメによってリファインされたエピオン。
他のEW版デザインは劇場版公開時点で発表されていたため、TV本編に登場したガンダムの中では最後発のリファインとなる。

他のガンダムに比べるとアレンジは控えめでシルエットやカラーリング・武装などはTVに準じるデザイン。大きく違うのはエピオンクローくらいか。
一方、MA形態の機首となる爪先は口のように開閉、翼も展開ギミックが追加、変形時の腰部も微妙に変更された。
また、シールドはヒートロッドを完全収納できるようになっている(トールギスⅢと同じ)他、ビームソードなどへのエネルギー供給用ケーブルを取り付け可能となっている。


『敗栄』ではトレーズが入手したプロトゼロの設計データとゼロシステムの起動ユニットから製作された機体として登場。
相変わらず火器は無かったがホワイトファング加入後、背面の翼を小型化したようなデザインの「シュトゥルム・ウント・ドラング」という二枚一対の追加装備を実装。
これはビームソード同様、後腰部にマウントされたシールドから伸びたケーブルを介してエネルギー供給を受けて前腕部に装着し防御用の「ディフェンサー・モード」を発動するとメリクリウスのプラネイトディフェンサーを基にしたエネルギー(E)・フィールドを機体前面に展開する。
その出力はビルゴやメリクリウスのディフェンサーを遥かに凌ぎ、なんとウイングゼロのツインバスターライフル最大出力、数発の直撃を完全に防ぎ切ってしまうというチート染みた防御力を発揮する。
更にビームソードのグリップ部に装着することで攻撃用の「ツヴァイヘンダー・モード」にもなり、元々高出力だったビーム刃がさらに破壊力を増す*6
ちなみにこれ、トレーズが造ってドロシーに届けさせたもの。
色んな意味で閣下凄すぎである。

『FT』でも登場。便宜上「初号機」と呼ばれている。
戦後破棄されずに火星に隠されていたが、「ゼクス・マーキス上級特佐」が何らかの形で入手し搭乗、エピオンパイと対峙した。
なお、ヒイロとの戦いで破損した左腕を補修すると共に、脚部に連装ビーム砲が追加されており、正式に火器を搭載することとなった。



■バリエーション


◆ガンダムエピオンパイ


『FT』で老師・張(張五飛)がエピオンの設計データを参考に完成させた新たなエピオン。ゼクスの乗ったオリジナルとは別の機体。
パイは「白」の意味で、名の通りオリジナルのエピオンとは対照的な白と青に塗装されている。
やはり愛称は「ナタク」。

開発者が開発者なので、武装がビームトライデントになったうえ、右腕はドラゴンハングに変更。
変形時は三つ首の竜を思わせる姿になる。

ゼロシステムを装備しているが、それ無しでもゼロシステムを起動させたエピオン初号機を圧倒するほどの強さを誇る。



■関連機体


◆ワイバーン


『FT』などで語られたTV本編以前の時代(AC145年頃)に存在した白銀のMA(正確には戦闘機)。
双頭の竜のようなシルエットを持ち、エピオンのMA形態の原型となったとされる。またゼロシステムも搭載している。
開発者はジェイ・ヌル
搭乗者はゼクスとリリーナの祖母の双子の妹カテリナ・ピースクラフト。



■立体化


ガンプラ

放映展開当時に1/144、1/100HGで発売。共に変形機構を再現している。
とはいえ当時の古いキットであるため色分けはあまり再現されておらず、関節もやや不安。

2010年には『敗栄』『FT』のメディア展開に合わせ、EW版のMGも発売された。2020年現在、同機のガンプラはこれが最新のもので、HGACでのエピオンは未発売。TV版が欲しい人は旧キットで我慢しよう。

と長らく新作キットが出ていなかったのだが、遂に2023年にてRGのガンダムエピオンが発表され、同年9月30日に発売された。
こちらは原作のガンダムW準拠のデザインとなっているが、MA形態はオリジナルギミックがあり、原作とEW版の中間と言った方が正しいかもしれない。
造形はMGとほぼ同じだが、各種ディテールが追加され、可動域も昨今のRGに相応しく完璧な出来。
頭部はよりシャープ化された顔つきになっているので、MGよりもMETAL ROBOT魂に近い造形になっている。
中でもアドバンスドMSジョイントで構成されているヒートロッドはプラモデルとは思えないほどの凄まじい可動と柔軟性があり生物的な動きがとことん追求されている。*7
ちなみにヒートロッドは今までと違いパーツ一つ一つで作る代物ではなくこれ一本で完成されているため凄く簡単なのだが、塗装するときは当然パーツを分割出来ないので、こちらは一転して難易度が超高くなる…




ROBOT魂

TV版が発売。
ビームソードは接続ケーブルや刀身のビーム部分の差し替えパーツによって出力変化を再現。
また手首とエピオンクロー、膝下のパーツを差し替えることでMA形態への変形も可能。
全体的にプロポーションも安定している。



■ゲームでの活躍


新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL

本編放送期間中に発売されたスーパーファミコンの格ゲー。
ストーリーモードのラスボスとして登場する。ストーリー以外の機体選択画面でトールギスにカーソルを合わせて隠しコマンドを入力すると使用できる。
このゲームではどの機体も相手との間合いが一定以上開くとバルカンが撃てるようになるのだがエピオンには設定通り無い。
しかしながら、ラスボスだけあって崩しと起き攻め性能が頭一つ飛び抜けており、通常技も発生とリーチに優れている。
この作品のエピオンを語る上で外せないのが超必殺技の「スパークウインド」。
なんと謎のエネルギー弾を乱射するというもので飛び道具系の必殺技でもトップクラスの性能を誇る。
設定を理解していないはずではないのに採用されたこの技は「火器じゃないのでセーフ」とか「エレガントオーラ」等度々ネタにされる。
ちなみにストーリーモードではプレイヤー側がトールギスの場合、パイロットがヒイロになる等、妙な所が凝っている。


◇VSシリーズ

  • ガンダムvs.ガンダム NEXT
コスト3000帯で参戦。
当然だが牽制用の申し訳程度の射撃すら持たない近接白兵専門機。まさに漢の機体。
その潔すぎる武装からガンガン屈指の玄人機体…というか最早ネタ機体に近い。

機動性や装甲は総じて優秀で最高クラスの格闘性能を持つ。
入力のパターンが特殊で格闘コンボは豊富だが、入力はシビアで時間がかかるためカットされると辛い。
それに射撃武器が無いので当然離れた位置から射撃戦に持ち込まれるだけで機能しなくなる。
当然アレックスには全く為す術無し。デスティニーの特格など、格闘に対し有効な武装持ちも同様。
さらにエピオンvsエピオンのタイマンなんて目も当てられない。
決して「勝者」にならない(なれない)点はある意味原作再現?

ただし、他の機体が月光蝶や明鏡止水状態で300ダメージ越えを叩きだすのに比べ、コンボによっては常に300オーバーを叩きだすのは大きな利点。
よって射撃による牽制無しで相手に肉薄出来る腕や相方の的確なサポートがあれば活躍出来るかもしれないが、巨大MA相手だと本当に苦労する。

アシストはビルゴⅡで、射撃防御効果のあるプラネイトディフェンサーを張ってくれる。
だがエピオンの足が速すぎて付いて来れないので肝心な時に仕事してくれないこともしばしば。


2013年10月23日解禁。コストは3000。
モビルアシストの廃止でついに画面の右側の表示は一切なくなった。おめでとう。
他にもサブ射撃コマンドのヒートロッドは射撃を消すことができるようになり、特殊格闘コマンドには特殊移動が、特射コマンドにビームソードの出力切り替えが追加された。
出力強化中は機体が赤く発光し(通称:茹で海老)、ブーストダッシュの燃費悪化と引き換えに格闘性能と移動速度が上がる。
覚醒技はバルジ斬り。似た技を持つZやZZより出が早い。全身から光弾は出さない。ただし光は勝利画面で出る。

NEXTでの汚名を返上できるか…と思いきや相変わらずの立場である。
射撃をかき消し発生も良好なヒートロッド、かなりの距離から差し込める特格格闘派生、高速アンカーの下格と強力な近接武装が揃い近距離の圧力はトップクラスではあるが、
格闘機の割には威力が物足りない。なので強化状態でダメージを伸ばしたいが、格闘を当てない事には何も始まらないので行動回数は減らせない、
そうなると立ち回りを重視したい人は生海老のまま、ダメージレース重視の人は茹で海老のままで最初から最後まで戦う事が多いらしい。
特射コマンドが実質無いも同然な上、茹で海老のヴィジュアルの評判が悪く、通常時の見た目で性能を強化状態に差し替えて欲しいとの声多数という踏んだり蹴ったりな仕様。
またラッシュ格闘は仕様として残っているものの補正が悪く実戦で使う意味は殆どなくなってしまった。

結局FULL BOOSTはシステム的に格闘機に厳しいこともあり、概ね3000最弱という評価である。
相変わらず相性の悪い相手、環境最上位の大半に対してとことん弱いのは変わっていないが、最終的な環境では家庭版DLCの一部を除けばバランスは良かったので完全なネタ枠は脱することはできた。
特に壁際に追い詰めダウンを奪った相手に張り付けば問答無用で狩り殺せる全機最強クラスの押しつけ性能は驚異的なので、相方と連携して試合のペースを掴めれば充分チャンスはあると言える。

ちなみにホーミングダッシュと格闘の交互連打はスーパーアーマー付きの行動をヒットストップで機能停止させることができる。そのため対巨大MA戦は滅法強くなった。

相手の3000を抑える事を放棄して相方に逃げ回ってもらい自分はひたすら格下狩りに明け暮れるエレガントさの欠片もない作戦が一番輝きそうではあるが、
寝かされ続ける相手からすれば一方的に殴られ続ける怖さがエンドレスな一番楽しくない負け方かもしれない。勝者になってはいけないとはそういう事なのだろうか。


  • Extreme vs. MAXI BOOST
前作から引き続き参戦。コストは3000のまま。
今作では後格に射撃打ち消し効果がついた他、前サブから追撃が可能になる、各種特格派生の火力等が強化されている。
更に、今作からの追加システム「オーバードライブ」で「ファイティング(F)ドライブ」を選択していれば、覚醒+Fドラで驚くべき火力を発揮できる。
逆に、射撃武装を持ち合わせていないため「シューティングドライブ」を選択してしまうと敗者になってしまう。
前作と打って変わって、ワンチャンに特化した機体となっている。


前作から引き続き参戦。コストは3(ry。
今作では「オーバードライブ」効果の覚醒との統合化と、格闘機メタとなる「E覚醒」の追加が向かい風。
オーバードライブは実質2つ目の覚醒であっため痛い変更だが、全体調整でダメージが通りやすくなっている為、総合的な火力は変わっていない。
大きな強化は飛び上がり格闘のBD格(前格)のブースト消費が無くなったことがまず一つあり、特射発動中のブースト燃費が実質的に上がっている。
また後覚醒技に「ゼロシステム」が追加され、覚醒時の選択肢が増えたことも大きい。
ローリスクに適正距離に踏み込める他、E覚醒による反撃や、一部機体のS覚醒による回避困難な弾幕を凌いだりと非常に有用。
しかし、他のゼロシステム搭載機(TVゼロ、EWゼロ、カトルゼロ、サンドロック)が任意のタイミングで発動できるのに対して、本機は覚醒時のみである。
どうしても武装欄を作りたくなかった開発陣の嫌がらせ…もとい、意地だろうか?
ちなみにゼロシステム発動時もゲージが表示されない仕様になっている。やはり意地でも武装欄を表示させたくないのだろう。

なんだかんだ言ってシステム周りを含めてFULL BOOSTの頃からかなりの強化を貰っており、運用法も確立されてきているため、
3000格闘機のエース級として高く評価されており、環境トップに近い位置にいる。
3000最弱とまで言われたFULL BOOSTの時点では考えられないほどの大躍進である。

ちなみに格闘機の天敵といえるE覚醒だが、エピオン自身は格闘機で一番E格を使いこなせる立場だったりする。
というのも、エピオンは隣接でE覚抜けをした時、HD格で瞬時に噛み付いてバルジ斬りで速攻でダメージ確定する動きがかなり強いからである。
またエピオンはマスター等より覚醒依存度が低いので、リスクをそこまで取らなくて良いというのも理由。
次作を含めてメジャーなのはF覚醒だが、E覚エピオンも一定の存在感がある。
その辺りの柔軟性の高さもエピオンの強さの一つと言えるだろう。

今作ではゲーム全体の仕様変更でホーミングダッシュの距離短縮、機動力の減衰の弱体化を受けた。
代わりにゼロシステムがリロード対応の常設武装になり、覚醒時にバルジ斬りと併用可能に。
HD格コンボはブースト燃費が改善されて、オバヒ確定だったのが出し切り後にある程度暴れが効くようになった。
また後格がピョン格に差し替えられ、既存の後格はNサブに、既存のNサブは後サブ(新コマンド)にお引越し。
弱体化は痛いがピョン格がエピオンの特性に非常にマッチしており、格闘機の宿命であるカットやコンボ後の着地取りによるダメージ交換が誤魔化せるようになり、
また接近や逃げなど機動面でも大きな恩恵がある。
環境的にはヤークトアルケーなど有利対面が増えており、流石に環境トップのトールギスIIIやHi-ν、騎士ガンダム、次点のクアンタ、ターンXは辛いが、それらの弱体化もあってエピオン側はやり易くなっている。
全国大会でもある程度の使用率があり、今作でも格闘機のエースの地位は揺るいでない。

本作稼働時に弱体化されるだろうと予想していたプレイヤー達の期待を裏切り、むしろ強化を食らって続投。
特殊射撃の出力切替がビルゴⅡ呼出に変更。当初は出撃直後から出せたが後にリロードしてからに変わったものの、難点であった射撃に対する防衛策を得たのはかなりの強みになった。
出力切替が無くなった分、機動性や各種攻撃の性能は中間あたりに落ち着いた。だがこれは前作の通常状態基準で考えるなら強化も同然で、前格闘が強化されたのも相まってデメリットと呼べる部分は無い。
覚醒はF覚醒が最有力候補で、続いてR覚醒かM覚醒が並ぶ。
F覚醒はガードブレイクからの高火力コンボが前作から続く鉄板。しかしEXBurstXをするとダウン値減少効果があるのだが、それが却ってコンボ締めを狂わす足枷になりかねないため注意したい。
R覚醒は固定ペア向きかつEXBurstX効果による耐久値回復を前提とした選択肢になる。SAが付与される格闘自体がかなり少ないので、単体覚醒での恩恵は薄い。どう触れるかよりも、触れた時のダメージ&耐久値交換を活かすかが課題か。
M覚醒は前作より大幅に補正値を削られたが、機動性向上による盾捲りやブースト有利からの連撃がしやすくなる。どう触れるかが課題となる覚醒で、ダメージの伸びやその他恩恵よりも安定した攻撃方法を選ぶならこれ。
C覚醒は前作E覚醒と比べて防御補正がEXBurstX中のみの効果しか無くなったのもあり非推奨。実際、覚醒抜けしてすぐに差せるかどうかも運次第で、相手に警戒されてしまえばそこで終わりなので3000コストに求められる要素からはかなりかけ離れている。
S覚醒は言わずもがな非推奨。ビルゴの回転率を良くするくらいで、ゼロシステムを残しているとチャージ時間短縮効果が格闘連撃中に割り込んでくるのでむしろ障害となってしまう。


Another Century's Episode

近接攻撃が火力、性能共に須らく優秀。
射撃による怯みが少ないA.C.E.では多少の被弾は無視して突っ込む事ができるため、
高い機動性を活かしてクロスレンジに持ち込めばかなりの強機体。
変形時の旋回性も良好で、変幻自在な機動で距離をつめる事が可能。
また変形体当たりでは一撃でダウンが取れる。


◇ガンダム無双シリーズ

ゼクスと共に初代から参戦。
通常攻撃でもビームソードのリーチが長く、比較的扱い易い機体。
射撃攻撃が無いためややフィールド制圧力に欠けるが、近接技の範囲が広いため十分にカバーできる。
SP攻撃では地上版は連続突き、空中版はMA形態での体当たり。前者は発動場所から動けなくなるため間合いをキチンと考えずに出すとただ空を突き続けるシュールな光景に。
後者も蛇行しながらの体当たりであるため特定の相手を狙うのは少々難しい。
ストーリー面では敵対したハマーンから「接近戦しか出来ないMSとは…欠陥品だな」とバッサリ言われたり、プル&ドモンに巻き込まれキュベレイMk-Ⅱゴッドガンダムと共に(割とノリノリで)演武を披露する。


Gジェネシリーズ

「F」では攻撃、防御は高く、ゼロシステム(射撃・格闘+20)のおかげで格闘値が低めのパイロットを乗せても格闘戦がこなせる様になれる。
また、格闘武器しか持たないが、射程の長さは3まであるので(あくまで)純粋な格闘機にしてみれば射程はそこそこある。
しかし、肝心の格闘武器の威力の並程度というのも困りもの。この頃は最大出力のビームソードがMAP兵器だったのも格闘機としては仇となった。
兄弟機設定で創作された「OZ-14MS ガンダムアクエリアス 」は本作が初登場。

「NEO」では変形が削除された代わりに大気圏内の飛行が可能となり、高い基本性能に加えヒートロッドが中距離格闘武装になっているのでビルゴキラーとして活用できる。ビームソードの威力も見直されている。
ただし、ゼロシステムのせいでパイロットのMPが毎ターン消費してしまうデメリットが課せられてしまった。

「WARS」ではFと大して変わらないが、最大出力のビームソードがMAP兵器ではなくなり、
高威力の格闘武器になったため火力は向上している。
ただしゼロシステムによりMPゲージの8割が弱気になってしまうため、テンションが上がるまで威力が伸び悩む。原作で乗った面々よりも格闘武器の射程が伸びるガンダムファイターのほうが遥かに相性がよく、特に高い回避率を持ちMPの最大値も低い(=強気以上になりやすく、下がってもリカバリーしやすい)サイ・サイシーは特にエピオン向き。

「オーバーワールド」ではゼロシステムの仕様変更で強気始動となり使い勝手が大幅に上がった。
射程の短さだけは据え置きだが、そこはパイロット側で射程UPのアビリティを付ければ一気に解決する。
また、EW版も参戦。何かしら使い勝手が変わる事が多い他のガンダムのEW版とは違い、スペックがちょっとだけ上がった上位互換である。
ちなみに、実は最長射程3の格闘機という立ち位置はデスサイズヘル(EW版)と完全に被っている。
そして、エピオンは機体のアビリティによる補正・地形適応・武器の攻撃力のいずれもがデスサイズヘル(EW版)の完全上位互換だったりする。
数少ないデスサイズ側が勝ってる点は申し訳程度に射撃武器があるのと、ビームコーティングがある事だが…デスサイズは色々泣いてもいい。

「クロスレイズ」ではヒートロッドの射程が2~4となり使い易くなった。また、ヒートロッドに防御力ダウン効果がついたのも地味にありがたい。
ビームソード最大出力はPOWこそ控え目だが会心効果があり、他の必殺技と違ってテンション制限もないため使いやすい。

余談だがこの機体にならって格闘武器しかまともな武装の無い別作品の機体(コイツコイツら)をエレガントな機体と呼んだりする。

スパロボシリーズ

アニメ版Wの参戦回数が少ない為に、出番も少なめ。
さらに、武装の最大射程も1だったり3だったりで遠距離から一方的にボコれるなど、ぶっちゃけ原作ラスボス機とは思えないほど弱い
このため、『F完結編』や『α』では終盤でゼクスはエピオンを捨ててトールギスⅢに乗り替えてしまい、原作ラスボスの座を奪われる始末
唯一最初から最後まで味方で使えるDでもゼクスよりも格闘能力の高い五飛を乗せて、ゼクスには五飛のアルトロンに乗せてやると活かせると言う事に。(強化パーツで補強できる分よっぽどマシだが)。
だが『第2次Z』で最大射程5のMAP兵器「ビームソード最大出力」が実装され、ヒートロッドも移動後使用可能なのに射程1〜6と鬼性能化して帰ってきた。スポット参戦なのが非常に悔やまれる。




遅い、遅いぞエピオン! ヤツの追記・修正速度を超えろ!!




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最終更新:2023年11月11日 04:19

*1 五博士が連合を離れる前に残していたゼロシステムの雛形を発展させた説がある

*2 『敗栄』では「決闘用」と称しており、トールギスに似たニュアンスも含まれている

*3 もっともこれはギャグマンガ特有の描写であり、Gガンにおいてモビルトレースシステムを搭載しながら可変機構を持つ機体はさほど珍しくなく当然ながら変形時にパイロットが不自然な姿勢をとる必要もない。

*4 神代小説版ではバルジを破壊できたのはバルジ砲発射間際のエネルギーの誘爆を招いたためとされている。ただしあくまで小説版の設定である。

*5 戦いの目的を見出せていなかったヒイロがゼロシステムに呑まれ「戦う者すべてが敵」と認識してしまったため、ロームフェラのMDだけでなく立場上敵対関係には無いはずのトレーズ派のMSまでも

*6 このモードは左腕の喪失後に初使用されるが、左腕と共にケーブルも断線したため、実際にビームソードに装着出来たのは片方のみ完全な威力で使用されることはなかった

*7 アドバンスドMSジョイントの通例だが、最初に無理に動かそうとすると破損する可能性があるので、説明書を読みながらゆっくり動かして可動域を広げると良い