機動戦士ガンダムAGE

登録日:2011/06/09(木) 16:27:44
更新日:2024/02/23 Fri 02:35:24
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三つの運命が歴史になる――

機動戦士ガンダムAGE(エイジ)




2011年10月から2012年9月まで放送していたTVアニメ。『ガンダム00』以来のガンダム新シリーズである。

監督は劇場版ケロロ軍曹などを手掛けた山口晋。制作にレベルファイブが全面協力、社長である日野晃博氏がメインライターを務めている。

7月からDCD「ガンダムトライエイジ」が稼働している。
更にプラモやフィギュアに付属するICチップを玩具店などに設置した筐体にセットして作ったプラモのデータなどを使うことが出来る「ゲイジングビルダー」というゲームも稼働していた(2013年1月、稼動終了)。
RPGもレベルファイブから『コズミックドライブ』『ユニバースアクセル』の2バージョンが発売された。
その他にコロコロコミックにて外伝漫画『機動戦士ガンダムAGEトレジャースター』、キオ編&三世代編のコミカライズ『機動戦士ガンダムAGE クライマックスヒーロー』連載、小太刀右京によるノベライズなどのマルチ展開がなされた。
コロコロコミックでの展開を受けて小学館雑誌でもガンダムの展開が広がり、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』が執筆される遠因になるなど、漫画方面のガンダムシリーズの展開においても少なからず影響を及ぼしている。

レベルファイブイズム溢れる低年齢層向けのキャラクター・メカデザイン、理詰めの作劇を苦手とする日野氏の参加などの要素で、前評判はぶっちゃけ芳しくなかった。いざ公開されてみると、起伏に乏しく間延びしたストーリー展開や、前番組の『00』と比較すると明らかに劣る作画(むしろ『00』の出来が異常だったのだが)から、やっぱり評判はよろしくなかった。
第二部にあたるアセム編以降は徐々に盛り上がっていき、作画レベルも向上し、劇伴の素晴らしさやプラモデルの出来の良さなども評価されていくが、尺の配分がおかしい物語展開(じっくり描いた方がいい部分が短く、別に必要のない要素を一々挿入する)は最後まで改善されず、イマイチ消化不良で終わってしまう。
最終回後はネット上では反省会と称した壮絶な議論が巻き起こった。

ただ、元々アンチが多い日野氏や、『00』と正反対の作風ゆえの反動などのもろもろの要素から、必要以上に叩かれている感は強い。
見せ方こそ悪かったとはいえ、完結後に振り返ってみると、大河ドラマ的なシナリオの大筋には確かな魅力が存在する。
アナザーガンダムではあるが、むしろ宇宙世紀(1st)に近い作品とも言われてれており、ガンダムSEEDと並んで、ガンダムを見たことない人へのガンダム入門として非常にオススメの作品であると言える。
はっちゃけたMSのデザインやかませ役のはずの量産機に活躍の場面が多いという点も評価されている。
ぱっと見の印象や酷評に気おされてスルーするには惜しい作品である。

後にアセムを中心に据えたOVA『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』が発売された。

版権にレベルファイブが関与しているという噂や三世代に渡るシナリオ展開からスパロボへの参戦は困難と思われていたが、
2015年に『スーパーロボット大戦BX』に参戦。
同じガンダムシリーズの『UC』『劇場版00』『SDガンダム外伝』のみならず、
設定面で似ている『機動戦艦ナデシコ』、子供達の戦いを描いた『絶対無敵ライジンオー』とのクロスオーバーが展開された。
キオ編以降がメインだが、ミンスリーやトルディアなど一部フリット編・アセム編、更に小説版の要素も取り入れられている。



【ストーリー】

宇宙にコロニーが出来、人々がようやく平和を掴み始めたA.G.101年。地球圏に突如現れたUEの襲撃によりコロニー「エンジェル」が崩壊。多くの命が失われた。
人々はそれを「天使の落日」と呼んだ……。

A.G.108年、フリット・アスノはコロニーの破壊により母を失う。
七年の月日が流れ、成長したフリットは他の技術者と協力して「ガンダムAGE-1」を造り上げる。
フリットは母の残した「戦うたびに強くなるシステム」AGEシステムを搭載したガンダムAGE-1を駆り、UEをなぎ払うべく戦いに身を投じる。

『百年戦争』と呼ばれるその戦いは、後に「子」アセム、そして「孫」キオに引き継がれる事となる……。


シナリオについては、異星人と戦う親・子・孫の3世代の物語というのがコンセプト。
  • フリット編 1〜15話
  • アセム編  16〜28話
  • キオ編   29話〜39話
  • 三世代編  40話〜49話
基本的には主人公は世代によって変わるが、事実上中心はフリット・アスノ。ナレーションもフリットである。



【登場人物】

◇フリット編(A.G.115年代)

フリット・アスノ
第1部の主人公。同時に作品全体での主人公とも言える。
少年ながらガンダムに搭乗し謎の敵UEから人々を守るため戦いに身を投じる。
三人のアスノのうち「親」にあたる。
乗機はガンダムAGE-1。


エミリー・アモンド
フリットの幼馴染であり第1部のヒロイン。
祖父バルガスやフリットと共に戦艦ディーヴァに乗り込み戦いを見守る。


ディケ・ガンヘイル
フリットの幼馴染。
ディーヴァに成り行きで乗船してからは、エンジニアのバルガスを手伝いながらフリットをサポートしていくこととなる。


ユリン・ルシェル
フリットが助けた少女でありもう一人のヒロイン。
Xラウンダーと呼ばれる存在だったがために…


ウルフ・エニアクル
地球連邦軍のエースパイロットで、「白い狼」の異名を持つ。
ややナルシストで自信過剰だが、それに見合うパイロットとしての腕前を持つ。
そんな性格とは裏腹に面倒見の良い兄貴分でもあり、周囲からの信頼も厚く、フリットとは後に長年の戦友となる。
乗機はジェノアスカスタム→Gエグゼス


グルーデック・エイノア
連邦軍中佐で新造艦「ディーヴァ」の艦長。
妻子をUEに殺された無念を晴らすために生きている復讐者。
ディーヴァのクルーにも明かせない秘密を抱いている。


デシル・ガレット
謎に包まれた魔少年。
彼がもたらしたものが、フリットの運命を大きく動かすこととなる。


イワーク・ブライア
強いられているんだ!
ちょい役なのだがやけに人気。キャラソンも何故かある、しかも良曲。



◇アセム編(A.G.140年代)

アセム・アスノ
第2部の主人公でありフリットの息子。
軍に入るが偉大な父やライバルであるゼハートへのコンプレックスに苦悩する。
「MEMORY OF EDEN」ではゼハートと共に主人公を務めた。
三人のアスノのうち「子」にあたる。
乗機はガンダムAGE-2。


ゼハート・ガレット
アセムの学生時代の親友であったが、その正体はUEことヴェイガンのスパイ。
高レベルのXラウンダーであり後に地球方面司令としてアセムの前に立ちはだかる。
乗機はゼイドラ。


ロマリー・ストーン
アセムの学生時代からの同級生で第2部のヒロイン。
アセムと共に軍に入りディーヴァに乗り込むがゼハートに憧れを抱いている。


オブライト・ローレイン
アセムが所属するディーヴァのMS部隊「ウルフ隊」の一員。
部隊の中では隊長のウルフ・エニアクルに次ぐ最年長で、ウルフへの信頼も高い。
性格は実直で堅物だが、こと恋愛に関しては初心。
乗機はジェノアスⅡ。


アリーサ・ガンヘイル
ディーヴァの整備士ディケの娘で、ウルフ隊の紅一点。
サバサバした性格で、同じ隊のアセムやマックスとも気兼ねなく接する良き戦友。
乗機はアデル。


◇キオ編(A.G.151年代)

キオ・アスノ
第3部の主人公でありアセムの息子。
幼くして父が行方不明になり、母ロマリーと祖父フリットに育てられた。
高いXラウンダー能力を秘めており、人々を傷つけるヴェイガンを倒すため戦争に身を投じる。
三人のアスノの中では「孫」にあたる。
乗機はガンダムAGE-3。


ナトーラ・エイナス
この時代にはもうすでに老朽艦と化しているディーヴァの新しい艦長。
元々事務関連業務をしていたところ、上官の嫌がらせで急遽ディーヴァの艦長に任命されてしまう。
決断力がなくて狼狽えてしまいがちな気弱な性格であると同時に、非常に真摯で真面目な性格でもあるため、自身の艦長としての資質に悩んでおり、肩身の狭い思いをしている。


セリック・アビス
この時代におけるディーヴァのMS部隊「アビス隊」の隊長。
洞察力と推理力に優れ、「戦場のホームズ」の異名を持つ。
気負いすぎな新米艦長であるナトーラに対して何かと気にかけており、彼女の相談役になることも多い。
乗機はクランシェカスタム。


フェザール・イゼルカント
火星独立国家のヴェイガン指導者であり、地球の事をエデンと呼び「プロジェクト・エデン」なる計画を推進している。
第1部から名前は登場していたが、第3部にてそれまで踏み入れることのなかった地球に対しついに宣戦布告する。


フラム・ナラ
ヴェイガンの司令官ゼハートの副官となった女性。
ゼハートを庇って死んだ兄への思いから、ゼハートのことを司令官の器足りうる存在か見極めようしていたが、後にゼハートのことを本心から慕うようになる。
乗機はフォーン・ファルシア


◇三世代編(A.G.151年代)

キオ・アスノ
地球とヴェイガン双方の内情を知ったことで「戦いを止めるための戦い」を目指すようになる。
乗機はガンダムAGE-FX。


アセム・アスノ
十数年前にMIAになって以降、宇宙海賊ビシディアンの首領「キャプテン・アッシュ」を名乗っていたキオの父。
地球とヴェイガンどちらが正しいかを見極めるため、そしてゼハートとの決着のため戦っていく。
乗機はガンダムAGE-2ダークハウンド。


フリット・アスノ
アセムの父でありキオの祖父。
戦いの中で失っていったもののためヴェイガンの殲滅を目指し二人と衝突する。
乗機はガンダムAGE-1フルグランサ。



【登場機体】

◇地球連邦軍

ガンダムAGE-1
フリットが開発したMS。伝説の救世主に肖り「ガンダム」の名を持つ。
特徴としては他のガンダムと比べてAGEシステムから生み出されたウェアが多い、ゲームと小説を合わせると15種類存在する。
後に改修されAGE-1フラットとして戦い続ける。
最終的には元のAGE-1に戻される。


ガンダムAGE-2
AGEシステムが生み出した二つ目のガンダム。
高速移動用のストライダーフォームへの可変機構を持つ。
後に大破、破棄されたと思われたが……。


ガンダムAGE-3
フリットが来るべき戦いに備えて開発した新たなガンダム。
最大の特徴は分離合体機能を持つ事で、頭部を構成するコアファイターと、ボディ及び従来のウェアにあたる部分を構成するBパーツに分かれている。
最終的には大破、FXへと改修される。


ガンダムAGE-FX
AGE-3を基に生み出された最強のガンダム。
Xラウンダー用のCファンネルを装備する。
AGEシステムで生み出されたガンダムのなかで唯一換装システムがない。


ジェノアス
第1部における連邦の主力機。が、武器が悪くUEには全く歯が立たない。
しかし性能は意外に高く武器が改良されるとUEを圧倒できるようになった。
第2部では第一線を引いているものの後続機のジェノアスⅡが活躍していた。


アデル
第2部における連邦の主力機。AGE-1を基にしておりウェア換装システムを持つ。
アデル専用ウェアとしてキャノンウェアが存在する。
第3部では改良型が活躍していた。


クランシェ
第3部に登場する連邦の新型機。AGE-2を参考に飛行形態への可変機構を持つ。
一般機はノーマルを、隊長機はダブルバレットを参考にしている。


ディーヴァ
全編を通してガンダムの母艦となった戦艦。
改造後は大出力のフォトンブラスターキャノンを装備する。
後に量産型が生産された。


UE(ヴェイガン)

「未知の敵(Unknown Enemy)」の略称。
その組織やMSなのか異星人なのか…全てが不明だったが、一期終盤で実態が明らかになった。

運用するMSについてはUE/ヴェイガンのMSを参照。



【用語集】

AGEシステム
この作品の肝となるシステム
過去のデータを基に新たな武器を作り出し、ガンダムを進化させるシステム。戦闘中にシグマシスライフルの強化パーツやフォートレスウェア等を生み出した。


〇EXA-DB
銀の杯条約により消された技術・戦略等が記録されており、ヴェイガンはこのデータの一部をハッキングしたことで技術の優位性を保っていた。
小惑星に隠され、連邦・ヴェイガン共に裏で捜索をしているものの消息不明になっている。
詳しくは追憶のシドを




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