アッテムト(DQⅣ)

登録日:2012/11/19(月) 20:34:54
更新日:2023/11/20 Mon 22:57:16
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ここは アッテムトのまちだよ。
でも それも もうおしまい。
あんたたちも はやくおにげ!!



アッテムト(Mamon)とは、『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に登場する街の一つ。
世界地図の南西、キングレオがある大陸の北西の端の方にある。


初めて訪れるのは第四章。
父親の敵討ちの為に旅をするマーニャミネア姉妹。

敵のバルザックはキングレオの城にいる事が分かったが、城中を探してもどこにもいない。
そして、何か知っているであろう大臣が臆病であるという情報を掴み、驚かす為の火薬壷を求めてきた鉱山の街、それがアッテムトである。

前の街ハバリアからそれなりに距離があり、外見は普通の村アイコンなので、安心して入ると……。


全滅の音楽が流れる。

アッテムトの街のBGMはよりによって全滅時の「エレジー」なのである。



アッテムト鉱山から急に毒ガスが発生した影響でアッテムトは壊滅状態。住民達も多くは死に絶えており、施設も教会くらいしかない。生き残っている住民も、その多くは既に病に蝕まれ苦しんでいる。
そして、村のド真ん中に墓が立っているという有様。そこには「勇敢な 鉱山の男たちの魂よ 永遠なれ」と刻まれており、村の惨状を物語っている。
宿屋こそあるものの、5章では廃業している。


FC版では教会も昼間しかやっておらず、夜には神父は「疲れているんです。休ませて下さい」と言って教会の床で寝ている。
しかしその理由は一日中ケガ人の手当てをしていたためである……。神父様……。


街の北には鉱山の入り口があるがその周囲は毒沼に覆われており、白骨となった死体がある。
その死体を調べると、娘から送られてきた手紙が手に握られており、「お父さん、早く帰ってきてね。弟のピピンも寂しがってるわ。今度、二人で会いに行きます」という内容が書かれている。
この姉弟、ルナとピピンは4章ラストの船で会える。ルナは父の死を知ってしまったが、その事実を伝えるには弟はまだ幼すぎると、一人で抱え込んでいる……。
その後ははぐれてしまったようで、PS版にて別々に移民として登場する。

また、夜になると人魂がウロウロしている。


アッテムト鉱山の中はガスまみれ。マーニャ達に何かゲーム的に悪影響があるわけではないが、気分的に悪い。
ガスが流れてくる方向に階段があるのでプレイヤー的には便利。
しかし、メタルスコーピオンをはじめとする強敵が生息しており、大量に出現する事も多いため先にオーリンを加入させていないと危険。

1階ではミネア専用武器の銀のタロットが拾える。
地下2階では炭坑夫が未だに宝を目当てに採掘作業を続けている。
傍の宝箱に火薬壷が入っており、これさえ取ればアッテムトは用済みとなる。





……かと思いきや忘れた頃にまた来る事になる。

舞台は変わり第5章。
導かれし者たちが集結し、人間を滅ぼそうと企む地獄の帝王を打ち倒すために動き出す。

デスパレスに潜入してデスピサロの話を聞いている最中にアッテムトで人間達がエスターク神殿を掘り当てたという報告が入る。

そうして再びこの村に足を踏み入れると、また住民が減っている
地上にいる住人は神父と項目冒頭のセリフを言って早く街から立ち去るように告げるおばさん、そして鉱山の入口に倒れている死にかけの鉱山夫が一人だけ。
前述の通り宿屋もなくなっており、残る施設は教会だけになってしまった。
現在進行形で死者を出し続け滅亡へと向かうアッテムトを、ただ見届けるしかないのである……。
墓地の前では神父(PS版ではぽっと出のシスター)が一人嘆いている。

「おお神よ! ついに 破滅の時が来たようです」

これしか喋らなくなり、事実上教会さえ廃業されてしまったことで*1、ついにすべての施設がなくなった完全なる廃墟に。

一方鉱山は、地下2階の4章で炭坑夫が掘っていた先が開通しており、地底にあるエスターク神殿への道が開いている。
このガスはエスターク神殿から発せられる物で、アッテムト鉱山の開発過程でかつて沈んだエスターク神殿に繋がってしまっていたのだ。

というわけで、エスターク討伐の為に再度潜る事になる。
エスターク神殿には気球作成に必要なガスの壷があるが、これを取ってもアッテムトに流れるガスは止まらないので関係性はともかく、少なくとも原因ではなさそうである。

が、どっちにしても鉱山の下に神殿が埋まっているため、
いつかはエスターク神殿を掘り当ててしまう事になる。
つまり、滅亡は予定調和だったのだ。
悲惨過ぎる……。

この街の進行段階は3段階あり、4章、5章のエスターク神殿発掘以前、それ以降とどんどん状況が悪くなっていく。
4章の夜に墓前で亡き妻を弔っている詩人も5章では既に亡くなっており、シスターが夫婦を弔っている。
宿屋も5章の神殿発見以前までは何とか営業していたが、発見後ついに力尽きたか逃げ出したかで廃業してしまう。
そしてデスパレスの会議を境にして最後に残った教会が廃業するという流れ。

全滅の音楽が延々と流れる、非常に重苦しい町。
導かれし者達は勿論、ホフマンもアッテムトの惨状を見てやりきれない気持ちになる。

しかも平和になって魔物が消えてもガスが止まるとは限らないし、魔王の神殿なんていうろくでもないものまで掘り当てているため、恐らくは鉱山は閉山。
主要産業が失われる上にそもそもの立地が「エスターク神殿の上」なんて所なのが判明した以上最早誰も住もうなどとは思わないだろう…。

つまり平和になっても滅亡確定。本当にやりきれない……。

かつて某掲示板に「アッテムトの曲を聴きながら会話するスレ」という鬱スレが存在したように、当時のプレイヤーに与えた精神へのダメージも計り知れない物がある。


PS版以降、前述の教会は通常と同じく夜間も業務を行うようになった。
滅びゆく町に、最後まで踏み止まり己の職務を遂行する神父様……。
願わくば平和になった世界で幸せになっていて欲しい……。

確かに悲劇の町であるが、上記の人魂が「我が遺跡を荒らす者に災いあれ」という事実上の警告を発しているにもかかわらず有毒ガスが発生しても尚金を求めて鉱山を掘り進めてエスターク神殿を掘り返してしまい、悲劇を加速させて滅亡寸前まで追いやってしまったのは他ならぬアッテムトの住人達である事も忘れてはならないだろう。


なお、後日談によると世界が平和になった後にエスタークも居なくなったために有毒ガスからも解放され、鉱山から無毒なガスが見付かり、気球の町として発展して復興を果たしたらしい。
滅びかけた町は完全には滅びておらず、無事に復興を果たしたのである…。
ある意味、天空の勇者たちの活躍で一番救われたのはアッテムトなのかもしれない。


追記・修正よろしくお願いします……ゴホゴホ……。

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最終更新:2023年11月20日 22:57

*1 廃業前にセーブしてその後ノーセーブにて「きぼうのほこら」へ辿り着いた場合のみ、データのロード時は通常の対応をしてくれる。しかしその場所が墓の前であり、もはや縁起でもない状態に。