死亡フラグ

登録日:2009/06/03 Wed 12:03:10
更新日:2024/04/20 Sat 05:40:55
所要時間:約 30 分で読めます





「俺……この戦争が終わったら結婚するんだ……」




死亡フラグとは、「死亡」という動作を発生させるための「条件付け(フラグ)」。

簡潔に述べるとぬ事への伏線
それは、様々な物語の登場人物がぶち当たる高い壁のひとつ。
必ずしも死ぬとは限らず、そうした場合は負けフラグ、失敗フラグとも呼ばれるが、どの道ろくな目にあわないので、広義では同じ意味で使われることが多い。
メジャーな死亡フラグをまとめて本が出せるほど。

何故このような演出が多用されるかというと、本当に何の前触れもなくネームドキャラが突然死んでしまうと、受け手は困惑の方が先に来てしてしまい、下手をすると話についていけなくなり感情移入どころではなくなる。
事前にある程度不穏な雰囲気を漂わせておいた方が、いざ事が起きた時に「ほらきた!」と盛り上がりやすいものである。

そして、死亡フラグとは何も創作に限った話ではない
この項目を見ている皆さんもリアルで「アイツそのうち死ぬな」と思った経験が一度はあるはず。

元から本人の意志で自らを犠牲にするつもりの展開については自己犠牲の項目を参照。

▽目次


例(様々な映画漫画で発生するフラグ)

死亡を盛り上げる演出


死亡(比喩)

  • テスト期間に漫画の新刊を買う
  • テスト前日に仮眠
  • 「俺今回のテストめっちゃ出来たしw」
  • 「明日から本気出す」
  • 借金の保証人になる
  • 京都の花札屋に訴えられる
  • 文春砲を喰らう
  • 8マンに関わる
  • ぬくもるだけだから
  • 「勝ったな風呂入ってくる」
  • 母親が部屋を掃除(ベッドの下まで)

危険地帯に近づく

  • 台風が来たので屋根の修理
  • 大雨の日に川に近づく
  • 「ちょっと田んぼの様子見に行ってくる」
  • 「ちょっと船の様子見に行ってくる」
  • 火山の噴火を撮りに行く
  • ちょっとした度胸試しのつもりだった
  • 無惨様のパワハラ会議に出席する
  • 「ん?こんな山ん中に車停めて一体どないするつもりや?」
  • 撮れ高/バズりを求めて立ち入り禁止区域に侵入

自信満々


死亡以外で収集付かなくなることをする

  • 女子供を殺そうとする
  • 女子供を犯そうとする
  • 大金を横領する
  • 功を立てたいor失態を回復したい一心で暴走する
  • 機体越しとはいえ大量殺戮&大量破壊
  • ダイナマイトor自爆装置を身につけて現れ高笑い

お約束



死の呪文



人が死ぬ作品に出る

  • 蝶ネクタイ&眼鏡の子供がいる
  • 有名な祖父の孫がいる
  • 御剣検事がいる
  • 矢張政志がいる
  • 大場カオルに好かれる
  • 船越英一郎と片平なぎさが一緒に取材場所にやってくる
  • 主要人物より先に「犯人が分かった」と言い出す
  • 真相が分かっても、それをネタに犯人を脅迫する
  • 事件現場で見てはいけない何かを見てしまう
  • 「殺人犯と一緒の部屋にいられるか!一人で休ませてもらうぜ!」
  • 主人公かその身内に罪を着せようとする
  • 説明口調の独り言で殺される心当たりをつぶやく
  • 「トリックに使え」と言わんばかりの特徴的な日課・癖がある

普通に考えたらすごく強そう


見えていない

  • 「くっ……目にゴミが…」
  • 志村後ろ!
  • エリック!上だ!
  • 「メ…テオ…?」
  • 裏での機器の不調描写に気づかぬまま出動or帰還の途に就く

相手が悪い


処刑用BGM

あるいは勝利目前とも。
詳細は「処刑用BGM」を参照。


七つの大罪を犯す

傲慢 ナメ腐ってると死ぬ
嫉妬 味方を出し抜こうとすると死ぬ
憤怒 私怨に非のない者を巻き込むと死ぬ
怠惰 安全確認を怠ると死ぬ
強欲 欲望に狂い後先考えられなくなると死ぬ
暴食 不摂生してると死ぬ
色欲 スラッシャー映画でセックスしてると死ぬ


例2(モンスターパニック物等の怪物が出る映画によくあるフラグ)

  • 序盤に人気のない場所へ1人で出歩く
  • パニックに陥って錯乱しながら勝手な行動をする
  • シャワーに入る
  • 陽気なデブ
  • 「おいおいこっちにはマシンガンがあるんだぜww」
  • 「こんな危ない所に居られるか!俺は部屋に戻るからな!」
  • 物語に何の関係もない人達がセクロス中
  • そっか…私笑えるんだ…
  • アニキキャラでCV:小西克幸
  • プロ注目の○田投手
  • 騙して悪いが仕事なんでね…
  • 「すぐに追いつくさ」
  • サメ映画で序盤に出てくるブロンドの水着のねーちゃん(たとえ雪山だろうと逃げられない)
  • 噂を信じずにいちゃつくバカップル
  • 自分だけ助かろうと、通り抜けた扉を閉める

また、回避方法に【約束】もあるがこちらの場合
  • 「必ず帰るって言っただろう?」
  • 「ごめん…約束守れなかった…」
の2パターンがあるので注意

例3(時代劇によくある死亡フラグ)


  • 夜更けの商店に訪問者→はいはい、只今……
  • 冒頭に一人で出歩く見回りや酔っぱらい
  • 柳の木の前を通る
  • 怪しい落とし物を拾う
  • 悪徳商人のやり方に反対する同業者
  • 親玉の前で足を洗おうとする元悪党
  • 黒幕に強請りを思いつく元手下
  • 侍の懐から怪しい紙切れを盗んでしまったスリ
  • チンチロリンに嵌まる
  • 男女で小舟に駆け込もうとする
  • 大怪我しながら長話を始める
  • 短筒(拳銃)が出てくる
  • 賄賂を受け取らされている
  • やたら腕の立つ町人や浪人に邪魔される
  • 投げ小柄や風車を使われる
  • 天井や床下の怪しい気配に逃げられる
  • 密談中に聞こえる謎の高笑い
  • 襲われているのに助けが来ない

回避

ただし、一度死亡フラグを回避したキャラの生存率は異常。

☆主な例




特殊な回避例

稀にフラグが建った奴の代わりに他の奴が死ぬ事で回避出来る時もある。

稀なのだが、『鋼の錬金術師』のマース・ヒューズの様に死亡フラグを建て一旦は回避したものの、後に別のフラグを立て死亡するといった例もある。

  • ホラー映画の序盤で喚く黒人
  • 「見たかバケモノめ!」
  • マシンガンを乱射しながら「弾が出やしねぇ!」
  • メビウス1と闘う
一旦回避したからと言って、油断してはならないものなのである。
例)やった…!死の八分を…!

読者の人気が時に死亡フラグさえも撤回させる事もある。
前述のリチャードはゲームの発売前(厳密には雑誌にイラストが登場した瞬間)から死亡フラグが建ち、
発売までに数え切れない死亡フラグを建てたが、ゲーム本編で回避する。
詳しくはリチャード(テイルズ)を参照。

シャーロック・ホームズは「最後の事件」において、ライヘンバッハの滝でモリアーティ教授と組み合い滝に落ちかけるも、
日本のバリツ*2で奇跡的に生存している。
しかし実際にはホームズは「最後の事件」で本当に死んでいたのに、読者人気により「空家の冒険」でやむを得ず復活させた経緯がある(つまりバリツはそのための後付設定)。
そして、復活までにリアルタイムで実に10年もの歳月が流れている*3

『ガッチャマン』においてコンドルのジョーは物語終盤に古傷から余命あとわずかという状況となってしまい、最終話で壮絶な戦死をする…のだが、『ガッチャマンⅡ』にてひそかに救出され、治療を施されたうえサイボーグとして復活する。
Ⅱの企画段階ではジョーの兄弟やクローンが登場するといった案もあったそうなのでこれも人気によって延命した例といえる。

米アニメ『サウスパーク』のケニー・マコーミックは、死亡フラグで形成されたと言っても良いほど毎回何らかの要因で死んでいる*4
生存したまま終えた回は、本当にごく僅かである。

映画『ディープ・ブルー』では死亡フラグ建てまくりのコック。
因みに有名俳優のサミュエル・L・ジャクソンが予想外の死亡フラグを建てた映画でもある。
生き残ったのは主人公と前述のコックだけ。
というか、今作はモンスターパニック映画のお約束をいかに裏切るかが裏テーマなので、死亡フラグからの後の展開の予想はかなり困難。

ドラマ『太陽にほえろ!』では平均すると放映された14年間で1年3か月ごとに一人死亡者が出るという異常な状況だった*5
但しなぜか「リアルで親が有名人ないし役者」な連中は全員生存している。

映画ではどんなに危機的な状況でも猫が一緒にいると生還率が高まる。逆に言うと猫が逃げ出すとかなり危ない。『007』シリーズのブロフェルドなんかがわかりやすい。
子供もある程度はフラグ回避になるが、自分が確実に助かるという状況になると、周りに死亡フラグが建つ危険がある。

ナイツ・イン・ザ・ナイトメアでは登場人物総出で死亡フラグを乱立させて死んで逝く。
主人公なんて最初から死んでるし、愛人も死(ry

死亡フラグを立てても中の人補正によって無効化されたりする。
中には監督補正なるものもある。

あえて乱立させて予想を裏切る方向性で生き残るということもある。
死亡フラグクラッシャーとして『マクロスF』のオズマ・リーがいる。
スカルリーダー、パインケーキ、死亡フラグ満載のランカの初ライブでは見事に回避する一方、眼鏡はあっさり死亡。
「スナイパーってのは便利過ぎんだ。大抵は失明したり死ぬもんさ」

某赤いクワガタライダーは散々死亡フラグを建て、その回のサブタイトルにも死を匂わせ、崖から敵と心中し死んだかと思ったら、ちゃっかり散髪して最終回で帰ってきた。

新機動戦記ガンダムW DUAL STORY G-UNITに登場するオデル・バーネットもその例。
主人公の兄貴で途中裏切り仮面を被って、しかもやたら悪そうなガンダムに乗って登場するものの生き残る。
しかも最終決戦前に「帰ってきたら結婚しよう」というお約束まで噛ましといて生存する。
それだけでなく「主人公が超えたいと思う兄」という壁役なのに最後までその壁が破られることが無かったという近年稀に見るフラグクラッシャーである。
とはいえ一応「パイロットとしては天才的だが元が技術者なので殺意に欠け、また成長も頭打ち」という事が述べられているので実質的には弟に越えられているのだが、その光景は描かれなかった。

ただし、『グレンラガン』のカミナのように乱立させて死ぬということも普通にあり得る。
制作陣曰く「カミナはこれくらいしないと死なないから」。

たまにホラー災害パニックもの等では、あるキャラが隠れ家避難所から逃げ出す→こいつ死んだな→残った奴らが死亡という脈絡もヒロイックもなく、無謀な行動をしたキャラだけが生き残る死亡フラグ返しがあったりする。
その場合はなんでこんな奴が生き残ったのかと視聴者のやり玉に挙げられることとなる



しかし、究極の死亡フラグはやはりこれだ


「ものども、であえ!であえー!」

「うぬぅ…最早これまで……この者は上様の名を騙る不届き者………」

の天誅率は異常。
というよりこれを言う時点で大体悪事がバレて捕まるか切腹確定なのでむしろ死亡演出である。
そしてこんな無茶を言う代官や、面倒くさいお偉い様を上司に持ってしまった雑魚侍達の寿命も確実に縮んでいる。



余談

本項目は度々ブロックごと消えてしまう事故が発生している。
この項目にとっては変更されることが死亡フラグなのかもしれない。
また新しく建てられた項目の「電池が無いので後で追記します」や「用事があるので後で追記します」はかなりの確率で追記されないので、ある意味死亡フラグである。
因みに類義語に「地雷を踏む」がある。


あと、「故郷に帰ったらやりたいこと」を言った奴は見事綺麗に回収してくれる。
ジョジョの奇妙な冒険 Part2 戦闘潮流に登場するマルクは典型的な「故郷に帰って結婚する」発言をして1話も経たない内にワムウに食された。その結果ファンからは「死亡フラグの教科書」なるあだ名まで付けられた。*6
第五部に登場するナランチャも「故郷に帰ってやりたいこと」を喋った結果ボスにより百舌鳥の早贄状態にされた。なおこちらはマルクと同じスピードで回収したと勘違いされがちだが原作では発言から1話程回収にかかっている。ページ数にして約30ページ強。
が、アニメでは台詞のタイミングが「ディアボロの肉体に入っている魂がブチャラティだったことに安堵した後」から「ミスタがブチャラティの肉体(ドッピオ)を撃ち抜き、自分達以外に生物反応が無いことを確認した後*7」に変更され、これが正真正銘最期の台詞となってしまった。フラグ建築のタイミングを変える事はアニメ化作品ではよくあるが、それどころかネット上の勘違いを現実にした希有な死亡フラグである。



対義語

実は「生存フラグ」も存在する。
死ぬことがあり得ない状況では生存する方が当然であり、態々「生存フラグ」と言われること自体が
死を意識するような状況に陥ったということなので、上記#回避 とも関連する。
様々な生存フラグがあるが、最強のフラグを書いておく。




しょっちゅう折られて生存する死亡フラグとは違い、生存フラグが折られる(=予想通り死亡する)事は(死亡フラグと比べて、ではあるが)少ない。
これは、キャラの行動に説得力が出ない、視聴者・読者の後味・印象が最悪なものとなるなど演出上の問題が大きいと思われる。

例えば「お前を殺す」の場合、本当に殺害しては実際に殺人が決行された、単なる殺人予告という事になってしまう。これではフラグもへったくれもなく、シャレになったものではない。
※この台詞の発言主は主人公である。なお、本編中にこのセリフを言われて死亡した登場人物はいない
また「成功率が低い手術に失敗して死亡」では、担当医が「キャラを殺す為に出てきたヤブ医者」の烙印を押される風評被害に遭いかねないだろう*8




追記・修正はここに書かれているすべてのフラグを回避しきった人がお願いします。

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最終更新:2024年04月20日 05:40

*1 尚、本人を敵に回すよりも、ある一人の少女をさらった方が「遥」に効率がよい。

*2 バリツとはバーティツ(英国でバートン・ライト氏が創始した、柔術とステッキ術を合わせた武術)の事ではないかとも言われている

*3 一応、間で「バスカヴィル家の犬」が発表されてるが、これは「最後の事件」以前の時系列

*4 例:ロープが首に絡まり宙吊り状態、アメフトで押し潰される等…

*5 3年間弱何事もない後に1年チョイで数人死者が出たりしたが

*6 ただし『ベルサイユのばら』などジョジョ以前の作品にもこの手の台詞はある

*7 原作で「やった!…………」のタイミング。原作ではレーダーの確認はしていない

*8 医者サイドが主人公ないし主役の場合はこの限りではない