うちはマダラ(NARUTO)

登録日:2012/09/17(月) 16:17:57
更新日:2024/03/28 Thu 13:18:22NEW!
所要時間:約 49 分で読めます






本当の夢の道へ行くまでの間…お前との闘いを愉しむさ



NARUTO』に登場するキャラクター。
CV:内田直哉、井上剛(少年時代)

◆もくじ


◆プロフィール

年齢:不明(100歳近いのは確か)
身長:179.0cm
体重:71.3kg
誕生日:12月24日
血液型:0型
性格:好戦的、野心家、情深い、個人主義
好きな食べ物:いなり寿司
嫌いな食べ物:白子
好きなもの:月光
忍道:世界の全てを永々無窮の平穏へ導く


◆概要

木ノ葉隠れの里の創始者の一人。
うちは一族の一人であり、当時の一族を纏め上げたリーダー。
世界中の隠れ里に最強の忍の一人として名を知られている伝説の忍で、「倒せるとしたら柱間以外に存在しない」とまで言われている。
外見は赤い甲冑を纏い、黒い特徴的な長髪で片目を隠した男(意図したわけではなくたまたまの模様)。
サスケのひとつ前の大筒木インドラの転生者でもある。

万華鏡写輪眼を初めて開眼した人物とされる。
あくまで伝承の話で、実際にはそれなりに万華鏡写輪眼の使い手は戦場に存在したが、永遠の万華鏡写輪眼を持ち、長く君臨し続けられたのはマダラ唯一人の模様。
ちなみに作中で初めて永遠の万華鏡を手に入れたのはマダラでそれ以外ではサスケが描写されるのみで、この二人以外には永遠の万華鏡までたどり着いたものはいない可能性が高い。

同じ六道仙人の血筋で後の初代火影・千手柱間とは、何度となく戦場で闘ったライバル。
千手が雇われば、うちはが雇われたとされ、当時の忍世界において最強とされた彼に唯一対抗できたと言われている。

長い戦争の果てに千手とうちはに同盟が成立し、柱間の仲間になった。
が、最終的に千手に兄弟を全て奪われた蟠りが消えておらず、さらに六道仙人の石碑を読んで争いの歴史に絶望したことにより、柱間の知らないところで一方的に亀裂が深まっていく。

その後、うちは一族がいずれ千手一族に駆逐されるのではないかと危機感を覚えたマダラは、一族と共に里を抜けようするも、既に戦争に疲れた一族の皆は同盟が組まれて尚、闘い続けようとする彼を厄介者扱いするようになった。
結局、誰も賛同する者は現れる事は無く、守ろうとした一族にすら見捨てられたマダラは一人孤独に闘いに赴き、どこからか九尾を幻術にかけて支配・口寄せし、木ノ葉へ侵攻。
迎撃に現れた柱間と激闘を繰り広げた末、敗北した。
この顛末は後に簡略化され、「終末の谷の決闘」と呼ばれている(この前にあった激闘の部分が略されており、柱間の力が後の世代で御伽噺扱いされる一因となっている)。

本編においては既に死亡済みの過去の人物扱いだが、第一部のサスケ奪還の最後の舞台である終末の谷の石像、第二部初期のサスケとの再会時の九喇嘛の「そのワシ以上に禍々しいチャクラ……かつてのうちはマダラと同じだな」という発言により、その存在が示唆されていた。


◆性格

好戦的な性格で、うちは隆盛の野心に燃える男。
戦争に明け暮れて万華鏡写輪眼を酷使し続け失明した際には、弟イズナの万華鏡写輪眼を奪い「永遠の万華鏡写輪眼」とする事で視力を取り戻した非道の男とされる。
が、実際はイズナ本人の希望で「うちはを守るために」眼を譲り受けたという。

何人も居た弟のうち、唯一生存して共に戦場で戦い続けたイズナには、特に深い愛情を注いでいたようで願掛けや無事である事を祈っていた様子。
柱間によるとイタチ以上の弟想いで実際、イズナを殺害した扉間を長い間恨んでいた。

だが、里設立後は扉間の存在からうちはの冷遇を危惧しており、一族>里の天秤は傾かなかった模様(後の歴史だけ見れば危惧は正しかったが、扉間の在任中に限れば杞憂ではあった)。
また千手との戦いで兄弟を全て失った経験からか、柱間とは別のベクトルで「戦争のない平和な世界」を希求しており、後にそれを狙って里を抜けることになる。

当人いわく「後ろに立たれることが嫌い」で、仲間と呼べるのはうちは一族の他には柱間くらいのもの。
誰と関わっても最終的には己1人で目的を遂げようとする人物であり、第四次忍界大戦で蘇った際には実質1人で戦っていたようなものだった。
そんな性格のためか、配偶者や血を引く者の存在は確認されていない。
一応、うちはオビトが血縁に当たることが示唆されている。

ちなみに好物はいなり寿司で苦手なのは白子。
また日光よりも月光を好み、生前は月を見上げながら「夢の世界」に思いを馳せていたとか。

◇戦闘狂

マダラを語る上で欠かせないのが、筋金入りの戦闘狂ということである。
平和を希求していたのは確かだが、同じだけ戦うことを望んでもいる。
面倒なのは「何かしらの目的があってそのために戦う」ことを求めるのではなく、戦うこと自体が楽しいという点である。
ただ、自身が無茶苦茶なレベルで強いだけに、大抵の相手では五影ですら一方的な蹂躙にしかならず、「戦い」というレベルで張り合えるのが柱間しかいない、というジレンマを抱えていた。

里を抜けた理由の半分は実はコレであり、後に九尾を従えて里を襲ったのも、理由の一つは思い切り全力を奮って柱間と戦うためであり、戦いの中で柱間の力を奪い取るためである。
また、新たな力を手に入れるととにかく試してみたくなるという悪癖もある。

ネット上でホモ呼ばわりされるほど柱間に執着するのは、昔も今も自分と「戦える」のが柱間しかいないからであり、現代の「弱い」忍者では手ごたえがなさすぎるからである。
それだけに、柱間が戦場に現れた際には「ようやく本気で戦える」と思ったのか歓喜をあらわにし、「八門遁甲の陣」を発動し途轍もない力を発揮したマイト・ガイに対しても心底楽しげな様子で戦っている。

そして、マダラ本人も自身のこの二面性には自覚を持っていたようだが、それを直すのではなく、人間の本性とは所詮こんなものだと諦観し、石碑を読んだことでこの世に見切りをつけてしまった。
結局のところ、マダラが本当に絶望したのは忍の世界でも争いの歴史でもなく、平和を求めながら戦うことを止められない人間そのものであり、その極致と言える自分自身だったのかも知れない。


◆能力

「伝説の忍」「うちは最強」と呼ばれる作中最強クラスの1人。
存命時最強の忍と称えられた千手柱間に対抗できたのは唯一マダラだけだったという。
あの扉間でさえマダラのことは内心恐れており、大蛇丸に「トラウマのよう」と言われていたほど*1
性質変化は開眼した輪廻眼の力により五行全てと陰陽遁を操るが、特に生前から得意としていたうちはの看板・火遁忍術に長けている。
千手との抗争や柱間との戦いでは、万華鏡写輪眼を駆使した人外の実力を見せ、地形を変えてしまうほどの攻撃力を披露していた。

蘇った後はカブトの改造と移植した柱間細胞、開眼した輪廻眼の力が合わさったことで全盛期以上のとんでもない力を発揮し、
  • 体術と通常の写輪眼で連合の忍を片っ端から蹴散らす
  • 天から隕石を引き寄せる
  • 木遁を使いこなして五影を一蹴する
など最早やりたい放題である。
作者もその圧倒的な強さについて語っており、「どんな者にも弱点があるものだがマダラには弱点らしい弱点がない」と語っている。

ライバルだった柱間に対しては今尚強い執着心を抱いており、『オレを止められるのは柱間だけだ』『奴とはこのような遊びではない、本物の闘いを繰り広げた』と語っており、憎しみというより敬意を払い、懐かしんでいるかのような言動が多い。
また柱間の孫である綱手に対して、『弱い千手など見たくもない』と敵意を見せていた。

ただ、その柱間との実力差は実のところ割と開いており、第四次忍界大戦で互いに穢土転生状態で戦った際は、カブトによる強化を受けた穢土転生のマダラと、大蛇丸による素のままの穢土転生=全盛期より幾分落ちた状態の9割くらいの柱間とがほとんど互角だった。
生前の死闘に至っては、柱間曰くマダラですら長時間は支配出来ない九尾を動員した、短期決戦の賭けに出てようやく成立した。
それだけ好敵手たる柱間は強大な存在だった。

肉体をより強化された状態で蘇生した後は、輪廻眼の「輪墓・辺獄」でもって、尾獣全てを一網打尽に出来、オビトよりも遥かに六道の力を使いこなしていた。

使用する武器は一族当主の所有物であるひょうたん型の「団扇」と「鎌(だが使ってる描写は少ない)」。


◆主な使用術

血継限界

基本能力以外は不明。
インドラのチャクラを持つため「直巴」と呼ばれる独特の形状の万華鏡を開眼している。
その突出した瞳力でもって、九尾をも容易く支配下に置いていた。

  • 時空間忍術(名称不明)
ナルストGの「うちはマダラ伝」で使用した、左の万華鏡に宿った術。
ごく短い時間を物理的に巻き戻すことが出来る。
ただしこれはトビ=オビトの語った内容なので真偽は不明。

このまま須佐能乎を使うことが出来るが、輪廻写輪眼ではないので万華鏡の力を併用することはできない*2
それでも事実上、長門の上位互換といってもいい。
作中では餓鬼道と天道、外道の力を使用していた。

両面宿儺のような二面四腕の須佐能乎を発現させる。
ゲーム版では腕だけ出しての通常攻撃に多用されており、そのためリーチが非常に長い。
持っている剣は飛び道具になり、マダラの意志で軌道をコントロールできるほか、輪廻眼・外道の魔像の鎖を切断できるほどの切れ味を誇る(凶騒円舞)。

  • 完成体 須佐能乎
切り札のひとつ、尾獣に匹敵する力を持つという破壊神。
真数千手と比べられて小さく見られがちだが、彼の完成体だけ異様に大きい。
作品の掲載時期によってサイズの縮尺が変動してきた九尾同様、登場時はやたらと巨大に描かれており、尾獣の3倍程と思しき全高である。
本人曰く破壊そのものであり、森羅万象を砕くとのこと。
その刀の一振りは何百mも離れた山二つを斬り、その山までの間も衝撃波で吹っ飛ばした。
そして柱間の木人に掴まれた陰陽チャクラが揃った完全九尾の尾獣玉をぶつけられても無傷な防御力である。
本人によるとコレを一度見た者は死ぬと呼ばれているらしく「尾獣にすら匹敵する」とのことだったが、明らかに尾獣より強い。

『ナルティメットストーム3』以降は輪廻眼バージョンの奥義その1に設定されており、木龍の術で縛った相手を居合い抜きで吹っ飛ばす。

PS4専用ソフト『ナルティメットストーム4』では後述の輪墓と併用して、完成体×5という悪夢のようなコンボを披露した。
しかもオビトと同じく六道の力を得て瞳力が増大したのか、本体の完成体は十尾や真数千手クラスにまで巨大化している。
サスケと違い翼こそ生えなかったが六道仙術で浮けるため問題なく、まさにチートを体現したような存在としてナルトとサスケの前に立ち塞がった。
結局ゲームの進行上負かされるのだが

  • 威装・須佐能乎
尾獣を覆う形で須佐能乎を発動させ、鎧として用いる。
単純な防御力の向上だけでなく尾獣に須佐能乎の武器を使わせることも出来る。
劇中では九尾を覆う形で発動させている。
生前の柱間との戦いで彼の使う尾獣封じ「廓庵入鄽垂手」に対抗すべく使用した。

  • 八坂ノ勾玉
須佐能乎発動時に使用できる遠距離攻撃。
イタチのものとは違い、数珠状に勾玉が連なっている。

  • 天碍震星(テンガイシンセイ)
輪廻眼の瞳力で上空に巨岩を精製、そのまんま敵に落とす、名称はゲーム版から。
その余りのスケールから、忍連合を絶望させた。
我愛羅のサポートもありオオノキが捨て身の覚悟で受け止めたが、直後に「2個目はどうする…オオノキ?」と2個目の隕石を上から直撃させ連合に甚大な被害を与えた。
これだけの規模の術でありながらあっさり2個目を出したあたり事も無げに連発できる術である。
この術を目にした岩隠れの忍の台詞「これが忍術だとでも言うのか……!?」は一種の名言。
ちなみにこの術、規模の関係上、そのまま使うと自分が巻き込まれる道連れ用の術。
劇中でも自分でそう言っており、穢土転生であった事もありそのまま自分ごと巻き込んでいる。
まあ瞳力の規模からして、やろうと思えば自分だけ回避する事も普通にできそうではあるが。
『ナルティメットストーム3』以降は写輪眼バージョンの奥義に設定されている(こっちは覚醒で輪廻眼になる)。
原作通り1個落として追加で上からもう1つ落とすのだが、何故か2個目が滅茶苦茶デカくなってる。

  • 天涯流星(テンガイリュウセイ)
十尾の人柱力となり輪廻眼を両目とも取り戻した状態で使用、名称はゲーム版から。
地爆天星の重力球を無数に生成し隕石群を作り上げそれら連続で地上に落とす術。
マダラ曰く少し大きくて硬い雨。
上述の天碍震星の上位互換のような術だが、作中ではあくまで無限月読発動のための時間稼ぎとして発動しており、六道の力を手にしていたナルトとサスケにあっさり粉砕されてしまった。
PS専用ソフト『ナルティメットストーム4』では六道マダラの奥義に設定されており、求道玉の引力で相手の動きを縛った後に輪墓で殴りまくり、最後にこの術で隕石を落とし相手を押し潰す演出になっている。


木遁の術

初代の細胞を埋め込んだことで発動可能になった。
初代のように樹界降誕等を使用出来る。
ただし、マダラが生前に埋め込んだのはほんの一部であるため、輪廻眼を開眼したのが限界。
穢土転生時に木遁として使用できたのは、カブトの改造で移植した細胞が増やされていたため。

  • 木遁秘術・樹海降誕
御存じ柱間の大技。
力試しに放ったがナルトに押し戻された。

  • 木遁・花樹海降臨
樹海降誕の上位技で、巨大な花から麻痺・酩酊効果を持つ花粉を散布する。
即効性がある分持続性はないらしく、花がなくなると効果も消える。
劇中ではさらに火遁・業火滅失で着火して大火事を起こした。

  • 木遁・木龍の術
柱間が得意としていた対尾獣用の封印術の一種。
樹木の龍を巻きつかせてチャクラを吸い取り動きを封じる。
生前最後の柱間との戦いで使われたのが印象に残っていたらしく、第四次忍界大戦では彼を真似て尾獣モードのナルトを緊縛、圧倒した。
ナルスト4ではなぜか完成体須佐能乎の始動技に設定されている。

  • 多重木遁分身の術
木遁で作った分身体を出現させる。
マダラの場合は何と分身全員が須佐能乎を使用可能。

  • 蜻蛉
本来は白ゼツの術だが、マダラは木遁の応用で樹海降誕の樹木に潜ることが出来る。

  • 神・樹海降誕
無限月読にかかった対象を捕縛する、木遁忍術。術者のチャクラではなく神樹の蔓を用いて発動する。

◇火遁系

  • 火遁・豪火球の術
御存じうちはの看板忍術。

  • 火遁・豪火滅却
うちは出身だけに火遁も得意とする。
豪火球の上位術で、口から吹き出した火炎で視界一面を焼き払う。
会得難易度はBランク程度の術だが、マダラの実力故かその規模の大きさは壮絶の一言。
霧隠れの忍数十人がかりの水遁でようやく鎮火できた。

  • 木遁分身 火遁・豪火大滅却
ナルスト4でのバリエーション。
三人に分身して豪火滅却を一斉掃射。

  • 火遁・豪火滅失
辺り一面を焼き尽くすほどの威力と範囲を誇る火遁。
豪火滅却の更に上位に当たる術。
五影戦の際に使用するも水影の水遁・水陣柱によって完全に消火された。

  • 火遁・龍炎放歌の術
龍の形をした火炎を複数飛ばす術。
ゲームの描写からすると追尾性能があるらしい。
穢土転生が解除された際、解術に平行して五影に対して使用。
しかし全て綱手に叩き落されてしまった。

  • 火遁・龍焔業歌
龍炎放歌の上位術。
火炎弾の数が増えた上に貫通力もあり、着弾すると飛び散って炎上する。
アニメ版では豪火滅却を水遁で相殺された際の蒸気に紛れて放ち、連合の忍を片っ端から粉砕した。

  • 火遁・灰塵隠れの術
体内に練りこんだチャクラを高熱の炎として吐き、周囲の物を瞬時に燃焼させ、灰や塵を巻き上げてその隙に遁走する。
マダラには珍しい「逃げ」の術。
輪廻天生の術で蘇った後、始末しようとしたサスケ達から逃亡する際に使用。
印を結ばずチャクラコントロールだけで出せるため、発動が早いのが利点。

◇瞳術

万華鏡写輪眼の瞳術は不明。

  • イザナギ
失明を代償として現実を書き換えるうちはの禁術。
万華鏡写輪眼に瞳術を仕込み、時間差で発動させるトラップ忍術「転写封印」で右目に仕掛けており、柱間との戦いで死んだ後に遺体のままこれを発動、自分の死をなかったことにして蘇生した。

  • 月読らしき術
オビトに月の眼計画の説明をした際にスクリーンやモニターの代わりに使用した。
術名が明言されたわけではないが、「写輪眼の幻術」「幻術世界を作り出して法則や景色を自在に操作する」「無限月読と根本が同じ」という点からしてこの術と同じものだと思われる。
ただし、この時点での目は他のうちはの目を移植したものであり、さらに魔像の力を借りて発動していたらしいため万華鏡に宿った固有の術ではなく、幻術眼の力を最大に発揮して再現したものと思われる。
仮に月読が使えるのであれば四代目雷影・エーに幻術をかけた際に使用していることだろうし。

  • 輪墓・辺獄
両目の輪廻眼に宿る瞳術、単に「輪墓」とも。
見えざる世界『輪墓』にもう一人の自分を出現させる、戦闘力は本体と変わらない。
この分身は、分身側からは現実世界に存在するのと全く同じように物理的に攻撃できるが、こちらからは攻撃するどころか視認も感知もできない。
つまりは完全なやりたい放題である。
本体が封印術などをかけられそうになった時には分身を身代りにして脱出することも出来る。
右目だけの時は1体のみだが、両目に輪廻眼が揃った際には出現させられる数が4体に増えた、ただし、実体化できる時間は限られている。
例外的に、同じ輪廻眼であれば分身の姿を視認する事ができ、六道仙術を会得している者であれば感知およびこちらからの攻撃ができる。
作中では六道仙術を会得したナルトと、同じく六道仙術チャクラを込めたサスケの術以外対処出来ない。
ナルスト4ではさらに「地獄」「連獄」「天獄」のバリエーションが存在。
因みにリンボの日本語訳は辺獄なので、辺獄・辺獄という事になってしまっている。

  • 無限月読
額に開眼した輪廻写輪眼で発動可能になった術。
額の輪廻写輪眼を満月に映し、輪廻写輪眼の力を受けた満月から発せられる光を浴びた全ての生物を月読の幻術世界に落とし込んで捕える。
術にかかった者は、精神世界においては「自身の願望が実現した都合の良い世界」を見せられ、その世界が現実だと思い込む。
現実世界の肉体は神樹の根に絡めとられ、チャクラを半永久的に吸収され続ける。
世界のあらゆる場所に神樹の根が溢れ、そこから伸びた蔓に絡めとられた犠牲者が、蜘蛛の糸で巻かれた獲物のようにずらりと並んで吊るされる凄惨な光景になる。
この術の犠牲者はチャクラを吸いつくされると、やがて白ゼツと同じものに作り替えられるという。
この蔓は切断しても即座に次の蔓が伸びてきて再び絡めとるため、犠牲者を救出するには術そのものを解術する以外に手立てはない。

オビトはマダラを裏切り自身がこの術を発動することに躍起になっていたが、この術には落とし穴があった。
幻術ゆえに術者にはかからないのだ。
オビトがこれを知っていたなら自分で術を発動しようとはしなかったはずなので、オビトは完全に踊らされたという事になる。
そしてこの仕様が、「無限月読は術者が何かをするためのプロセスに過ぎない」という伏線になっていた。

この術が発動された場合、術にかからずに凌ぐ事ができるのは輪廻眼の開眼者が展開する須佐能乎の内部にいる者のみ。
この須佐能乎のみ、幻術の光を完全に遮断することができる。
また、死者には影響を及ぼさない術であるため、穢土転生体の火影4人も術を免れている(対処できるとまでは言えないが)。

なお、解術の「手順」そのものは非常に単純。
インドラとアシュラのチャクラを受け継いでいる者たちが、陰と陽の印がある手を合わせて2人で「子」の印を結ぶだけである。
ただし術者が健在の時にやっても意味がないため、術者であるうちはマダラ(を取り込んだ大筒木カグヤ)を、ナルトとサスケのどちらも欠けないで倒す必要がある。

仙法

  • 仙法・陰遁雷派 / 仙法・隠遁雷派*3
十尾の人柱力モード時に使用。
イメージから形を作る陰遁の術の一つで、手から無数に枝分かれする雷を放ち相手を捕縛する。
アニメ版では色が紫色。

  • 仙法・嵐遁光牙
復活したナルトに対して使用。
嵐遁の術の一つで、口から放つあらゆるものを両断する光線。
六道ナルトが装備していた求道玉の棒を両断した。

  • 求道玉
オビト同様、十尾の人柱力になったことで得た力で、触れた物を消し飛ばしあらゆる忍術を無効化する。
普段は黒い玉だが、術者が望む形なら防御壁や武器のような形になる。
ただし仙術は無効化できず盾にする等で物理的に防ぐ事しかできない。
また形態変化には時間制限がある。
六道化した後はほとんどの攻撃をこれで行っていた。

◇その他

  • うちは返し
生前に所持していた「団扇」を使って使用する技。
相手の攻撃を吸収し、風の性質に変化させ跳ね返す。
この「団扇」は霊木から削り出された神器で、うちはの長が代々継承して来た(が、マダラが持ち逃げしたためフガクの代では失われていた)。
十尾の尾獣玉四つの共鳴爆破をもってしても破損しない程頑丈だが、柱間との戦闘を最後に手放している。
動きを止められている間にナルトの大玉螺旋手裏剣を食らって吹き飛んだか、神樹の根に持っていかれたと思われる。

生前に使っていた術の一つであり、元々は扉間が開発した術。
マダラの遺体を偽装するために使用した。

  • 口寄せの術
他者を頼りにしないためか契約した動物はいない。
以前は九尾を従えていたがこれは幻術にハメて操っており、輪廻眼開眼後は外道魔像を口寄せしている。

  • 穢土転生・解
穢土転生の口寄せ契約を解除する術。
生前に扉間関連で知っていたのか、カブトの穢土転生が解除された際、魂が解放される前に自分からこの術を発動、現世に留まった。

  • 六道十尾柩印
全尾獣を吸収した外道魔像を取り込み六道化する際に一コマだけ使用した。

  • 禁個呪の札
封印術の一種。
対象の心臓に呪符を仕込み行動を縛る為、仕込まれた対象は自力で排除することが出来ない。
リンとオビトに仕掛けていたが、何の因果か両方ともカカシの雷切で心臓を潰すことで排除されている。

  • 天挿槌星
ナルスト4でのオビトとの連携奥義。
オビトの右腕から挿し木の術を放ち、固めたところに二人がかりで樹海降誕を発動。
トドメにマダラが天碍震星で隕石を引き寄せてもろとも叩き潰す。

  • 意地の張り合い
こちらは柱間との連携奥義。
木龍に火遁を叩き込んで相手に命中させた後、柱間の樹海降誕に豪火滅却で着火して炎上。
力比べの末に同時爆破で粉砕する。
天挿槌星と比べると、相方が柱間なためか異様にハイテンションなので必見。


◆作中での活躍

◇柱間との邂逅

65巻で穢土転生された柱間の回想で描かれている。
戦国時代の真っ只中にうちは一族の長・タジマの嫡男として生まれ、幼少から千手との戦いに身を投じていた。兄弟は男ばかりで、イズナを含めて弟が4人いたが、3人は千手との戦いで亡くなっている。

戦いの合間を見ては川辺に赴き、水切りで「戦いを止める方法があるか否か」を願掛けしていたが、そんな日々の中で柱間と出会う。
不思議と馬が合ったことからいつしか意気投合し、川の近くにある大岩の上から森を一望して「ここにオレ達の集落を作ろう」と言い出した柱間と語らい、また互いに競い合って技を磨いていた。

しかし、ある時タジマから柱間が千手の嫡男であることを知らされ、いつもの様子を装って様子を探るよう命じられる。
川越しに柱間と対面し、挨拶代わりに水切りを行った二人は、それぞれの石に「にげろ」「罠アリ去レ」と書いて送り、そのまま帰ろうとしたが、スピードを出しすぎたことで控えていた互いの親と弟に感づかれ戦闘に陥る。
結果、互いの子を狙った仏間とタジマの攻撃を弾く形で揃って乱入。柱間に決別を告げると共に写輪眼を開眼した。

その後はうちはの一員として本格的に千手と戦い始め、戦いの中でタジマの死やイズナ共々の万華鏡の開眼などを経つつ、うちはの長として来る日も来る日も戦い続けた。

そんな日々の中、扉間にイズナが討たれて死んだことで、千手への敵意をますます深めると共に、彼の眼を移植して永遠の万華鏡を得て決戦に臨むも、丸一日続いた戦いの末敗北。
10年以上経ってもまだ和解を諦めない柱間に「自ら死ぬか、扉間を殺すか」の無理難題を突きつけて諦めさせようとするが、柱間は即座に自害を選択
その姿に、柱間の言葉が「ただの本心」だと悟ったマダラはギリギリでそれを止めさせ、和解に踏み切った。


「もういい……。お前の腑は……見えた……。」


◇木ノ葉隠れの里

柱間と手を組んだマダラは、うちは一族を率いて里作りに乗り出した。
後に柱間の主導で火の国との提携も結び、同等の立場で里を組織することに成功。兄弟を守れなかったことへの悔恨や無力感、イズナを討った扉間への蟠りも抱えてはいたが、それでもかつて友と見た夢のために尽力。
柱間からは「火影」と名づけた里長へ推薦され(顔岩を掘るといわれた際には本気で引いた)、さらに里の名を「木ノ葉隠れの里」と名づけた(尋ねられた時に手に持っていた木の葉からつけたのだが、柱間からは酷評された)。

だが、うちは一族を含め里の者達は里設立の立役者を柱間の方だと認識しており、扉間の主導で国や里の上役と会議した結果、初代火影は柱間に決まる。
ここにきてマダラは、柱間が死ねば次の火影は扉間になると読み、そうなればうちはの存在はいずれ消されていくと危惧。一族に呼びかけたものの、戦いに疲れたうちはには賛同する者は誰もいなかった*4

柱間が「子供たちが死なないために」作り上げた里というシステムには、それ自体に里を蝕む矛盾があることを感じたマダラは、南賀ノ神社地下の石碑の前に柱間を呼び、そこに書かれていることを説明した上で「本当の夢」のために里を去った。

そして、里設立から1年後。
抜け忍となったマダラは、どこからか九尾の尾獣・九喇嘛を発見、瞳術で操って従え、里へと襲い掛かった。
兄弟を奪った千手が統治する木ノ葉隠れそのものへと憎しみを向け、それを叩き潰すべく襲来したのだ。

迎え撃った柱間を相手に大技を連発、地形が変わる程の死闘を繰り広げ、最後には封印術で九喇嘛を無力化される。
お互いチャクラは尽き、満足に術も出せない状況で終末の谷へと飛び込み、一騎打ちに持ち込む。柱間を切り倒して勝利したかと思われたが、瞳力を使い尽くし写輪眼を出せなかったことで木遁分身を見抜けず、背後からの一撃で致命傷を負う。

柱間の「里を守ることが人を守ることになる、だからこそ里に仇なす者は友でも身内でも我が子でも討つ」という決意に対し、本末転倒だと言い残して倒れ、絶命した。

マダラの見抜いていた「里の闇」とは、柱間のその思想は、一歩間違えれば「人のための里」という前提を忘れて「里を守る事が第一であり、そのために人を犠牲にすることもかまわない」という彼の理念とは逆の極論へ至る可能性があり、いずれそうなるのが自明の理だということだった。
事実、柱間の後を継いだ扉間はその思想を正しく受け継ぎつつも「里こそが要であり、それがもっとも重要」と考え、ダンゾウを初めとするタカ派がマダラの危惧どおり、前提を忘れて里の維持に固執するようになってしまった。

戦いの後、遺体は写輪眼の研究をしていた扉間が回収し、山奥に秘匿した。

◇仮面の裏で

誰もが柱間との戦いで死んだと考えていたマダラだが、何と意外な形で生き延びていた。
第二部にて仮面の男トビとして登場。を影から操る真のリーダーとして暗躍していた。

登場時はかつてとも少年時代ともかけ離れた、別人のように陽気な男を気取っていたが、時折冷徹な一面を覗かせており、イタチの死後にその本性を表に出す。

終末の谷で具体的にどのように生き延びたのか、それから何をやっていたのかは語られていないが、イタチがうちは一族を抹殺した真相と、かつて自身を見放したうちは*5に、イタチの任務に乗じて復讐していた事をサスケに語って明かしている。

以後はサスケのサポートをしつつ暗躍しているが、素顔を見せたことは一度もない。また、面識のないはずのカカシを前から知っているような様子を見せている。

現在は尾獣達の集合体「十尾」を復活させ、それを自身に封印する事で十尾の人柱力になり、大幻術・無限月読によって真に争いのない世界を作る『月の眼計画』の遂行を目的としている。

残る八尾と九尾の2体を手に入れる為、サスケを唆して五影会談に乱入させた後、自身も五影の前に現れ計画の全貌を公開。第四次忍界大戦の宣戦を布告し、忍界全てを戦争の中に引きずり込んだ。
それに先立ち雨隠れを急襲して長門の輪廻眼を回収、面も新調している。

人柱力で作り上げた新たなペイン六道を従え、ナルトとビーの中の尾獣を手に入れるべく忍連合のもとへ向かった。










……と、誰もが思っていた。

◇「うちはマダラ」

四代目風影、二代目土影、三代目雷影、二代目水影を封印し、ひとまず戦場を終わらせた我愛羅第一部隊の前に、分裂の術で難を逃れた二代目土影・無が現れる。その彼は、口寄せで呼び出した増援を一人連れていた。


黒衣と赤い甲冑をまとい、ボサボサの長髪を棚引かせ、写輪眼で戦場を睥睨するうちはの忍者。
連合の中で唯一その姿を知る三代目土影・オオノキがその名を口にする。





「来たな……。うちは…マダラ!」





誰もがその名に、敵のボスが素顔で現れたと考えるが、我愛羅がある事実に気づく。
現れたマダラの目は黒く濁っている。それは、死者をこの世に呼び戻す穢土転生の術にかけられた証拠。


つまり、今の今までマダラは本当に死んでおり、仮面の男はマダラを騙る別の誰かだったのだ。
そして、仮面の男の正体は、その後程なくナルト達によって暴かれることになる。








「こっちは楽しそうだな。オビト……。」

◇歴史の闇の中

柱間との戦いの後、遺体は扉間によって山中深くに隠されたが、右目に仕込んでいたイザナギが時間差で起動し、死をなかったことにして復活。
影分身で死体を偽装した上で山奥のアジトに遁走し、柱間から食いちぎった肉を吐き戻して胸の傷に移植。
そうして寿命が尽き掛けた頃に、うちは一族由来のインドラのチャクラと千手一族由来のアシュラのチャクラが完全に融合、六道のチャクラが発現し輪廻眼を開眼した。
外道魔像を口寄せして自らをそこに接続、その力で永らえてきた。

時期は不明だが、うずまき一族の血を引く少年・長門に自らの輪廻眼を移植している。
そして、神奈毘橋の戦いで地の底に落ちたオビトがたまたま自らの座する洞窟の通路に落下して来た際、彼を拾い上げて柱間の人造体を移植し治療を施した。

計画実行のため、まともに行動できない自らに代わり「うちはマダラ」となる駒を求めていたマダラにとって、うちはの者であるオビトを拾ったのはまさしく僥倖であり、
霧隠れを動かしてリンを三尾の人柱力とし、さらにゼツやグルグルを使ってオビトをリンの死の現場に立ち会わせることで万華鏡開眼へと至らしめ、オビトが計画に乗ってくるよう誘導。

「うちはマダラ」となる決意を固めたオビトに計画のあらましとその進め方を説明し、外道魔像から自らを切り離して死亡した。この時、ゼツの一体に自らの意識をコピーし黒ゼツを構築し、オビトのサポートにつけている。

月の眼計画を企てたのは、永遠の万華鏡写輪眼の瞳力で南賀ノ神社地下室にあったハゴロモの石碑を読み、さらにカグヤの存在とチャクラのルーツを知ったことで、「どのような革新・変革があっても人が戦うことを捨てられない」という業を持っていることと、それゆえに世界から争いがなくならないことを理解して世の中に絶望したため。

そのため、幻術世界に世界中を引き込んで恒久平和を実現してやろう、と考えて企てたのがこの計画である。
色々無茶苦茶をやっているマダラではあるが、その行動の本質にあるのは「争いのない、誰も死ななくて良い世界を作り出そう」という少年時代の夢(がやや歪んだもの)であり、その意味では柱間とは違う形でかつての夢を叶えようと足掻いていたわけである。

◇穢土転生

大戦の中、オオノキと我愛羅の部隊の前にカブト穢土転生によって出現。
面識のあったオオノキにより、それがマダラ本人であることが確定される。

穢土転生されたことについては当初オビトの差し金だと思っていたらしく、『アイツのする事だ。何か考えがあるのだろう』と語った(実際にはカブトの暴走)。

カブトによる改造で全盛期以上に能力を強化、圧倒的な強さで大暴れ。仕舞いには馬鹿でかい隕石すら落とし始め、木遁分身で須佐能乎×25体を顕現させるなど、化け物のような強さを発揮。五影達を相手に5対1という、普通に考えれば非常に不利な戦況にもかかわらず、余裕で圧倒した。

だが、歴戦のつわものである三代目土影・オオノキを軸とする五影の士気は高く、優勢とは裏腹に攻めきれない膠着状態が続く。そんな中、五影がこの一撃で決めんとばかり攻勢に出る。綱手のチャクラを受けたオオノキが塵遁を発動、分身体を全て消し飛ばされた上にマダラ自身も分身の須佐能乎を制御していたため、封術吸引の発動が間に合わず右半身を飛ばされる。

そこに追撃でメイとエーが放ってきた雷水龍弾は難なく吸収したが、我愛羅の砂漠層大葬封印が仕込まれていたためそちらまでは吸い込めず、封印に囚われてしまった。
勝利を確信し「みたか! これが五影の全力じゃぜ!」と気勢を上げるオオノキに対し、「さすがに影の名を背負うだけはある」と他人事のように評価しつつ全身を砂に捕縛される。
が、


「ならば、うちはマダラも“全力”で応えよう」


「五影も何も全てが無駄になるということを……」



「この完成体須佐能乎でな!!



うちは一族最強の瞳術・完成体須佐能乎を発動し封印を突破。圧倒的を通り越して無茶苦茶に過ぎる力の差に呆然とする五影に対し、己を止められるのはたった一人、柱間しかいないとした上で、柱間が既にこの世にいないことは却って幸運だったかも知れないと述べる。
続けて放った威嚇の一撃で山二つを斬り飛ばして曰く、


「オレひとり分なら……地図を描き直す範囲が狭くて済みそうだからな」


柱間亡き今、誰にもオレは止められない―――。
傲然と言い放つその姿に、少年時代に無ともども惨敗を喫したオオノキは、当時のマダラは完全に手を抜いていたことを今更のように悟る。
それでも折れない姿に業を煮やしたマダラは、須佐能乎の太刀の一振りでまとめて粉砕せんとしたが、いざ振り下ろした瞬間にチャクラが急激に減少、須佐能乎が形状を維持できず消えてしまった。

ちょうどこの時、イタチの幻術でカブトが術を解除し、穢土転生が一斉に解除されていた。
一転して逆境に立たされたマダラだったが、離れかけた魂をチャクラで強引に生贄に繋ぎ止め、素早く解術の印を切り口寄せ契約を解除。魂の制御をカブトから己自身へ戻し、不死身の体と無限チャクラを保ったままの自由行動を可能とした。


カブト「何よりこの術が素晴らしいのは……術者に何のリスクもないということだ!」
マダラ「術者に言っておけ。禁術を無闇に使うべきではないとな」


カブトもとんだ赤っ恥である。
スルーされがちだがこの時、リスクの説明の際に「穢土から呼んだ死人側から口寄せ契約を解除できる」と説明していたが、正しくは「浄土から」または「穢土へ」である。
呼び出しをかける先が違います。


そして、五影達全員に致命傷を与えてその場を離脱、ナルト、キラービー、カカシガイ対オビトの闘いに乱入(この時のオビトとのやり取りで、尾獣の回収が難航したことに加え、長門の裏切りで輪廻天生が出来なかったために穢土転生されたと考えた模様)*6
復活した十尾の力も加えて忍連合軍を圧倒するが、ナルトの支援により互角の戦いを強いられる。
それでもなお余裕を崩さず、メインの攻撃を十尾とオビト任せにして自分は適当に大技を撃っていたが、穢土転生で復活した初代火影のチャクラを感知。


(……やはり間違いない……このチャクラ……)



フル 「柱間ァ…!!!」 フル

ニイイイ…


と狂喜を孕んだ物凄い顔芸を披露しながら歓喜に震える。
実際に柱間が戦場にやって来た際には、かつての宿敵にして唯一自分と互角だった男の登場に、


「待っていたぞォー!! 柱間アアア―――――ッ!!!」


と彼の到着を歓迎する(疾風伝では満面の笑みを浮かべながら空から降ってきた。なおこの時、なぜか右目だけ写輪眼に戻っている)も、柱間は十尾を優先したために

「お前は後!」(キッパリ)
「………………」

とスルーされるなど色々アレな部分が目立ちだしている*7

そして初代が十尾の足止めに注力している間は「分身と戦ってもつまらん」と戦闘を放棄して座り込み、傍観する。
さすがにオビトはキレていいと思う。

その後、致命傷を負ったオビトが十尾を取り込もうとすると彼の半身(ゼツと同じく初代の細胞で構築されたもの)に自身の意識を流し込み、彼を操って輪廻天生の術で自身の完全な蘇生を試みる(穢土転生状態では人柱力になれないので)が、オビトの抵抗もあって失敗する。
しかしそれを気にした様子は無く、初代との戦いにエキサイトしていた。

なお、彼は穢土転生についても陰陽遁についても熟知しているはず*8で、陰陽遁による攻撃を受け忍術そのものが無にされてしまえば穢土転生と言えど復活できない事も知っているはずなのだが、この時柱間に「お前の仲間がやらかしてやがるぞ!」と言われても「俺たちは穢土転生だ、問題ない!」と即答している。
オビトが使おうとしていたのが十尾の尾獣玉であり陰陽遁ではない事を察知していたのか、単にエキサイトしすぎて周りが見えていなかったのかは不明である。

◇人柱力、そして六道の力

オビトがナルト、サスケ、連合により倒され尾獣を引き抜かれた直後、初代の明神門により抑えられサイも封印術を発動し、ついに年貢の納め時かと思いきや、オビトに寄生した黒ゼツがオビトを操り輪廻天生によりマダラを生身の肉体へと蘇生させてしまう。
しかしその直後、穢土転生による再現であった輪廻眼の眼球が崩壊、盲目になり瞳術が使えなくなってしまった。

それでも生身となり全盛期の力を取り戻したマダラは、盲目であるにもかかわらず仙人モードのナルト*9を全く寄せ付けずに真正面から突進で突き飛ばすという驚異的な身体能力を見せ、先の初代との戦いの最中に初代の身体中に刺した六道の棒を使い、外道の術によって初代の動きを縛った後、仙術チャクラを奪う。
扱いが難しいはずの仙術チャクラさえも「この程度の力か…簡単に扱えそうだな」と容易くコントロールしていた。
仙術チャクラを奪った後にサスケと交戦し、腕を刀で刺し貫かれてしまうも火遁・灰塵隠れの術により難なくやりすごし、ナルト、我愛羅、ビー、尾獣達に戦いを挑むのだった。

「さぁ次はお前らをいただくぞ…畜生共」



が、まさかのフルボッコである。

我愛羅と守鶴による連携術「風遁・砂散弾」により動きを封じられ、尾獣達にバレーボールの如く殴り飛ばされ続けた挙句、我愛羅と守鶴の術により砂の中に閉じ込められ封印されかける。
しかし、両目が無いにもかかわらず須佐能乎を出して砂から抜け出す。
だが、ナルトに後ろから不意打ちを喰らい再び押さえられ、尾獣達からの総攻撃によって須佐能乎を破壊され、片腕を失いながらもかろうじて逃げおおせる。

一見マダラ…という戦いぶりだが、疑似仙人モードを得ているとはいえむしろ盲目なのにあそこまで戦えるのは流石といった所か……。
本人曰わく柱間細胞の再生力がある為に闘い方が雑になるともらしている。
だが、オビトが隠していたマダラの輪廻眼の右目を白ゼツがマダラに渡したことで戦況は逆転(失った右手も白ゼツの右腕を切って丸ごと移植した)。
輪墓・辺獄という謎の瞳術により尾獣達は一瞬にしてねじ伏せられ、ナルトの九喇嘛を含む全尾獣が外道魔像に封印されてしまいナルトは瀕死に陥る。
更に扉間の奇襲をも退け、全身に外道の術の黒棒を刺して動けなくする。この際にイズナを殺した扉間を長年恨んでいたようで、全身を黒棒で串刺しにしながらずっとこうしてやりたかったと語っている。
更に扉間が作った隙を突こうとしたサスケも輪墓の影に捕まって動けなくなり、刀で胸を刺されたことにより彼もまた瀕死に陥ってしまう。

その後しばらくは左眼を黒ゼツが持ってくるのを待っていたが、いつまで経ってもやって来る様子がないため業を煮やし、六道の力だけでも先に手に入れておこうと六道十尾柩印を発動。
外道魔像に封印した尾獣達を取り込み、十尾の人柱力になった後、空を飛んでミナト達の前に現れ、一同を絶望の淵へと叩き落とす(途中でスピードを上げようと六道の忍具を吐き出したが、これが下にいたガイとリーに直撃してしまった)。
道に迷うオビトに再び無限月読の勧誘をするも、己自身に立ち返ったオビトは決別を宣言、彼とカカシとのタッグに出し抜かれ輪廻眼と陰九尾を取り逃がしてしまう。

そこにミナト達の救援に現れたガイと対峙。
六道の力を得て忍術も幻術も効かなくなったマダラは体術のスペシャリストたるガイと戦い、「昼虎」を放たれるもそれすらも無傷で凌ぎ逆に圧倒する。

彼らを窮地に追い込むも、死を覚悟したガイが命を失う事を承知の上で「八門遁甲・第八・死門」を開き、「八門遁甲の陣」を発動させる。
その強大な力を振るう彼と再び対峙するが、今度は「夕象」による怒涛の攻撃によって逆に圧倒される。
死ぬまでの間は歴代の火影すら上回るとされるガイの力に戦闘狂としての血が騒いだのか、「こんなにワクワクするのは柱間と戦った時以来だ」と歓喜を露に立ち向かうも、カカシ、ミナト、我愛羅、リーの援護もあり、その激しい攻撃に反撃すら間々ならない程に一方的に打ちのめされてしまう。
だが、人柱力と化した事で得た凄まじいまでの耐久力と回復力によって攻撃を耐え凌ぎ続け、徐々に彼を追い詰めていく。

「夕象」ではマダラを倒す事を出来ないと悟ったガイは最終奥義「夜ガイ」を繰り出す。
その一撃は空間すらも曲げ、終生のライバルたる柱間や自らをも遥かに凌ぐ体術を繰り出すガイに


「このチャクラ…! 認めてやろう! 」

「体術において…… オレの戦った者でお前の右に出る者は一人としておらん!!」


「このマダラが、お前を『最強』と呼んでやる!!」
*10

と最大級の賛辞を送りつつ空間すら捻じ曲げての最後の一撃が直撃、体の左半分が吹っ飛んで危うく死にかけるも何とか耐え抜き生存。

「ハハハ…死ぬところだったぞ此奴め!」

存分に楽しませてくれた礼として瀕死のガイに求道玉でとどめを刺そうとするも、そこにナルトが乱入して求道玉を防ぎガイを蘇生させる。

新たな力を得たナルトの力に驚愕し、仙法・熔遁螺旋手裏剣に切断された神樹にあわや押し潰されるところだったが、逆にそれを取り込むことで力を得た(服の袖に勾玉模様がつき額の角も若干伸びた)。
そして左眼に輪廻写輪眼を覚醒させたサスケもその場に参戦。
「六道仙術」と「輪廻眼」、自身と同じ力の一部を得た彼らを見据え、全てに決着を付ける為に彼らに最後の戦いを挑む。


「これが最後の戦いだ! 」

「オレの力とお前らの力……どっちが上か決着をつけてくれよう!!!


◇無限月読、そして

どちらも一歩も退かないナルト、サスケとの決戦。
その決戦の最中、二人の猛攻を掻い潜ってカカシの左目を奪い、サスケに腰から両断されながらも六道の力ゆえに死なず、神威空間に浸入。
オビトから輪廻眼を奪うついでに、リンの死はオビトを闇に堕とす為に自身が裏で手を引いていたことを告げ、オビトが長門を騙して利用していたようにオビトもまた自身に操られていた傀儡に過ぎないのだと彼を嘲った。

「闇がなければ作ればよい…自分だけが違うと思うのはおこがましくないか?」

そして、輪廻眼を回収した後左目をオビトの左眼窩に戻し、黒ゼツに神威を発動させて現実空間へ復帰。
輪廻眼が揃ったことで六道の力はさらに強まり、下半身が一瞬で再生した。
四体に増えた輪墓の影と「天蓋流星」でナルトとサスケの足を止めつつ、マダラは空へと飛び上がり、額に開眼した輪廻写輪眼の力で無限月読を発動させる。
術者であるマダラ、黒ゼツ、サスケの輪廻眼によって無限月読の光から守られているナルト達、死者である穢土転生体の歴代火影達を除いて全てが無限月読に囚われる。
輪廻眼による術ならばサスケの輪廻眼で処理できるのではと考えるナルト達だが、当然それを許すマダラと黒ゼツではない。

「己こそが救世主である」と自称し、ナルト達に説くマダラ。



「ナルト…皆の幸せの邪魔をしているのだ…お前は。余興もここまで………」

「オレは地獄を天国へと変えた。もう理解しろ……全て終わったのだ」




















「違ウ……マダラ。オ前ハ救世主デモナク…………ソシテ終ワリデモナイ」



















突如、マダラの胸を黒ゼツが突き刺す。

「ナゼ、オ前ガオビトトハ違イ、全テヲ利用スル側ダト言イキレル?
 自分ダケガ違ウト思ウノハオコガマシクナイカ?
マダラヨ」


オビトを嘲って語った内容の盛大過ぎるブーメランである。
まさしく因果応報、マダラは救世主などではなかった。
マダラもまた、黒幕の糸に操られる人形であり、利用されて無様に捨てられるだけの存在でしかなかったのだ。

「黒ゼツ…お前は何を言っている!? お前を作ったのはオレだ…! お前はオレの意思そのものなんだぞ!」

事ここに及んでも信じられず、問うマダラだったが、

「ソコモ違ウ…オレノ意思ハ―――――カグヤダ」

全ての前提条件が間違っていた。
黒ゼツはマダラの意思などではなく、カグヤの意思で動いていた。

「ギャアアア!!」

無限月読に捕まっている忍達のチャクラが流れ込み、あまりの膨大さにマダラの身体がブクブクと膨れ上がっていく。
非常にグロい絵面のマダラ膨張状態だったが、それもやがて縮んでいき、マダラも比にならない怪物、大筒木カグヤが復活したのだった。

原作ではチャクラの過剰吸収中は意識がなかったがアニメでは辛うじて自我を保っており、黒ゼツの明かした無限月読の実態を六道仙人の書き記した石碑を根拠に否定するが、それすらも黒ゼツの改竄によって仕組まれたものであることと知ってしまう。

二度も死んでなお目指してきた夢が偽りだったとわかり、自身もまた駒の一人でしかなかったという事実を突きつけられてはさしものマダラも呆然とする他なく、心の中で自分はどこで間違えたのかと柱間に問いかけながら、黒ゼツに飲まれていった。
なおこの時サスケも聞いていた(イタチと戦う前に石碑を読んだが、写輪眼だったので最初の方しか知らない)が、その真実を知って同じく呆然としていた。


人柱力は体内の尾獣が暴走すると乗っ取られて尾獣化するが、これも理屈は同じで、無限月読で吸収したチャクラをマダラを介して十尾=カグヤに注ぎ込み、その意識を明確にすることで尾獣化させた状態である。



ここからカグヤ戦が始まるが、カグヤ戦においてマダラの出番はなし。
一応黒ゼツに終末の谷から輪廻眼開眼までの経緯を回想で語られたが、そこで柱間の左肩の肉を噛み千切りそれを吐き戻して己に移植という奇行が明らかになり、本人のいない所でマジキチぶりにより拍車がかかった。

一方の現実空間では、シュールにも神威空間に侵入する時にサスケにぶった斬られた下半身のみが落ちているだけであった。
扉間に「マダラの生死を知りつつ事を知るなら…その下半身を使いマダラを穢土転生してみればハッキリする…そして吐かせる」とか言われたりしたが。
扉間の事だから解印などさせないように禁術等でガチガチに縛り付けて本当に無理矢理吐かせようとしていたに違いない。
一応マダラはまだ生きてたので、黒ゼツとカグヤの操り人形だった次は卑劣様の操り人形になる、という事は実行されていてもなかったろうが。

カグヤがナルト達に封印され、尾獣達に加えてマダラも解放されるが、一度人柱力となり外道魔像ごと尾獣の抜けたマダラはもはや助からず、死を待つばかりだった。
うちは最後の生き残りであるサスケに引導を渡されそうになるもハゴロモに止められ、そこへ柱間が寄り添う。
光を失いもはや何も見えぬ中*11、最期に柱間とわずかながら語らうマダラ。

「もう互いに死ぬ。今なら…ただ戦友として酒を酌み交わせる」


「……戦友…か…」

「まあ…それ…なら…」

「オレ…たち…も…」

この語らいを最期に、友の見守る中で息を引き取ったのだった。

互いに少年時代に語り合った夢を追いかけながら、柱間とマダラが決定的に違ったのは、柱間が次代に託して繋げたのに対し、マダラは自分で何もかもを実現しようとしたことだった。

図らずもこれは、仲間の力で強くなったアシュラと自分ひとりで全てを成したインドラ、仲間を誰よりも重んじるナルトと己で全ての闇を背負おうとするサスケの対比とまったく同じであった。






そして、ナルトとサスケの「大ゲンカ」に決着がついた終末の谷。
二人の術の衝突で砕け散った柱間とマダラの石像―――二つの像の手は重なり、和解の印を結んでいた。


◆おもな人間関係

ライバルであり、友であり、敵であり、同じ夢を見た同志たる男。
自分と互角に戦える彼を特別視しており、何かと引き合いに出す。
ちなみに、肝心の実力は柱間の方が常に一歩先。
ナルスト4では最終戦のシークレットファクターで「柱間と里の未来を語らった記憶」がフラッシュバックしていたのを見るに、本当に望んでいたのは「何のしがらみも因縁もなく、友と夢を語れる世界」だったのかも知れない。

  • うちはイズナ
すぐ下の弟。
千手との戦いの中で他に3人いた弟が次々と戦死したため、唯一残った彼を特に大事にしていた。
恐らくは父・タジマの死を機にともに万華鏡写輪眼を開眼し、死後にその眼を受け継いだ。
致命傷を負ってなお千手との徹底抗戦を主張する彼の遺志に従い、戦い続けるマダラは厭戦気分の漂ううちは一族内での求心力を失っていった。

柱間の弟。
一応、共に木ノ葉を創設した仲間でもあるのだが、イズナを殺した彼を長年恨んでいた。
うちはを危険視する彼をマダラも危険視しており、柱間の治世が終わり、扉間が火影となればうちはが危ないと考えて里を出た。
性格的にも反りが合わなかったらしく、マダラの里抜け前から険悪な仲だったようである。
それでも扉間の実力は非常に高く評価しており、扉間のことを「忍一のスピードを誇った」と称し、彼との戦いに勝利した際は「天は俺に味方した」と最大級の賛辞を送っている。

第三次忍界大戦で瀕死となった彼をたまたま拾い、駒として使うべく操っていた。
最終的には反旗を翻される。因みに最初からオビトはマダラのことを全く信用しておらず、生き返らせるつもりもなかった。

自身の意思の分離体……と思っていたら全ての黒幕だった。
マダラの行動は全て彼の誘導によるものである。

先祖にして前世。
彼のチャクラを受け継いでいる。

自身の後代の大筒木インドラの転生者。そのため、自身と同じ直巴の万華鏡を開眼している。


◆マダラ語録

  • その1
「オレ達は忍だ。いつ死ぬかもわからねェ。お互い死なねェ方法があるとすりゃあ…敵同士腹の中見せ合って隠し事をせず、兄弟の杯を酌み交わすしかねェ」

  • その2
「だからオレの後ろに立つんじゃねェ―――!?」

  • その3
「次からは戦場で会うことになるだろうぜ…『千手』柱間。オレは……『うちは』マダラだ」

  • その4
「もういい……お前の腑は……見えた」

  • その5
「お前は…見えないのさ。さらにこの先が…先の夢が」

  • その6
「同盟などない……木ノ葉の力の前に、ただ従え。それと……オレの前で柱間の名を口にするな」

  • その7
「力とは意志ではなく、物質の起こす事象のことだ」

  • その8
「オレを止められるのは唯一、柱間だけだと言ったハズだ。だがヤツはもういない。……それもお前らにとっては良かったと言えるかもしれない。なぜなら……」
「オレ一人分なら……地図を書き直す範囲が狭くて済みそうだからな」

  • その9
「砂利と本気でケンカする大人がいると思うか?」

  • その10
「この術にはただ一つ、リスクがある。それは印さえ知っていれば、浄土から呼んだ死者の側から、穢土転生の口寄せ契約そのものを解除できるというものだ。そうなってしまえばこれほど厄介なことはない。死なぬ体…無限のチャクラ…それが制御不能で暴れ出す」
「術者に言っておけ。禁術を不用意に使うべきではないとな」

  • その11
「醜いな……」

  • その12
マダラ「お得意の影分身か? 禁術の高等忍術とて同じ無能が増えたところで、所詮烏合の衆」
ナルト「あ!? ウ…ウゴウノシュウ……?」
マダラ「…やはり無能だ」

  • その13
(……やはり間違いない……このチャクラ……柱間ァ……!!)

  • その14
「争いを止めるために禁断の実に手をつけた人が…その後どうなったか説明がいるか? 何も変わらなかった…それどころか争いはさらに凄惨になったのだ。オレは…それを知って絶望した…この世界に本当の夢はないのだよ、柱間!」

  • その15
「やっとまともに戦える! やはりこの体でなければ! 血沸き肉躍ってこその戦いだ!!」

  • その16
「正直なところ…お前にはずっとこうしてやりたいと思っていた。お前は…イズナを殺した男だ。動く死体にいくらやっても虚しいだけだがな…」

  • その17
「柱間の国造りは矛盾を抱えていた。人は平和を望む…しかしその一方で争いを望んでもいる。その二つを持ちえているのが人だ。平和だけを望み争いだけを摘み取ることは、人でなくなるということに他ならない。そしてその二つは隣り合わせにある。何かを守るために何かを犠牲にしてしまう。本当の夢の世界以外はな」

  • その17.5(ナルスト4)
「オレと柱間の前に立てる者など、誰一人としていないのさ」

  • その18
「なら―――一緒に死んでやるのもチームワークというやつだろう?」

  • その19(ナルスト4)
「お前の言う平和など、かりそめのものに過ぎん! 真なる平和は夢の世界にこそある!! 夢こそ理想を叶える手段なのだ!!!」

  • その20(ナルスト4)
「このオレが……六道たるこのオレが……貴様ら……貴様ら如きにィィィィ!!」(脳裏に柱間との記憶が過ぎる)

  • その21(ナルスト4)
「“本当の夢”を叶えるのは……このオレだ……!!」

  • その22(疾風伝)
「お前達木ノ葉の忍は認めたくないだろうが、結局柱間は失敗した。忍世界の変革にな」
「最初は、オレも柱間も目的は一緒だった。そして一緒に行動を始めた。年端も行かぬ子供ですら戦いに駆り出される、忍の世界を変えようとした……。二人で忍の里を作った。だがそれでは、真の平和にはたどり着けない。人は腹の奥、腑まで見せ合う事は出来ない……」
「恐れ、疑い、憎むことは決してやまない……。オレの主張は退けられた。忍の世界は、柱間の理想のもとに進んでいった。だがそれでどうなった……忍同士の戦いは止まらぬ。止まらぬどころか里を作ったことによって軍事力は膨れ上がり、戦いは大戦と呼ばれる規模にまで発展し、死傷者の数は膨大となった」
「第一次忍界大戦……第二次忍界大戦……第三次忍界大戦……戦いはやまぬ。それが柱間の作った忍世界だ。もっとも、この第四次忍界大戦はオレが仕掛けたものだがな」
「大人しく尾獣を渡せという提案はしたはずだ。今人は、神樹の中でそれぞれに幸せな夢を見ている。自分の理想の世界の中にいる……。オレは忍の長き戦いの歴史から、救世主として争いを取り除いたのだ。もう理解しろ……全て終わったのだ」

  • その23(疾風伝)
(何故だ……何故、こんな……。柱間……オレは、どこで……間違えたんだ……

  • その24
「相変わらず……甘い…な…。フ……お前は…いつも、楽観的だった……だが…それが正しいのかも……知れん、な」
「オレの夢は…潰えたが……お前の夢は、まだ…繋がっている…」


◆読者からの反応

正式に本人が登場したのは作品終盤であったが、大物感たっぷりの言動とビジュアル、作中最高レベルの戦闘能力、そしてそれらを存分に活かした作中屈指の大立ち回りを演じたことで高い人気を獲得しており、カグヤ以上にラスボスらしいキャラと評されることもある。

また、その一方で
  • 本人の与り知らぬところで繰り返される柱間リスペクト発言
  • 穢土転生後の胸元に浮かぶ柱間の顔
  • 柱間の復活を察知して見せた凄まじい顔芸(通称フルフルニィ)
  • 柱間から「お前は後」と言われたら素直に待つ
  • 生涯を賭けた野望を前にしても柱間と戦う楽しみを優先
…などなど、因縁が深い柱間関連の事項ではネタ的要素に事欠かず、シリアス一辺倒とも言い切れない独自のポジションを確立している。
その尋常ではない柱間への執着ぶりから一部ではホモ扱いされることも。
無論ネタとしてであり公式からそう名言されてはいない。


◆余談

内田氏の演技力が光るキャラクターでもある。
木ノ葉時代、敵対時、偽マダラ(オビト)、老人と移り変わりを見事に演じ分けており、疾風伝やナルスト4を視聴するとその違いがよくわかる。

◇EDアニメでのマダラ

疾風伝第33期(2015年4月~6月)ED『言葉のいらない約束』においては、マダラを主役としたEDアニメが作成された。
曲の作成時にはナルトとサスケの2人の関係をモチーフとしていたのだが、これが流れる当時のストーリーではナルト・サスケともに負傷して戦線を離脱していたため、アニメスタッフはこれをマダラと柱間の曲と解釈。*12
『言葉のいらない約束』という楽曲それ自体は

  • 落ちこぼれだった主人公が誰からも認められる優れた好敵手を超えるためにずっと追い続け、競い合い、対立しつつも次第に認め合い、一度は道を違えてしまったものの、和解し、再び共に歩める日を夢見目指して追い続け、信じた道を走り続ける主人公の物語という『NARUTO -ナルト-』のストーリー。
  • その姿に果てしない凄惨な戦乱を重ねてきた人々が、今一度共に手を取り合い、争いのない平和な世界を築こうと変わっていき、世界を動かしていく姿という世界観。
  • 上記の双方共に合致し、良く表した優れた歌詞。
  • 上記の対立を重ねてきた悲しい過去を暗い曲調で歌い上げ、それでももう一度和解できる日を夢見、目指して歩き出す現在の決意と未来への希望を力強く明るい曲調で歌い上げると、曲調や曲の構成も歌詞に良く合っている。

……といったものであったのだが、それに合わせて作られたアニメーションが

  • マダラが自身の好きな月夜の元、心より夢見、渇望してやまない「平和な世界」への思いを馳せ、物思いに耽る中、「独りじゃないよ」「恐れるものなんてないから」「行こう さあ 目を開けて」とふと気付いた自身の姿を眺める者(=視聴者)へマダラが微笑みかけ、自分の夢見る世界へ誘おうと心からの親愛と善意の念を込めて笑顔を向け、手を差し伸べる姿*13
  • ぶつかっていた」本当は互いに手を取り合える日を願い、手を伸ばし合いつつも、「本当は追い付きたくて」マダラと唯一無二の親友にして好敵手である柱間との対立してきた過去、「傷つけ合って」忍界における果てしない忍同士の戦乱と、それによる流血の末、「繋ぎ止める 絆ほしくて」なんとか里の在り方を築き、忍五大国による五影体制を築くことで一応の「」界の安定をもたらし、戦乱を収めていった流れ
  • 「ごめん」 忘れないで」忍界の安定のための犠牲となってきた数多くの者達へ*14信じて待ってて」と数多くの犠牲を強いる忍界の有様を憂い、木の葉(=木の葉隠れの里)の陰から見届け、決意を固めたマダラがついに「迎えに行くんだ」と木の葉を捨て静観をやめ、「勇気の灯火 照らし出せ弱さを」今ついに夢を叶え、理想を実現するための一歩を踏み出し、「傷だって痛みだって 分け合えば平気だ」夢に向かって走り出す姿。
  • 君の背中押す」背後に映る唯一無二の好敵手の力の姿と「結んだ約束」前方に映るマダラの味方達。
  • いつだって離れたって」幼き日、今は道を違えてしまった友と絆を結び、笑い合った、敵味方の境を超えて皆が和解し合える平和な世界という夢を抱いた始まりの日を想い、「信じられる絆は 胸に眠ってる」今それを実現しようとするための六道の力を得た自身の姿を映す。

以上のようにマダラ視点から、マダラの歩んできた道を描くものとして再構築されてしまった。

冷静に分析すればEDを構成する個々の要素は原作のストーリーや世界観・設定・描写を忠実に拾い、踏まえ、反映した優れた描写が多く、総じて「良く出来たED」と評しても過言ではないはずなのだが*15
繊細な女性ボーカルと友への絆の歌をバックに満面の笑みのマダラが大暴れするEDアニメは凄まじいギャップとインパクトを生みだしてしまった。
付け加えるならば、

  • 子供時代以来の笑顔のマダラがこちらに手を差し伸べると同時に無限月読が発動
  • 血塗られた忍の歴史と幾多の犠牲者達が次々と映るが半分くらいはマダラのせい
  • 「デデッデデッ」というテンポの良いサビ入りと同時に半裸で有象無象どもをなぎ倒すマダラと、頼れる仲間のごとく現れる黒ゼツとグルグルとオビト
  • 絆は胸に眠ってる(物理)*16
  • 柱間は終始出てくるのに一切出てこない扉間

……と言った要素も内容を印象づける一助となってしまっている。
歌唱担当のsana氏がニコニコ動画出身の歌い手だったことやら本編の総集編っぷりも完全に忘れ去られ「これも幻術か!?」「うちはタツヤ*17……やはり危険な男……」「歌ってる人可哀想」などの感想が挙げられ、
メインテーマが「うちはマダラの心境」として描かれてしまったばかりに『NARUTO -ナルト- 疾風伝』ダントツトップのとんでもないマジキチネタEDとして扱われてしまう羽目になってしまった。
千手サナの歌遁チャクラにアニ遁使いのうちはタツヤが目を付けた結果がこの究極幻術である。



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最終更新:2024年03月28日 13:18

*1 大蛇丸の言葉に対し「若造が…お前はマダラを知らぬ」と返した

*2 雷影に幻術をかける際にわざわざ輪廻眼から万華鏡に一旦戻していた

*3 「陣の書」での表記

*4 まあオオノキの回想を見るに、木ノ葉に入ってからも勝手やってたようなので自業自得だが

*5 四代目火影が死亡した九尾襲来事件後、うちはは里からの監視と隔離を徹底されていたが、九尾襲来事件はマダラを名乗る仮面の男が起こした事件である

*6 因みにオビトのその後の行動を見る限り、元々マダラを蘇らせる気は無かったようだ。

*7 因みに、柱間に拒否された際に原作では満面の笑みのまま硬直していたが、アニメでは露骨に残念そうな表情をしていた

*8 オビトに陰陽遁を教えたのはマダラ

*9 三代目雷影の地獄突きを回避しつつカウンターで腕に螺旋丸を当てられる感知能力を持つ

*10 後半部分はアニメのみ

*11 イザナミを使用したイタチの左目と同じ描写であったことから、カグヤに取り込まれている間に両目とも失明したものと思われる。

*12 ナルト&サスケと柱間&マダラの関係は原作の時点で対として描かれているので、間違いではないのだが。

*13 マダラが「月光が好き」というのは公式設定。

*14 個々のシーンが短いため判別しづらいが、原作で触れられた様々な人物達の辛い過去の描写も数多く取り入れられている

*15 上述の通りマダラも柱間という唯一無二の親友にして最大の好敵手をずっと追い続け、対立しながらも共に歩める日を夢見、目指してきた、平和な世界を目指そうとする者なのであながち間違ってはいない

*16 マダラの胸には埋め込んだ柱間細胞が人面疽のように浮かび上がっている。ついでに言うと直前のカットまでマダラは上半身裸だったので柱間細胞が丸見え。

*17 演出・原画を担当した小柳達也氏のこと。28期EDではオビトをフィーチャーしたEDアニメを作成しており、一部からうちは一族呼ばわりされている。