Hi-νガンダム

登録日:2011/12/07(水) 13:24:18
更新日:2024/04/07 Sun 03:23:20
所要時間:約 35 分で読めます




Hi-νガンダムは伊達じゃない!


(*1)



Hi-νガンダムは、小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』やMSV企画『CCA-MSV』に登場する機体である。


型式番号:RX-93-ν2
頭頂高:20.0m
本体重量:27.9t
動力:熱核融合炉
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:60mmバルカン砲×2
   ビームライフル
   ビームサーベル×3
   右腕部マシンガン×1 (リファイン版設定)
   右腕部4連ビーム・ガトリングガン×1 (『Ver.Ka』設定)
   ビーム・トンファー (『Ver.Ka』設定、右腕部サーベル発振&左腕部予備サーベル)
   シールド (ミサイル、ビームキャノン内蔵)
   ニュー・ハイパー・バズーカ
   フィン・ファンネル×6
   ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー


〔HWS装備型〕
型式番号:FA-93-ν2HWS(またはRX-93-ν2HWS)

追加武装:
   ハイパー・メガ・ライフル
   ミサイルランチャー(肩部・胸部)
   マニピュレーター(フロントアーマー)
   ハイパー・メガ・シールド(2連装メガ粒子砲兼補助ブースター内蔵)
   ニュー・ハイパー・バズーカ(2本目)






サンライズ公式化までの経緯


最初に言っておくと中々に複雑な経緯を辿った機体で、時期によって設定が変わっているため初めて知った時期によってガノタ間での認識も異なる機体である。
今でこそνガンダムのバリエーションの一つとして認識されているが、実は元々は映画に登場したνガンダムをデザインした出渕裕氏が、小説の口絵でデザインをアレンジして描いたのがすべての始まりである。
つまり、最初は非公式のアレンジデザインなだけな存在であった。
劇場版に登場したνガンダムとは単に細かい部位のデザインや体格が異なるとかそういうレベルではなく、翼のようなフィン・ファンネルを始めとするその姿がファンの話題をさらう。


その「小説版νガンダム」を基に、月刊ホビー誌『ホビージャパン』の1990年の号において立体化が行われ、作例が掲載された。
その際、月刊ニュータイプの協力により出渕裕氏が描き下ろしたマッシブな新規モノクロ設定画が掲載され、背面の設定も描かれた。主にマニア層から人気を博したが、この時点ではあくまで「小説版νガンダム」に過ぎず、「Hi-ν」という名前も概念も存在しなかった。

1991年頃、89年に海洋堂から発売されていたナイチンゲールに合わせた1/220スケールで『B-CLUB』からレジンキットが発売。
当時商品化にあたり、B-CLUBの商品担当がデザイン担当の出渕裕に原型監修をしてもらい、商品名を「小説版νガンダム」じゃ味気ないので何か付けようと居酒屋で懇談中、νガンダムの上だから「Hi」を付けて「Hi-νガンダム」の名が仮に付けられ、また形式番号もRX-93-ν2と付け版権申請したところ何故かそのまま通ってしまった。
これにより、「小説版の挿絵を元にニュータイプの協力によりホビージャパンで描き下ろされた設定画のνガンダム」にHi-νガンダムの名が与えられたのである。

そして1998年、線画がクリーンナップされ紫とホワイトに着色したものがメディアワークスの『データコレクション7 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に掲載された。
デュアルアイはグリーン、胸部のダクトはイエロー、フィン・ファンネルは紫とホワイトにグラデーション塗装されているのが特徴で、このとき初めて「νガンダムの後継機」として解説された。
その後、1999年にスパロボとも関係のある『リアルロボット戦線』においてゲーム初出演を果たし、『スパロボ』や『Gジェネ』等にも出演。徐々に幅広い層からの知名度を獲得していくことになる。特に『スーパーロボット大戦α外伝』に隠しユニットとして登場した際は、当時としては力の入ったアニメ演出と相まってユーザーの注目を集めた。
しかし、この時点では、バンダイの製品やビデオゲームでの露出は多けれど、あくまでも準公式(サンライズ公認?)という扱いだった。

ここまでのHi-νガンダムはファンの認知度と人気は凄まじく高い権利元の創通エージェンシー・サンライズはほとんど関わっていないという、独自の立ち位置にいる機体だったのだ。デビルアクシズとかとあんま変わらない。
現在では『CCA-MSV』としても扱われているが、本来は一切無関係の間柄である。


2007年、マスターグレード(MG)としての商品化に際し、15年以上の時を経てサンライズによって完全に公式化された。それに伴い、出渕氏により平成風のスリムなシルエットにリファインされた。
更にマスターグレード等の解説書では『ベルトーチカ・チルドレン』の描写に準じて機体の設定が付与されており、ゲームでは『EXVS』においてパイロットのアムロと共に小説版の設定で登場している。ただし、作中では「Hi-νガンダム」の呼称は使われていない(そもそも別デザインの同一機という設定なので当たり前だが)。

『ガンオタの女』でお馴染みの左菱虚秋氏による、『ガンダムエース』連載のコミカライズ版『ベルトーチカ・チルドレン』においても、リファイン版を元にしたデザインで登場している。


この「νガンダム=Hi-νガンダム」の関係は、ウイングガンダムアーリーウイングウイングガンダムゼロEW版ゼロの関係性に類似している。

一方、公式化以後も『ギレンの野望 アクシズの脅威』や『Gジェネレーション ジェネシス』、『スーパーロボット大戦X』等のゲーム作品、一部関連書籍では引き続き『CCA-MSV』に類するνガンダムの上位機種として登場・紹介している。

その後、旧画稿である『データコレクション』の設定画を元にした「マスターグレード Hi-νガンダム Ver.Ka」が商品化された。
他にも立体物として体型が旧画稿に近いデザイン、あるいはこの『Ver.Ka』のデザインのものが次々に商品化されている。
更に『機動戦士ガンダムオンライン』や『スーパーロボット大戦DD』等のゲーム作品には、リファイン版ではなくこれらの立体物のデザインで登場している。


現在では「ベルトーチカ・チルドレンに登場するνガンダムを別名Hi-νガンダムと呼ぶ」のが公式設定だが「ホビージャパンやメディアワークス、レジンキットなどで培われたνガンダムの発展機としてのHi-νガンダムも無理に否定しない」という形で落ち着いている模様。

そしてこれまでの経緯を踏まえ、2022年の「METAL BUILD Hi-νガンダム」の発売に際して、分かりやすく整理された機体解説が改めて行われ、魂ウェブ上で公開されたスペシャルページおよび商品のパッケージ裏に掲載されている。
G-3ガンダム、ナイチンゲールと同様に小説版準拠設定とMSVとして新設された設定がそれぞれある。」として2つの設定を順に紹介し、
「RX-93-ν2」という型式番号についてはMSV設定に準じて付けられたとした上で「主にゲーム等でνガンダムの上位後継機の場合はMSV設定を使い、パラレル扱いの場合は小説版の設定に合わせられている。」と解説している。



機体デザイン・主な特徴


カラーリングは小説版では「白に黒」とνガンダムに近い色だが、設定が変更された際に「紫に白+ファンネルにグラデーション」または「青に白」の2種類のカラーリングに変更。
公式化直後はマスターグレードに準じた青に白のカラーリングがよく使われたが、近年は紫と白が使われるケースも多い。

ちなみに旧版については、最初の作例やガレージキット、『リアルロボット戦線』や『スクランブルギャザー』等、青バージョンでもグラデーションがあったり胸部や脚部、エンブレムの配色が異なっていたりと細部にばらつきも見られた。


こちらは旧画稿の青白版Hi-νガンダムで、書籍によってはこちらの色が載ることもある。
『機動戦士ガンダムMS大全集』においては、青い方の旧画稿が2003年版から2009年版まで掲載された。

(*2)


そして2007年に描かれたリファイン版では、ブルーとホワイトを基調とした機体カラーに、所々アクセントとしてシルバーが使われた。
プロペラントタンクの接合部や関節には真鍮線の色に似たゴールドが使われている。デュアルアイの色は緑色から黄色になり、胸部ダクトは銀色となっている。
その他に各武装の設定画も描かれている。
リファイン版の追加設定として、右腕部には新たにマシンガン1門と弾倉が装備されている。

(*3)


ちなみに2019年の『MSV The Second-Generation 1986-1993』では、旧来のMSVをフィーチャーした内容なのもあってか旧画稿が久々に掲載された。現在でも旧画稿の方を出そうと思えば出せるようである。
なお、リファイン版の立ち絵も合わせて掲載されているが、当時『モデルグラフィックス』の特集で書かれた「『設定画』であり、プラモデルの開発参考用画稿ではない」という説明と異なり、「21世紀に入りプラモデル(マスターグレード)用の開発画稿として起こされたもの」と説明されている。
一方、『モビルスーツ全集9 ニュータイプ専用機BOOK』(2015年)では立ち絵と武装に加えて出渕氏による正面・側面・背面の図版が掲載され、それを「MG(マスターグレード)用に描き起こされた開発画稿」としている。

その後、2022年の『グレートメカニックG 2022 SPRING』で特集された「ピンポイントメカニック RX-93 νガンダム」内のガンダムのデザインの変遷を追ったページでは、80年代のところに小説版として旧画稿が掲載され、
「原点回帰」を目指してひとまずガンダムデザインのスタンダードとなったνガンダムのイメージをベースにした加飾の方向性として、
『MSV』的な本機やΞガンダム(Gジェネ用画稿を掲載)が80年代末から90年代初頭の代表格の存在として紹介されている。


先述のコミカライズ版『ベルトーチカ・チルドレン』では、メカ作画を『機動戦士ガンダム00』シリーズにも参加した柳瀬敬之氏が担当。
作画資料として柳瀬氏による立ち絵も用意され、リファイン版準拠としつつ部分部分が『Ver.Ka』にも近いデザインになっている。

(*4)


基礎設計、装備の殆どはνガンダムと同様の物だが、最大の違いは翼のように装備された「フィン・ファンネル」。
νガンダムと違いバックパックにフィン・ファンネルのエネルギーの再充填を可能にするファンネルラックを装備しており、これに収納することでフィン・ファンネルを再充電、再使用を可能にする*1。またその際のファンネルの配置数は六基のフィンファンネルを左右ファンネルラックに3対に分けて装着するというDFF仕様(のファンネル6基タイプデザイン)に近い物となっている。

ファンネルは折り畳まれ、ラックにぶら下がるように発射口を下に向けてマウントされており、どこぞの青い翼で打撃自由な機体がこの姿に似ている気もするが、デザインはこちらが先。


背部のラック2基の間には「テール・バーニア・スタビライザー」を装備しており、AMBACシステムとスラスターとしての機能が強化されている。このデザインも2種類あり、リファイン版(Ζガンダムのものに似たタイプ)と、旧デザイン版である。この装備は後の『機動戦士ガンダムUC』に登場するシナンジュにも使用されている。
また、特徴的な2本のプロペラントタンクも装備している。これはスラスターとしての機能も果たし、推進剤を使い果たした後にサザビー同様、切り離すことができる。



小説における活躍(ベルチル版設定)


シャア・アズナブルの駆るナイチンゲールと激闘を繰り広げ、他にアクシズ破壊の為に「ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」も使用している。
ラー・カイラムより伸ばされたエネルギー・ケーブルを機体に直結する急造のエネルギー供給システムで運用されており、発射のためには莫大なエネルギーを消費する。
供給を行う際には一瞬ラー・カイラム艦内の照明が切れるほどで圧倒的な威力を誇るが、アクシズの破壊には失敗した。

この装備は公式設定画が存在せず、サンライズにより公式化された際にも描かれなかった。
そのため、ゲームやコミカライズ版ベルチル、それらを元にした各種立体物では独自解釈のデザインとなっている。


作中ではサイコ・フレームの入手経路が異なっており、5thルナにおいてシャアが意図的にグラーブ・ガスの乗るサイコ・ドーガをロンド・ベル側に鹵獲させる事でサイコ・フレームを流出させている。ロンド・ベルは鹵獲したサイコ・ドーガからサイコフレームを直接切り出し、νガンダムのコックピットに直接溶接している。
このように設定およびストーリー展開では「Hi-νガンダム」の持つνの発展機というイメージとは違い未完成の機体である。アムロ及びシャアの心境の違いもあってナイチンゲールやα・アジール相手に苦戦する描写が多い。


2007年のサンライズ公式化の際に発売されたマスターグレードやHGUC等の解説書では、『ベルトーチカ・チルドレン』の内容に沿った機体解説がなされている。
『ベルトーチカ・チルドレン』名義でゲームに登場する場合も、2007年公式化の際のリファイン版で登場する傾向が見られる。
ただし、『スーパーロボット大戦シリーズ』ではベルチル名義かつリファイン版の姿で登場する作品も、ゲーム内シナリオではνガンダムの発展型として扱われている。



CCA-MSVにおける設定


こちらではテストを何度も重ねた「強化発展型νガンダム」として扱われている。
1998年発行の『データコレクション7 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、紫のカラーイラストや『CCA-MSV』における機体設定が掲載され、それ以降に後述の関連書籍やゲーム内の図鑑において情報が追加されている。


実質3ヶ月という短期間で開発された実質的な急造機のνガンダムに対し、本来の能力を持たせるために製造された。
アナハイム・エレクトロニクス社は新素材であるサイコフレームを製造中のνガンダムに適用する作業と並行して、基礎設計の見直しやサイコフレームの入念なテスト等を実施した本機体を独自に開発し、それにアムロが修正を加えたことで完成した。

原型機では機体の中心から外れて片側に重量物のフィン・ファンネルをマウントしていたため運動性に大きく影響していたが、左右のバランスを考慮してマウントすることで運動特性が改良されている。
フィン・ファンネル自体も射出後に回収して再マウント可能になるなど、実用面の向上も図られている。
その他の兵装も、ビームライフルの冷却機構改善、ビームサーベルのエネルギー効率上昇、ニュー・ハイパー・バズーカの弾倉変更、シールドの耐弾性向上などの見直しが行われている。
また、新たにスタビライザーとプロペラントタンク2基が備わったことで姿勢制御能力や稼働時間も向上している。
そして内部面も基幹部分であるサイコミュ関連のシステムが熟成され、全体的な完成度が高められている。

しかし、設計作業中にシャアの反乱が終結したことでロンド・ベルへの納入は保留となり、開発計画の詳細も長い期間秘匿されることとなった(一部では「アクシズ・ショック」に伴うサイコフレーム技術の管理徹底策との関係も示唆されている)。
後年になり本機体の存在が明らかになったが、最終的に実機が製造されたのかも含め不明な点が多い。


『Gジェネレーションシリーズ』『スーパーロボット大戦シリーズ』『ギレンの野望シリーズ』等では、先述の通り基本的に『CCA-MSV』設定に準じている。

なお、設定的にベルチル版として参戦している筈の『EXVS』でも、アーケード版公式サイトでは説明文に
「NT用MS「νガンダム」の強化発展型。背面に装備された、翼のようなフィン・ファンネルが特徴的である。」
と記述されている、というような例も一部存在している。


公式化されて以降も、関連書籍の系譜図や解説ページではνガンダムからHi-νガンダムに繋がるように記載される場合もある。

『モビルスーツ全集7 Z計画&アナハイム・エレクトロニクス社製モビルスーツBOOK』(2013年)では、νガンダムからダブル・フィン・ファンネル、HWS、量産型νガンダム、Hi-νガンダムに分岐して表記されている。
『ガンダムモビルスーツバイブル』(2019年)では、系譜図においてHi-νガンダムを『CCA-MSV』設定のテストを重ね完成した「発展型」として記述している。
宇宙世紀の世界において刊行された書籍であることを想定した『マスターアーカイブ モビルスーツ RX-93 νガンダム』(2019年)でも、主に発展型の設定に基づいた記述となっている。
先述の『MSV The Second-Generation 1986-1993』(2019年)はタイトル通り『CCA-MSV』設定準拠で、『データコレクション』の基本情報を元に機体詳細が記述されている。



Ver.Kaについて・HWS装備


(*5)

2014年には、カトキハジメ氏監修のもと「Hi-νガンダム Ver.Ka」がデザインされた。
再びマッシブなフォルムとなり、カラーリングや武装の仕様・ギミックも『データコレクション』のイラストに準じたものに改められている。フィン・ファンネルのグラデーション塗装は水転写デカールを用いることで実現した。
ところどころにリファイン版の要素もあり、右腕部のビーム・ガトリングガンがその最たる例である。弾倉が無くなり砲身は4連装に変更され、不使用時にはカバーに格納される。
また、4連装砲の中心部分に備わるビームサーベル発振器と左腕部の予備ビームサーベルを用いてビーム・トンファーとして扱うことも可能。
『Ver.Ka』は旧版との折衷案とも言える。


カトキ氏はリニューアル前のデザインが勿体ないと思っており、最初のMGの開発で細部の処理等を手伝っていた時に、太ましいHi-νを変えるのは惜しいと言った。
しかし、将来的にはリニューアル版ではない商品化もきっとあり得るということで、その時は納得したという。
そしてMGでVer.Kaを出す提案をバンダイから受けた際、コミカライズも連載されている今のタイミングならオールドタイプもあり得るのでは、とまた思い始めたらしい。
出渕氏やサンライズとの相談の末、こうして旧版の流れを汲んだVer.Kaが生み出された。

あくまでもサンライズにとっての公式はスリムな方ではあるが、その枠にとらわれないHi-νガンダムは今もなお強い存在感を示している。


Hi-νガンダム登場のきっかけとなったホビージャパンでは盛り上がりが続き、2014年10月号(8月25日発行)にはVer.KaとHWS、そして「RE/100 ナイチンゲール」の先行レビューが掲載。
(『電撃ホビーマガジン』にもレビューがあり、HJとはまた異なる作例である)

更にはHi-νガンダムVer.Ka誕生へと至る、長きに渡る「Hi-νガンダム誕生の経緯」も詳細に解説されている。


Ver.Kaデザインに伴い、新たに「フルアーマー化プラン」である専用のHWS(ヘビーウェポンシステム)も与えられ、「Hi-νガンダム(HWS装備型)」が設定された。

(*6)

νガンダムのHWSと同様の兵装である「第1形態」は、各部に増加装甲ユニットを装着し、肩部にはミサイルランチャーを装備。
また、新たに胸部装甲ユニット内部にもミサイルランチャーが装備された(商品によっては通常νも装備している)。
フロントアーマー装甲ユニット内部には新たにナイチンゲールのように隠し腕としてマニピュレーターが装備され、ビームサーベル等を持つことが可能。
大型の「ハイパー・メガ・ライフル」は通常のビームライフルに追加装備を装着したものに変更された。

左腕の通常シールドは旧版を彷彿とさせる水玉模様が施されている。
そしてシールド全体を覆うように、通常νの「ハイ・メガ・シールド」に相当する、大型の「ハイパー・メガ・シールド」が装着されている(ハイ・メガ・シールド表記の資料もある)。
変形機構を備えており、シールドから取り外してバックパックに装着することで「第2形態」に移行する。
ニュー・ハイパー・バズーカは2本目が追加され、シールドを装着したバックパックの左右にマウント可能。

第2形態におけるシールドは、簡易的なウィングバインダーとしてAMBACシステムを追加することで、重装化で低下した機動力を補助する効果を想定していたとされる。
また、シールドの2連装の砲口からはメガ粒子砲を放つが、第2形態で砲口が下に向いているのは推進用ブースターとしても転用することが目的なのではないかと言われている。
同様の技術として、U.C.0120年代に開発されたGキャノン・マグナの装備であるビームキャノンが挙げられている。
その場合HWSは技術史的には時代を先取りしすぎている感もあるが、コンセプト自体は考案されていても不思議ではなく、HWS自体がU.C.0100年にふさわしい機体を目指し実践配備することを目標とした長期計画(『B-CLUB』の記述が元)なのも、理論上可能でも技術的に実用化することが難しい装備があったためでは、と推測されている。
カトキ氏もHWS拡張セットのインタビューでシールドの設定に触れており、メガ粒子系の武器と推進機能を兼ね備えていると考えても良いとして、出渕氏もあまり設定を縛っていないのでこのキットでも特に設定を決め込む事はしていないと話している。


先述の『マスターアーカイブ モビルスーツ』では、瀧川虚至氏によりこのVer.Kaを基にしたデザインで描かれ、それに伴いHWSの解説およびイラストも用意されている。

(*7)


なお、解釈の一つであるVer.Kaも各方面で目にする機会があり、食玩「FW GUNDAM CONVERGE ♯05」(出典は『CCA-MSV』扱い)や「機動戦士ガンダム Gフレーム12」、ゲーム『機動戦士ガンダムオンライン』等はこちらのデザインが採用されている。



武装一覧

開発経緯等を含めた詳細設定は上記解説も参照。

通常武装

  • 60mmバルカン砲
基本的に元と変わりがない。

  • ビームライフル
νガンダムとはデザインが異なる物を使用するが、性能自体はあまり変わらないらしい。

  • ビームサーベル
ファンネルラック基部にカスタムタイプが1本ずつ、左前腕部のカバー内に予備が1本の合計3本。
カスタムタイプはシンプルなスティック型グリップから直線状のビーム刃を発振し、ビームエミッターの搭載により柄尻からもビームを展開出来る。
予備の物は標準規格の物で、Ver.Kaでは右腕のビーム・ガトリングガンの物と同じくビーム・トンファーのように使用することが可能。

  • 腕部マシンガン
リファイン版から追加された装備。
右前腕部に装備したカートリッジ式の実弾兵器。

  • 腕部ビーム・ガトリングガン
Ver.Kaではマシンガンではなくこちらを装備している。
配置は同じく右前腕部で、ガンダムNT-1のようにカバーがスライドして4連装の砲身が現れる仕組み。
中央部にはビームサーベル発振器があり、ビーム・トンファーとしても使用可能。

  • シールド
耐久性が向上したνガンダムとはやや異なる形状の物を使用する。
リファイン版ではミサイルが無くなり、ビームキャノンだけ内蔵している設定だが砲身らしきものは見当たらない。
Ver.Kaではνガンダムと同じものを使用しているので、ビームキャノンの砲身とミサイルがそのまま残っている。

  • ミサイル
リファイン版では削除されたが、Ver.Kaではそのまま残された。

  • ビームキャノン(ビームガン)
シールドに内蔵されたビーム砲。出力は一年戦争期のビームライフル並み。
リファイン版でも設定上は残っているが、立体物ではそれらしきものが確認出来なかったため、
長らく未確認の武装だったが、コミカライズ版でようやく裏面の先端付近にある3つのスリットから発射することが確認された。

  • ニュー・ハイパー・バズーカ
基本的にはνガンダムと同じ物だが、Hi-νに合わせた仕様変更により射程と弾頭の威力が向上している。
マウントの可否は立体物によって異なり、マウント可能なものでも『HCM-Pro』ではリアスカート、Ver.Kaではテールスタビライザー下面、BB戦士ではテールスタビライザー上面とまちまち。
Ver.Kaは砲身に伸縮機構が追加された。

  • フィン・ファンネル
フィン・ファンネル自体はνガンダムの物の色違いだが、左右のファンネルラックに3基づつの合計6基装備するようになり、まるで翼のような印象となった。
最大の変更点は再装着してエネルギーと燃料の補給が可能となったことで、再使用が出来るようになった。

  • ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー
小説版でアクシズへの直接攻撃に用いた超大型ビーム砲。
ラー・カイラムから直接エネルギーケーブルを介した電力供給を受けて発射する急造兵器で、艦内の照明が一瞬消える程のエネルギー消費に見合った火力を発揮するが、敵からの妨害を受けてアクシズに命中こそしたものの核パルスエンジンの破壊には失敗した。

元より文章中で描写されるのみで設定画等が無く、リファイン後もしばらく描かれなかったために『機動戦士ガンダム Extreme vs.』初出の物(『METAL ROBOT魂』で立体化)、柳瀬敬之氏デザインによる『コミカライズ版べルチル』初出の物(作画資料を元に『RG』で立体化)など、複数のデザインが登場している。
そしてこの度、『METAL BUILD』で新デザインの3つ目が登場した。こちらは「収束砲撃形態」と「拡散砲撃形態」の2つのモードを使い分けられるという設定で、それぞれゲーム版とコミカライズ版に近い形状となっている。



HWS追加武装

  • ハイパー・メガ・ライフル
高出力のビームライフル。
νガンダムHWSのそれとは違ってHi-νのライフルにパーツを追加する方式。

  • ミサイルランチャー
増加装甲に備わる4連装ミサイルランチャー。
外装式の物を両肩部に、内装式を胸部装甲内に備える。

  • 隠し腕
フロントアーマー内部に隠されたマニピュレーター。
いざという時にビームサーベルで奇襲を仕掛けられる。

  • ハイパー・メガ・シールド(ハイ・メガ・シールド)
ノーマルシールドに被せるようにして装備する大型シールド。
これをシールドではなく背面に装備、両端部がウィングバインダーのように変形したものが第2形態である。

  • メガ粒子砲
ハイ・メガ・シールド裏面に備わる2連装の大口径ビーム砲。
火力はハイメガキャノン並みだが、チャージに時間がかかるので連射は出来ない。
第2形態では補助ブースターとなる。

  • ニュー・ハイパー・バズーカ(2本目)
HWS化に伴いもう1本追加され、第2形態ではハイパー・メガ・シールドの左右にマウントされる。



主要な立体化


特異な立ち位置にいる本機体の立体物は、毎回のようにデザインの解釈やアプローチの方法が異なっている。
最初の作例やガレージキットから始まり、この場所に書ききれないほど多種多様なHi-νガンダムが形作られてきた。
その度にどのようなアレンジがなされているのか、大きく注目され語られる存在となっている。


1991年頃、『B-CLUB』より海洋堂ナイチンゲールに合わせた1/220スケール、最初の設定デザインでガレージキットとして初商品化。
原型は海洋堂ナイチンゲールも手掛けたG.G.Pの大輪正和(現MOクラフト)。

『B-CLUB』からはこれと同様に、1/144スケールと1/100スケールのガレージキットも商品化されている(時期不明)。
更に、2002年に「MG νガンダム」用のHi-νガンダム改造パーツが発売された。


2007年にガンプラのMGにおいて公式版で立体化。


同年に『HCM-Pro』版も商品化され、画稿を見ての通りMG寄りのディティールだが、全体的にややマッシブになっている。

(*3)

初出はホビージャパンの情報コーナーで、『GUNDAM WEAPONS 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア編Ⅱ』にも掲載された。
同時に、ビームライフルとシールドも本商品のディテール準拠で描かれている。


2008年に展開された『GUNDAM STANDart:』第2弾ではノーマルVer.とメタリックVer.が登場。
体型は旧設定画のマッシブな体型に近い。


そして2009年にHGUCでキット化されており、パッケージイラストが格好良い。
完全新規キットで、特徴的な色分けをほぼ完全に再現しており、額に細かく番号が書いてあったりと地味に凄い仕様。
ただし、ファンネルが2つを除いて非可動なので、全てを動かしたい場合には3つ買うか部品を注文しなければならない。

3つ買ったら牛カラーに塗ってビギニングとバトル!
牛カラーは2010年にカラバリの『ガンプラビルダーズ』版(GPBカラー)として登場しているぞ!
何気にアニメ初登場でもある。
パイロットはコウジ・マツモト。

(*8)


2013年には遂に『BB戦士』で登場。
SD体型に落とし込んだデザインは格好いいと評判。
ツインアイはパーツの差し替えで瞳ありと瞳なしを選択できる。
宿敵ナイチンゲールも数年越しにSDCSシリーズで立体化されている。

説明書の『コミックワールド』は例によってギャグストーリー。

森本がーにゃ氏による『GUNDAM.INFO』連載のコミック『森本がーにゃのSDガンダムいんふぉ』では、
Vol.68「最新作は伊達じゃない!BB戦士Hi-νガンダム、発売!」ということで本商品の特集になっている。


同年の『ガシャポン戦士NEXT』では第15弾でラインナップ。一部メタリックの銀で塗装されている部分もある。
ちなみに他にもリ・ガズィ・カスタム量産型νガンダムといった、立体化されることの少ないマイナーな機体も共にラインナップされている。

2014年のSP03弾では、全身が銀色に塗装されたメタリックver.がラインナップされた。
2015年の「リアルタイプカラーバージョン02」では、旧版あるいは『Ver.Ka』に寄せた紫カラーになっている。デュアルアイやダクトの色もそちら準拠だが、シールドはリファイン版の色違い。


2014年の『ROBOT魂』版は現在のようなスリム体型ではなく、当時のマッシブなプロポーションを最新技術で再現するというコンセプトに基づいた商品となっている。

この他、2012年に『プレミアムバンダイ』から発送された「ROBOT魂 νガンダム 拡張フルセット」には、ダブル・フィン・ファンネル用パーツの他にオリジナル造形のファンネルラックも付属する。
その形状はHi-νガンダムのファンネルラックに似た形状となっている。


同年に食玩『FW GUNDAM CONVERGE』で、復刻機体にリファイン版Hi-νをセットにした「FW GUNDAM CONVERGE REVIVE」が発売された。
復刻企画の投票で選ばれたMS達に新規造形で本機体が加わるという破格の扱いとなった。


更に同年、MGで『Ver.Ka』の商品化が決定し、プレバンではHWS拡張セットが発売された。


2015年、ROBOT魂×超合金の新シリーズ『METAL ROBOT魂』では第1弾アイテムに選ばれた。
造形はリアリティが増しており、高級感や重量感を感じさせる。
関節部やバーニア等にはダイキャストが使用されている。
2017年にプレバンで抽選販売された[Re:Package]は色味が紫寄りになっている。


ガンダムビルドファイターズ』の公式外伝である電撃ホビー連載の『GBF-D』とそのコミカライズでガンダムA連載の『GBF-A』には、ユウキ・タツヤの使用するガンプラとして「Hi-νガンダムヴレイブ」、そしてアラン・アダムスが製作した「Hi-νガンダムインフラックス」が登場している。
機体の詳細はリンク先および『ガンダムビルドファイターズD/A』を参照。

後にHGBFのラインナップでヴレイブが一般商品、インフラックスがプレバン限定商品として商品化されている。

余談だが、DとAの作画担当である今ノ夜きよし氏は『模型戦士ガンプラビルダーズD』においても作画を担当していた。
その作中では先述のGPBカラー版Hi-νが一般発売されており、なかなか重要な場面で登場している。


2016年の『NXEDGE STYLE』では、3等身のプロポーションの中にスタイリッシュかつエッジの効いた造形のHi-νガンダムが表現されている。
その後、2019年に「TAMASHII NATIONS TOKYO」限定商品として紫カラーのものが発売された。『ガシャポン戦士NEXT』と同様に珍しい紫のリファイン版で、こちらは細部の色替えは最小限に留まりシンプルに青い箇所を紫に変えている。


2017年、「FW GUNDAM CONVERGE ♯05」のラインナップとして『Ver.Ka』デザインで立体化された。MG以降でこのバージョンが採用されるのは初となる。
その後、2020年にプレバン限定商品としてナイチンゲールとセットになったメタリックカラーver.が発売され、彩色やマーキングも追加されている。


2019年、プレバン限定商品として『METAL ROBOT魂』より「Hi-νガンダム ~ベルトーチカ・チルドレン~」が商品化。
同年の「ROBOT魂 ナイチンゲール」に合わせる形で再設計されており、[Re:Package]を元に頭部や上半身が旧画稿デザインにより一層近づいている。後に『スーパーロボット大戦シリーズ』にはこのバージョンの姿でも登場するようになった。
また、「ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」も合わせて商品化され、エフェクトパーツ等も付属する。

余談であるが、今回のナイチンゲールの原型師は過去にもガレージキット等でナイチンゲールを手がけ、同機に強いこだわりを持つ人物であることがインタビューで明かされている。
先述の通り、小説版νガンダムの商品化に際して「Hi-νガンダム」という名前が生まれた出来事には、ナイチンゲールのガレージキットの存在も少なからず関わっており、巡り巡って再びナイチンゲールに合わせたHi-νガンダムの商品が世に出ることとなった。


2020年末から2021年初頭にかけて、Hi-νガンダムをラインナップしたガシャポン『機動戦士ガンダム MOBILE SUIT ENSEMBLE』第16弾が発売された。
本シリーズの特徴として、シャープなデザインが特徴のMS本体と組み合わせるMS武器セットも同時にラインナップされ、Hi-νはフィン・ファンネルやHWS装備などが付属する。
また、プレバン限定商品として発売された「EX27 Hi-νガンダムセット」は本体の色味を変更し、ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーや可動ファンネル等が付属。同時受注の「EX26 ナイチンゲール」との同時ディスプレイもできる。


2021年、食玩『機動戦士ガンダム Gフレーム』では第12弾でラインナップ。
フレームとアーマーを組み合わせることで、『Ver.Ka』デザインのアクションフィギュアが完成する。
また、ビームライフルやシールド以外のハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー等の各種武装は、プレバン限定商品のオプションパーツセットとして商品化されている。


同年、食玩『ガンダムアーティファクト』では、約55mmのミニキットとしてナイチンゲール達と共に精密に表現されている。
「工業製品的なデザインアプローチ」によって、『ROBOT魂』や『Ver.Ka』ともまた異なるディテールのマッシブな体型となっている。


更に同年、重武装MSや大型MSをラインナップした「FW GUNDAM CONVERGE ♯Plus02」のラインナップとしてHWSが立体化された。
また、武装をまとめた拡張パーツセットも同時にラインナップされている。


そして遂に『RG』での発売が決定。
スタイルは旧版や『Ver.Ka』に近いが、そこから更にマッシブ感が増しており、プロペラントタンクは支柱のように延長&太くなっている。
カラーリングは公式版の青色中心なタイプで、淡い青色と濃い青色の二色に分けられている。この二色+白色の装甲パーツは組立段階で完全再現されており、シールや塗装をせずとも問題ない。加えて各所にメタリック基調のフレームパーツが追加されているのもあって煌びやかな印象が強くなった。
パーツがアンダーゲート仕様になっているので切断面が目立ちにくく、νガンダムに続いてフレーム構造はMG準拠のためアドヴァンスドジョイントを使用している箇所はごく僅か。
武装面は『Ver.Ka』基準だが、右腕部マシンガンの砲身はガトリングではなく単発式に変更された。

発売以前からプレバン限定商品としてハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーの発売が決定。8月という本体発売一ヶ月前の告知にも関わらず発送が翌月という高スピードだったので、本体発売に合わせてのセットだったと見ていい。
デザインは立体物としては初めてコミカライズ版を採用。その銃身は漫画本編と同様にRG(1/144)には不相応なほどに巨大で、MGのFAZZが持つ「ハイパー・メガ・カノン」と比べても遜色ない。
さすがにその大きさではHi-ν本体が支え切れるはずもなく、オプションパーツとしてMSジョイントが付属。ついでにエネルギーチューブと射出ユニットも付いている。

余談もいい所だが、このRG発売当時は既に転売屋が跋扈しており、このキットも予約開始後数分でどのサイトでも完売という始末だった。そして即座に無在庫転売が開始され、スタートダッシュに失敗した人に高値で売りつけようとする人が続出した。
そしていざ発売日になってみると、各店舗で大量の行列が並び、公式販売店であるガンダムベースでは一時間待ち等があるなど機体人気以上に何かを感じざるを得ない事態に発展。
この頃には小売店で独自に転売対策をしていたのもあって、SNS上では

『商品名を読めない人が列から弾かれた』
『店のカードを所持&購入履歴がある人限定』
『1人1個限定販売』
『購入時にランナーを梱包している袋を破り、ニッパーでランナーに傷を付ける事を強要された』

などの報告が続出。
更にはこの事態を予期していたのか、発売日前に公式の告知で年内に二度に渡る再販が発表。だが功を奏しているとはいえず、発売日から中古販売サイトでは倍額で売りに出している姿が散見された。
アムロが望んだ人と人が分かりあう時代を願った機体のはずが、その反対を突き進む更なるきっかけになるとは皮肉以外の何物でもなかった。


その後、2022年に「ガンダムベース」限定商品として[チタニウムフィニッシュ]が発売された。
全身のチタニウムフィニッシュによるコーティングのほか、関節・バーニア・プロペラントタンクの各部の艶消しゴールドメッキ、
ブルー・グレーの成形色に採用されたメタリックカラーにより、更に引き上げられた高級感や重厚感が特徴の商品となっている。


このように、2021年はガシャポンや食玩、集大成の一つであるRGが次々に発売され、ゲームでも『スパロボDD』と『スパロボ30』に機体が参戦するなど、Hi-νガンダムを目にする機会が特に多い一年となった。


2022年、『METAL BUILD』より商品化。また、プレバン限定商品としてハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー等がセットになったオプションセットが発売された。



ゲーム作品における活躍


アムロの最強機体として登場することが多く、その機体性能の高さから活躍の場は多い。

リアルロボット戦線

スパロボ関連作品。ナイチンゲールと共にゲーム初登場。
OPムービーではHi-νガンダムとナイチンゲールの対決シーンが描かれ、他のロボット達よりも時間が長い上にムービーの最後を飾っている。

Gジェネシリーズ

2作目『ZERO』からの参戦。
ニュータイプ・強化人間専用機ではあるが、攻撃・防御・機動性はゲーム内でもトップクラス。
更に能力の高いNTや強化人間を乗せるとフィン・ファンネルの射程がとんでもない超射程になるので、MPさえ大事に使ってやれば距離を気にせず戦える。
飛べないじゃないか等と言う贅沢な事は言わない事。そんなもんSFSやオプションパーツでどうとでもなる。

『Gジェネ魂』では強機体が比較的多めのアナザーガンダム勢が参戦していないため、その高い性能は貴重な主戦力となる。

『WARS』でも変わらず優秀な機体であり、ムービーでナイチンゲールとの戦いが描かれたり、アムロを乗せると一部演出が専用の物に変更されたりと優遇されている。

が、『WORLD』から弱体化し始め、多段ヒットだったビームライフルがダメージ計算式の変更のあおりを受けて威力が低下。
またνガンダムHWSが復活参戦したことで、火力や防御力はあちらに劣ってしまっている。

続く『OVER WORLD』ではさらに弱体化。
外装パージシステム実装によりνガンダムHWSが大幅にパワーアップし、素のνガンダムもビームサーベルのトドメ演出で殴り合い宇宙する中、
Gジェネ魂からほとんど演出に変化がなく、唯一変更されたバズーカのアニメーションはνガンダムのそれとモーションが全く同じ。
挙句の果てに、スペックが下げられてΞガンダムに負けてる始末……と、まさにHi-νの明日はどっちだ状態。

『ジェネシス』では通常攻撃のハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーが追加され、ようやく火力面が強化された。ただし消費ENもかなり多い。


スパロボシリーズ

α外伝』『第2次α』『第3次α』『D』『X』『T』『30』等の作品に登場。
実は『IMPACT』にも没データがあったりする。
以前はどの作品でも参戦作品が『逆襲のシャア』扱い(『CCA-MSV』ではない)だったが、『X』以降では参戦作品が『ベルトーチカ・チルドレン』になった。

初登場時の『α外伝』では明らかに他のユニットとは一線を画した、力の入りまくった戦闘アニメで強烈な印象を残した。
ほとんどの場合が隠し機体として登場するため入手フラグを立てなければいけないが、『D』はナイチンゲール共々無条件に入手可能という贅沢ぶり。合体攻撃こそ無いものの、Hi-νと共に戦えることに驚いた人も多いハズ。

機体性能はどのシリーズでもリアル系最強クラスで、アムロの能力と合わさってチート染みた活躍をする。
(ただし、『α外伝』の場合地形適応の悪さもあり最大火力の点では実はHWS装備型の方が上だったりする)
特徴として、フィン・ファンネルが再充電可能になったという設定に伴ってEN式に変更されている点と、MAP兵器のハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーを持つ点がある。
が、裏を返せばフィン・ファンネルが弾数制(である場合が多い)νに合わせてアムロを養成していると痛い目を見る場合もあるので注意。
余ったνは他のニュータイプパイロットを乗せてあげると良い。


久々の登場となった『X』では、グラフィックがリファイン版のデザインを採用している。
こちらのオールレンジ・アタックがパイロット制限がなく、逆にνのフル・オールレンジ・アタックがアムロ専用技なので
アムロをνに戻してこちらに別のパイロット(例えばフルクロスだとNTが活きないトビア)を乗せる方が有効だったりする…。

『T』では武装にトラップ・コンビネーションが追加され、オールレンジ・アタックのアニメーションが一部変更となった。
今回もアムロをνに乗せ、こちらに別のパイロットを乗せる方が有効である。ただし、アムロがHi-νで強制出撃するステージもあるので注意。

『30』では第1弾DLCとして登場。『DD』と同じく、2019年に発売された『METAL ROBOT魂(~ベルトーチカ・チルドレン~)』準拠のデザインに変更されており、『X』『T』からグラフィックが一新されている。

オールレンジ・アタックが無い(ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーが最強武装)代わりにフィン・ファンネルが移動後攻撃可能という変わった調整になっている。戦闘アニメーションもフィン・ファンネルの攻撃演出がオールレンジ・アタックを意識したものになっている。
やはりというか、アムロをνに合わせて養成していると噛み合わない部分が出てくる。FA百式改に機体性能が近い部分もあるので、大体はクワトロを乗せることになる。それ以外ではフェネクス乗り換え前のヨナ・バシュタとの相性が良い。
他を誰か乗せようとした場合、本作はニュータイプが少ないので、能力値でかみ合うのはバナージぐらい。そのバナージもデフォルトはBセーブ優先のシルヴァ・バレト・サプレッサー。性能が微妙なシルヴァ・バレトに乗せたままにするプレイヤーなんてまずいないが バナージの場合はナラティブガンダムとの選択になるか。
ここまでのパイロットを外していくと、残りの選択肢はファかオデロと二軍キャラになってしまう…。『30』は本当にニュータイプが少ないのである。
ただしνのオールレンジアタックにパイロット制限がなくなったので、アムロがν一択という状況はなくなったため、最初からHi-νありきでEセーブ育成で乗せるのも十分あり。

今作では解体されたシンギュラリティ・ワンのサイコフレームを流用して作られた他、オリジナル設定で初代ガンダムのものを発展させた学習回路を搭載しており、初登場時からアムロと異常ともいえる程のマッチングを見せた。


マジンカイザー真ゲッターロボ、そしてHi-νガンダムは正に最強の御三家と言えるだろう。久々に揃った30では真ゲッターが前座扱いで初登場後リストラされるとは夢にも思わなかっただろうが

余談だが、スパロボにおけるHi-νガンダムのSDイラストは、リファイン版が『X』の期間限定生産版パッケージイラストで初めて描かれた。
また、カードゲーム『スーパーロボット大戦 スクランブルギャザー』第9弾(2001年)では、Hi-νのカードで旧版のSDイラストが描き下ろされている。色はゲーム内グラフィックと異なり青バージョン。


A.C.E.シリーズ

スパロボとの関わりも深い本シリーズでは、4作目の『Another Century's Episode R』に隠し機体として登場。


EXVSシリーズ

家庭用版の初回封入特典より初参戦。コストは3000。
アーケードでは2011年12月に解禁で、家庭用より後のタイミングでのリリースにして最終アップデートの追加機体となった。
デザインはリファイン版でかなり細めの印象を受けるが、殴る蹴るなどの激しいアクションや多彩な攻撃を繰り広げるのでガッシリとした体格よりかは見栄えが良く、却ってこちらのデザインで登場してよかったと当初の不評を覆す評価を得た。

その性能だが、対戦ゲームの機体であるため、他のシリーズと異なり同コストのνガンダムの上位互換にはなっておらず、各所で差別化されている。
具体的にはファンネルバリアがある守りのνと、フィン・ファンネルが増えた攻めのHi-νと言った感じ。

νガンダムとの最大の違いは特殊格闘の「サイコ・フレームの共振」。
これを使用すれば機動性とロック距離が強化される他、フィン・ファンネルの最大弾数が18になり、1基から2発ビームを撃つ。
フィン・ファンネルの数が倍になると考えたらだいたい合ってる。

更に、ラックに1基以上フィン・ファンネルがあると自動カウンターでビームを1発撃つようになる。
とはいえ成功しにくいのであまり期待しないこと。

デメリットは、特格終了時に最大弾数が元に戻り残弾は0になってしまうこと。
さらに「サイコ・フレームの共震」発動中に覚醒をしてしまうと、覚醒途中でフィン・ファンネルの残弾数が0になってしまう。
発動中の覚醒は控えた方がいいだろう。

覚醒技は「ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」。
発生も速く威力も高い為、相手の着地を狙って発動するといいだろう。

発射時はフィン・ファンネルバリアが展開され、射撃攻撃ならばどんなものでも一度だけ防いでくれる。
ただしファンネルを五つ残しておかなければバリアは展開されない。

総評としては、残念ながら3000コスト内ではイマイチ。
解禁当初から自衛力・攻撃性能の微妙さがネックになっており、押し付け武装持ちや高機動格闘機への抵抗力が低く、攻め込まれると辛い。
「共振」時のフィン・ファンネルの強さは折り紙つきであるが、それ以外の武装がパッとせず、
射撃戦をするにも、各分野のスペシャリストには押されやすい。
ただ中距離射撃機のストフリノルン最強時代に行われたMAXI BOOST全国大会では、時間無制限であることも手伝って、
両機に有利とはいかないまでも「共振」待ち戦法が刺さっており、全国覇者をあと一歩まで追い詰め、惜しくも敗北したものの結果はベスト8と大健闘した。

ちなみにMAXI BOOSTではライバルのナイチンゲールも解禁。リリース当初は悪鬼の如き猛威を奮った赤い彗星に多くのアムロが赤ちゃんのように泣いた。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2
そしてHi-νにも転機が訪れる。
まず稼働時に仕様が大幅に変更され、
  • 射撃CSが移動撃ち可能な腕部マシンガンに変更
  • 格闘CSがバズーカとなり、特殊射撃が高性能なハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーに変更
  • 共振がEXバースト中限定となった
  • 特殊格闘が常時共振中格闘を振れるようになった
と、かなり使用感の変わる修正を貰っている。
只、この時はあまりの使用感変化と環境の影響等であまり振るわなかった。

それから半年後、作品タイトル更新タイミング以外ではほぼ無かった武装の大幅変更や新規武装の追加などを多数行う初の試み「リフレッシュ修正」の対象に選ばれた。その結果、
  • サブ射撃は移動撃ちも可能なバズーカ連射に変更
  • 格闘CSはファンネル展開となり弾数制限が無くなった
  • 下格闘のプレッシャーが全機体中最強の性能に変貌
  • 特殊射撃が性能そのままにEXバースト中は弾数が倍
となり、今までは受け身の姿勢で事故を期待していたプレイスタイルが、前へ前へと攻め上げる機体となっていった。
同時に後の時代にも言われる通り本作はインフレの極致とも呼ばれたほど性能が吹っ飛び過ぎていた機体が多く、本機もその筆頭として君臨し次回作では本機の強かった部分が全体修正として調整されたと言っても過言ではないほど最強だった。
その程度は2回弱体化が入るまでの1年間、オンラインには赤ちゃんの声が聞こえ続けたくらいで、Hi-νのゲロビに焼かれてLOSEの文字を見た人は数知れず。

次回作の『EXVS2XB』では、下方修正を受け一気に首位から転落。
…が2022年3月17日アップデートにて数多の調整待ち機体を押しのけて上方修正が決定。
とはいえ全盛期の性能は取り戻せず、あくまで現在の環境に順応したものに落ち着いている。慰め程度の強化点も多い。

EXVS2OB』ではサイコフレーム共振が再度コマンド化。
特殊格闘が時限強化中しか振れなくなり弱体化と嘆かれたが、EXバーストを挟まなくとも強化状態に入るメリハリが付いたため、強弱合わさった結果と呼べよう。

そして本作でもこの機体はやらかした。
2024年2月のアップデートで、共振中にメイン射撃を撃つとファンネルが1基自動で射出されるように変更された。
共振中なので2発撃つファンネルを弾数無限で発射できる状態が弱いはずがなく、最大6基のファンネルが本体の攻撃とは別に動いて攻撃してくるため、足を少しでも止めたら引っかかってしまう。
しかもあまりにこの調整が強すぎたせいか『通常状態は下がって自衛に専念→共振状態はメインを撃ってファンネルが引っかかった敵を追撃する』というプレイスタイルが常態化。攻めに来た相手にはサブ射撃なりプレッシャーなりで迎撃すればよく、程よい銃口補正と迎撃能力が揃った本機には難しくなかった。
更にEXバースト中も共振状態となる仕様はそのままなので、Sバーストで回転率を高めてしまえば特殊格闘の共振⇒EXバーストの共振⇒特殊格闘の共振ができてしまう。
対面したプレイヤーが精神崩壊して赤ちゃん化するとまで言われた共振時の性能は、かつてのEXVS2のようなお手軽さで環境に君臨している。

翌3月には通常時の機動力の大幅な低下と非ダメージ時の迎撃ファンネルの仕様削除という無きに等しい弱体化を受けた。

機動戦士ガンダムバトルオペレーション2

サービス開始5周年の23年7月に実装された700コスト汎用機。出展はベルトーチカ・チルドレンとなっているため、同コスト同カテゴリに存在するνガンダムの発展後継機ではなくバリエーション扱い。*2
νガンダムが3周年機体だったため2年越しの追加であり、福岡νことRX-93FFも23年6月に実装されているため本ゲーム3機目のνガンダムとして、ナイチンゲールと共に5周年のタイトル画面を飾る。
ファンネルを味方に付与できる武装「F・ファンネル[援護]」やファンネル展開中に自機の火力と機動力が向上するスキル「フルアタック」、各補正とCTが優秀なビームサーベル格闘が特徴。
空中戦を補助する各種スキルも充実しており、豊富なスラスターを活かしてフライト機にも迫る三次元戦闘でファンネルを飛ばしながら格闘戦を繰り出す機体。
条件が許せばそれこそスパロボの「フルアタック」のような、複数の射撃兵装で先制・追撃→サーベルで切り込みダウンを取り、ファンネル射出→スキル効果で火力を上げた格闘or射撃でトドメ、と言う大火力コンボを叩きだせる。
欠点は火力を出すためには敵か味方にファンネルを展開しながら格闘も捻じ込むと言う別種の操縦を頻繁に要求される事と、耐ビーム補正がこのコスト帯の機体としては異様に低いこと。
どちらもビーム射撃戦が主体となっている現在の700コストと噛み合っておらず、射撃戦もできないわけではないがそれだけしかやらないならもっと他に適した機体がいる
他機体に類を見ない独特な兵装回しの習得を前提としつつ、格闘や三次元戦闘を押し付けやすいマップで強みを発揮する上級者向けの機体。


その他


BB戦士三国伝』に登場する「天翔竜 孔明νガンダム」は、Hi-νガンダムをモチーフの一つとしている。
展開の都合上、『SDガンダム三国伝』には未登場。


明貴美加氏が描くガンダムエースの『モビルスーツガール』(MSG)では、2014年10月号にてMS少女になった。


Hi-νガンダムのライバル機でサザビーの強化発展機であるナイチンゲールは、今のところリファインされる様子はない。
現在はHi-νの方は基本的にスリムなリファイン版の設定画が採用されるため、両機体が並べて掲載される様子はなかなかチグハグな雰囲気である。
一応、コミカライズ版ベルチルではHi-νと同じく柳瀬氏による作画資料の立ち絵や設定画は用意されている。

また、人気に反してガレージキット等を除き商品化の機会に恵まれていなかったが、上記の通り2014年にRE/100として遂にガンプラ化を果たした。



(冥ω殿)「Wiki篭りッ! 何をするのだっ!」

Wiki篭り「確信が持てるまでは、なんでも追記・修正してやる! それが荒らしで項目を汚した我々の仕事だっ!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/



(*1) データコレクション(7) 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア、メディアワークス、1998/7/27、P.9
(*2) 機動戦士ガンダム MS大全集2009、電撃ホビーマガジン編集部、アスキーメディアワークス、2009/8/21、P.61
(*3) GUNDAM WEAPONS 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア編Ⅱ、ホビージャパン、2009/3/31、P.10
(*4) 月刊ガンダムエース 2017年5月号 No.177、KADOKAWA、2017/3/25
(*5) MG 1/100 Hi-νガンダム Ver.Ka、バンダイ、2014/8/30
(*6) MG 1/100 Hi-νガンダム Ver.Ka用 HWS拡張セット、プレミアムバンダイ、2014/9/5
(*7) マスターアーカイブ モビルスーツ RX-93 νガンダム、SBクリエイティブ、2019/7/20、pp.96-103
(*8) 月刊ホビージャパン 2010年9月号、ホビージャパン、2010/7/24、P.57

+ タグ編集
  • タグ:
  • UC
  • 宇宙世紀
  • MS
  • MSV
  • ガンダム
  • ガンダムタイプ
  • CCA
  • 逆シャア
  • 逆襲のシャア
  • ベルトーチカ・チルドレン
  • CCA-MSV
  • 出渕裕
  • カトキハジメ
  • Hobby_Japan
  • ホビージャパン
  • νガンダム
  • Hi-ν
  • Hi-νガンダム
  • RX-93-ν2
  • アムロ・レイ
  • コウジ・マツモト
  • ビギニング
  • ユウキ・タツヤ
  • ビルドファイターズ
  • 孔明
  • 胚乳
  • 胚乳ガンダム
  • Gジェネ
  • スパロボ
  • ACE
  • EXVS
  • 主人公機
  • 最強
  • 宇宙世紀最強クラス
  • 優遇
  • ファンネル
  • フィンファンネル
  • コメント欄ログ化項目

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月07日 03:23

*1 実際はフィン・ファンネルはジェネレーター搭載式であり、ビーム発射やファンネル関節部の稼働用エネルギーなどは自活可能なので推進剤の補給の意味が強い。

*2 デフォルトのカラーリングやプロポーションもスパロボ30と同じく『METAL ROBOT魂(~ベルトーチカ・チルドレン~)』準拠のデザイン