カンピオーネ!

登録日:2011/03/28(月) 02:36:53
更新日:2024/04/09 Tue 10:34:23
所要時間:約 25 分で読めます




草薙護堂は神殺しである。


『カンピオーネ!』とは、集英社スーパーダッシュ文庫(以外SD文庫、18巻からは『ダッシュエックス文庫』*1)より出版されているライトノベル。通称『カンピ』。
2017年11月に全21巻で完結し、2019年4月に後日談となる「カンピオーネ!EX」が発売された。
著・丈月城/イラスト・シコルスキー

2012年夏にアニメ版…っぽいパチモノが放映された。あえてフォローすると、ヒロイン全員とのなれそめを放送するには5巻分まで進める必要があり、これを12話でまとめようと努力?した結果ではないかと思いたい。

また、本編完結直後から始まった『神域のカンピオーネス』は本作世界のパラレルワールドを舞台にしており、カンピオーネス4巻限定版付属のオーディオドラマに本編世界から旅をしてきた護堂がゲスト出演*2
そして2020年には本作と『神域のカンピオーネス』双方の続編として『カンピオーネ!ロード・オブ・レルムズ』が発表されており(既刊1巻)、同作冒頭はオーディオドラマのリライト版となっている。


【あらすじ】(1巻より)
神を殺した者は神の権能を得る。そしてその力を得た者は王者『カンピオーネ』と呼ばれ、覇者とも魔王とも称される。
そんな高校生・護堂の求めるものは平穏な日々。
しかし魔術師にして自称護堂の愛人・エリカがもたらすのは荒ぶる神との邂逅!? さらには、媛巫女・祐理も護堂に接近!?
新たな神話を紡ぐバトルファンタジー開幕。


【概要】
カンピオーネとはチャンピオンのイタリア語読み。
パッと見るとそこらにある『ハーレムもの+ちょいバトルラノベ』と思ってしまうかもしれないが、この作品はちょっと違う。
まず、言葉通り正真正銘のハーレムが築かれていること。
取り合いや嫉妬はするものの、独占しようとする少女は一人もおらず、超法規的存在であるためハーレム形成に何ら問題が無い。
これは結構珍しい。他には『天地無用シリーズ!』くらいだろうか。

もう一つはバトル内容が非常に濃いこと。また、作者の神話・伝説などに対する知識量も半端なく、その知識をもとに独自解釈などを行っているが解釈の根拠なども説明してたりするのでかなり丁寧といえる。
こちらは神殺し、相手も神様や神殺し。派手な戦いがバンバン繰り広げられ、スケールもかなりデカい。
主人公を含め神殺しや神のほぼ全員が山や町・島の一つは苦もなく壊滅できる上に、ただでさえ生命力が強いのに何らかの蘇生・不死能力をもつといったことからそのチート具合がわかる。
そのため、周囲への被害も大きく、戦うたびに観光名所や世界遺産が破壊されている。他の作品のようにピンチ→覚醒と安易にいかず、戦い方で勝利するのが多いことも評価が高い。
元々が最強クラスなので、これ以上ポンポン覚醒されても困るが。量も豊富で、ほぼ一冊丸々バトルのこともある。

なお、この作品では主人公をはじめとしたカンピオーネや敵である神は自分の欲望のまま周囲の迷惑も滅多に考えずただ暴れたり、目的を遂げようとするだけである。
人間の思惑などは彼らの前では何ら意味を持たずそれらを粉砕・無視して周囲の迷惑をよそに好き勝手するといったものなので、陰謀や権力争いといった要素が煩わしく感じてきた方にもお勧め。

作者曰く「超必殺技しか持たない主人公が、途中のレベル上げ行程をすっとばして大ボス(神さま)と戦う物語」とのこと。
ちなみにSD文庫の中ではかなりの売れ行きがある人気作。


【登場人物】
  • 草薙護堂
CV:松岡禎丞
我らが第一級フラグ建築士
主人公で高校一年。通称『護堂さん』。
一巻が始まる前の中学三年の春休みに軍神ウルスラグナを倒して神殺しとなった、現在最も新しい魔王。
性格は、結構真面目で平和主義、と自分では思っているが、そもそも、異常な強さを誇る神さまを殺してカンピオーネになる人間が平和主義なわけがない。
常識は知っているため表面上はそれに則ろうとするが、それを遵守するという気はさらさらなく結局は自分のしたいようにやるという常識人の皮をかぶった暴君ともいえる。
当然、周りからの評価は全然違い「一度スイッチが入ると、どんな手を使っても勝利をもぎ取りに行く」と言われており、平和主義者とは誰も信じていない。
ちなみに「日常」における様子のみでも「普通」とはいいがたい発想を取っており、幼馴染の徳永明日香ですら、一般人だった時から「どこが普通?」と評価している。

初期の巻では常識人としての皮があまりはがれない程度の状況だったため、男気はあるがヘタレているようにもみえる。しかし7巻あたりから、その本性をあらわにしていく。
その本質は、「俺の力を当てにするなら、大多数の命より知人一人を優先しても口出しするな。文句あるなら、自分がやれ」と宣言する魔王様
また、敵と出会うと交渉から入るも断られしぶしぶ戦っているように見えるが、実際には全力を出せる真剣勝負を楽しんでいる節もあり穏便にすむ選択をとらないなど本質は好戦的。
常識人や文明人を気取っているが、「今、女に手をつけると牙が鈍って死にかねず、女だけ残して死んでもおかしくない身の上」「身の保証ができる甘い闘争の人生ではないので、命含めて全部俺に捧げる奴だけついてこい」「俺の女を害したら、守れなくても地の底まで追って必ず殺す」となかなかシビアな言動をする生粋の戦士である。
このように、一応女性に手を出さない理由が単なるヘタレからくるものではなく立場の自覚などからきているようだが、「前言撤回してすぐさま状況に順応する」「一度タガを外せば後は開き直って行動する爆発力がある」などと言われているため、いつ手をつけても不思議ではない雰囲気。
そして滅茶苦茶モテる。本人が気付いていないだけで幼少期からモテまくっており、現在ではハーレムメンバー5人+義姉が出来た。
結局エンディングと「カンピオーネ!EX」で描かれた後日談では旅から帰る度に居合わせたメンバーとベッドインするいちゃラブハーレムを築いている。

カンピオーネとなる前から同年代では日本一クラスの捕手兼四番のシニア野球選手であり、明日香曰く「野球漫画のライバルの様な」とにかく勝ちに行くスタイルを無意識に取っていた。
小学生の分際で友達が困っていると聞くや東京から岡山へ直行する(旅費は自費)程行動力が高く、情に厚く性別年齢国籍問わず友達も多いなどモテて当然のポテンシャルといえる。
これにはモテ男な祖父等を見て育ったことも影響しており、家族や友人は「これで積極的な女好きになったらどうしよう…」との危惧を抱いている。
ちなみに、持ち前の博才で毎年親戚一同とのギャンブルで大勝しているため満漢全席注文可能とされるほどの貯金(おそらく最低でも数十万)を持っており、前述の旅費はここからでている。
またダイニングバーでバイトをしており、エリカ達との勉強会場として借りた時「こんな高校生ってあり?」と、魔術師という特殊背景を持つヒロインたちに突っ込まれた。
祖父の女関係に悩まされた祖母による教育などから、女性を異性として意識すると振り回されがちだが決めるべきところは決める。
また、一筋縄ではいかない女が趣味なため振り回されることをむしろ楽しむ天の邪鬼だと心の奥底では自覚しており、状況によっては逆に女性の方が『護堂さん』の言動に翻弄される。

ちなみにファンからも
  • ヘタレない
  • 一度決めたら突っ走る
  • 5P
などから頗る評価が高い。

保有するのはウルスラグナを殺して奪った《東方の軍神》で十の化身を基本一つずつ用いる(併用は負担が大きいのであまり使わない。また使用後一日程おかないと再使用不可能*3。()内は発動条件。
  • あの世などの異世界間移動も可能な瞬間移動《強風》、つまりはピンチでのヒーロー参上(風が吹く場所で呼ぶ人が生命の危機に陥ること)
  • 行使対象に比例して筋力を増加する《牡牛》(大地に接していて、相手が人外の怪力を持っていること)
  • 余波だけでビルを一発で瞬時に溶解させる威力の太陽光線《白馬》(相手が民衆を苦しめるほどの大罪人であること。16巻では護堂自身を標的にしても発動した
  • 人類最高峰レベルの格闘能力を得て、回復力とタフネス・キック力を増強する《駱駝》。(刺されるなどの重傷を負うこと)
  • 動くだけで周辺にM5レベルの地震を起こし咆哮で衝撃波を放つ全長20mの猪型神獣を召喚する《猪》アニメでは何故か投げる(召喚後に10t以上の物質を破壊すること)
  • 永遠の従属を誓った相手に加護を与え、超回復+地力の強化+防御力だけカンピオーネ級になる《少年》(自分を守るために戦った人物が危機に陥ること。また加護はディープキスで与える*4)
  • 稲妻以上のスピード、身軽さ、感覚へと加速する神速状態になる《鳳》(高速の攻撃を受けること、但し一定時間が過ぎると胸の痛みと麻痺で行動不能になる。また加速状態の制御が難しめ)
  • 発動すると昏睡状態に陥り全ての傷を治療し、数時間後蘇生する《雄羊》(瀕死の状態であること/即死した場合は使えない、また権能になれるにつれダウン時間が少しずつ短縮されている)
  • 周囲の人物と感応し生命力を奪って魔力に変え、雷撃を操る《山羊》(周囲の人々と心が1つになること。感応力を用いてある種の洗脳ないし思考誘導した結果でも可)
  • 神々をも切り裂き、その力の封印さえ可能な対象に対する知識を唱えて言霊の剣をつくる《戦士》、剣というより有限だが大量の飛び道具発射後述するがアニメでは別物(相手の神について詳細な知識を得ること*5

さらに話が進むにつれ以下の権能も手に入れた
  • スサノオの神剣《天之叢雲》を「相棒」とし、「彼」の力「相手の権能一つを一時的に劣化コピー」「所有権能の集中・強化」を振るう(6巻から)
  • アテナ・天之叢雲の権能との合体技にして、アテナから譲られた「「ブラックホールを出現させて地形レベルの範囲で敵を殲滅する」秘法《黒の劔》(最初護堂単体では制御し切れなかったが、その後キルケーからの「知恵」《暁の秘録》で安定)
  • 守護霊と化したランスロット・デュ・ラック(本作では槍の武神設定)を10分間だけ具現化させられる《白き騎士の突撃》(19巻から)
+ 以下、最終巻及び最終巻購入記念限定小冊子収録情報のネタバレ
  • 高熱・閃光系攻撃を吸収する「影」を呼び出す《太陽を喰らう者》(本編では「ハヌマーンの影」)
  • 「運命の糸」の齎す束縛を断ち切り拒絶し、その糸を別な者に結び付けもする《反運命の戦士》


実質どの権能も異能バトル系ライトノベルでは必殺技、覚醒して発動する真の能力レベルであり、発動条件こそ厳しいものの、その戦闘能力はまさに『神』の領域に至っている。
……もっとも、対峙する他の神々やカンピオーネも、同等以上の戦闘能力を持っているわけだが。

総括すると、カンピオーネという法律外の立場、人類を代表した戦いに勝つために有能な人材(女性)を周囲におくという大義や状況、本心ではハーレムそのものに忌避感が無く女性の尻に敷かれるだけではない性格、モテるのも納得な能力の持ち主というハーレム形成に何ら障害が無い逸材である。
当人が戦闘能力豊富(かつ能力多数保有)であるという点も含めて、無自覚鈍感系ハーレム主人公にして幻想殺し一本絞りの上条当麻さんとは正反対だと言える。

ちなみに、《戦士》の化身は切り札であると同時に見どころとなっておりその神の薀蓄(言霊を唱える必要がある)、相手が切り札であるこの剣にどう対処するか、カンピオーネならどの権能を封じるのかと楽しめる。
剣というが実際には様々な形態に変化できる有限だが多数の光の玉を飛ばしているといった方がイメージしやすい。
護堂自身は武術の心得や天才でもないため、才能もない素人が剣で戦うなんてバカなマネという本人の言があり精々渾身の一太刀を一度入れるぐらいだが、アニメではチャンバラをさせられ本来は異空間形成なぞしないが某赤い弓兵を髣髴させる固有結界と化した
しかし、小説の描写とアニメの演出を比較すると結局戦士以外はアニメの方がしょぼ過ぎるものであった。

  • エリカ=ブランデッリ
CV:日笠陽子
ヒロインその1。イタリア人の高校一年。
イタリアの魔術結社<<赤銅黒十字>>に所属する『大騎士』の位階を持つ魔術師。魔剣「クオレ・ディ・レオーネ」を振るう。
護堂の自称「愛人」。
護堂を愛していると言って憚らず、自分の美に絶対の自信を持っている。
基本ハーレムを取り仕切っているのも彼女。後半~エンディングでは独自の支援組織「円卓同盟」を結成している。
頭が切れ、戦いからサポートから何でもそつなくこなすオールマイティーなタイプ(得意魔術が金属操作の錬鉄術と身体強化なので攻撃寄り)。
頭が切れるだけあって策略が得意。交渉ももっぱら彼女の担当であり、護堂からの信頼も厚い。
滅多にないが、拗ねると可愛い。「カンピオーネ!EX」ではついに護堂の子を身籠るが…。

  • 万里谷祐理
CV: 花澤香菜
ヒロインその2。高校一年の巫女
日本に存在する巫女機関に所属する媛巫女。大和撫子を地で行く性格で、礼儀正しい。言葉遣いも敬語。
当初は護堂の噂のみを聞き、女にだらしない男だと思ってあまり良い感情はなかったが、共に戦っていく内に変化。
今では「機関と護堂のどちらかなら護堂を選ぶ」とまで言っている。
戦闘は完全なサポートタイプ。多種の回復魔法から霊視までなかなか幅広い。
護堂の切り札である『戦士』の化身は『相手がどんな神様か詳しく知っていること』が重要なので、彼女の霊視は特に重宝されている。
護堂によると最も気が合う女子らしい。
正妻ポジション。

  • リリアナ=クラニチャール
CV:喜多村英梨
ヒロインその3のイタリア人。高校一年。
護堂の自称『騎士』。
エリカとは幼なじみで、強敵と書いてライバルとも友とも呼ぶ関係。エリカの愛剣と対になる魔剣「イル・マエストロ」を振るう。
所属結社もエリカの所属する<<赤銅黒十字>>のライバル結社<<青銅黒十字>>で、位階もエリカと同じ『大騎士』。
堅物と言ってもいいほど真面目で、直情的な性格。
騎士であり魔女でもあるため、霊視も使用することが出来る。
護堂のハーレムをエリカに代わって取り仕切ろうとするが、その直情的な性格もあってエリカにあっさりと丸め込まれてしまっている。
が、エリカがいない時は仕切るのは彼女の仕事。
料理や家事が得意なので、執事ポジションに落ち着いている。

  • 清秋院恵那
CV:斎藤祐圭
ヒロインその4。16歳で高校には殆ど行っていないが、教養はある。
護堂のことを「王さま」と呼ぶ。
万里谷祐理と同じ巫女で、その筆頭。同じ巫女だけあって、仲が良い。
自由な性格で、結構がさつ。
だが小さい頃から巫女の修行をこなしてきただけはあって、実際は祐理と同じく大和撫子。礼儀云々も完璧にこなせる。
巫女の筆頭だけあって能力も非常に高く、ハーレムメンバーの中ではトップの実力。
天叢雲劍(あまのむらくものつるぎ)を用いて戦う。また天叢雲劍が護堂の相棒も兼ねるようになってからは、劔を通じて簡易通信等も可能になった。
神がかりというとても珍しい特殊能力を持っており、あまり俗世に染まると使用できないため高校はもちろん人里に下りるのも避けて山中などで過ごすことが多い。この力を使った時はあくまで少しではあるもののスサノオの神力を体に宿すことが出来る。
その時の力は、さすがに神さまには通用しないが、神獣クラスなら互角に渡り合うことが出来るほど。作中ではよくて万分の一程度の力と言われているが神でもある天叢雲劍のサポートもあって神様の力にもある程度抵抗はできる。
また、感覚が優れており、気配察知などにかけては天性の才覚を発揮する。

そのさっぱりとしたざっくばらんな性格や、理論でなく感覚で戦うところなど、対極に位置するためエリカからはハーレムの自分の位置を揺るがしかねないと警戒されている。
実はキスなどには免疫がなく、その時の恵那はすごく可愛い。

  • 万里谷ひかり
CV:加隈亜衣
ヒロインその5?
祐理の妹で12歳の少女。
魔力を打ち消す禍祓いという貴重な能力をもつ。
初めは護堂と普通に接していたが、ある事件で陥落。「カンピオーネ!EX」で正式に護堂ハーレムに加入した。
祐理より頭が柔らかく、世渡り上手?


  • サルバトーレ・ドニ
どんなに才能を持ち努力をしても弱い奴は大抵弱いまま、生まれつき強い奴は何も学ばなくても強い
CV:江口拓也
6人目のカンピオーネで24歳のイタリア人青年。人類最強クラスの剣士。
人懐っこく鷹揚な人物に見えるが、実際には戦い以外は興味対象外であるために気にしないというだけで他人の名前やその他の知識もろくに憶えようとしない。
自分の剣技を磨くことしか基本頭になく、その手段として同格の者(神やカンピオーネ)との真剣勝負を望んでいる。
ネットゲームや食事など娯楽も好きだが何よりも戦闘を第一とする快楽主義者で、戦いに関係することなら狡猾に立ち回れる上、都市一つを壊滅の危機に追い込んだりする危険人物。
元々はエリカやリリアナ同様騎士(魔法剣士のようなもの)としての修行をしていたが、呪力を体質的に使用できない落ちこぼれであった。魔王になってもセンスがないため呪術は一切使用不可。上記の発言も人生全てを剣に捧げるほどの修行をした彼が言うと説得力とある種の残酷さが伺える。

所有する権能は、
  • 《斬り裂く銀の腕》:握った武器(木の棒でも可)を全てを斬り裂く必殺の魔剣へと化す。その傷はなかなか治癒しない魔性の傷になり、斬撃を飛ばして塔や軍勢を一刀両断したり、一太刀で対象の物体を八つ裂き・爆破などができる。裏技としては「一度魔剣化したものを精神集中によって遠隔操作」なんてのがあり(元が落ちこぼれ魔術師なため時間を食うのが欠点)、20巻ではその応用によって小惑星を落下させた
  • 《鋼の加護》:自身を半ば不死と化す鋼の体にして、よほどの攻撃でないと効かなくなる。また、空気なしでも活動できる。
  • 《いにしえの世に帰れ》:周囲一帯の文明を中世レベルまで退行させ、それ以後発明された物を機能させなくする。
  • 《聖なる錯乱》:自分の権能を含め魔術などの神秘的なものが制御不能になり、暴走する。
の4つのみ。
「地球上の全武力でかかっても太刀打ちできない」とエリカは評しており、炎や雷を含めほぼ全ての攻撃が効かない鉄壁の防御力+究極の攻撃力を有する権能、それに加え人類最高峰の剣士であることからこの評価も妥当といえる。
更には、周囲において近代兵器や魔術を使用不可能にするなど白兵戦に特化したシンプルイズベストともいえる権能ばかりである。


  • サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン
私は闘争が好きだ。狩りやゲームも悪くないが、その次ぐらいに横暴も好んでいる。
CV:石塚運昇
約300歳という最古参の男性カンピオーネで、戯れで侯爵の地位を奪い取ったためヴォバン侯爵と称される。
ちなみに「デヤンスタール・ヴォバン」の由来は侯爵となった時その城にいた猟犬3匹の名を拝借したもの。
カンピオーネの中でも最強の実力者であり、どこぞの幼稚園児とちがい文字通り嵐を呼ぶ男。
護堂同様、魔術や体術など知らずにカンピオーネとなった。

大学教授然とした知的な風貌だが、主に闘争欲といった自身の欲望を満足させることを目的に生きている。
遊びで虐殺したり、退屈なので神殺しをしたいという理由で大勢を生贄にした儀式を行ったりするため、下手したら神よりも人間にとっては凶悪という獣や正に魔王といえる人物。
退屈を最も嫌っており、ゲーム好きでボクシングなどのスポーツ関係にも手を出したことがあるらしい。

所有する権能は、
  • 《貪る群狼》:馬サイズの狼を何百・何千匹も召喚したり、他者を永久に狼の姿へと変えられる。ヴォバン自身も体長約30mの巨狼となって、野獣のように戦う。
  • 《死せる従僕の檻》: 殺した人間や神獣を自分に従属させ、殺しても短時間で復活可能なゾンビ状態にする。ぶっちゃけ復活する穢土転生。神獣は手元に召喚できないので本拠地のバルカンで待機。また、幽霊も看破して嘘をつかせることなく尋問できる。
  • 《疾風怒濤》:嵐つまりは風・雨・雷を操れる。全力を出せば国家規模の天候操作が可能。この権能により気が昂っただけで周辺が嵐になる、雨男ならぬ嵐男であるため、この時点で非常に迷惑。
  • 《ソドムの瞳》:透視・遠視能力を得て、視認した生物全てを塩の塊にする。カンピオーネや神には全力を注いでも一部分だけ影響を及ぼすか刹那止めるのがやっと。
  • 《冥界の黒き竜》:灰になっても最低一回は復活できるようになるが、魔力が全快するまで1-2ヶ月はかかる。本来の使用法は、体は無防備になるが、霊体となってアストラル界へも移動可能な黒竜へと変身すること。
  • 《劫火の断罪者》:最低でも都市一つ覆い尽くす炎を天から落とす。炎は最長で7日7晩燃え続ける。
このように、判明しているだけでも戦争向きのものが多く、無数の魔獣召喚・殺すほど増える不死身の軍勢・視認されると即死etcと世界征服をしてもお釣りがでる能力ばかりである。
+ 以下、最終巻購入記念限定小冊子収録情報のネタバレ
  • 《血の聖餐祭》:血を嗅いだり見たり味わったりしたものたちを狂暴化させ、強力な殺戮者へと変貌させる。
  • 《生きた呪文書》:魔術師から魔術を簒奪し「口を持つ呪文書」として保存、呪文書に命令して記した魔術を自在に発動させる。《死せる従僕の檻》入手後は「読書・検索が面倒」・「直に殺して使役した方が楽」だと放置していたが、『神域のカンピオーネス』2巻では(恐らくは死亡→転生の副作用による《死せる従僕の檻》喪失から)、「魔導書が美少女化して命令に応じて魔術を使う」形に権能をアレンジして使いやすくした。

  • 羅翠蓮(ら・すいれん)
200年前から現在も生きているカンピオーネの最古参の一人。自らの魔術結社《五嶽聖教》の教主。
羅翠蓮は本名だが、周りからは羅濠(らごう)教主と呼ばれている。いつもは中国の廬山にある自分の住み家に引き込もっている。
傲岸不遜な性格で、自分は至高の存在だと堂々と言っている。普通は最低でもカンピオーネや神様でなければ視界にも入らない。
これは嫌っているわけではなく、単純に興味が湧かないため。
例え部下といえど許可せずに自分を直接見聞きしたら目や耳を潰させ、下々の者には配下や人形越しでしか伝言すら言わない社会不適合者というか社会破壊者である。
おまけに蒸気機関の発明から人類社会の堕落は始まったと公言し、自らの住み家には携帯電話すら持ち込ませず、
発見次第すぐに破壊するほどの極端すぎる自然生活主義者。
稀に弟子を取ってもおり、本編で一人、『神域のカンピオーネス』である姉妹を指導したが、弟子たちは強くなったものの前者はすっかり女嫌いとなり、後者では「お師匠さま」と彼女を呼称する程調教されるもそれぞれチャンスを見つけ出ていく程スパルタ教育を施している。


ある事件で来日。護堂と死闘を演じる。
そしてあることで『他人には譲れない→なら他人じゃなくなればいい→今日からお前は義弟です』となり、気付いたら護堂の義姉になった。
適当に書いてるようだが、これが真実だから困る。
護堂が義弟となってからは厳しいようでダダ甘。すごい可愛い。

能力は最古参だけあって申し分なく、(ドニを超える)人類最高峰の格闘能力+魔術の使い手なので実力はおそらく作中トップ。
武道の達人で、なんと空気や水なしで生きられるという怪物っぷり。
正直負けるところを想像出来ない。

実は処女。何この最高の属性。

所持する権能は、
  • 《大力金剛神功》:仁王から簒奪した権能。自身を超怪力の持ち主にする。また、阿吽一対の金剛力士最大2体を召喚したり自分に纏わせ、自身の武術を行使させたり盾にできる。ただし、ある程度のダメージフィードバックはある。
  • 《竜吟虎嘯大法》:インド神話の歌の女神ガーヤトリーから簒奪した権能。詩を歌うと衝撃波になる。白兵戦をしながら衝撃波を放つことでさらに手数が増え、山一つを更地にできる威力にもなる。
  • 《百草芳菲、千花繚乱》:時間をかければ中国全土を飲み込むことも可能な、食人植物や毒の草花が生い茂る腐海の森を形成する。
  • 《黄粱一炊夢》:現住所に一定数以上の人口がいれば運気や経済などを良くする(ただし、引っ越されたら反動で逆に悪くなる)
などがある。ちなみに本人は(攻撃面は)《大力金剛神功》・《竜吟虎嘯大法》で十分と考えているため、以降の簒奪権能は儀式的なものが多くなっているそうな。


  • ジョン・プルートー・スミス(本名 アニー・チャールトン)
正体を知る者は身近な者のみで恰好は仮面男だが、実際は27歳のアメリカ人女性。
北アメリカを根城とし、約10年前にカンピオーネとなった。護堂と同様複数の能力を使い分ける権能を所有する。
「夜な夜なコスプレしてヒーロー活動」とは本人の弁で、民衆は彼をヒーローと認めてはいるが、その権能が周囲に甚大な被害を与える贄を必要とするため恐怖ないし畏怖されてもいる。
最初は演技だったが段々性格も変化するようになっていくが、一種のトランス状態なのか完全な別人格でもなく記憶も共有している。

アニーとしての人格は生真面目で冷静沈着、有能な秘書然とした美人だが、酒やコスプレで性格が変わる。
対外的にはスミスの協力者の一人となっている。

スミスとしての人格は非常に芝居がかっており、能力や素行に見合う義務をちゃんと果たしていれば、あまりとやかく言わないなど鷹揚な人物で、他よりは理性的で民草の保護に熱心なカンピオーネと思われている。
ヒーロー然とした山場での活躍所で颯爽と登場して解決するといったスタイルであるが(良い所取りなどと評されることもある)、周りの被害を考えずに戦うため「結果オーライの勝負師」ともあだ名される。

護堂からは「変人」などと評価されているが不思議と馬が合うらしく、別れの際には互いに心のどこかでシンパシーを感じていた。

所持している権能は、
  • 《超変身》(メタモルフォセス):テスカトリポカから簒奪した最初の権能。『贄』をささげることで5つの姿に変身できる。
①大いなる魔術師:最強の形態。人が土から作った巨大な建造物(ビルなど)を『贄』として取り込み全身が黒く、右足が黒曜石で出来ている全高15mの巨人となり、雷を武器とする
②。豹(ジャガー):周辺一帯の人工の光を『贄』にして使用不可にし、影から蔭へと移動できる能力を持つ豹となる。
③殲滅の焔:雨(長期間その地域で降らなくなる)と自分自身を『贄』とする。蒼黒い焔の塊となり、対象に体当たりして我が身諸共滅ぼす。とはいえ、強靭な化身に変身してから行えば焼け死ぬのではなく一時的に実体を失うだけですぐ復活でき、他の形態への変身も出来る。また実体を失うのを利用して、緊急避難にも応用できる。
④黒き魔鳥:大地を『贄』とし、周囲に地震を発生させる。翼長10mの魔鳥へと変身し、翼から、毒や麻痺状態にする灰色の煙を出せる。
⑤蛇使い:自分以外の誰かが殺した生物の屍を『贄』とする。本編には未登場。
  • 《魔弾の射手》:アルテミスから簒奪した権能。新月の時にのみチャージされるので一ヶ月に6発しか撃てない光の矢を放つ。相手が神速状態なら矢も神速となりどこまでも追跡する。時空を超えたり北米から欧州への長距離狙撃、爆発を起こしたり散弾にする、光で目潰しなどの応用も可能。同時に複数放つことで威力は倍を優に超え、一度に全弾放つとカリフォルニア(陸地だけで日本の面積より大きい)を焼き尽くして荒野にする程の威力をもつ。人間時には闇エルフに作ってもらった拳銃、変身時にはその口から放たれる。なお、本人がそばにいて許可すれば拳銃から他者でも発砲できる。
  • 《妖精王の帝冠》:妖精王オーベロンから簒奪した権能。精神集中してアストラル界(あの世みたいなもの)へ移動したり、神以外のアストラル界の住人に対して支配力を発揮し、適応可能ならあちらの住人を一時的に呼びよせたりできる。
  • 《形なきもの》:魔神ビフロンスから簒奪した権能。物の姿かたちを「曖昧」にし、一時的な壁抜けや緊急避難を可能にする(但し同じものには連続使用できない)。


  • アレクサンドル・ガスコイン
16歳にてカンピオーネとなり、自分で設立した魔術結社『王立工廠』を率いる現在は28歳の男性。
天性の気品と容姿、態度のでかさ、若手の魔王であることから黒王子との呼称がついた。

偽悪的に振る舞うが、時としてぶっきらぼうながらも情の深さを見せる「善人ではないが冷酷無比にもなりきれない半端な男」であり、
周囲からはひねくれ者という評価が多い。
女性へのデリカシーや興味が殆どないインディ・ジョーンズもしくはアルセーヌ・ルパンといったほうがイメージしやすい。

他のカンピオーネよりも計画性や配慮を持ち合わせているが、計画自体が傍迷惑であったり、失敗して酷い惨状になるなどと結局は世界に甚大な被害をまき散らすなど似た者同士で「世界に混沌をもたらすために生まれたような男」。
また、自分の謎解きに必要とみた女神を復活させ、目論見が外れると周囲の迷惑をよそに放置するなど、自身で呼び出した神はきちんと倒そうとする他のカンピオーネよりもやばいことをしている。

女性へのデリカシーが殆ど無く辛辣なためか女難の相がある上にとことん女運が悪く、
失敗した計画の殆どは女性の感情を読み切れないのが原因とのこと。
そのためか、スミスとは当初友好的に接していたが、相討ち寸前の殺し合いになり結局は不可侵条約を結んだ。

所持している権能は、
  • 《電光石火》(ブラック・ライトニング):雷と幻視を司る堕天使レミエルから簒奪した最初の権能。神速状態となり、雷を操れる。分身・飛行・他者を神速状態にする、軽装で紙程度の重さしか持てないが気配を断ち音も影もなく神速状態になって潜伏・尾行するなどの応用法もある。護堂同様、神速は負担がかかり5分で脳が悲鳴をあげ、20分で強い時差ボケらしき不快感を得る。この負担は自身を雷へと化すことで軽減できるが、カンピオーネの魔術耐性も失われるため、神やカンピオーネが行う術破りなら容易く破られ、下手すると人間でも解除可能。『黒き雷霆』という地上を焼き払う攻撃形態もあるが、使用すると半日は神速状態になれなくなる。
  • 《復讐の女神》(ジャッジ・オブ・フューリーズ):復讐の三女神エリュニエスから簒奪した二番目の権能。妖女を召喚し、その眼前で行われた攻撃や呪詛を再現する。召喚には一定時間の瞑想と儀式が必要だが、事前に召喚しておいて自分の元に出現させることやダメージを受けての緊急召喚は可能。
  • 《大迷宮》(ザ・ラビリンス):大地と迷宮の神ミノスから簒奪した三番目の権能。巨大な迷宮を創り、相手を引きずりこむ。展開した地勢に応じて、迷いの森や魔の海域などに変化する。迷宮の主たるアレクサンドルはその中を瞬間移動などして自在に移動できる。
  • 《さまよう貪欲》(ウィアード・グリード):ベヘモットから簒奪した吸引と重圧の権能。直径20-30mの黒い球体を作り出し、相手を吸引して束縛する。球体の移動速度は極めて遅いがある地点に誰かきたら発動など罠にも使える。
  • 《無貌の女王》(クィーン・ザ・フェイスレス):女神メリュジーヌから簒奪した権能。白い翼、蛇か魚のような下半身を持つ長髪女性の姿をした何かを召喚する。顔を見られてはならないというルールが存在するため白兵戦には向かないが、機動力・破壊力共に優秀で、水空両方の戦闘に対応でき、サイズも自由。
肉弾戦などを嫌っており、権能もそれを反映したかの如く直接的な戦いには向かないものが多い。罠を仕掛け、自身のフィールドを作り出したり引きずり出すなど強力というより厄介な能力が多い。


  • アイーシャ
百五十年前に誕生したカンピオーネ。権能により外見は褐色美少女のままで、本人は十七歳を自称している。
たおやかな見た目に反して、困難にもへこたれないタフさも持ち合わせている。
元は「大英帝国」支配時代のインドで生まれたメイドさんで、ロンドンで仕えていたお嬢様を喪い世界旅行をしていた時神殺しになった。

争いを好まず、困っている人に手を差し伸べる性格で聖女と呼ばれることもある。
当然のことながらカンピオーネがそんな周囲にとって安全なわけがなく、一度決めたら周りの制止を振り切って止まらない*6
その上、思い込みが激しくうっかりやな性格*7と傍迷惑な権能で結局は騒動を引き起こすトラブルメーカー。
しかも生粋の旅好きで、「通廊」のランダム発動によりどんな場所・時間に飛ばされようと行く先々で必ず大旅行と人助けに励むため、歴史の管理者からも歴史改変的意味で恨まれている。
闘争心などないがなんとなく行動したら最終的に勝者になるという、他のカンピオーネとは違い戦士には程遠いが勝利してしまう、神様曰く狂騒の女王。

また神殺しになった後、ひょんなことからヴォバンの館でドジメイドとして働きその一方で羅翠蓮と知り合いになったことがあり、
その時二人の真剣勝負を空気も読まず止めようとしたため、その後の無茶なノリなどから2人に(ある意味)脅威として認識されるようになった。彼女自身は二人を「お兄様」・「お姉さま」と慕っているのだが。

「夫人」と呼ばれているが、高貴な女性への尊称で結婚はしていない。……護堂のおかげでどうなるかはわからないが。

所持する権能は、
  • 《生か死か》瀕死の重傷すらも治癒させる。反転させることによってその地を一年以上不毛の地にしかねない冬の冷気をまき散らす攻撃にも使用可能。強制的に冥府へと叩き込む冥府落しという、死から復活する逸話や冥府(大地)の力を持たない神なら即死しかねない攻撃があり、行使したらなどと考えた途端ほぼ自動で発動する。ギリシャ神話の春と冬の女神・ペルセポネから簒奪した彼女の最初の権能。
  • 《妖精界の通廊》過去や異世界への穴を開ける。基本的に制御できない。世界の修正力を利用したある程度の攻撃の無効化や緊急回避も可能。
    通廊を通った先とは時間の流れる速度が全く違い、最悪の場合、リアル浦島太郎状態になってしまう。一応、呪力を全力で注ぎこめば、ある程度の出る時間の調節は可能で、アイーシャはこれを利用して数十年後に帰ることで年増呼ばわりされるのを避けている。
    ケルト神話の常世の国の妖精女王ニアヴから簒奪した。
    そして『カンピオーネ!EX』ではこの権能が変質したせいで、『神域のカンピオーネス』等全てのパラレルワールドに被害をもたらす災厄の源となってしまうことに…。
  • 《女王の呪縛》他者を魅了し、言うことを聞かせる。本気を出せば神獣すら従わせられ、自らのために命を捨てて戦う狂戦士を生み出すことも可能。微笑んだだけでも発動してしまい、積もり積もって結局は狂戦士を生んでしまう。
    とあるカトリックの守護聖人から簒奪した。
  • 《幸いなる生者への恩寵》善行を行う際に幸運の加護を得る。
    邪魔するものに災いをもたらす一面もあり、大きすぎる災いには自らをも巻き込んでしまう。
    中国の方で善なる民衆の守護神から簒奪した。
  • 《不思議の国の剣》周囲に助けを求められたときにのみ10mほどの鋼の巨人を召喚する。
    傷口から岩や火の玉が吹き出し、味方にすら被害が及ぶ。
    どこかの竜殺しの英雄から簒奪した。
どれもこれも自ら制御することができない部分がある傍迷惑な能力ばかりである。癒しや魅了の権能で周囲の人を洗脳・狂乱させてしまい自身も制御不能になるまで事態が大きくなるも調子を合わせ、味方すらも被害を受ける権能で戦闘を行いまた癒して魅了する、一種のひどいマッチポンプといえる。
そのため面識のある人からは最もはた迷惑なカンピオーネと呼ばれている。
おまけに争いを好まない性格でありながら、権能が勝手に発動しうるため、その戦い方は戦闘狂であるドニにすら「えげつない」と言われている。もっとも自ら実行しないだけで考えてはいるため、ある意味潜在意識の現れととることもできるかもしれない。


【用語】
・カンピオーネ
神を殺し、神殺しとなった人間。女神パンドラに認められるような戦いをしたものだけがなることを許される。
簡単にいえば、「どんなに経験・実力差があろうと関係なく、『勝ち方』を見つけて勝利できる化け物」であり、運はもちろん勝負勘を含めた様々な要素の実力が備わった人間で生粋の戦士(一部例外あり)。

性格は程度こそ違えど全員その本質は自己中心的なお調子者であり、結局は自分の信条をなによりも優先する暴君にしてトラブルメーカーゆえに神よりも人類の脅威となりそうな人物もいる。
無辜の民を巻き込む殺人や大災害を起こしても、意に介さないかよくて反省はするが後悔はしないという程度であるため良識や常識は知っていても実践を期待するのは間違い。
また平時「周りの安全」を考慮する発言をしている面子でも、有事となれば容赦なく力を振るって2次被害をもたらすため(護堂の《猪》召喚代償による巨大建造物破壊など)「鶏を割くのに牛刀ならぬミサイルを使う」と揶揄されたり。

ちなみに、カンピオーネは「天寿を全うした者は少なく、戦場で野垂れ死にが多い」という、ブラック企業より格上のレッド職業といえる。
そんな彼らを王と崇めているのも、神よりは会話や交渉が可能であるというのが大きい模様。
また、ただでさえ強大な権能を所持しているうえ実力関係なく勝利できる理不尽な生物で、ギャンブルで大勝可能な(護堂、アレク、ドニは経験あり)豪運なためか、人によるカンピオーネの殺害は不可能な模様。

カンピオーネになると、倒した神の権能(の一部?)と魔術に対する高い抵抗力が手に入るなどといった戦闘に適した体に転生する(つくりかえられる)。
まぁ、人間がサイヤ人になった思えば大体あっている。ただそのせいで子作りの難易度も大幅に上昇しているらしいが。
また手に入れる権能の性質は本人の性格・信条によって決まるらしく、護堂の権能が恒常的でないこと(来る者は拒まず=積極的に戦わないがやる時は全力)やヴォバン侯爵の権能が広範囲技(対集団・戦争向き)なのはそこからくるらしい。
実力だけでいえば基本は、神>カンピオーネであるのにその実力差を覆し続けていることからもその力がうかがい知れる。
その高い能力のため、周囲の者は無視できず庇護下に置いてくれるよう頼んだり、自分の結社を作ったりするものもいる。
基本的には自分の生活する場所が本拠地になるが、赤銅黒十字や青銅黒十字のように日本とイタリアといった離れた所も繋がる模様。

カンピオーネに人間の魔術を通すには口から通す方法…つまりキスでしか通らない。
護堂の権能、十の化身の一つ『戦士』は相手の神をよく知る必要があるが、毎回ハーレムメンバーから『教授』の魔術で教えてもらっている。
………毎巻Kissしているのである…場合によっては舌まで……ちくしょう…

・霊視
いわば天啓のようなもので、その神に会ったり、神具を見たりするとそれがどういうものか理解出来る、というもの。
通常成功率が1割程度なので、西洋の魔女は人海戦術で挑むのが基本となっている。その中でも、祐理は6割もの成功率を誇る。


余談だが、挿絵の評価は低い。



追記・修正しないと万死に値するわよ

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最終更新:2024年04月09日 10:34

*1 このため18巻以降のカバーは「スーパー」版・「エックス」版のリバーシブル仕様になっている。

*2 カンピオーネス内の各種描写や、オーディオドラマ時点での護堂の想定年齢が30代(EX後書きより)なこと等から、『カンピオーネ!』本編世界では終了後からかなりの時間が過ぎていると思われる。

*3 但し終盤では権能慣れしたため半日程度に待機時間が短縮されている。

*4 裏設定では相手の傷口に自らの血を注いでも与えられるそうだが本編では結局その条件に気づく機会が無く、『EX』で「血を塗り付けた物を翳すことで集団に加護を与える」という応用法を使用している。

*5 本編では他者から知識を分けてもらい条件を満たしていたが、3巻のウルスラグナ版及び『神域のカンピオーネス』オーディオドラマではなぜか初見の神相手でも発動可能になっていた。

*6 そもそも魅了の権能で引き止めるどころか協力させられてしまう。

*7 神殺しすらもうっかりやってしまったようなことを口走っている。