ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくん

登録日:2011/06/23 (木) 19:17:46
更新日:2024/03/20 Wed 20:40:23
所要時間:約 5 分で読めます




ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくんは、コロコロコミックにて1994年~2003年に連載されていた爆笑プロ野球漫画。
かっとばせ!キヨハラくん」の続編に当たる作品で、松井のメジャー移籍と共に終了した。
単行本は全11巻。2017年には短編『いつかのホームラン』を併録した傑作選も発売されている。
続編は再びキヨハラくんを主人公に据えた「モリモリッ!ばんちょー!!キヨハラくん」。

コロコロアニキにおいても新作が6号から2021年春号まで連載された。
キヨハラのモデルとなった清原和博の覚醒剤事件の影響で連載が強制終了したアニキ版かっとばせ!キヨハラくんの代役としての連載だと思われる。
舞台設定は2017年以降のプロ野球が反映されており、マツイとクワタの立ち位置が元プロ野球選手になった。

◇内容

当時のプロ野球界をネタにしているのは「キヨハラくん」と同じだが、連載が続くにつれ全く野球しない回も増えてくるなどとにかくはっちゃけている。
プロ野球をモチーフにしたギャグ漫画だけあってか、中年男性女性の間でも人気が高い。
とはいえ、幾らパロディでも余りにも過激な展開も多かった為、いつ訴えられてもおかしくない内容だった。
しかし、その内容がこの漫画の爆笑のタネでもある。

◇登場キャラ

カッコ内はモデルとなった野球選手。明言はされていないが、「キヨハラくん」同様に選手の名前が変えられていないも同然なので・・・*1

【東京カイアンツ】

主人公。顔は松井選手本人とは似ても似つかぬ位バケモノ。
行動や能力もバケモノで、「ゴジラ」のニックネームをそのまま当てはめちゃったかのようなキャラ。
とにかく何でも食う。特に牛が大好物で一頭丸ごと食べるのは日常茶飯事。
最早人間のそれを遥かに凌駕する生命力と身体能力を持ち、
東京ドームの天井を貫通するホームランを打つなどまだ序の口で、
機関銃で撃たれても無傷なほど頑丈で、
火を吐いたり舌を長くのばしてボールをキャッチしたりできる。
また、念力も使えるようだ。
フリーザよろしく、宇宙空間でも生存可能。

連載初期はまだ普通に会話していたが、
連載が進むにつれ人語を話さなくなっていった。

ちなみに作者の河合じゅんじ先生はちゃんとした松井秀喜を描いたことがあるので、ああいう顔に見えているわけではないようだ。
スーツ姿の松井は普通の似顔絵だったのに、その松井の回想の中の「長嶋監督から擬音だらけの指導を受ける松井選手」はこの漫画でのデザインになっていたが。

  • クワタ(桑田真澄)
前作から引き続いて登場しているマツイの相方。
ずる賢く強欲な性格で、マツイの人間離れした能力を理解し悪用したりもするが、制御できず自分が被害を受けることも多い。
そのため彼とマツイは内外からカイアンツのトラブルメーカーとみなされている。
カイアンツ所属にも関わらず、ノムラやホシノと結託したりもする。
ナガシマ監督を尊敬するどころか軽蔑しており、
彼がひどい目にあう原因の大半はマツイの暴走とクワタの策略である。
趣味は藁人形作りと怪しい発明と金儲け。
モデルは2巻頃に負傷で長期休養を余儀なくされるのだが(本作でも言及はされる)、あれやこれやで毎回登場しており前作以上にコスプレぶりに磨きがかかった。
ちなみになんだかんだ言ってキヨハラの事は大切に思っていたらしく、アニキ版最終回でタイムスリップした西武時代のキヨハラと再会した時はデレた

  • ナガシマ監督(長嶋茂雄)
カイアンツの監督。
通称・ミスター。基本的に能天気な性格だが、
マツザカを騙して移籍誓約書にサインさせようとするなど腹黒い一面を見せたりする。
ミスターの地位を利用して、変な思いつきでカイアンツをはじめとする球界を振り回すのがお約束。
マツイを可愛がっているが、彼の暴走の犠牲になるのもまたお約束である。
何故か魔法を使うことができ、
カイアンツのメンバーを動物に変えたこともある。
ちなみに何故かマツイはマンモスに変身した。

本人もわりと変人タイプの方なので、漫画ではより一層とんでもない人物像になった。魔法とか。

  • ハラ(原辰徳)
キヨハラくん三部作で唯一選手、コーチ、監督全ての役職で登場した人物。アニキ版でも「パラ監督」名義で登場している。
監督時代は就任初年度はカイアンツを日本一に導くもののその年のオフにマツイの残留交渉に失敗し彼のメジャー移籍を許してしまう。
そのショックは大きく、次回作の第一話まで引きずる程であった。

  • キヨハラ(清原和博)
前作では主人公で、前作及び今作初期では西部ライアンズ(1巻での日本シリーズ対戦相手)所属だった。
2巻のキャラ紹介では「…はて、どなた?」と書かれてしまっていた。
4巻からトレードでカイアンツにやって来るも、完全に過去の人状態。
作中での立場は当時故障が多かった巨人時代の清原を反映しているのか、
清原の成績が良い時は漫画内でもチームの主力として扱われるが
怪我で離脱したり不振だった時期は、仲間から無視されたりフルボッコにされたり
成績を上げるためにオカルト気味のトレーニングに手を出す等、扱いが非常に悪くなる。
そのため、基本的に作中でもっとも気の毒なキャラクターといえる。
しかし、人語を話さなくなっていくマツイに代わってクワタ・ミスターと共に物語の中心になる機会が増え、
事実上の主人公に返り咲く。
本作の最終回以前以降ではかなり風貌が異なる。

そして松井の巨人退団・メジャー移籍に伴い、前述のように正式に主人公に返り咲く。

  • タカハシヨシノブ(高橋由伸)
華々しく登場したスター外野手。最初はチームから警備隊をつけられるくらい期待され、その後はいじられながらも中心として活躍している。
顔や性格はおっとりしていて、「ウルフ」なんてあだ名より「パンダ」が似合うと茶化されている。
最初は名字で呼ばれていたが、同性の投手*2が入団したことで「ヨシノブ」と呼ばれるようになった。

  • ニシ(仁志敏久)
つぶらな瞳と小柄なボディがぷりちーな打者。
ちなみに本作では比較的地味だが、みずしな孝之の『ササキ様に願いを』では小人化し、メインとなった荒木ひとしの『マツイ日記は知っている!』では…。どの作者でも「黒目だけのつぶらな瞳」は共通しているが。

  • ウエハラ(上原浩治)
本作後半でのカイアンツのメイン投手。オーナーからお年玉に100万円を貰った事がある。
上原本人は2018年シーズン現在、巨人にリリーフ投手として在籍。この中では最後まで現役を続けている。

  • クドー(工藤公康)
西部→タイエーと経由して7巻からカイアンツ入りしたカエルっぽいデカい目のベテラン投手で、『かっとばせ!キヨハラくん』時代のレギュラー。
サブキャラだが3チームそれぞれでちゃんと出番があり、アニキ版にもゾフトハンクの「グドー監督」として登場している。

  • ワタナベオーナー(渡邉恒雄)
ワンマンで短気なカイアンツのオーナー。
ナガシマ監督の写真の首から下を切りながら、
今年活躍しなければクビと脅すなどやりたい放題である。
しかしマツイの誕生日に象一頭をプレゼントするなど、
活躍した選手に対する報酬は惜しまない。
なお1巻(1994年度末)に登場した「オーナー」は、彼の前任者「­正力亨」をモデルとしたキャラだと思われる。

乱闘用にマシンガンを支給したり、
野球の才能があればゴリラでも入団させるなど、
某社長も真っ青の破天荒ぶりを見せる。

【ヤグルトスパローズ】

  • ワカマツ監督(若松勉)
ヤグルトの監督。眼鏡とそばかす、尖った鼻がトレードマーク。

  • フルタ(古田敦也)
ヤグルトの名捕手。
一度手品でカイアンツナインを苦しめた事がある。

遊撃手。
フルタに並び出番が多い。

  • ぺたじーに(ロベルト・ペタジーニ)
外国人選手。後にカイアンツに移籍。妻の名前はおるが(オルガ夫人)。
本作では全く台詞がなく、次回作でようやく台詞が加わった。

ヤグルトのエース投手。

【横浜ペイスターズ】

  • ゴンドー監督(権藤博)
ペイスターズの監督。何時も頬に手を当てていて、若干暗い顔をしている。

  • モリ監督(森祇晶)
同じくペイスターズの監督。1巻時点では西部監督だった。
ペイスターズ時代の顔はノムラ監督にやや似ている。

  • ササキ(佐々木主浩)
ペイスターズのエース投手。通称・ハマの大魔神。
他社の横浜公認作品では俺様系キャラだったが、本作では比較的普通に描かれている。
後に持ち馬達が競馬漫画で喋ったりアプリゲームで擬人女体化されたりするのは別の話。

  • ミウラ(三浦大輔)
尖った顔がトレードマークの投手。ササキ程では無いが、登場回数が多い。

  • ハル(波留敏夫)
ペイスターズの外野手の一人。通称・ハマの拡散弾。

  • スズキ(鈴木尚典)
パックマンの様な目がトレードマーク。

【広島カーブ】

  • ヤマモト監督(山本浩二)
影が薄い……。

外野手。後にタイガンスに移籍する。

【中日ドラポンズ】

ドラポンズの監督(3巻~10巻)。かなり血が登っていて、怒るとコワい。
10巻後半からタイガンスの監督になった。

  • タイホー(大豊泰昭)
台湾からやって来た。
大砲を装備して打席に立ったりした事もある。後にタイガンスに移籍する。

  • ノグチ(野口茂樹)
ドラポンズの先発投手。

  • どんよる(ソン・ドンヨル)
そばかすがトレードマークで、「ぷくぷくしてて美味しそう!」という理由でマツイに噛みつかれた事がある。

  • ぎゃらーど(エディ・ギャラード)
ドラポンズの中継ぎ投手。ピリッとしまない。

【板神タイガンス】

  • ノムラ監督(野村克也)
ヤグルトの監督だった頃からカイアンツを敵視する悪役。
性格は至って陰湿かつ貪欲。
同じような性格のクワタと結託してカイアンツ(特にマツイ)を陥れる策を弄するが、
たいていマツイの暴走で台無しになり、自分がひどい目に遭う結果に終わっている。
濃い嫁(野村沙知代)がおり、息子のかつのり登場後は親バカな面も描かれた。
ナガシマ同様に魔法を使うことができ、
カイアンツのメンバーを騙して怪物に変身させたが、
元々が怪物のマツイには効かなかった。

  • カワジリ(川尻哲郎)

  • たらすこ(トニー・タラスコ)

  • ありあす(ジョージ・アリアス)

  • ほわいと(デリック・ホワイト)

  • イマオカ(今岡誠)

  • シンジョー(新庄剛志)
後に大リーグ(そして日ハムへ)移籍。
ひょうきんな面の多いキャラ。しかしキヨハラの披露宴の際にはノムラ監督の策略で登場し、ナガシマ監督に&bold(){「優勝しやがってー!ニクイよー、カイアンツー!!」}とビール瓶を押し込んだ腹黒い面も。

  • かつのり(カツノリ)
ノムラ監督の息子。子供っぽいキャラで好きな絵本は浦島太郎。
父の跡を追ってチームも変わっている。
ちなみに史実では選手としてこそ凡庸だったが、引退後は楽天・巨人・ヤクルト・阪神とかつて所属していた球団をコーチとして渡り歩いている。

【タイエーハークス】

  • オー監督(王貞治)
ナガシマ監督とは永遠のライバル。愛称はタコ。ワンちゃん。
前作ではやや暗かったが、今作の連載後半以降はチームの好調もあってか、明るい面が多くなった。

  • アキヤマ(秋山幸二)
『キヨハラくん』最終巻で西部から移籍した外野手。

  • ジョージマ(城島健司)
ホークスの名捕手。

【西部ライアンズ】

  • ヒガシオ監督(東尾修)
モリ監督の後任で、やたらハイテンションで熱血さが暑苦しいライアンズの監督。
マツザカにはやたら過保護になる。
彼をナガシマ監督やマツイから守るために、
強化ガラスの防護壁や強面のボディガードを配備している。

  • イハラ監督(伊原春樹)
最終巻での西部監督。実は前作にも後姿だけ登場している。
メインになったのは2回のみだが、対マツイ用の心理作戦でカイアンツを苦しめた。
一見冷静な人物に見えるが、本性はお茶目だがせこい性格である。

ライオンズのエース投手。
一度スピンオフの「ギュ〜っとマツザカくん」として主人公を勤めた事がある。
非凡な才能の持ち主ゆえにナガシマ監督に目をつけられ、
何度も狙われている。
またマツイからは新種の松坂牛と勘違いされており、
何度も喰われそうになった。

  • かぶれら(アレックス・カブレラ)
西部の強打者。
オールスターゲームでは看板の景品目当てで、オー監督を脅して一番打者で出場するというわがままな面も。

【オラックスブルーウェープ】

  • オーギ監督(仰木彬)
剃り込み眉毛がトレードマークの監督。
合掌。

オラックスのスーパースター。後にササキ共々メジャー移籍する。
マツイとは違う意味でマイペースであり、
人を食ったような行動に出ることが多い。
カレーが大好物。
「変わらなきゃ!」

マツザカ登場後に老けたものの、メジャー移籍で世界のスターになった。

この人も本人からして変人タイプなのだが、チームの都合上カイアンツとあまり絡まない事もあってナガシマ監督程アレンジはされていない。
ちなみにリアルでの球界入り自体は『キヨハラくん』連載の後期からなのだが、当時のイチローは無名だったため『キヨハラくん』では登場することはなかった。

【近鉄バッパローズ】

  • ノモ(野茂英雄)
トルネード投法が武器の名投手。1巻後半でメジャーに移籍した。(近鉄の帽子を被って登場したのは一度のみ)
マツイとは別の意味で牛を愛する。しかしその牛達は悉くマツイに食べられてしまう。

【その他】

  • メカマツ
ノムラ監督がマツイに対抗して製作した、マツイを元にした高性能野球ロボット。

  • ゴリロー
アフリカからやって来たゴリラの打者。
女装したキヨハラに惚れ、彼を連れてアフリカに帰る。

  • ヒヒゾー
100歳以上のマントヒヒ。人間の言葉が喋れる。通訳係。

  • さっちー(野村沙知代)
ノムラ監督の妻。一度バニーガール姿を披露した事がある。
実際の野村監督と沙知代夫人同様、流石のノムラ監督も彼女には頭が上がらない。

  • ガッピー星人
「吸ってハッピー! 僕達ガッピー!」

  • 地蔵軍団
雪山にいたガラの悪い地蔵達。
集団とはいえ、食べ物を横取りされて激怒したマツイに完勝した、作中でも最強クラスの強さを誇る。
そのためナガシマ監督に気に入られて、マツイ達の代わりに彼らをカイアンツに入団させた。

◇都市伝説?

前作「かっとばせ!キヨハラくん」で取りざたされたネタ予言だったが、本作品でもそのような現象が発生している。

  • 8巻にてゴリラのゴリローが美味しそうにステーキを食べるネタがあったが、後年放送された「シルシルミシル」の特番で検証の結果ゴリラは焼肉を食べることが判明。
  • 1996年のオールスター時にパリーグ監督の仰木彬が落合博満を相手監督と間違えるが、2004年に本当にドラゴンズの監督に就任する。
  • 1997年のシーズン後半でカイアンツが成績不振で選手たちがリストラの憂き目にあった時、モトキ(元木大介)がラーメン屋に転職しようと考えていたが、実際に元木が引退してから数年後にラーメン屋を開店した。(現在は閉店)

◇余談

ちなみに、同時期の松井漫画としては巨人軍の『月刊ジャイアンツ』にも連載された『マツイ日記は知っている!』があるが、
そっちは実名表記・巨人軍公認なぶん別の意味でリアルの松井選手等に当てはめるにはアレなネタ(本作で地味だった仁志・清水選手の著作権的に微妙な姿等)が満載だった。




「マツイ〜、追記・修正頼むぜ〜。」
「解りましたよ、クワタさ〜ん。」

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最終更新:2024年03月20日 20:40

*1 ちなみにコロコロアニキでの本作の復活連載及びアニキ版「キヨハラくん」では主役経験者2名+桑田(ここまで引き続き「キヨハラくん」「マツイくん」と同じ表記)、中村剛也(「おかわり君」で統一)以外は微妙に変えられている。阿部慎之助(今作では「アベ」)→アヘ、など。

*2 高橋尚成。2009年シーズンまで巨人に在籍