イブール(DQⅤ)

登録日:2012/01/09(月) 18:08:55
更新日:2024/01/07 Sun 21:15:39
所要時間:約 4 分で読めます




イブールとは、ドラゴンクエスト5に登場した光の教団の大教祖である。
CV:岸野幸正(CDシアター)

「世界平和」を掲げる大教団の指導者。
彼の宗派は『ダイ・マオウ・ミル・ナントカ』を神と崇め、彼の深い教義は多くの信仰者・支持者を得るに至った。
そして、彼は『光の教団』を世界に大きな影響を与えるほどの巨大宗派にまで発展させた。

著書に光の教団のありがたさを説いた『イブールの本』がある。お値段は3000G。
なお戦闘中に使っても何の効果もないのであしからず。





以下ネタバレ注意!











これより先の未来は
このわしが作ってやろう…


さあ、来るがよい。
伝説の勇者とその一族の者達よ!

イブールの正体は大魔王ミルドラースの部下の魔物。立場はゲマより上。緑色のトカゲかワニのような顔を持った異形の魔導士の姿をしている。


実際の光の教団の上層部は魔物だらけ。
部下に女装好きのラマダ、幹部にゲマがいる。


イブールに与えられた目的は、

  • ミルドラースの勇者誕生の予言に従い、地上で高貴な子供を誘拐して勇者誕生を妨害する。

  • 教団を造り人を集めることで、ミルドラースが力を得るための祈りを集める。

の2つである。


本編における魔物による子供誘拐は全て彼の差し金によるもの。

また、セントベレス山山頂に教団本部(大神殿)を建てるため各地から子供以外の人間も拉致・監禁し、そこで奴隷として過酷な労働をさせていた。


『光の教団』を巨大宗教にまで拡大したあたり、それなりの手腕はあったようだ。



が、残念ながら本編では…


【主な活躍】
  • 少年期
伝説の勇者は高貴な身分の子供から生まれてくるとの予言を受け、勇者誕生を防ぐため、めぼしい身分の子供をさらっていた。

  • 青年期前半
未だに勇者の血をひく者を見つけられず、子供をさらわせていた。

  • 青年期後半
マスタードラゴンに乗って教団の総本山である大神殿にやって来た主人公たちと、戦うこととなる。
いてつくはどう、かがやくいき、イオナズン、痛恨の一撃など強力な特技を使うが、
何故か防御したり、ご親切にも、馬車を呼んでくれたりする上に完全1回行動なので、(機種にもよるが)案外楽に倒せてしまう。

勝利するといきなり魔界への道を開いてやろうなんて言い出すのだが、
当然のごとく失敗し、「そ そんな バ バカな……。ぐふっ!」というあまりにも冴えない辞世の句を残し果てる。(リメイク版ではゲマによる恒例のメラゾーマ)



「ぎょえーーーっっ!!」



最終的にはミルドラースに、下らない努力とまで言われてしまった。




…とボスとしては情けない面が目立つ。

実際、プレイヤーにもミル同様、「やけに小物臭く、影の薄い存在」と認識されている。
(全部ゲマのせい)



【戦闘面】

★ステータス(SFC→リメイク)
HP…4500→4200
MP…∞
攻撃力…19→21
守備力…180→240
素早さ…83→73
1回行動

※補助系呪文はマホトラ以外一切効果無し


●SFC版
行動パターンが「かがやくいき→マホカンタ→痛恨の一撃→防御→イオナズン→いてつくはどう」のローテーションになっており、完全1回行動でランダム要素が一つもないという点。
上述した通り馬車まで呼んでくれるため、後述の余談にもある特定の状況にならない限りはあんまり苦戦することはないだろう。
痛恨の一撃の威力は別にそこまで高くない(95固定)のであまり厄介ではない。
Lv1のイエティで完封できるのは有名。
なお、彼のマホカンタだけエフェクトが違う(画面全体が青白く光る)という謎の優遇措置がある。

+ レベル1イエティだけで討伐の詳細説明
レベル1のイエティだけでイブールを討伐するために必要な要素は
  • イエティのHPがレベル1の時点で48あること。
  • 『てんくうのたて』を持っている。
  • 『しゅくふくのつえ』を持っている。
  • 『ちりょくのかぶと』を装備させる。*1
これだけである。
戦闘の流れを上記のローテーションに合わせて解説すると以下の通りになる。

1ターン目

イブールは「かがやくいき」使うが、イエティはヒャド・吹雪系が無効耐性なのでノーダメージ。*2
イエティは「攻撃」でダメージを与える。


2ターン目

イブールは「マホカンタ」を使うのでノーダメージ
イエティは「攻撃」でダメージを与える。


3ターン目

イブールは「つうこんのいちげき」を確定で使用してくるので回避は不可能。
しかし、この痛恨の一撃は特殊な仕様をしており、ダメージが95で固定になっているのだ。
ここでイエティが「ぼうぎょ」を選択するとダメージが半減し、小数点が切り捨てられてダメージは47となる。
HPが48あるのが重要というのはこれが理由。


4ターン目

イブールは「ぼうぎょ」を選択するのでノーダメージ。
イエティは「てんくうのたて」でマホカンタ状態にしておく。


5ターン目

イブールは「イオナズン」で攻撃してくるが、既にマホカンタ状態なのでノーダメージかつ反射ダメージも追加できる。
イエティは「しゅくふくのつえ」でHPを回復する。


6ターン目

イブールは「いてつくはどう」でマホカンタ状態を解除するが、逆に言えばそれだけなのでノーダメージ。
イエティは「攻撃」でダメージを与える。
以降のローテーションは1ターン目に戻るので、後はこれを繰り返すだけ。



………おわかりいただけただろうか?
イブールに設定されている行動パターンではどうやってもイエティの防御性能を突破することが出来ないのだ。
具体的な原因は『イブールが完全1回行動』であることと『ダメージを与えられる攻撃ターンが続かない』ことである。
行動ローテーションの内容をよ~く見てもらえばわかるのだが、ダメージを受ける攻撃の次のターンは『マホカンタ』『ぼうぎょ』『いてつくはどう』という補助行動を挟んでくるため、必ずノーダメージでやり過ごせてしまう。
結果、確定で後攻するイエティの遅さでも回復が余裕で間に合ってしまうのだ。

もしも1ターン中に1~2回のランダム行動であったのなら、痛恨の一撃の次のターンにイオナズンが飛んでくる可能性があるため
TASでどうにか突破出来るレベルの運ゲーを迫られてしまい、イエティだけで撃破の難易度は激烈に上昇してしまったであろう。




●PS2・DS版
「かがやくいきorマホカンタ→痛恨の一撃or防御→イオナズンorいてつくはどう」のローテーションに変更。
痛恨の威力が95から105に上がっており、防御は3割増し。
特にDS版は相手のマホカンタを解除しない限り3ターンに1回かがやくいきを吐いてくるため、人間オンリーだと苦戦するかもしれない。
PS版もローテーションのくせに毎ターンイオナズンをぶっ放してくる可能性がある。
でも4人パーティーになった上に馬車も健在なので結局ゲマより弱い。1回行動だし。



【余談】
  • バトルロードにも登場せず(やっぱりゲマにとられた)、モンスターズにも長らく登場しなかったが、ジョーカー2プロフェッショナルでやっとこさ登場した。

  • イブールは最後に主人公達を魔界に送ろうとした訳だが、この行動には理由があったようだ。
それは小説版である程度推察できる。

小説版では彼は元エルヘブンの民であり、イーブという名の人間だった設定である。つまり主人公の母、マーサと同郷である。
(ちなみにミルドラースもエルヘブン出身の設定)
マーサとは同年代だったようで、イブールはマーサに対し片思いをしていた。

おそらく、最後の場面はいまだマーサを愛し続けているが故の行動だったのだろう。

他にも本編中の言動から、ミルドラースへの忠誠心はそれほどなかったことも読み取れる。

  • SFC版当時、「イブールの本を持っていないとイブールを倒せない」という噂が出回ったことがある。
結論から言えばデマなのだが、実際のところ「イブールが倒せなくなる」という事態は実際に起こりうる。
SFC版では敵のHPが2047になるとHPが減らなくなる通称「HP無限バグ」が存在し、イブールはそのバグに引っかかるモンスターの一体なのである。
プレイ人口も考えればこのバグに引っかかった人は少なからずいると思われ、インターネットなど普及しておらず情報が口コミだよりだった時代ならばこのような噂が広まるのも無理はないといえよう。



追記・修正は光の教団に入団してからお願いします。

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最終更新:2024年01月07日 21:15

*1 本作のモンスターはかしこさが20以上でなければ命令を聞かない仕様があるため

*2 ブレス攻撃は完全耐性であっても50%の確率でダメージが入る仕様が存在しているが、その時は必ずダメージが1になるので次のターンの行動を回復に変えればOK