プリズムコンボ(ロックマンエグゼ)

登録日:2011/02/11 Fri 12:03:03
更新日:2024/03/10 Sun 10:05:54
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ポイッ

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ビィィィィィィボボボボボボボーン



プリズムコンボ(別名:種まきコンボ、オメガレクイエム)
とはロックマンエグゼ2にて可能なコンボである。

●概要

本来、当てにくいチップを当てやすくするコンボ用チップである「プリズム」のまさかの使い方に、
開発サイドも「理論的には正しいが、使われ方は想定外」と戦慄したコンボである。


◇使用するチップ
プリズム」:3マス前に命中させた攻撃を周囲8マスに反射させる宝石状の物体を投げる。
通常入手可能なコードはQのみ。

フォレストボム1~3」:3マス前に種を投げる。種は2秒弱の待機時間を過ぎると巨大な杭となり、地面から突き上げながら前進してゆく。


◇やり方
1:プリズムを相手エリアの中心へ投げる。

2:同じ場所へフォレストボムを投げる。


するとプリズムは周囲8マスに対して、フォレストボムの攻撃力(1なら100、2なら120、3なら150)をたった2秒弱の待機時間で90回連続で反射させ、ゲーム内ではありえないようなダメージ量を発生させる。

ちなみに、ラスボスゴスペルや隠しボスのフォルテSPでさえもHPは2000なので到底耐えられない。
このほかのボスも、サンダーマン、トードマン、ナパームマンなど小学生にとってはSランクどころか倒すことすら一苦労という顔ぶれが並んでいるが、それらに対するこの上ない特効薬としてバランス崩壊を引き起こした。

だがプリズムは通常プレイで手に入るコード「Q」からだとフォレストボムへと綺麗に繋がらないため、実行するにはターンを跨ぐ必要がある。
チップトレーダーを使えば「B」「C」「L」「N」を入手できる可能性もあるが運任せ。
このうち「L」以外のコードは、フォレストボムと繋がるものが存在しているので、運良くこれらが手に入れば複数セットでより使いやすいコードで使用できたりもする。



…しかし、エグゼ2ではチップコードにとある新要素が加わった。
コード「*」である。
しかも全てのチップに存在する。*1

「*」とは他のどんなコードとも同時に選べてしまうコードである。そのため、もしどちらかの*を持っていた場合はカスタム画面を経ずにプリズム投下→間髪入れずにフォレストボムを飛ばすということが可能となってしまう。


しかもエグゼ2のプリズムは容量が24と比較的低めに設定されているため、レギュラーチップとして最初のカスタム画面で確実に引き当てることが出来る。
なので運が良ければ1ターン目で「プリズム Q」→「フォレストボム1~3 *」もしくは「プリズム *」→「フォレストボム(コード不問)」も可能である。
(ちなみにエグゼ3では容量が60に増え、この手の連続ヒットを防止するため反射した攻撃を受けるとインビジブル状態になる仕様となった。ちなみに、敵の攻撃も反射させる機能もついでのように追加された。)

そんな強力なコンボを容易に組める万能コードだから入手が困難かと思いきや…

ただし、量産したい場合は話が少し変わってくる。
このチップはドロップする相手である「キルプラント」がコード*を落とさず、ミステリーデータから拾えるわけでもないため、
基本的にはチップトレーダーを利用するか別ロムからかき集める必要が出てくる。*2

しかしエグゼ2からはチップトレーダーの仕様変更により、トレーダー使用と同時にセーブされるようになったため、
エグゼ1で可能だった「君が!望みのチップを出すまで!リセットを!止めない!」戦法ができなくなった。
つまりフォレストボムにせよプリズムにせよ、コード*を複数枚粘るには相当な時間とチップを費やさなければならないのだ。

それでも数百枚のチップを犠牲にコード*を入手する廃人や移送等を利用して入手する者も居るので油断はできない。

ちなみに、このコンボはあろうことかコロコロの子供が読むような攻略情報に記されたコンボとして紹介されている。
この紹介記事によってとんでもなくメジャー化したと思われる。
しかもわざわざ確かに強いがこれは余りにも強力すぎるから使いすぎると友達に嫌われるぞ(意訳)と書かれていた。

さすがにまずかったのか大会での使用は禁止となり、海外版ではプリズムの性能がエグゼ3の仕様に変更して発売されたためコンボ自体が不成立となった。


他にバランス崩壊を招く強力な戦法として、後のエグゼ5のABD戦法も究極攻略シリーズに載っている。こちらも同じく大会で使用禁止に……

◇どうしてこうなったか
2020年に公開されたエグゼシリーズの開発秘話にてプリズムコンボの事も語られた。
それによると本来この様な事が起きない為にオブジェクトAが置かれる時に、その場所にオブジェクトBがあればBは破壊されるという調整が取られていた。

開発当初はこのコンボが成立しなかったが、
調整を重ねて行く内に偶然フォレストボムとプリズムの優先順位が同じになりお互いに破壊されなくなった為にコンボが誕生してしまったとの事。
そして、テストプレイでも発見されず見逃してしまい世に出回った。
プログラムそのものではなくデータの変更が引き起こしてしまったバグといえる。


●プリズムコンボが効かない敵

・プロテクト系
ダメージを受けても一瞬でHPを全回復するため、最大HP以上のダメージを一撃で与えないと倒せない敵。
ちなみにマップ上では普通の雑魚敵のように姿が見えないが、通路を塞ぐ位置で固定出現するという特殊な中ボスの役割。
フォレストボムは単位ダメージが最大150なので、何連撃したところで倒すことはできない。*3
……一応、プリズムコンボのダメージ量はプロテクト系のHP回復量を上回るためHPがじわじわ減っていくが、止めを刺す前にコンボの効力が切れてしまう。
プリズムコンボに依存したフォルダで万一こいつの出現ポイントを踏んでしまった場合は、ある程度HPが減った所に別のチップで追撃を掛けるべし。

プラネットマン
プラネットマンとのバトルの際は、プラネットマンのいるパネル以外の敵エリアが全て永久穴パネルである為、プリズムを設置することが不可能。
さらに言えばこっちの中央の穴も永続穴である為投擲系はまず当てられない。
よく使用されるグレイテストボムなども効かないため地味に面倒。

・カーズ系
口を閉じている時だと、ブレイク性能がない限り1ダメージしか与えられない。
よってプリズムコンボも90回までしか反射できないため、多くても90ダメージとなる。


●対戦において

たびたびエグゼ2の対戦環境をぶっ壊したように言われるプリズムコンボだが、実はバランスが崩壊したのはシナリオ攻略だけの話である。
というのも、対戦においてはCPU相手と違ってそうそう上手く機能しない難点が多いのだ。

  • プリズムを設置しづらい
まず自エリアへのプリズム自体の設置を阻止するという最初の段階の対策。
プリズムは投げるとキラキラときらめき一瞬でわかるので、設置地点へ容易に先回りでき、そのまま体当たりで消せる。
プリズムへの体当たりでくらうのはたった10ダメージなので、コンボ成立時の実に900分の1。
もしくはフォレストボムを投げ込まれる前に、(エグゼ2時代はメジャーでなかったため若干厳しいが…)ブレイク属性のある攻撃をプリズムに当てても破壊可能。

  • コンボ成立前に反撃できる
プリズムコンボはプリズムありきなので、落下地点で待たれるとプリズム設置に失敗して終わるのは上述の通りなのだが、
プリズム設置に成功しても、そのプリズムにマスを合わせてフォレストボムを投げるという隙を作ってしまうので当てにくい攻撃の格好の的になる。
もっというと「プリズムを投げる→設置→フォレストボムを投げる→設置」までの約2秒の間に、慣れたプレイヤーはフルカスタム連打でフォルダの半分以上を掘り下げてしまう。

  • 威力が低い
威力9000を超えるコンボの威力が低いわけないだろ!と思うかもしれないが、結局これがやっていることは低威力の攻撃を多段ヒットさせることである。
つまり威力200以下を無条件でシャットアウトする「ドリームオーラ3」を張られると容易に防げるのだ。(この間に威力200以上の攻撃でオーラを破られればダメージの嵐に巻き込まれ即死だが)

  • 当たらない
仮にドリームオーラ3を突破できるように威力を補強されたとしても、攻撃を一定時間すり抜けるチップ「カゲブンシン3」「インビジブル3」「テンジョウウラ」「ユカシタ」などもあり、防御手段には事欠かない。エリアスチールを使って爆破範囲から逃げるという手もある。

そして最悪有効な対策チップを引けなくとも、シールドスタイルもしくはサイトスタイルならB+←入力でシールドを使える。これをタイミングよく連続で行えば、ガード状態が継続し防ぎきることも可能。
もちろんタイミングを誤ったりブレイク属性の攻撃をぶち込まれたりしてシールドが解けてしまう可能性もあるが、このような凌ぎ方もあるにはあるのだ。

  • 遅い
チップ2枚で成立するコンボに対して何言ってんだよって話なのだが、前提としてエグゼ2は最初から10枚オープンの「サイトスタイル」や「フルカスタム *」5枚投入でフォルダをガンガン掘り下げられる凄まじい環境である。
そして時間経過が停止する暗転攻撃である「ゲートマジック」「ダークメシア」「トードマンV3」*4などが使え、それらを引き当てるためのフルカスタムも暗転こそないが一瞬で発動するので、
非暗転かつ投擲によるタイムラグのあるチップを用いるプリズムコンボは隙だらけに等しい。

そしてナビカスの無い時代のためロックマンのHPは最大でも1000、対戦でメジャーなサイトスタイルに至っては半減で500。そのためプリズムコンボのダメージは明らかなオーバーキルであり、禁止しなくてもじきにバランスが連打ゲーに落ち着いていく
最終的に当時の公式大会では、フォルダに投入できるチップの枚数やコードに制限を課すというルールが導入されていた。


再現性が極めて高く、強いボスを誰でも倒せるコンボということで有名になってしまったという、いわば「バニシュ+デス」みたいなパターン。
公式が言及していなくてもおそらくすぐに知れ渡っただろう。

2023年発売の『ロックマンエグゼアドバンスドコレクション』ではストーリー上では引き続き使用可能だが、対戦ではエグゼ3仕様となるため使用できない予定。
世紀末なバランスの根本的な理由ではないのだが、初心者でも容易に使用可能なことや知名度の高さも兼ねたバランス調整と言える。


●プリズムコンボの亜種

超高速の連続ヒットにより大ダメージを発生させる現象はエグゼ2におけるプリズム+フォレストボムとのコンボが有名すぎるが、プリズムを使用していないものも含め、シリーズ中で他にもいくつか確認されている。

  • プリズム+ソニックブーム
バリアブルソード」はコマンド入力で多彩な技を放つチップ。その中の一つであるソニックブームは斬撃を飛ばして遠距離攻撃をするもの。
この斬撃は敵に当たった時点で消えるのだが、プリズムに当たった場合は消えないため軽く1000ダメージオーバー。
フォレストボムの陰に隠れがちだが、こっちもかなりのトンでもコンボ。
ソード系攻撃に対する罠チップ「シラハドリ」の反撃効果でもソニックブームが発生するので、こちらでも流用可能。

  • バルーン系+ソニックブームorガッツマンのロケットガッツパンチ
受けたダメージを蓄積して、その分だけ威力を増す爆弾となるバルーン系攻撃。
ソニックブームorロケットガッツパンチがこのバルーンに当たると最大値の威力999に容易に到達する。
ソニックブームはチップ「バリアブルソード」のコマンド効果および「シラハドリ」の反撃効果、ナビ「ブルース」の技のいずれも対象。

  • プラネットマンのダブルプラネット
プラネットマンの周囲には2個の惑星が周回しており、色に合わせた属性攻撃を放つほか、位置によってはプラネットマンの盾となる。
ロックマンがフミコミザンなどの相手エリア侵入攻撃を使った際にこの惑星に激突すると即死する。
プリズムコンボが効かない敵として有名だが、当の本人はプリズムコンボと同じ原理の攻撃手段でロックマンを待ち構えているのだ。
まあこっちの場合はネップウ使えば問題ないんだけどね!

突進→突き上げ→瓦礫の落下という3段攻撃を放つドリルマン系のナビチップ。
地中状態の時に2段目の突き上げ攻撃を受けると、通常の14倍のダメージが発生する。
当時の攻略サイト等でプレイヤー達に行われた検証によると、14ヒットの連続ダメージであるとの事。また標的のエリアが3マスに追い詰められていると、さらに増えて31ヒットになるという。
ちなみにボスとして戦う際のドリルマンの場合はそもそも対地中性能を持たないため、こうした挙動は発生しない。

  • ブルースのトランスムーブ(エグゼ6)
X状の軌道で滑るように移動しながらロックマンを2回斬り付ける技。ランクが上がるとさらに←→が追加され4連続斬りとなる。
動いているブルースにロックマンを自分から突っ込ませると、タイミングによるバラつきはあるが即死級の多段ヒットが発生。


●余談

公式媒体は一貫して「プリズムコンボ」と称しているが、中には「種まきコンボ」「オメガレクイエム」という俗称で呼ばれる事もある。
種まきコンボについては見たまんまで命名されたのだろうが、オメガレクイエムの方は出処不明の呼び名である。レクイエムにしてはずいぶんとうるさい
似たようなものにエグゼ5のココロバグ+ダブルポイント+コスモプリズンで大火力を狙うテクニックに「インペラーアシッドレイン」なる名前をつけているコミュニティもあった*5
……これを踏まえるとワザップあたりだろうか?


バスティングレベル S
GET DATA ツイキシュウセイ *

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最終更新:2024年03月10日 10:05

*1 ただし一部のチップのコード*はデータ上だけの存在で正規入手は不可能な模様。たとえばコロコロコミック2002年10月号にはカプコン協力の下で作成した「究極のフォルダ」が掲載されたが、コード*が多用されたフォルダにもかかわらずコードXが投入された「ナビスカウト」などがそれを示唆している。

*2 一応もう一つ量産手段もあるが、半ばバグ技なので手を出すかは自己判断。しかも入手タイミングの関係上非常に面倒くさい。

*3 第1段階のプロテクトだけはHPが200しかないので威力を補強すれば倒す事ができる。しかし2段階目のメガプロテクトはHP350、3段階目のギガプロテクトはHP620に達する一方、フォレストボム3にウッド+40を4枚付加しても最大310止まりなので上位種には通用しなくなる。

*4 ほぼ必中+麻痺付加の威力180

*5 インペラーとは、ポンプなどに使われる羽根車のことである。……もしかしてエンペラー(皇帝)じゃないですかね?