代紋 TAKE2

登録日:2011/12/16 (金) 17:32:48
更新日:2024/04/05 Fri 01:35:38
所要時間:約 6 分で読めます




「俺は阿久津丈二、自分たちの項目を建ててしまったお調子者のタイムスリップ・ヤクザだ!」


代紋TAKE2はヤングマガジンで連載されていた極道マンガ。
原作は木内一雅、作画は渡辺潤が担当している。
1991年から2004年まで連載された長期連載作品であり、ヤングマガジンの代表作であった。

「静かなるドン」と並び極道マンガの代表作とされる。

従来の極道マンガにタイムスリップと言うSFのジャンルを取り込んだ実験的な内容となっており、そのラストには賛否分かれるが複線を完璧に回収した良作となっている。

また長期連載の例にもれず執筆中に作画レベルが驚異的に向上する。
特に最終巻の表紙は第1巻と全く同じ構図が採られており見比べると作画の変化がよく分かる。




■[あらすじ]■


◆[第零部]−ドブに散った鉄砲玉編−◆
1979年、新宿で応援団との喧嘩に負けた若き海江田組組員・阿久津丈二はそれ以来不幸の坂を転げ落ちるようにして、10年後の1989年に誰からも馬鹿にされる惨めなチンピラに堕ちてしまう。
最終的に自らの舎弟によって当時抗争中の黒川組の鉄砲玉にされドブ川の中で惨めな最期を迎えることになってしまう。

今わの際にこれまでの人生を悔いる丈二であったが、その瞬間神の悪戯か彼に第二の人生が始まることになる…。

◆[第一部]−タイムスリップ・ヤクザ編−◆
神の悪戯により人生の転機となった10年前、1979年にタイムスリップした阿久津丈二。前世での記憶と経験を活かして着々と組内で頭角を現していく丈二であったが彼のタイムスリップは非応なく周囲の人々の運命も変えていくことになる…。

そして、その変化は阿久津丈二と江原信吾と言う二人の男の10年に及ぶ死闘の幕開けともなるのであった…。

◆[第二部]−府中大暴動編−◆
全てを失い府中刑務所に入所することになった丈二。そこであるトラブルがきっかけに明石組3代目田村親分の命を救うことになり、明石組と関係を持つことになる。

一方、刑務所内は新所長による圧政により史上最大の大暴動が発生する。
その中である意外な人物が丈二にコンタクトを取りに来た…。

◆[第三部]−千葉大抗争編−◆
関東・関西両極道組織のトップによる密約によって破門を解かれ千葉の木更津にある白浜組の8代目を襲名することになった丈二。
この構成員わずか十名の弱小組織が千葉の極道社会に新たな風を吹かせることとなる。

一方、明石組の関東侵攻がついに始まり、橋頭保として選ばれたのが丈二達の居る木更津であった…。

◆[第四部]−新宿死闘編−◆
千葉を統一し千葉阿久津連合初代会長の座に就任した丈二だったが、江原による海江田組の独裁と悪政を聞き会長を辞任、仲間たちと共に新宿へと舞い戻る。

丈二と江原、新宿を舞台とした海江田組三代目をかけた大抗争が開始される。

◆[第五部]−内憂外患編−◆
海江田組3代目を辞任し、阿久津組を立ち上げた丈二。
当初の目標を成し遂げた丈二であったが運命は彼に安息の時間を与えることはなく様々な事件が彼を襲う。
一方で大阪では関西に落ち延びた江原は明石組幹部の大森と接触、丈二に復讐するため東京を壊滅すべく暗躍を開始する…。

◆[第六部]−東京地獄編−◆
ついにはじまった明石組の跡目継承を巡る一代抗争。
それと同時に江原は海外より招聘した最強の傭兵集団と共に再び東京に舞い戻る。

破壊される東京タワー
無力化されていく警察
暴徒と化す市民
そしてついに自衛隊による治安出動が始まる…。

戦場と化した東京で復讐の鬼と化した江原と全てを失った丈二との最後の死闘が始まる

そしてついに丈二はこの世界の真実を知ることになる(?)。
多くの犠牲と悲劇と共に…。



■[登場人物]■

長期連載のため登場人物も非常に大人数になっているが、どの人物も使い捨てにせず非常に魅力的に描かれている

ここでは主人公の身をあげているがその他の人物に関しては



と言う別項目を建てているのでそちらを参照してもらいたい。


◆阿久津丈二(元白浜一家総長、元千葉阿久津連合会・会長、元3代目海江田組・組長、元阿久津組・組長、元田上梅沢一家6代目総長、関東八州田連合会・会長)◆

本作の様々な意味での主人公。
惨めな前世での死の淵から10年前にタイムスリップしたタイムスリップ・ヤクザである。

この世界では前世の記憶と経験をもとに極道として驚異的なスピードで出世していくことなる。

様々な修羅場を経験することで、前世で花開くことなく終わった才能が開花。
日本一の極道へと成長していく。

しかし、自分のタイムスリップが原因で多くの人間が傷つき死んでいくことに心を痛め(但し、その反面前の人生で死んだ、悲惨な目に遭った人間を助ける事にも成功している)自分の運命に疑問を持ち始める。


◆江原慎吾(海江田組3代目組長)◆
海江田組でも屈指の実力を持つ経済ヤクザ。
大阪出身で関西弁を話す。
優秀な頭脳と冷酷な決断力を持ち、流暢な英語をしゃべる。

丈二と何度も対立し丈二を激しく恨むようになる。
その結果、彼も才能と野心が開花し(但し丈二の前の人生では、その性格が災いしてかなり早い段階で頭打ちになってしまっていた)極道社会の頂点に上り詰めていくも、丈二への憎しみに焼きつくされ残忍で冷酷な性格へと変貌していく。

謀略によって海江田組の3代目を襲名するも、最終的に丈二との戦いに3代目の座を追われる。

その後は大阪に落ち延び明石組内の大森に接触、体制を整えた後は東京を壊滅するべく海外より最強の傭兵集団を招聘、丈二に対して最後の戦いを挑む。

その聡明な頭脳によりこの世界の真実にただ一人気付く。…!?




「俺は阿久津丈二、冥殿と「兄☆弟」の盃を交わしてしまった哀れなタイムスリップ・ヤクザだ!」













※WARNING※


これ以上先を読まれますとデータが強制的にリセットされます。よろしいですか?


YES/NO










GAME OVER



実はこの世界はゲーム内の仮想世界であり
ゲーム名は「極道くん 成り上がれ極道の頂点」(機種:SFC ジャンル:育成シミュレーション 開発(株)エンブレム 価格:8930円)

阿久津はこのゲームの主人公であり、丈二の異常な出世速度や不死生は全てゲームのルーチンに沿ったものであった。

おそらくEDとしては

ランクS 金の代紋―全国統一ED−
ランクA 頂点に立つ者の苦しみ―関東統一ED−
ランクB 三代目襲名!−海江田組3代目襲名ED−
ランクC 千葉の覇者―千葉統一ED−
ランクD 府中の英雄―出所後堅気ED―
ランクE ドブに散った鉄砲玉−BAD ED−

みたいな感じにプログラムが書かれていたのではないだろうか?

この世界の真実に気付いていたのは江原と阿久津のみで、完璧に理解していたのは江原のみである。
それに気付いた彼はその規則=神に挑戦していくことになる。

おそらくプレーヤーの言っていたゲームのバグとは、丈二のタイムスリップではなくこの江原自身の存在ではないだろうか?(プレーヤーは真のラスボスは江原ではないとも言っている)


最終的にEDを迎えた丈二は全ての真実を知った後、再びゲームのリセット=TAKE3を開始することとなる…。



「俺は阿久津丈二、冥殿のせいでさらに追記・修正をせねばならない哀れなタイムスリップ・ヤクザだ!」

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最終更新:2024年04月05日 01:35