マリナ・イスマイール

登録日:2010/09/09 Thu 02:25:40
更新日:2024/04/23 Tue 13:45:02
所要時間:約 14 分で読めます





見えるわ、刹那…。あなたの想いが……。

そう…。たったそれだけの事で、世界は1つになるのね……。





機動戦士ガンダム00』の登場人物。

CV:恒松あゆみ
性別:女
誕生日:1月12日
年齢:24歳(1st)→29歳(2nd)→31歳(劇場版)→81歳(劇場版エピローグ)
身長:162㎝
体重:48㎏
血液型:A型
所属:アザディスタン王国第一皇女(1st)→反政府組織 カタロン(2nd / 庇護下)→アザディスタン王国第一皇女(2ndエピローグ以降)



本作のメインヒロインである。

メインヒロインである。

メ イ ン ヒ ロ イ ン で あ る 。

大事な事なので(ry

巨乳が多い『00』という作品に於いて、わりと慎ましいサイズ。
しかし2ndシーズンでは増量し、劇場版のコミカライズ版では最早変革している



【1stシーズン】

アザディスタン王国の第一皇女としてシーリン・バフティヤールと共に奮闘。
戦闘員、また世界的にどうこうといった立場でもない為、ぶっちゃけると物語に中々登場しない。
交渉材料も持たない状態での慈善活動を各国に願って回るのが主だった活動だった。物乞いとか言ってはいけない。



【2ndシーズン】

第1話にていきなり反連邦勢力収監施設に収監され、その間に祖国をアリー・アル・サーシェスに滅ぼされ無一文となってしまう。

最終回にて祖国を復興させ、刹那・F・セイエイとは違う方法で平和を求める事を決意した。


彼女を紹介する上で欠かせないのは、その圧倒的なまでの不幸っぷりと一般的なヒロインらしからぬ活動量の少なさ、そして所帯染みた貧乏オーラにある。


窓から侵入した刹那に夜這いをかけられ、しかも刹那はさっさと帰るという、実にエキセントリックな事態も発生した。
が、基本的には余り出番が無く、1stシーズンの初代オープニング映像でのオーラに魅了されたファンを泣かせる羽目になった。
何と出番の少ないメインヒロインであろうか」と1stシーズン時に於いては嘆かれたりもしたものである。


但し、これは基本的に「お飾りの御輿として祀り上げられた無力な一般人*1という役割を背負っているが故。

刹那にとっては
自分の故郷を滅ぼしたアザディスタン王国の代表者
であると同時に
自分に対して初めて真正面から対話の重要性を訴え、破壊者としての自分を否定した人間
という事情からか、強く印象に残る人物になった。

当初は、「武力で自分の故郷を滅ぼした国の代表者でありながら、(刹那が心の奥底で求めている)平和的な手段による解決の重要性を説いてくる」という点から、感情表現の乏しい刹那にしては強い反感を抱いて語気を強め、その結果平和的手段での紛争解決などできない事の証明として(半ば衝動的に)ガンダムマイスターである事の暴露に繋がる。
が、アザディスタン王国の内戦を経て、無力な彼女なりに「戦い」を続ける姿に共感に近いものを覚えたようで、それ以降は態度も変わっている。

上記のダイナミックな夜這いも自分とは正反対の方法で平和を模索する彼女に相談者として頼ったが故のぶっ飛んだ行為である。
その後彼は、自身の心情を吐露した手紙を送っている。


2ndシーズンでは前述の通り第1話から登場。拉致られるものの、ソレスタルビーイングに助けられ、滞在するなどやっと出番が増えた。

しかし、上述の通りアザディスタン王国が襲撃を受けて崩壊し、流転を経て、貧乏姫から保母さんとなっていた。
まぁ、カタロン兵達の洗濯物を片付けたりする姿といい、明らかにそっちの方が似合っている。
なりたくてなったわけではないとはいえ、職業選択を間違えると悲劇が起こるという具体例と云えるかも知れない。
作中でも「元々音楽を志していたが、血筋のせいで皇女に担ぎ出されてしまった」という過去を刹那に語った際には刹那からも「あんたは一国の姫よりも音楽を奏でている方が似合って見える…」と評されている。

そして、その生活の中「ゴロゴロした~い~」が圧倒的違和感と存在感を持つ歌「tomorrow」を披露した(通称「ゴロゴロソング」)。
そのフレーズのインパクト、ダブルオーライザーアルケーガンダムの死闘の真っ最中で、あの歌を聞いてるうちに仇敵を逃した経緯も相俟って、初披露時は賛否を巻き起こした。

但し、子供達と一緒に平和を願うという作曲の理由以外にも、
件のシーンで流したのは「刹那に向けた、子供の素直な想いを纏め綴った、子供達との合作の歌でもあるから」という理由がある。


当時、マリナと彼女が面倒を見る子供達を見ながら刹那は「俺は二度と…あの中に入る事は出来ない」と、(洗脳されていたとはいえ)親まで殺した事への慙愧の念を吐露し、自分の人生に対して諦観していた。

その後、自身の嘗ての理想像の真実も知り、ただの破壊者となりかけた刹那はこの歌が頭に入ってきた事で、
感情を露わにしながらただ敵を殺そうとしていた中、我に返って自ら戦う手を止める事が出来た。
この出来事は、刹那がただ壊すのではなく、対話を重視する生き方にシフトする切っ掛けの一つになっており、度々この歌を聞きたいと想い返している。


ただ、それ以降は「今度会った時…子供達の歌を、聞かせてくれ……」という刹那との約束を守る機会が訪れる事は無く、
オープニング映像ではそれなりの存在感を示しながらも、あまりストーリーに絡む事は無く物語は過ぎ行く。
やっぱメインヒロインの割に出番少なくね?」という意見も少なからず残った。
刹那にとっては、恋人というか母親に近い存在なので、仕方ないとも言える…か?

また、刹那のことをマリナが(異性として)どう思っているのかも割とわからない。
ミレイナに『恋人なのか』と聞かれたシーンでは刹那と声を揃えて、「何を言ってるんだこいつは」と言わんばかりの真顔で否定していたが、
ノベライズ版で負傷した刹那を介抱するシーンでは、彼の裸の上半身を見て羞恥心を覚え、頬を赤らめているしアザディスタンへ一緒に来ないかと半ばプロポーズめいた事まで言っているし全く異性として見ていない訳ではない…はず。

まぁ、刹那からは純粋に幸せになってほしいと願われているし彼のターニングポイントには常にマリナの存在が浮かんでいるため恋人関係とはまた違うがヒロインである事には間違いないだろう。


2ndシーズン最終回では、本当に最後の決戦の際に、再び「ごろごr……tomorrow」が流れ、刹那に返すマリナの手紙が音読される中で最後の死闘が展開された。
当然「雰囲気ぶち壊しじゃね?」という意見も出て、最終回直後はMADが多く作られた。

しかし、これもあくまで「本当は平和を望みながら、それでも機体を乗り換えてまで戦い続ける道を選ぶ刹那に宛てた歌であり言葉」という作品的な意味がある。

やっぱり、『どうして行っちゃうの。一緒に帰ろう』という歌詞と共に滅びたクルジスが映ったり、あの演出が寂寥感があって良い
tomorrowが終わってマリナが『刹那の幸せを願う』と祈る言葉と共に、刹那にとっての平穏の象徴である黄色い花が刹那の手元を離れて行く描写は秀逸
等と言った意見も多く出ており、ハッキリ言ってこの辺りは好みの問題である。

スペシャルエディションⅢ「リターン・ザ・ワールド」では最終決戦シーンのBGMが「儚くも永久のカナシ」に差し換えられ、戦闘後に「tomorrow」が流れるパターンに変更されている。
色んな挿し換えver.もあるので、聞き比べてみるのも一興だろう。


なお、キャラデザ担当の高河ゆん氏の漫画『空と大地のまじわるところ』にて2ndシーズン~劇場版の間に刹那と一度再会しているのだが、
別れ際に「一つだけ約束して。どこにいても幸せになるって」と完全におかんな発言をしていた。*2



劇場版

顔付きがやたらと凛々しくなっている。
実年齢には触れないであげてください。まだ姫なんです。

暗殺されかけても取り乱さず、真摯に訴えかけて暗殺者に膝を折らせるなど、為政者としての貫禄を身に付けている。
亀の甲より年の功とはよく言ったものよ。

アザディスタン王国第一皇女として活動する一方、社会的な力を持たない民の為に活動。
暴力で事を解決をしようとした相手にも正面から話し合い、分かり合おうと努力し続けた。

ELS襲来に先立ち世界中でシェルターへの避難が行われた際には、避難しきれない人達を解放した王宮に入らせ、
自らも避難民に応対していた。

…と、まあ、「マリナ・イスマイール」としては1stシーズンから一貫して「人々のために」という信念で行動する姿が描かれたが、
ヒロインとしてはやっぱり地味であり、彼女を助けた刹那にライルが「話していかないのか?」とからかった程度だったが、ラストシーンでは…。




アザディスタン王国という貧しく、内部紛争の絶えない国の皇女という事で何時しかファンから付いた綽名は「貧乏姫」。
放送当初から多数の貧乏コラやイラストが作られた。

実際作中でも器量の小さい中ボス大使から援助を受ける等、貧乏である点が殊更に描写されている。


また、2ndの序盤で彼女は拉致られた先で着替えたジャージ姿で行動するのだが……

……うん、あの絶妙なまでのマッチング具合は何だろう。
もうツインドライヴだって起動しちゃうレベル(えー



ファンの間では「貧乏=腹ペコ」という図式でどこぞのアーサー王みたいな扱いを受ける事もある。

2ndシーズンの第8話でも孤児の1人であるダビッド(通称バロ太)からカロリーメイトらしき物を貰い、その優しさに嬉しくなり手をとって「……ありがとう……。ありがとう……!」と言うシーンがあるが、
苦境に居る孤児達が自分に優しくしてくれた事より、食べ物を恵んで貰って感涙したと勘違いしてしまった視聴者もいたとかいなかったとか。

ある意味、「儚くも永久のカナシ」を体現してそうな人物かも知れない…。





元々はごく一般的な家庭の子供として生まれ育ち*3、歌い手になるという将来の夢もあり、音楽の勉強をしていたが、
王家の血を引いていたが為に改革派の指導者を望まれ、アザディスタン王国の第一皇女となる。
伝統故に周辺国への強い影響を持つアザディスタン王家の末裔だからこその御輿としての抜擢だが、
無論保守派の中には「改革派に魂を売った王家」と見做す者も多くおり、溝を埋めるまでには至らなかった。

軌道エレベーター建設の問題、クルジス共和国との因縁、保守派改革派の紛争に悩み続けていたが、
保守派の指導者であり要たるマスード・ラフマディーが死去した事が決定打となり、アザディスタン王国は実質崩壊状態が継続。
サーシェスの襲撃によって完全に政治機能が停止し、とうとう連邦政府に強制的に吸収されてしまった。

更に1stシーズンにて刹那と接触した所為でアロウズに拘束され、改めて自分の無力さを痛感していた。
しかし、カタロンのメンバーとなったシーリンから苦言を呈されながらも非暴力主義を貫き通しており、連邦保安局に襲撃された際にはパニックを起こして銃を手にした子供を制止して自身も銃を持つ事を拒否していた。
本人曰く「それ(銃)を持ったら、この子達の瞳を真っ直ぐ見られなくなるから

上記でネタにされている歌も、本来は「戦争が無くなればいいのにと純粋に願う子供達の声」を世界に伝える為に作った歌である。

結果的に戦争集結に向かう為の行動等は無かったが、中東の復興に尽力。
刹那達ソレスタルビーイングとは違う「“分かり合う事”で平和を模索していく」決意と刹那自信の幸せを願う手紙を渡した。

そんな不遇な彼女だが、実は「刹那のと声が酷似している」という重要な裏設定がある。
刹那がマリナに拘る理由の一つなのだが、ノベライズ版でしか明かされず「TV本編でちゃんとやってくれよ…」という声も多い。
親殺し」という過去は、地上波でも推測出来るように示唆されてはいるが終始断言はされず、あまりハッキリと描けない設定だったという事情もあっての事と推察される。
また、「対話による平和実現ないし維持」「相互理解」をテーマとする本作に於いては、
「自分の故郷を滅ぼした元敵対国の代表者」「対話の重要さを刹那に説いた初めての人間」という点が薄れてしまう点は結構大きな問題でもあり、
この母親の面影という要素が前面に出るのは一長一短とも言える。






ゲームでの活躍】
  • Gジェネレーションウォーズ
ヒロインの筈なのに顔グラすら用意されていないです。

  • GジェネOVER WORLD
遂に参戦。しかも序盤で確実に登録される。
ご期待通り、専用アビリティに「歌姫」を持っている(ラクスミーアの様に初期習得済じゃなかったりするが)ので手軽に手に入るゲスト枠として優秀。
魅力以外の能力は色んな意味でお察し。

  • GジェネCROSSRAYS
00ステージを全クリアすれば登録可能。
今作でも初期状態でも魅力が290もあるので今作でもゲスト枠としては優秀。
性格が平静のため、ゼロシステムの性格変化を使わなければ超強気になれずパイロットには不向き。
欠点は00ステージが特に長く加入が遅め。
対抗馬は初期状態で魅力が350もあるこの人スカウト条件が緩いこの2人か。
なお、特筆すべき点としては、『空と大地のまじわるところ』のマリナと刹那の会話が00シナリオのエピローグになったため、恒松氏と宮野氏のオリジナルキャストで音声化された


第2次Z破界篇でガンダム00初参戦と共に、スパロボ初登場。非戦闘キャラなので、当然ながらNPC。
同じく姫様キャラであるリリーナと交友を持つ。
この作品に限らないが、スパロボでは常に声無し。恒松さんが他に声を当てたキャラもいるのに…。

連邦政府の良識派として登場。
第一部終盤ハザードの所為で世界の敵となりながらも、地球を守る為に戦い続けるUXの真実を世界中に伝えるという重大なポジションを担っている。

エンブリヲに花嫁候補としてさらわれる。
エンブリヲからすれば他のヒロイン達と年齢差なんて無きに等しいとはいえ、31歳にもなってそんな理由で攫われた人もそうはいないだろう。



【余談】

機動戦士ガンダムAGE』の主人公の1人、フリット・アスノの母親の名前は「マリナ・アスノ」 で中の人が恒松あゆみ氏
その所為で刹那×マリナ=フリットやら、マリナさん結婚おめでとうやら、吹き替えやら色々とネタにされていた。
裏設定も含めて、恒松ボイスは母親の証だというのか…?

…などと言っていたら、今度は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場した「アストライア・トア・ダイクン」の声も担当する事が発表され、
赤い彗星の母親役になってしまった。
中の人も「また母親役!と思いましたね?私も思いました!」とセルフツッコミしていたりする。

……と思っていたら、何と2016年11月に第1子となる男児を出産し、本当の母親になったのである。恒松さん、おめでとうございます!*4





【以下、劇場版エピローグネタバレ】






あなたに事情があるのは分かっているつもりです。

だからこそ、お互いに理解を深め、最善の道を探したいのです。

項目を荒らす事ではなく、編集し合う事…追記・修正し合う事で……。

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最終更新:2024年04月23日 13:45

*1 アザディスタン王国第一皇女ではあるが、1stシーズン第12話・第13話でも言及されている通りこの国は議会制国家であり、実権はほぼ無い。

*2 同時に「わたしはずっとここにいるから、いつか必ず帰ってきて」とも伝えており、劇場版エピローグへの布石となっている。

*3 ただし、アザディスタンは少し前まで周辺諸国との戦争をしていた上に内戦も頻発しているような情勢が続く国だったのでそんな中戦争とは無縁の暮らしをできていたのだからやはり相応に裕福な家庭だとは考えられる。

*4 ただし後に流産を経験していた事も明かしており、それまでに多大な苦労を重ねていたようである。