ジャンライン

登録日:2011/10/24(月) 05:30:03
更新日:2024/01/01 Mon 16:07:06
所要時間:約 4 分で読めます





公式「Xbox360に本格通信麻雀ゲーム登場!」


概要

『ジャンライン』とは、2008年9月25日に発売されたXbox360用ソフト。開発元・発売元共にレコム。

さて、本作は麻雀ゲーム。
BGMや格好良いパッケージ絵がそこそこ好評。

正体はクソゲーオブザイヤー2008据置機部門次点入賞作品。
そもそも麻雀や将棋等といったテーブルゲームは既にゲーム性が確立されている為にクソゲーになりにくく、
ルールやバグ対策、オンライン対戦等といった要素がしっかりしていれば、悪くても凡ゲー止まりであってクソゲーにはなりえないとされる。

つまり、このゲームはそれらの要素が破綻しているということになる。


問題点

ルール関連

  • 捨て牌がツモ切りか手出しか分からない。
  • チーで鳴いた後、牌選択に不具合が生じる。
  • 表示されるはずの牌が表示されない
  • 点数計算に不具合がある

特に問題ではない点

  • 26符等と端数入りの符がそのまま表示される(点数自体は切り上げされた符で計算されている)。
  • 「九種九牌」「四風連打」が流局にならない。
前者は別にこのゲームに限らないこと、後者は採用されることが多いとは言えローカルルールの一種なので、好みの問題とも言える。



オンライン対戦

  • 対局中に誰かの通信が途絶えると決着無しで強制終了。不利になると故意に切断する、所謂切断厨が横行した。
  • 部屋を作成したプレイヤーが必ず親になる。サイコロなどない。
  • 同じプレイヤー同士では連戦不可能。


その他

  • フリーズが頻発する。
  • 何をトチ狂ったか素人のボイスをダウンロード販売開始。のちのち返金騒動に発展した。
  • 公式ブログは麻雀初心者が書いていた。
  • 批判が来るのが読めていたのか、発売初日に公式サイトで謝罪した。


あまりに酷い内容にユーザから苦情が殺到し、レコムはパッチをリリースすると表明。
2ヶ月と少しという短期間でパッチを作成、12月4日にパッチを配信。
このパッチによりゲーム内容は大幅に改善され、難を逃れた。



……と思われたが……。

パッチ後

実際は真逆で、パッチ後さらに悪化するという、もはやギャグとしか思えないような事態に。
ユーザの怒りに油を注いだのは言うまでもない。公式ブログも閉鎖に追い込まれた。
ひょっとすると方向転換してバカゲーを狙ったのかもしれない。


パッチ後問題点

  • フリーズの頻度が激増。タイトル画面や対局中にフリーズすることも。
  • 先ヅモ(上家が牌を切る前にツモること。順番抜かしのようなもので、マナー違反かつルール違反)が黙認されている。どころか自分がツモ上がりをしたと思ったら先ヅモをした下家のツモ上がりが優先されるアカギもびっくりな展開も。
  • 同じ部屋で連戦すると、牌がまともに選択できなくなる。
  • 牌が時々斜めに傾くことがある。
  • 切断ペナルティは実施されたが、オンラインはただでさえ過疎っていた為結局意味なし。オンラインでフリーズしあらぬペナルティを喰らうことも。
  • オンラインで接続が切れた際の選択肢がおかしい。
ホストとの接続が切れたため、メインメニューに戻ります。
→はい
 はい
 はい

このような惨状のためレコムに電凸したユーザーも居たのだが、それに対しレコムの社員が「覚悟しています」という何とも悲壮感溢れる返答をしてきたのはある意味伝説となっている。

亜空カン*1

ジャンラインの代名詞その1。
簡単に言うと、チーやポン、カンをすると時々バグる
二萬でカンしたのに全く関係ない五萬が混ざりこんできたり、カンしたのに2枚しか晒されず多牌になったりと意味不明な事態に。
他にもチーにカン出来たりもする。

原理としては、明槓(自分の手牌3つに他社の捨牌1つを加えてカンすること)する際に対象の牌を選ぶ動作が入るのだが、ゲーム上では「選んだ牌+右側にある牌2つを使ってカンする」という処理が行われているため、3つ並んだ牌のうち真ん中か一番右を選ぶことで、関係ない牌を使ってカンするという事態が発生する。
またその性質上、右側に何も牌がない状態で亜空カンすると、使える牌がないので半端な枚数しか晒されなかったり下家から牌を奪うという現象が起こるのである。

当然、亜空カンが成立した時点で麻雀としては完全に破綻しているのだが、驚くべきことにこの状態でも多牌にならずきちんと役が揃っていれば上がれてしまうことが有志の検証により明らかとなった。


ジャッシー

ジャンラインの代名詞その2。有料ダウンロードすることで使えるようになるキャラクター。
ジャッシーは公式名ではなく、ヨッシーに似ていることから付けられたあだ名である。
見た者へ強烈に気持ち悪いインパクトを与える外見が受け、一躍KOTYスレの人気者に。


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  ⊂コ二Lフ^´  ノ, /⌒)         |               〈 二)
  ⊂l二L7_ / -ゝ-')´          + \             V | +
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目の焦点が合っておらず、アヘ顔のようにも見える。でっていうのようにも見える。

ジャッシーや前述の素人ボイスのように有料のクオリティが低いため、購入者はほとんどいないらしく、無料部分が少ないのもあって対戦の際は同じ顔が並ぶなんてこともザラだった。

余談

始めはヌギャー大奥記ダメジャー1等といった他の英雄達の影に隠れがちだったが、
パッチ導入で年末の魔物と化した事により他の英雄をあっという間に蹴落とし大賞候補にまで昇りつめる。
大賞共々あまりの酷さにKOTY史上初の 失格 という裁定を下されかけた。
だが、やはり麻雀というゲーム故にとっつきにくいことから、大賞ほどのインパクトは残せず、次点という結果に終わった。

価格は3,990円もするのに、無料アプリや無料オンラインゲームより遥かに劣っている。
「これは麻雀ではない。ジャンラインだ。」

その後、7年の時が経ち2015年、同じく元々壊滅的だったところへ更にアップデートにより改悪された「AZITO×タツノコレジェンズ」が全てにおいて最高水準のクソっぷりを見せつけ、見事ジャンラインの雪辱を晴らす(?)結果となった。史上初のXbox系列ハードのKOTY大賞という意味でも、リベンジを果たしたと言えるかもしれない。

2009年にはPS3に「ジャンライン R」として移植。
こちらは目立ったバグは無く、パッチでバグは増えたりもしないという、遊べなくもない出来になっている。
しかしXbox版の悪評が祟ったのか初週売上は300本だったとのこと。

2021年9月、サービス開始日にサービス終了が決定してしまったゲーム*2として、ブラウザ麻雀ゲーム「姫雀鬼」が話題となった。
このゲーム、デザインを「雀魂」からパクっていたり、キャラクターを自社の別ゲーから使い回していたりと、見た目からしてきな臭さが漂っていたが、クソゲーハンターたちが戯れで手を出したところ、

・もはやお約束とばかりに頻発するフリーズ
・他家が牌を全て河に捨てる、または逆に全く捨てず牌がどんどん溜まっていく
・他家の手牌が全て白になり、なぜか牌をオープンして見せつけてくる「 天 地 創 生 」(ビギニングオブザコスモス)*3
・ロン和了すると全然関係ない牌で上がったことになり、役もおかしなことになる「亜空カン」ならぬ「亜空ロン」
・同じくロン和了すると「ロロン!わ私のか勝ち!!」と音声が二重に聞こえると共に、点数計算処理が複数回行われて獲得点数が3倍にまで跳ね上がる「一人ダブロンバグ」

…等々、麻雀ゲームにあるまじきバグを多数搭載していたことが明らかとなり、「令和のジャンライン」「ジャンラインよりヤバい魔物」として称え(?)られるようになった。



追記・修正します。
→はい
 はい
 はい


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最終更新:2024年01月01日 16:07
添付ファイル

*1 名前の元ネタはプロ雀士の故・安藤満氏が用いた「亜空間殺法」。これは鳴きを駆使して場の流れを変えるという戦術で、当時軽視されていた鳴きの重要性を認識させたとされている。当然ながら名前以外に関連性はない。

*2 実際は約1年前からサービス開始しており、サービス終了を告知する際に不具合で開始日が終了告知日と同じになってしまっただけなのだが、ゲーム自体の知名度が低かったために誤解に気づかない人は多かった模様。

*3 名前の元ネタは漫画「ムダツモ無き改革」に登場する同名の技。