ヤマタノオロチ(YAIBA)

登録日:2019/08/20(火) 20:47:37
更新日:2021/09/19 Sun 22:50:10
所要時間:約 11 分で読めます






数万年の時を経て…冥府魔道より目覚めし怪物よ!

世界を地獄の業火で、焼き尽くせい!!




ヤマタノオロチとは、『YAIBA』の終盤に登場する巨大な怪物である。
なおアニメ版においてはかぐや封印までで完結しているので登場しない。


◆概要

ヤマタノオロチの伝説は、もはや日本人の常識である。
ひとつの胴に8つの首を持ち、その身体を8つの山に横たえるという、数百mにも及ぶ巨体を持つ邪悪な竜。
村々を荒らしまわるオロチは、天照大御神の弟であるスサノオノミコトにより調伏された…このwikiを読んでいる人であればこの位の事は知っているだろう。
勿論『YAIBA』の世界でもそのことは御伽噺として伝わっていた。

が、そこで終わるわけがないのがこの剣勇伝説。
YAIBA世界においてヤマタノオロチは実在した「大厄」であり、紀元前に日本どころか地球全土を荒らしまわっていた巨大な魔物であった。
高天原の神々の中より選ばれた勇者「スサノオ」は、オロチの魔力の要である角を切り落とし、大地の奥底に封じ込めた。
…そう、神々をもってしても、オロチを死に絶えさせることは叶わず、「封印する」ことしかできなかったのだ。

そしてこの角を切り落とした聖剣こそ、覇王剣であった。
覇王剣はあまりに強力すぎるため風神と雷神の二つの剣に分かたれ、それを地球の守護者である龍神が管理し「龍神剣」と相成った。
そのあと、風神と雷神がケンカして世界は混迷を極めるのだが、それはオロチにとってあずかり知らぬ事。
数万年もの時を経て、オロチはひそかに大地を喰らいながら人々の邪気を吸い、巨大化していったのである。


__時は流れて現代。
かぐや(正確に言えばゲッコー)より魔王剣を奪った鬼丸猛は、邪魔なかぐやと地下帝国が大人しくなったのを機会に、オロチ復活を始動する(※)。
日本列島には数か所にオロチを封印するための太刀が突き刺されていたのだが、鬼丸軍団はそれらを南から順番に破壊していく。
新たに鬼丸の軍門に下った四大鬼神も加わり、たちの健闘も空しく、北海道に残った最後の太刀も破壊される。

そして遂に、鬼丸の号令と共に目覚めたオロチは___



愚かな人間どもよ、すべて飲み込まれてしまえ!
魔物の血となり肉となり、我が野望を叶える怪物として生まれ変わるのだ!




____日本列島、そのものだったのである!!!


日本列島は竜のような形状をしているが、これも実はオロチが日本の地盤を食い尽くしたことが原因であった。
本来大陸とつながっていた日本は、オロチが封じ込められた地と融合したことにより切り離されたのである。

一本角を生やした巨大な頭は__北海道*1へと。
細く伸びた鎌首は__東北へと。
突き出した前足は二つ合わさり__関東*2へと。
幾重にも突き立った背びれは__北陸、京、山陰へと。
長く伸びた蛇腹は__東海、山陽へと。
大きな後ろ脚は__近畿、四国へと。
長く伸びた尾は__九州、沖縄へと!!


氷河期を経て蘇りし魔龍は、鬼丸を頭に載せ再び世界を火に包まんと進撃を開始する…。


※なお、鬼丸がオロチの復活に躍起になっているのは、伝説の鬼「酒呑童子」が八岐大蛇の息子であるという俗説からと思われる。


◆能力

ハッキリ言ってオロチの能力とはその巨体そのものと言っても過言ではない。
推定3000㎞(mではない!)に及ぶそのカラダは、それだけで巨大な質量兵器となる。
その巨体の前には科学兵器など役に立たないのは言うに及ばず、水爆並みのエネルギーを秘めた地下帝国の黒いピラミッドをぶつけても1個や2個で形勢は揺るがない。
(ちなみに地下皇帝は全てのピラミッドをぶつけて刺し違えようとしたが、地上を全滅させかねないためかぐやから大反対された)

それだけでも手に負えないのに、コイツにはもっと厄介な能力がある。
古来より悪の化身たるドラゴン火を噴き暴るというが、オロチもそれは例外ではない。
オロチの裂けた咢からは魔王半月剣レベルのエネルギー波がほぼ無尽蔵に発射されるからである。
ムサシ曰く「島が5~6個纏めて消し飛びおった」ほどで、自分が眠っていた日本列島跡地ですら一撃で消滅させているほどの威力を持つ。
そしてオロチはその超エネルギー波を何十発、何百発放とうが息切れもクソもないというふざけた仕様である。
かぐやが本気で焦り始めるのも無理はなく、「放っておけば大陸は砕け散り、海は全て蒸発し、地球は岩の塊となる」とまで言わしめている。
ついでに言うならその上に、オロチ本体より強いと思われる魔王剣を携えた鬼丸が待ち構えている。もう何なんだこの地獄絵図は。

幸い(でもなんでもないが)移動速度はそこまで速くもないが、この超絶巨体にもかかわらず、
オロチからしてみればコバエどころか微生物同然の刃たちの動きに反応し火炎ブレスを当てようとするなど感覚・反射神経は極めて高い。

ちなみに、鬼丸によれば角が折れない限り部位が多少欠損しても再生してしまうらしい。なんでこんな厄介な仕様なんだ!!!


◆真なる姿

四大鬼神の一人「ダーク」と刺し違え、龍神が異空間へと旅立って行ったその時、地下帝国の奥底で目覚めたもう一体のバケモノがいた。
かつて龍神と一体化した刃により地球そのものに押し込められた月の女帝・かぐやである。
地下帝国や鬼丸、そしてオロチにより大地が傷ついたことで自然のバランスが崩れ、封印の要となる龍神も消えたことでかぐやは今にも目覚めそうになっていた。

しかし龍神の巫女である峰さやか(詳細は該当項目参照)が自らを依代としたことでかぐやは彼女の体に閉じ込められ、
復活当初こそ地球征服に野望を燃やしていたが、頭上*3で暴れ狂うオロチの脅威を知り、地球を滅ぼしかねない鬼丸の愚行に逆上。
刃と共に地上に向かい、オロチの角を速攻で破壊して調伏しようとした。

だが、オロチは刃とかぐや(inさやか)の気配を察知するや否や、赤く膨れ上がった頭部は8つに裂ける。
8本の首から同時に全方向を攻撃するその姿こそ、「ヤマタノオロチ」の名を冠する真の形態だった。
オロチ__否、ヤマタノオロチは8本全ての首から火炎を放ち、刃とかぐや(inさやか)を強襲する。
かぐやは自らそのうちの1本の口の中に身を投じ、体内に侵入することで心臓を探り当てた。
しかし本来の力を取り戻していないかぐやには心臓を破壊できず、動きを止めるのが手一杯。
それでもなおかぐやは力を振り絞って、ヤマタノオロチの心臓を停止させる。
これにより動きと再生能力を封じられたヤマタノオロチは巨大な大地となり、魔王鬼丸と刃との最終決戦のステージと相成ったのである。

幾度となく意識が飛びそうになる中、かぐやの精神を最後まで張り続けさせたのは、胸の奥で鼓舞し続けるさやかの気合であった。
そして激しい剣劇の末、刃は魔王剣の柄ごと鬼丸のツノを切断。
続いて押っ取り刀でオロチの角を断ち割り、遂にヤマタノオロチは日本列島へとその姿を戻した。

日本に戻った刃の元に、彼の先祖___スサノオは幻影の姿で現れる。
もう二度とオロチを目覚めさせなくするには、覇王剣を封印の要とするほかない。
長きに渡って悪と戦い続けてきた愛刀を手放すのに後ろ髪は引かれるが、その迷いもまた自分を大きくしてくれる。
_そう信じた刃は、覇王剣を大地に突き刺し、永久にオロチを封じるのだった。

「あばよ…オレと一緒に闘ってきた…相棒よ…」


流石にこの一件でかぐやはエネルギーを使い果たしてしまったらしく、さやかから脱出すると母艦に戻り、月の部下たちを解放する。
さやかの心意気に多少なりとも心を動かされたのか、ゲッコーの提案を蹴りかぐやは月への帰還を命ずる。
新たに月を、緑あふれる姿に戻すために。
また美しい姿に戻ったかぐやに、部下たちは諸手を上げて悦び、彼らの故郷への舵を切るのだった。


そんなことはあずかり知らぬまま、刃は小次郎を迎えに行くために北海道に向かおうとする。
しかし庄之助の背から見えた光景は…。





「や…やっぱり…!」




「日本が逆さまだ~~~!!!」



一体この後どうなったのかは定かではないが、3年後に刃がオロチの尻尾__沖縄県で魔剣クサナギを手にしたことが、
新たな冒険の地、火星への入口であったことも、ここに記しておく。





追記・修正は「俺オロチのどの辺に住んでんだろうな…」と考えた事のある人にお願いします。

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最終更新:2021年09月19日 22:50

*1 知床半島が鼻、道北部分が頭上のツノ、石狩山地周辺が目、十勝平野が口

*2 勿論房総半島が手である。

*3 刃、さやか、ムサシの三人はオロチの攻撃を喰らう直前に地下帝国に救出されたため、この頭上とは地上の事である。