ONE PIECE STAMPEDE

登録日:2019/08/18 Sun 12:34:25
更新日:2024/04/02 Tue 17:59:23
所要時間:約 15 分で読めます






とうとうやっちゃった

オールスター映画……!!

ヤベェのできてます!!


Oda











立ち上がれ、全勢力。



『ONE PIECE STAMPEDE』とは、2019年8月9日に公開された劇場アニメ。テレビアニメ『ONE PIECE』の劇場版第14作目。
STRONG WORLD』以降より続く、原作者の尾田栄一郎氏が監修したストーリーの第4弾目だが、『FILM』ではなく『劇場版』名義。
STAMPEDE(スタンピード)とは英語「熱狂、暴走」を意味する。


●目次

【概要】

本映画の特徴は、冒頭にもあるように「全勢力」が集うオールスター作品。
海賊七武海海軍世界政府革命軍といった多種多様な人種が1つの目的の下に海賊万博に参加。
それら一騎当千の強豪たちを歯牙にもかけない強さを持つ、本物の「化物」を相手に一致団結するというのがこの物語の最大のキモである。
メインビジュアルにも描かれたルフィロースモーカーハンコックサボバギールッチに加え、ある人物も戦いに参加するのだが、彼らが共闘するのは後にも先にもこの作品位の物だろう。
惜しむらくは、四皇勢力が参加していない事くらいか。


前作の『GOLD』より3年ぶりの劇場版となるが、テレビアニメ版が20周年を向えただけあってスタッフも豪華な面子が揃う。
監督は『スマイルプリキュア!』や『エピソードオブ東の海』を手掛けた大塚隆史*1、脚本は「ポケットモンスターシリーズ」「バトルスピリッツシリーズ」といったキッズアニメ・アニメスペシャル『アドベンチャーオブネブランディア』や近年のワンピースアニメ脚本担当でおなじみの冨岡淳広が担当。
ほかキャラクターデザイン・総作画監督に佐藤雅将も参加と、錚々たる顔ぶれとなっている。
また麦わらの一味の服装は今回、ユニクロデザインチームとのコラボレーションによりある程度反映されたものとなっている。
主題歌はWANIMAの「GONG」。子供の頃から読んでいて大ファンと称するだけあって、こちらも本編の内容に沿って書き下ろされた良曲である。
楽曲のラストでは麦わらの一味声優陣も掛け声で参加している。ちなみにWANIMAメンバーと尾田氏には熊本県出身という共通点がある。

TV本編でも本作に連動するストーリーとして、2019年7月28日と8月4日にオリジナルストーリー「シードル・ギルド編」が放送されている。
とは言っても、ルフィ達が海賊万博を知るきっかけと永久指針を手に入れるだけで映画との繋がりはあまりない。

恒例の入場者プレゼントは設定資料集の壱萬八拾九巻が全国合計先着300万人に配布された。
10089(万博)になぞらえた数字となっている。

壱萬八拾九巻の内容は
  • 恒例となった敵キャラクター(本作ではバレット及びフェスタ)の生い立ち
  • 映画ラストシーンの尾田氏直筆ネーム
  • STAMPEDEメインビジュアルのラフスケッチ
  • 各キャラのラフスケッチ
  • "最悪の世代"の乗る海賊船のラフスケッチ
  • 万博参加者リスト
等相変わらずボリューミーな内容となっている。
ただし、映画本編のネタバレ部分も入っているので、読む前に一度本編を視聴することをお勧めする。

『日系エンタテイメント!』2023年1月号によれば、『GOLD』は夏休み直前に公開した結果、人が一番入るお盆休みまでトップを維持できなかったため、今作は8月公開とすることでお盆での客入りを狙ったとのこと。
そして公開からわずか1ヶ月時点で観客動員数370万人超、興行収入は50億円を突破するなど、前作『FILM GOLD』以上の大ヒット作となった。公開9日間での興収30億円突破は、2000年以降の東映配給作品の中では史上最速記録。
最終興収は約55億円。全世界興行収入は、2020年3月に100億円を突破。

【ストーリー】



「乗るぜ、アンタの話」


「やろうぜェ~! 海賊の海賊による、海賊のための世界一の、祭り!!」


「海 賊 万 博 だァ!!!」


海賊の、海賊による、海賊のための祭典、その名も海賊万博。
麦わらの一味をはじめ、世界中から集まった海賊の目的はただ1つ「海賊王の遺した宝探し」
その熱狂の裏には、"最悪の戦争仕掛け人"の異名を持つ主催者ブエナ・フェスタのある陰謀が潜んでいた。

さらに海賊を一網打尽にしようとスモーカーたち海軍の潜入捜査も動き出す。
そして突如、元ロジャー海賊団の男ダグラス・バレットが乱入。ルフィたちの前に恐るべき脅威として現れ、
事態の収束を図る海軍は大将、王下七武海を召集。さらに革命軍、CP-0も登場し、海賊万博は予測不能の大混乱へ陥っていく。


「このおれの強さは、おれ一人だけが勝つためにある!!」


「この海を一人で生きてる奴なんているわけねェだろう!!」


最強の怪物ダグラス・バレットを相手にルフィ達は勝利をつかむことができるのか…?



【登場人物(ネタバレあり)】

海賊

麦わらの一味

ご存知我らがゴム船長。最初は万博の熱気とイベントに終始目を輝かせていたが、バレットが乱入してから事態が急変する。
半殺しにされたウソップを見て激怒し、同期の海賊たちと共にバレットに向かっていくが……。

ご存知三刀流剣士の戦闘員。
一応彼も"最悪の世代"の一人だが、今回は要因が重なってバレットとは直接対峙せず。
その代わり沿岸部で藤虎と激闘を繰り広げる。
巨大な隕石を奥義で真っ二つにするシーンは必見。

ご存知巨乳航海士。
イベント戦では突き上げる奔流を既に体験していた為か、的確なサポートで一味をリードする。
中盤からはサニー号と共に一時退避するが、そこでもゼウスを使って大暴れ。

ご存知"ゴッド"の異名を持つ狙撃手。そして今作最大の漢。
PVで既に瞬殺されているシーンが色々と目を引くが、その分男気を見せる場面もあるので是非見て欲しい。
バレットからは「使えねぇバカ」と評されてしまうが、かつてその言葉をウォーターセブンでフランキーから言い放たれ、
ゴーイングメリー号の一件もあって心身共に激しく疲弊した時とは違い、意識を取り戻した後は不甲斐なさを仲間達に謝罪し、
その後は自分なりにバレットに立ち向かう事を決意。
その勇気と行動は、終盤での戦況を大きく変えることになる。

ご存知変態紳士なコック。今回はチョッパー、ロビン、ブルックと共に裏方に回る。
中盤ではスモーカーと互角に激闘する強さを見せた。残念ながらレイドスーツの出番は無し。

ご存知100ベリー船医。
今作はブルックのおならを嗅がされたりスモーカーに捕まったりとあまり良い所がない。
怪物強化の出番もなし。でも医者としての活躍はある。

ご存知お色気考古学者。
フェスタの会話を盗聴したり、島の見取り図を盗んだりと影での活躍が多い。
その途中で因縁ある「あの男」と再び対峙する。

ご存知サイボーグ船大工。 今回は両肩に社みたいな置物を設置している。
イベント戦ではド派手にビームをかっ飛ばす。フランキー将軍も勿論登場。

ご存知アフロの骸骨音楽家。
潜入中におならをしたりと相変わらずなシーンもある反面、仲間の危機に颯爽と駆けつけるなど決める時は決める。



最悪の世代

尾田栄一郎監修の元、それぞれの船も改めて正式にデザインされて披露されている。

ルフィと同盟を組んでいるハートの海賊団船長。
ズタボロにされているところを見つけた麦わらの一味が普通にローを心配するくらいには一味に馴染んでいる。「友達じゃねえ!」
のっけからズタボロにされているが、これは海賊万博の裏側を調べていたところ、真相を知りバレットの襲撃を受けた為。
終盤では共闘勢の一人として参加。バレットをよく知るクロコダイルからバレット打倒のための作戦を持ちかけられ、オペオペの実の能力が戦いの活路を開いた。

新世界で暴れまわっているキッド海賊団船長。相棒のキラーも勿論参戦。
バレット戦でも何かとルフィと張り合うシーンが多い。
その一方でキラーはキッドの危機に身を挺して助けるなど、仲間としての絆を見せる場面も。

ホーキンス海賊団船長。
相変わらずの占術思考で、イベント戦でも率先して動かず事態を見守っていた。
バレット戦では流石に本腰を入れて参加するが、降魔の相・至近距離からの釘攻撃・アニメに先駆けて披露した「藁人形カード」の巨大藁鬼婆すら容易に見切られてしまった。

ドレーク海賊団船長。
アニメのワノ国編に先駆けてリュウリュウの実モデル“アロサウルス”の姿を披露。
バレットを噛み砕きにかかるが一蹴されてしまう。
しかし元海兵らしく協調性を見せ、バレットを尻尾で拘束することで他の船長らをサポートした。

オンエア海賊団船長。
バレット相手に"爆"の音攻撃を何度も仕掛けるが、大して効いた様子は見せなかった。

  • ジュエリー・ボニー
ボニー海賊団船長
2年前に捕まって現在はマリージョアにいるはずの彼女が何故参加できたのかは不明(面子も2年前黒ひげに捕まっていた船員たちである)。
自身の能力でバレットを子供にしようと接近、蹴りまで入れてみせたが、流石に能力までは使わせてもらえずたたき伏せられた。

ファイアタンク海賊団船長。嫁シフォンと子供ペッツも連れての参戦*2
圧倒的な強さを見せるバレット相手に"大頭目"を発現させるが、一撃で破壊されてしまう。
リンリンの攻撃でさえ何発か耐えていたというのに……。

破戒僧海賊団船長。画面一杯に写る笑顔が素敵。
イベント戦ではキッドを差し置いて15億の男ルフィと直々に拳を交える快挙を見せる*3
バレット戦でも、ドレークがバレットを尻尾で拘束した時に、巨大化しての因果晒しを披露。それまでいなすか避けるかしていたバレット初のクリーンヒットとなった。
まさに公式がウルジスト。
彼がルフィと接触したのはこの作品のみだったりする。


◆その他の海賊

麦わらの一味の傘下である麦わら大船団の1番と2番の船長。
バルトロメオはルフィ達が活躍するたびに目を輝かせていたが、
キャベンディッシュは「僕より目立つな!」と半切れ状態だった。
中盤ではゾロ、ナミ達と共に海軍勢力の迎撃に当たる。

まだ海賊をやっていたことが判明した現悪ブラックドラム王国国王。
嫁のミス・ユニバースと共に高笑いしたり走り回ったりと忙しい。
さっさと世界会議にいけや。
兄のムッシュール、チェスやクロマーリモも台詞はないが登場している。隙を見て逃げようとするが、ミホークに船を真っ二つにされる。

ガラスハートなオヤビンでお馴染みフォクシー海賊団船長。
上記のワポルと共に登場し、声優繋がりの中の人ネタもある。
「麦わらァ、俺達を… 助けて下さい!」「アホかァ!自分で戦え!!」

かつて強敵としてルフィの前に立ちはだかった元王下七武海。
海賊万博の真相とバレットの存在に一早く気付いており、機を窺いつつ裏で暗躍していた。
バレットとは、自身が20歳の時のルーキー時代に激闘を繰り広げた(決着はつかず)事があり、その時の経験がバレット攻略の一手となる。
ある意味ポスターに出ていないのが不思議なくらいの役回り。クロコダイルまでポスターにいると、人数比率的に「立ち上がれ、新旧七武海。」になってしまうからだろうか。

初代海賊王、故人。
当然ながら回想のみでの登場となるが、生前に遺したとある宝がきっかけで海賊万博が開催された。
ある意味では本作の元凶であり、彼を越えられなかった2人の男が起こした物語が今回の「STAMPEDE」の大本である。



王下七武海

ルフィ一途な現アマゾン・リリー皇帝にして九蛇海賊団船長。
海軍から要請がかかったのか、中盤から登場。終盤で共闘勢の一人として参加する。
愛しのルフィの為に全力疾走する彼女の姿は必見。

頂上戦争から成り上がった元ロジャー海賊団見習いにして現海賊傭兵派遣会社バギーズデリバリー総帥。
海賊万博では、フェスタに警備担当として雇われ、万博の機密を漏洩しようとする者を派遣海賊と共に始末すべく襲い掛かっていた。
最初の方は真面目に仕事をしていたが、宝探しゲームが始まると居ても立ってもいられなくなり、あっさりと職務を放棄してレースに乱入。「最悪の世代」が潰し合っている隙に、最初に「お宝」へとたどり着き、その中身に驚く。
相変わらずのギャグ担当でコメディリリーフな立ち回りも多いが、バレットの事はバスターコールより怖い」「レイリーさんと張り合う強さ」とよく御存知の様子。
他の多くの海賊達が多数の軍艦に動揺する中、軍艦よりもバレットから逃げる事の方を優先したバギーの判断はその後の推移を見れば正しかったと言わざるを得ず、元ロジャー海賊団メンバーの貫禄を見せた…のかもしれない。
共闘勢の一人だが、基本逃げ惑っているシーンが多い……というか、本人はメチャクチャ逃げたいのに巻き込まれているだけなのだが、それでも途中思わぬ活躍をする。
なお今回の描写・10087巻での尾田栄一郎の解説を見る限り、「実はラフテルに行っていない」という説が浮上した。その後の本編でも「バギーとシャンクスはラフテルへの航海に参加しなかった」と判明している。

御存知世界最強の剣士。本編でもその実力は遺憾なく発揮されており、ゾロを超える圧倒的な強さを見せた。
しかし早々に「協定外」ということでペローナと共に撤退した。
バスターコールに巻き込まれることを嫌ってのことだと思われる。

白ひげを葬り去り、現四皇にまで上り詰めた「最悪の世代」の頂点。
映画では出だしからいきなりゼハハハハと笑いながら登場、インベルタウンの牢獄でバレットを目撃するのみだが、インパクトは抜群。

海軍

「望み通り、バスターコールじゃァ!!」
現海軍本部元帥。
「徹底的な正義」を掲げる彼が海賊万博なんてものを見逃すはずもなく、躊躇なくバスターコールをかける。
しかし元帥という立場上、前線には赴かず黄猿との会話のみ登場。

海軍本部大将。
遠くの軍艦で海賊たちの暴走を静観していた。
暫くは動かず事態を見守っていたが……。

世界徴収で招聘された、盲目の新大将。
沿岸部で逃げようとする海賊の撃滅に参加。ゾロと交戦する。
巨大隕石を落としたりと相変わらずやりたい放題。

"白猟"の異名を持つ海軍本部中将。本作では海軍側の主人公的存在。原作のパンクハザード編ではあまり活躍に恵まれなかったが、今作では本部中将としてその行動力・実力を遺憾なく披露する。
たしぎと共に先んじて海賊万博に(どうやら上司に報告なしの独断で)潜入しており、そのため海賊万博の島に何者かの通報で海軍艦隊が押し寄せていることまでは知らなかった様子。
避難中の海兵がいるにも拘らず、超巨大バレットの出現に対しバスターコールを発動して砲撃を加える上層部に激怒し、たった一人で事態を鎮圧しようとバレットへと立ち向かう。
その途中でルフィ、ロー達の策に(嫌々ながらも)乗ることになる。

  • ヒナ
"黒檻"の異名を持つ海軍本部少将。スモーカーとは同期。
今回は部下のジャンゴ/フルボディと共に前線に参加。片っ端から海賊たちを捕縛していく。
その一方で付き合いの長いスモーカーの心情を汲み取る場面も。

スモーカーの部下であるメガネ女剣士。海軍本部大佐。
スモーカーと共に万博に潜入し、急変する事態を彼に伝えていた。
最後までスモーカーに付き合うと進言するが…。

今や英雄とまで称されるようになったルフィの最初の友達。海軍本部大佐。
相方のヘルメッポと共に暴走する海賊たちの鎮圧にあたる。

  • 戦桃丸
旧型のパシフィスタを連れて参戦。沿岸部の海賊たちの拿捕に当たる。
的確に指示を出す一方、ネガティブホロウを食らって膝をつく場面も。

ロジャー時代の英雄。隠居したためか前線での出番はなし。
バレットの事も良く知っていたらしく、仲間を持てずに道も誤ってしまった彼については思う所もあった模様。



CP-0

元CP9にして 現CP0所属の諜報員。
上層部の命令なのかは不明だが、クロコダイル以上に表に出ず、徹底して影で動いていた。
流石にバレットが暴走してからは、ルフィ達の策に乗じるように密かに参戦。
しかしその真意は終盤まで悟らせなかった。

カク、ステューシーなど他のCP0は最後の方にのみ登場。


革命軍

ご存じもう一人のルフィの義兄弟。 今回はエメラルドのコートに赤いシャツ、ネクタイを身に纏っている。
危険な戦争仕掛け人であるフェスタが動くことを追って万博へやってきたが、本格的な参加は中盤以降から。
前作では"火拳"しか出番がなかった分、今作では所狭しと暴れまわる。勿論ルフィ達の作戦にも進んで参加した。
終盤では「アイツ」との夢の共演を果たす。
(エンドロールでは「???:古川登志夫」と表記)



◎本作オリジナルキャラクター


「さァ…始めようか!!」
CV:磯部勉
本作のラスボス。
元ロジャー海賊団船員であり、"鬼"の跡目という異名を持ち、その強さは海賊王に迫るほどの実力者。しかしロジャーに勝つことはできず、ロジャーを超えることを目標としてきた。
非常に筋骨隆々な体躯をした大男であり、2年前のインペルダウン大脱走に紛れて自身も脱獄した。

非常に高い戦闘力を持ち、その実力は文句なしの「怪物級」
ルフィ含めた"最悪の世代"全員がかかっても覇気と身体能力だけで圧倒するほどであるが、
更に超人系"ガシャガシャの実"の能力(覚醒済)により、その強さは誰にも手が付けられないものになる……。
現状では、間違いなく劇場版最強候補*4

詳細は該当項目も参照。


「これがおれの、新時代だァ…!!」
CV:ユースケ・サンタマリア
フェスティバル海賊団船長。見た目からは分かりづらいが、実年齢は70代後半のおじいちゃんでロジャーと同年代。
"祭り屋"と呼ばれる海賊万博の主催者。だがその裏では"最悪の戦争仕掛け人"と呼ばれる質の悪い犯罪者である。

20代の頃の元々の彼は、祭りなどで人が熱狂するのを見るのが大好きな性格で、「海賊音楽祭り」「海賊肉祭り」「海賊ミスコン祭り」など色々な興行を幅を徐々に広げながら行い儲けていた「祭り屋」と呼ばれる海賊だった。やがて、その中でも海賊達が最も盛り上がった「海賊ケンカ祭り」のような血生臭い祭りに強い手応えを感じ、そうした祭りを積極的に開催するように。
その狂気は次第にエスカレートしていき、裏社会の大物達とも繋がって、陰で勢力を巧みに操り、人々が熱狂するような幾つもの戦争を引き起こすようになり、最悪の戦争仕掛け人と裏社会で呼ばれるようになった。「怒りもまた…熱狂だ」。
40代の頃まではそのように過ごしていたが、50代半ばの頃、死の間際のロジャーがたった一言で引き起こした「大海賊時代」という祭りに対して強い敗北感を感じ、やる気を失って失意と共に引退。
10数年前に海難事故で海王類に喰われ死んだと思われたが、その時に偶然"とある宝"を拾ってからくも生還。
その後、偶然にも自分と同じようにロジャーを越えたい思いを抱えていたバレットから誘われ、自身もバレットに可能性を感じて手を組み、ロジャーを超える「祭り」を起こそうと今回の海賊万博開催を久々に行う。


  • 歌姫アン
CV:指原莉乃
東京ワンピースタワーのLIVE ATTRACTIONにて登場していた、トンガリ島のライブハウス出身の歌姫。
ドナルドと共に万博メインイベントの司会者を務めるが、海軍の乱入を聞きあわてて撤退する。
触れた絵や写真を幻として具現化させる"ビジョビジョの実"の能力者。幻は短時間で消えてしまうが、例えば出現させたドラゴンは空を飛び火を吐くなどの行動も可能。


  • ドナルド・モデラート
CV:山里亮太
片腕片足が義手義足になっている海賊万博の名司会者。
万博会場に集まった海賊たちに、お宝争探しのルールを説明していた。
仕切り屋なのに大事なところでアンにマイクを奪われがち。



【用語解説】

  • 海賊万博
今回フェスタが開催した、世界中の海賊たちが一つの島に集う祭典。
海賊が起こした祭りという事もあってか、分類でいうと闇市場に近い。
表舞台から姿を消していたフェスタが、二十数年ぶりに開いた。

しかし祭り自体は非常に賑やかであり、巨大な屋台や販売店が立ち並び、
海賊ミスコンやデービーバックファイトといったイベントも開催されている模様。
海列車も開通しており、アクセスもしやすい。

だが今回のこの祭りの一番の目玉は何と言っても"海賊王ロジャーが遺した宝"。
それは「この海の最も深く最も高い所」に眠っているとのことだが…。


  • デルタ島
作中の舞台である「海賊万博」の開催地。
均等に3等分したドーナツのような形状で、中央に大きな湖、その侵入経路に3つの海が流れている。面積は横3km、縦4km程で、人口は約1万人。
中央の湖は定期的に"突き上げる海流(ノックアップストリーム)"が発生し、湖底にあるシャボンに覆われた小島が浮かび上がるようになっている。





「おれたちは…早過ぎたんだ」


  • ロジャーの遺した宝
あの海賊王ゴール・D・ロジャーが遺したとされる伝説の宝。
古ぼけた宝箱に入っていたようだが、これの中身を見たバギーやウソップは驚愕の表情をしている。バレットは「この箱の中身は"ひとつなぎの大秘宝"そのもの」とまで言い切っている。
実際、もし本物ならば世界中の海賊はおろか、海軍や世界政府、知っていれば四皇すらも喉から手が出る程欲するような、とんでもない代物が眠っていた。しかし、宝の正体を知ったルフィは誰も予想しなかった行動に出る。その真意とは...
詳細はフェスタの項目を参照(重大なネタバレ注意、本編を見てから読むことを強く推奨します)






【余談】

  • 時系列
本作はルフィが15億になっていること、ベッジが妻子を連れていることから分かる通り、
ホールケーキアイランド編後のストーリーであることは間違いないが、この時一味の半分とローはワノ国に潜入しており、『ONE PIECE FILM Z』『ONE PIECE FILM GOLD』のときと同じく、麦わらの一味全員のみが他の同乗者も無く集結して航海しているシーンは新世界編に無い。
更に原作では、他の"最悪の世代"もそれぞれの四皇陣営に所属していたり、ジュエリー・ボニーは長らく単独活動中だったりする為、前作同様パラレルワールドとして製作された可能性が高い。


  • ゲスト声優
本作では元HKT48の指原莉乃や最近結婚してホクホクの山ちゃんがメインとして参加しているが、他にもモブキャラにシキの声優である竹中直人、
女海兵に中国歌手のロン・モンロウ、フィッシャーズ海賊団にYouTuberであるFischer'sがゲスト参加している。
中でも竹中氏はこれで3回目の出演となる。お疲れ様です。

何かと物議を醸しがちなゲスト声優枠だが、今回は配役や演出が噛み合っており、前作と比べて出番が抑えめなこともあって概ね高評価。
指原莉乃が担当した歌姫アンも、元々は東京タワーで上演されているライブショーが初出のキャラで、そちらの担当声優である早見沙織が起用されなかった事に対する批判もあったが、実際に公開されると好意的な意見も目立つようになった。
特にフェスタ役のユースケ・サンタマリアはゲスト枠とは思えないほど迫力のある演技を披露し、彼の出演を知らずに映画を見た観客も、初見でユースケだと気づけなかったとか。
(演技経験が乏しく懸念されていたFischer'sは、逆に目を凝らさなければ分からないレベルの出番に抑えられている。キャラの外見は当人たちに似せてあり無駄に凝っているので、気になる人は探してみよう)

  • パンダマンを探せ!
漫画でも度々隠れて登場するパンダマンだが、本作では複数回にわたり登場している。
パッと見で分かるものから注視しないと分からないものまで様々であり、なかなか難しい。
公式ツイッターではパンダマンの登場回数をツイートするとサイン入りポスターなどの豪華賞品が抽選で当たるようになっている。

  • 万博参加者
総勢200名以上のキャラクターが隠れて登場している。勿論この数は劇場版シリーズ最多。
原作キャラのみならず、アニメオリジナルや劇場版オリジナルキャラクターも出演しており、非常に豪華。
壱萬八拾九巻には具体的な参加者リストも記載されている。
作者が劇場版の監修に関わる前のオリジナルキャラも数人登場している。アニオリ要素は基本的に原作に反映されず、
その結果後々の原作展開・設定と矛盾してしまう事も少なくなかったが、今回の登場によって彼らも『ONE PIECE』の歴史の一部である事が証明された。
大体が最初のOPに隠れているので、上記のパンダマンと併せて探してみるのもいいかもしれない。






追記・修正は、ロジャーの宝を見つけたものがお願いします。

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最終更新:2024年04月02日 17:59

*1 余談だが、今作のアフレコ期間中に結婚した。

*2 万博でのシャーロット家参加者は彼女のみ。尤も、本作は万国編の後なので恐らくはシャーロット家の一員としてではなくファイアタンク海賊団としての参加と思われる。

*3 PVでルフィを吹っ飛ばした腕の正体はバレットではなくウルージさんだった

*4 全盛期のシキやゼファーなら張り合えるかもしれないが、両者共に映画に登場時点では老いやブランク、病気等でかなり衰えている