ナバール(FE)

登録日:2011/09/08(木) 14:38:00
更新日:2024/02/25 Sun 22:22:37
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……オレは女に斬りつける剣は持ってはおらぬ。





出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始
(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』『紋章の謎』及びその両リメイク版に登場するキャラクター。

CV:子安武人(※電撃CD文庫とBSアカネイア戦記を除く)、梁田清之(電撃CD文庫 旅立ちの章)


ここではナバール系と呼ばれる歴代シリーズのキャラクターについても少し説明する。

出自不明な流浪の剣士。アカネイア大陸では紅の剣士の名で知れ渡っており、各地で用心棒をしている。
無愛想でニヒル、冷徹な性格で地位や名声には一切興味を持たない。
反面、戦闘時には「くらえ、必殺の剣!」とか言っちゃうような少々痛い節も見受けられる(DS版では流石に本人は言わなくなったが)。
運が悪いと本当に必殺されてしまうから注意。


オグマとはお互いにライバル意識を持っているが、何時どの様に因縁が生まれたかははっきりしていない。メディア版では各々エピソードが語られる事がある。

金さえ貰えれば悪人だろうと構わないらしく、マルス達と初めて出会った時は行く手を阻むゴロツキ達の仲間だった。
しかし女は斬らない主義で、女が絡むとあっさり寝返る。
しかしレナや説得前のシーダを容赦なく斬り殺したりする。好みの問題か?
FC版ではボサボサ頭の裸鎧だったが、SFC以降の作品では長髪に東洋風の衣装のイケメンになった。
因みに服の色は近年は「紅の剣士」を意識して赤系がメジャーだが、かつては青や黒や白もあった。
では何が彼を「紅の剣士」と呼ばせるかというと、代名詞と言える得物のキルソードが紅い刀身になっているからである。
メディアによっては犠牲者の返り血で真っ赤に染まっているからなどと言われる。 


■各作品でのナバール

【暗黒竜と光の剣(紋章1部、「新」)】

登場は3章「デビルマウンテン
山賊・サムシアンに用心棒として雇われており、脱走したジュリアンとレナを追いかけて来たのか、
アリティア軍に攻撃するつもりだったのか、マルス達に突撃してくる*1
しかしシーダの天才的説得によりあっさり寝返る。
その際シーダの発した、

その剣で私を好きなようにして

は伝説的な殺し文句としてエロ非エロ問わずネタにされ、公式でも後の作品に登場する隠れたお約束となった。


【紋章の謎(紋章2部、「新」)】


アリティア軍に追い詰められたラングが6章で雇っていた「紅の剣士」に撃退を頼むという展開で登場…




……しない。
実はラングが雇ったのは、紅の剣士を騙る偽者サムトー。
シーダにはあっさり見抜かれ、恩義のあるオグマには自分からバラして味方になる。なおオグマは偽物とは気づかいてなかった。
シーダとの会話だけ見るとかなりヘタレに見えるが、オグマとの会話はかなりシリアスで、小説版ではラングが気に入らないと自分からオグマの元に行って合流している。
因みにゲーム中でナバールが死亡した場合、EDでサムトーが本気になり二代目「紅の剣士」となる。
こうしてみると割と律儀な奴である。

本物の登場は次の7章「紅の剣士」。
「人殺しー」でお馴染みダールに雇われていたが、盗賊に狙われていたフィーナを助けるために離反。そのままアリティア軍に入る。




【アカネイア戦記】

『暗黒竜』より数年前の話。第3話「正義の盗賊団」に登場。
レナの説得によりアカネイア・パレスに盗みに入るのを手伝う。
宝をちょろまかそうと企むリカードと詐欺師カシムを終始威圧し続ける。
護衛や用心棒の報酬は結構高く請求している模様。


【剣に定められた者は剣に】

新・紋章』のダウンロードコンテンツのマップで、暗黒戦争と英雄戦争の間の話。
タリスの辺境部族に雇われ、オグマ達を絶体絶命のところまで追い詰める。
この時オグマにライバル意識を吐露し、自分もオグマも本質は同じ、
目的が無くとも剣を振るう戦闘狂であると指摘したが、結局シーダの説得に折れた。


幻影異聞録♯FE

剣弥代のミラージュとして登場。CVは勿論子安氏。
他のミラージュと同じく記憶を失っている。
剣弥代とは共通点が多く、お互い信頼しあっている。

なお、子安氏が ゲーム媒体で ナバールを演じたのは今回が初。


ヒーローズ


出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始
(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

大英雄戦で勝利すると仲間になるほか、聖杯で召喚も可能。

競合相手が特に多い歩行剣士で専用武器が無いということで埋もれがちだったが、
後に高威力版キルソードである『紅の剣』を獲得。
更に武器錬成で1ターン目開始時に奥義カウントを-2する効果を付与できるようになり、
3カウント奥義までなら開幕からいきなりぶっ放すという運用が可能となった。

その他のデフォルトスキルは、戦闘前に特定範囲内の敵へダメージを与える『烈風』、
自分のHPが75%以下かつ自分から攻撃した時に、追撃可能なら初撃の直後に追撃をする『攻め立て3』、
ターン開始時に周囲2マス内にいる敵の速さを-5する『速さの威嚇3』がある。

+ 道場?
上記の通り大英雄であり、後に大英雄戦が常設されるようになったのだが、この大英雄戦が「実装初期の物であったために難易度が低い」「 青属性が居ない 」「配布のしっこく鍛えてあれば聖印やスキル次第で単騎で勝てる」と 英雄値稼ぎの道場 として活用できることが知れ渡ってしまい、毎週ローテで登場するナバールの大英雄戦が英雄値稼ぎの カモ として活用されてしまった。
おまけに実装初期の物なのでナバールも キルソード+ なんて貧相な武器しか持っておらず、そのあまりの弱さから ナーバル と呼ばれてしまう羽目に。
この道場を回しまくれば当時の羽の供給量でもどうにか週1で星5を作ることができた為、当時のエクラからは散々利用されることに。
ちなみにインファナル以上ではちゃんとキルソード鍛+を持ち、ブラーマムクート(青属性)が追加されている。

なお、アビサルでは 魔防錬成キルソード鍛+ に明鏡の構え3と遠距離防御3の聖印、 HP88 という頭おかしい設計により、 ラインハルトのダイムサンダ4連撃に耐えきる ナバールが目撃されることに。
どう考えても努力の方向がおかしいのは突っ込んではいけない。


ファイアーエムブレム無双

無双とのコラボ作品にも参戦。無論CVは子安氏。
発売当初はNPCとしてのみ登場するだけだったが、DLC第二弾にてプレイアブル化。
シナリオではマルス達と共に主人公一行の危機を救う。撤退してもなお無茶をしようとする主人公を厳しく諭す場面も。

クラスは傭兵/勇者。専用武器は『倭刀』。
性能としては本作屈指の強キャラ。
モーションはリンと同じなのだが、なんとステータス面で耐久値以外全てリンを上回っている。
特に速さはシーダをも上回り全キャラ中最高であり、覚醒を特に活かしやすい。
またリンの攻撃モーションがそもそも強いこともあり、ナバールもおのずと強キャラとなっている。
ただしリンの時点でも低かった耐久がさらに低くなっているため、被弾には注意。

固有スキルは、ダブル状態ではない時に攻撃の威力が上がる『孤高』。ある意味ナバールらしいスキルであり、実際効果はダブル状態のステータス補正を十分に補っているため有用である。

絆会話の相手はカムイ、リョウマヒノカサクラ、マルス、シーダ、チキ、リン、ウード
リョウマによると彼の剣術は亡きスメラギ王を彷彿とさせるようだ。
なお流石にゼロとの会話は無い。が、デュアル奥義発動時に固有の掛け合いがある。
また、あるステージではナバール、ゼロ、ファウダーの同じ声帯を持つ3人が同時に敵として出てくるシチュエーションがある。

DLC第二弾で追加されたヒストリーマップでは、シーダとのあの伝説のやり取りをフルボイスで再現している。必見。


■ユニットとしてのナバール

最後付近でサムトーについても簡単に説明する。
SFCまではクラスが「ようへい」だった。
成長は技と速さに優れる反面、耐久に不安が残る実に剣士らしいもの。

高い技とキルソードの必殺でバッサバッサと敵を斬り活路を開く姿はカッコイイが、
必殺の連発はやっつけ負けの危険があるほか、乱数の仕様のせいで成長に支障をきたしやすくなっているので注意。

オグマと比較されるため、SFC版ではナバールは運、オグマは守備の方に調整が入った。
さらにSFC版ではキャラ毎に成長パターンがあり(長くなるので詳しい事は言わない)、ナバールは早熟型でオグマより早く強くなれる。
しかし、上がりやすい能力が速く上がるため、成長が頭打ちになりやすく、最終的にはオグマに劣る形になる。

DSで仕様変更されデフォルトクラスが「剣士」に変わった。
『新・暗黒竜』では全体的にユニットの成長率が落とされている今作では彼は力の成長率が下がった事と
三竦みのせいで不利な修正を受けやすい事もあってやっつけ負けどころかボコボコにされる事が大半である。
力と守備力の成長率は兵種変更で補えるが職業修正で早さと技が落ちるので今度は追撃が出来なくなる。

結果的に大幅に弱体化し、かつてのような最前線での使用はできなくなり、削りやトドメ役位しか使い道がなくなった。
それどころか、ナバール使うならジュリアンを前線起用するかラディを使えと言われるレベルである。
(一応、高難易度だと追撃しやすくされにくいという長所が生きる場面もあるが…)

…不評だった為か『新・紋章』ではオグマ同様成長率が上昇した。
ソードマスターのステータス補正も変更され、勇者と並んで高い補正値となった。
主力として前線で使える性能となり、かつての強さを取り戻した。
ただ、バランス良く成長させるなら最初はソシアルナイトに兵種変更するのも手。
剣が使えるので武器レベル上げにも不自由しない。

ちなみにナバールを騙っているサムトーの強さだがはっきり言って弱く、完全劣化ナバールである。
ただ、SFC版では傭兵・勇者と剣自体が強く、速さも高いのでサムトーでも活躍できたりする。剣の時代って恐ろしい。
しかしDS版では限界値の見直しとゲームバランスの変化、サムトー自体がレベル5の癖に恐ろしく初期値が低いせいで下級職では最弱レベルに成り下がった。
その弱さは初期上級職でよく育つアベルにHP以外、全ての期待値に負ける程。よくそんなんでナバールを騙れたな。
しかも敵の強さの調整とかも入っているため、育てづらく、成長率も速さ以外低いため、成長しても足を引っ張りがち。
加えて原作通り、1章(外伝なら2章)先にナバールがいるため、傭兵と剣の力でなんとかなったSFC版と違って、完全に使う理由がない。
そのため、味方が死にまくってる現状かサムトー大好きなプレイヤーでもない限り、戦略的には使われることはないだろう。
一応速さだけは成長するので兵種制限解除後にアーマー戦士で我慢して育てるとそれなりの能力値にはなったりする。他のキャラでもできるのは突っ込んではいけない。


■ナバール系

以降シリーズでは彼をベースにテンプレート化されたキャラクター達がおり、「キルソード剣士」、「ナバール系」等と呼称される。
特徴としては、
  • 傭兵稼業で生活する剣士
  • 長髪イケメン
  • クール、ニヒル、無口、一匹狼
  • よく女性が絡む
  • キルソード/倭刀持ちで登場
  • 技と速さに特化した性能
  • 寝返り(説得)で仲間になる
等がある。

一覧にすると、

因みにシャナンは偽者(シャナム)まで完備。

『烈火』に関しては、「キルソード持ちの剣士」としてはギィが当てはまるが、
快活な性格で修行に明け暮れる将来有望な少年剣士というラディ系の色が濃い。
対してカレルは、かなりイっちゃってはいるが性格面は踏襲している。
しかし得物が倭刀だったり攻略次第では出て来ない事もある。

ロンクーは「キルソード持ちの剣士」としては珍しく、短髪・しかも説得いらず・女性が超苦手。だが、声はしっかり子安。

ディーンはかなり後半になってから、更に選択加入キャラであるが「最初は敵」、「勇者の剣持ち*2」、
「選択キャラのもう一方が女性」、「自分の事を多く語らない」、「戦乱が終結した後忽然と消える」といった内容からナバールの要素を十分に満たすキャラである。

シェズはナバール系としては初めての主人公。
さらにナバールと同じく二刀流の傭兵であり、パケ絵などでは片方がキルソード。

カゲツはキルソード持ちでは無いが、同じ必殺率が高い「倭刀」が初期装備で「最初は敵(ただし説得では無く、ストーリー進行で必ず加入)」のソードマスターであり、担当声優はナバールと同じ子安氏。
だが、陽気でコミカルな性格のため歴代ナバール系剣士とは一線を画すタイプ。



■その他

いつも初期装備はキルソード一本であるが二刀流という設定。

ISの公式裏設定では、女性に弱いのは、旅の理由の一つが、ある人物の行方を追っているかららしい。
まぁ結局女性絡みなのだろう。

FEの音声作品では、『電撃CD文庫 旅立ちの章』と『BSアカネイア戦記』を除き全てナバールのCVは一貫して子安武人があてている。
これには、実際にSFCの『紋章の謎』をプレイした子安が、
ナバールを気に入って各所に「ナバール役をやらせてくれ」と自ら売り込んだというエピソードがあり、
結果あまりにもハマリ役だった為に作品によってはプロデューサー自ら依頼しに頭を下げてきた事もあったらしい。

悪く言えば自分がないがそれ故に自由、心動かされるものに正直で常にニュートラルな位置に自分を置き固定観念なく「今」に忠実」(子安のナバール評)

因みに子安自身初代以来の重度のエムブレマーで『新・暗黒竜』でもナバールに入れ込み過ぎていた。
さらに、小学舘の『新・紋章』攻略本では子安単独でインタビュー記事が組まれた。
前述の通り『覚醒』ではロンクー役を演じているが、こちらは本人が売り込んだのか、オファーがきたのかは定かではない。
その後、『if』『風花雪月』といった続編でも必ず子安が出演している辺り、やはりスタッフからも重宝されている様子。
『風花雪月』に至っては発売前のPVでナレーションを担当したり、
更には公式Twitterで「ゲーム内にも子安さん演じるキャラクターが登場しますのでお楽しみに!」と宣伝される始末である。

また直接共演した経験は無いもののバンダイナムコゲームスから発売されたRPG、
「テイルズオブヴェスペリア」の主人公ユーリ・ローウェルには「黒い長髪を持つ細身の青年」で「凄腕の剣士」というナバールとの共通点があり、
クロスオーバー作品「PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD」にて『覚醒』設定のチキがユーリと出会った際にナバールを思い出すイベントが存在する。
またそのイベント直前のユーリの台詞も明らかにナバールを意識したものになっている。


一方、暗黒竜シリーズ初の音声作品の『旅立ちの章』ではCVは別だが、キャラの性格や造詣までほぼ別人レベルに描かれていた。
大まかな設定は同じだが割と血気に走りやすい性格で、やや硬いものの口数も結構多くCVの声質もあって『歴戦の剣士』感が強く出ている。
故郷をマケドニアの竜騎士団に滅ぼされた過去を持ち、偵察していたミネルバを見るや否や猛然と斬りかかり憎悪を露にする場面もあった。
オグマとのライバル設定はおろかそれまでの面識も無く(共闘するシーンはあったが)、キルソード絡みの設定展開も無し。

だがそれ以上に特筆する事は、 外見が完全に誰てめ絵レベルのアレンジをされている事 だろう。
皆が知るだろうあの影があり近寄り難い美男子の面影などカケラも残っておらず、顔つきも髪型も服装も全くと言っていいほど別人、一目ジャケ絵を見ただけではナバールとは分かるまい。尤も、同作品では大半のキャラの外見が劇的に改変されており、彼だけが特別という訳ではないが。

しかしシーダの説得で仲間に加わる*3、音声作品では唯一「くらえ、必殺の剣!」と言ってくれたりシーダに励まされるなど、以降の作品に比べるとより原作に忠実な一面もある。



かわいそうだが編集させてもらうぜ。
くらえ、必殺の追記・修正!


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最終更新:2024年02月25日 22:22

*1 メディア版でもまちまちで、独断でジュリアン達を追撃してたりサムシアンと共にマルスらに立ちはだかったりする。

*2 外伝では2回攻撃ではなく必殺率が高い剣として扱われており他シリーズのキルソードに近い武器となっている。

*3 他のドラマCDなどではマルスの行動や説得に心を動かす・オグマとの決着をつける為仲間に加わる展開な事が殆ど。シーダとはそれ程接点が無い作品もある。