ビームライフル

登録日:2011/04/03 Sun 14:03:45
更新日:2024/03/20 Wed 08:43:07
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スレンダー! …一撃で、一撃で撃破か!
なんということだ…あのモビルスーツは、戦艦並のビーム砲を持っているのか!?





概要

ビームライフルとは「機動戦士ガンダム」シリーズに登場する武器の一つ。
ロボット物の基本である「光線銃」に分類される。(正確には粒子加速ビーム砲)


●宇宙世紀(U.C.)


◇U.C.0079 一年戦争

ミノフスキー物理学から生まれ、絶大な威力を誇り、一定以上の飛翔で減衰し元のミノフスキー粒子の状態に戻る事で流れ弾被害が生じないメガ粒子のビーム兵器「メガ粒子砲」。
その破壊力たるや、物理的な装甲では防げず、当時最高レベルの強度を誇るルナ・チタニウム製の装甲さえ簡単に溶かしてしまうほど。
しかし、ミノフスキー粒子を縮退変換させて生成するメガ粒子の発生システムには巨大かつ高出力が必要であり、戦艦の主砲としてしか運用ができない物であり、それが定説であった。
だが……

  • エネルギーCAPの誕生
地球連邦軍は、ミノフスキー粒子をメガ粒子に縮退する直前の状態のまま保持し貯蓄するパーツ『エネルギーCAP*1』技術の開発に成功。
これは「メガ粒子発生装置の省略化」と「MS用携帯ビーム兵器の実現」を意味していた。

MSが装備できるほどの、携行型メガ粒子砲。
E-CAPを利用して開発されたその新兵器は「ビームライフル」と名付けられ、連邦軍の試作MS「RX-78 ガンダム」と「RX-77 ガンキャノン」に実装される事となる。
MSの携行武器がザクⅡを一撃で撃破するというその光景に、シャア・アズナブルが驚きも露わに発したのが冒頭の台詞。*2

しかしこの頃のビームライフルは、
「E-CAPにMSが自力でリチャージ(再充填)する事ができず、専用機器を搭載した母艦で再充填する必要がある」
「製造コストが非常に高価」
「特定環境下の照準のブレやエネルギー減衰の発生」
など、まだまだ課題も多く、量産配備には難があった。
そこで連邦軍は威力と引き換えに命中性・連射性・生産性に優れた小型の「ビームスプレーガン」を開発し、量産型MS「ジム」に配備。

一方、ジオン公国では「ビームバズーカ*3」など同じくメガ粒子砲の小型化に取り組んではいたものの、完全なる携行運用を実現したガンダムのビームライフルに度肝を抜かれ、そちらと同様の開発にシフトしていく。
その完成品はゲルググなどに配備される事となるが、実際の研究は難航して完成は遅れ、しかも小型化も中途半端で取り回しが悪く、その他の要因も加わって(ゲルググの項目参照)ジオン公国の劣勢を覆すには至らなかった。


余談だが、ビームライフルとメガ粒子砲には定義的な区別はない。
一部では「ジェネレーター直結式はメガ粒子砲」とする説もあるのだが、この頃はMSでのメガ粒子砲運用自体が困難な時代であり、分類するほど数も種類もない。
続くグリプス戦役でもその区別は曖昧な上、その中間にあたる時代でも「ロングレンジビームライフル」のように電源と直結したり独立して携行可能なメガ粒子砲が存在するため、やはりジェネレーターとの接続は関係がないと言える。

強いて区別するとしたら、ライフルの形状に近いメガ粒子砲=ビームライフル、それだけであろう。
身も蓋もない事を言ってしまうと命名する兵器開発部と上層部の匙加減である。



◇U.C.0083 デラーズ紛争

ガンダム開発計画が発動し、新たな「ガンダム」が設計・開発。それに伴って新しいビームライフルも製造された。

  • Eパック式の登場
それまで内蔵されていたエネルギーCAPを外付けのマガジンもしくはエネルギーセルパッケージ状にすることで、使用後の付け替えや複数携行による発射回数の増加が可能になった。
このマガジン型外付けエネルギーCAPは「E(エネルギー)パック式(E-PAC式)」と呼ばれ、その後の一般普及型ビームライフルの主流となる。

ただし、Eパックの交換はMSのマニピュレーターで行うため、サイズや形状をある程度維持しなければならず、あまり大きくできない制約もあった。
このため大型銃器内蔵ならば内蔵E-CAP式の方が内容量などの性能を上回る事もあった。
また、Eパック自体はただの「取り外しの利くE-CAP」でしかなく、E-CAPがライフルの稼動動力を担うかはモデルによって異なる。
E-CAPが自前で賄うモデルもあればMS本体からの供給が必須なモデルもあり、例えば腕部・手部にビーム兵器用エネルギー供給経路の無いガンダムMk-Ⅱは前者
後者は供給経路規格によって同じ銃器を使い回せるMSに違いがある。

設定的には、従来既存方式の物は「内蔵E-CAP式」もしくは「本体供給式」と分類される。
E-CAP自体はガンダムセンチュリーという外部出典の設定である為、当時は設定として周知徹底されていない事もあったため、
「本体供給式」と「内蔵E-CAP式」は別の物と思われる様な扱いもされがちだが、実際は同じ形式の事を指している。
名前がE-PACとE-CAPで紛らわしいのが原因ではなかろうか。
なお、『ΖΖ』などに登場する機体のライフルの中で明らかに脱着可能な弾倉・エネルギーセル状のパーツが無いのに「Eパック式」と記されている物は大抵は「(内蔵)E-CAP式」の誤記である。
Eパック式である事を証明するならば定義でもある「脱着可能な弾倉・エネルギーセルユニット状パーツ及び銃側の接続口パーツ」のデザイン画稿を出さなければ決着はつかないだろう。



◇U.C.0087-0088 グリプス戦役~第一次ネオ・ジオン抗争

MSの恐竜的進化が始まり、質と共に兵器の種類も大幅に増加し、高威力の追求だけでなく機能性も求められた。
小型化した「ビームピストル」や「ビームガン」、ジェネレーターを内蔵した「ビームランチャー」、ビームサーベルと兼用したタイプも出現。
ジェネレーターの高性能化によって量産タイプのMSすら単機でメガ粒子砲を運用する事が可能になり、ジェネレーター直結型の大型ビームライフル「ナックルバスター」といったものも登場した*4

ガンダムMk-Ⅱの物はEパック内の粒子使用量を調整する事で威力と発射回数をトレードオフにする出力調整機能を採用。
Ζガンダムのビームライフルはウェイブライダー時の使用に考慮し「伸縮機能」を搭載。
唯でさえ高威力な上、ガンダムMk-Ⅱと同規格のEパック、銃口からビーム刃を銃剣状に発振できる「ビームバヨネット機能」と最新技術を惜しみなく注ぎ込んだものと言える。
ΖΖガンダムの「ダブルビームライフル」は内蔵された小型ジェネレーターに加え、
本体からのエネルギー供給もあり百式の「メガ・バズーカ・ランチャー」に匹敵する火力を持つ。

また、この時代からハイザックリック・ディアスなどMSが自力でビームライフルのリチャージすら可能になった事を示す資料も増えてくる。
後にジェネレーターを換装した機体で「出力向上によりEパックを複数持つ必要がなくなった」とされるものがあり、出力次第では戦闘中でも実用的なリチャージが可能であろう事が窺える。
ビームライフルではないが、キュベレイファンネルに内蔵したE-CAPへのリチャージが可能である。

対ビーム防御技術も一年戦争時代と比べると発展しており、Ζガンダムキュベレイのような高級機には外装に高性能な耐熱・対ビームコーティングが施され、ビーム兵器の直撃を受けても容易には継戦能力を失わないようになっている。

このように進化を続ける一方、機体の大型化や変形時の取り回しを考慮してビーム兵器を本体に内蔵する機体、
シールドにビーム兵器を内蔵する機体も増え始め、相対的に汎用性は低下していく傾向が見られるようになった。



◇U.C.0093-0096 第二次~第三次ネオ・ジオン抗争

ネオ・ジオンのMS製作所でもあったアクシズが連邦の支配下に置かれたため、
新たに旗揚げされた新生ネオ・ジオンはMS生産をアナハイム・エレクトロニクス社に発注することになる。
アナハイム社は連邦軍のMS生産も行っていたため、実質的にアナハイム社がMS生産体制を独占した。

そのため、連邦軍とネオ・ジオンの両者のMSに武器の互換性が出来てしまい、
「連邦軍のνガンダムがネオ・ジオンのギラ・ドーガのビームマシンガンを使う」という状況も発生した。

高出力化も更に進み、νガンダム用の長銃身ライフルは当時の戦艦の艦砲射撃に誤認される程の威力を誇った。
Eパック式ではなくかつての内蔵E-CAP式を採用しているが、前述したようにEパックには自力交換の必要性から形状に制限があり、
技術の進歩と大型銃の性質が組み合わさったこのライフルはEパック式の性能を上回っていた。


もう一つ、この時代のビームライフルで特筆すべきものにユニコーンガンダムの「ビームマグナム」がある。
「ビームマグナム」は通常より大容量の弾薬型専用Eパック(通称・マグナム弾)を使用し、
更に一回の発射でパック一つを弾薬の様に丸々使い切り排莢するが、その威力は通常のビームライフルの約四倍。
MAすら一撃で大破させ、効果範囲も広く、MSならばほんの僅か掠めた程度ですら深刻なダメージを与える(但しシナンジュを除く)。

扱いは難しいが、Eパック形式のビームライフルでは最大威力のモデルと思われる。
NT-D未発動のユニコーンモードでも使用が出来る本兵装だが、デルタプラスは両腕でマグナムを保持しながら発射し、なおも右腕部がオーバーヒートして破損。シルヴァ・バレト・サプレッサーも一射するだけで腕を破損し交換していた。
ユニコーンガンダム以外で、ビームマグナムを発射しても無事だった機体は、ガンダムデルタカイ、右腕をドーベン・ウルフのものへと交換したガンダムMk-Ⅱ以外確認されていない。



◇U.C.0123-0153 ~コスモ・バビロニア建国戦争

恐竜的進化から更に成熟してMSは小型化したが、出力は更に上昇。
しかし実体シールドと原理が異なる事で高性能な新機軸防御装備『ビームシールド』の普及によりビーム兵器の優位性は以前より低下した。
しかし、そこに波紋をもたらす兵器が登場した……

サナリィが開発した可変速ビームライフル『ヴェスバーV.S.B.R.(Variable・Speed・Beam・Rifle)』である。

これはメガ粒子ビームの射出速度や収束率を無段階調整変化させる事で攻撃特性を変えられる*5ビーム兵器で、
高速・高収束の貫通重視状態ではビームシールドを突破し、そのまま機体を撃破することが可能で、
低速・低収束状態では榴弾のように、甚大なダメージを与える事が可能な「効率的な武装」である。
F91ではサナリィが独自技術として開発したとされる大容量メガコンデンサ*6を用いる事で脱着機構を採用し数発は分離状態で射撃出来るようにはなっている。

これは革新的な技術であり、アナハイム・エレクトロニクスやブッホ・コンツェルンもこの技術を盗用し、数々の試作品を制作している。
後の宇宙世紀150年代でも相変わらず猛威を振るっており、時代を超えたベストセラーとなった模様。

更にアナハイム・エレクトロニクスはヴェスバーを超える兵器としてネオガンダム用に、
ジェネレーター内蔵型ビームライフルである『ジーバード(G-B.R.D.、Generative-Beam・Rifle・Device)』を制作している。
この類の武装の先駆者はZガンダムのハイパーメガランチャーである。


ザンスカール戦争の頃になると技術も成熟。
VガンダムV2ガンダムガンイージの「ビームライフル」は小型でありながら拡張性が高く、
グリップ部分だけでも小型のビームピストルとして機能した。

またVダッシュガンダムが使用していた解放バレル型ビームライフル「ビームスマートガン」は
設計こそ30年以上前の古いもの(後に『F90FF』でMSA-0120 1号機の使用品だという事が判明)だが高い威力を誇り、これを元にV2アサルトの「メガビームライフル」は開発されている。

「メガビームライフル」はスマートガンの二倍以上の威力、更にケタ違いの命中精度や高い速射性を誇り、
宇宙世紀最高のビームライフルと言っても過言ではない。



◇U.C.0153以降~U.C.0223

ザンスカール戦争以降の宇宙戦国時代では、
大幅な技術衰退を経てビームライフルを含めたビーム兵器全般が希少化。現存する兵器も整備の質の低下により運用に難のあるものが続出していた。
しかしその後、宇宙世紀200年代を舞台にした作品では普通に普及した状態で登場しているので、時代が経過するにつれて復活を遂げたと見られる。

U.C.0200年代を舞台とする小説「ガイア・ギア」では、マハが使用する量産機ガウッサから、試作機で主人公機でもあるガイア・ギアαもビーム・ライフルを所持しており、他の宇宙世紀作品同様、標準的な武装である事が窺える。

U.C.0223年を舞台とする実写ドラマ『G-SAVIOUR』では、フリーダム*7や各種セイバーシリーズなど、セイバーチームが手がけた機体がよく装備している。
また、実体弾マシンガンが基本装備となるブグもビームライフルを選択すること自体は可能*8であり、装備すること自体はこの時代の大体の戦闘用MSなら可能なようだ。



アナザー系のビームライフル


未来世紀(F.C.)

やはり格闘大会とだけあり当初はモビルファイターにはほとんど搭載されていなかったのだが、
ジェントル・チャップマンが射撃偏重の機体で9・10・11回の三連覇を達成。
これを契機に各国が射撃戦を重視したモビルファイターの開発に走るようになり、軍拡競争にも似た状況が生まれてしまった。

こうした流れと、ガンダムファイトを当初の理念に回帰させるため、
12回大会では東方不敗マスターアジアが参戦、見事優勝を勝ち取って大会を格闘重視に引き戻したという経緯がある為、
作中の13回大会では主要なモビルファイターはビームライフルを所持していない。

しかし、マスターアジアが12回大会で地球の惨状を目にして後にデビルガンダムを求めるようになるなど、
ビームライフルの影は薄くとも、より危険な武器を暴発させる遠因となっている。

また、ブッシやノブッシなどのMSはガンダムファイトに関係ない純粋な兵器である為、これらには欠かせない武器である。
同様にデスアーミーとその派生も棍棒型のビームライフルを使用する。



アフターコロニー(A.C.)

基本的に宇宙世紀と変わりなし。
一応建前上はミノフスキー粒子が無いので「荷電粒子系の何かを撃ち出すビーム兵器」と言う事になってはいる。
一応外伝漫画に登場するガンダムグリープが「バスターメガ粒子砲」という武装を装備しているがミノフスキー粒子との関係あるかは不明。

リーオー等の初期量産機から終盤に登場したビルゴⅡに至るまで幅広くビームライフルを装備しているが、
ガンダムの構造体『ガンダニュウム合金』が凄まじい堅牢さを誇るため、ほぼダメージを与えられていない。
例外はトールギス専用のドーバーガンぐらい。

ウイングガンダムの主武装「バスターライフル」はこれらと比較しても別格の存在として扱われている。
これは物質化直前の高密度エネルギーを充填されたカートリッジを使用した兵器で、
そのカートリッジのエネルギー総量は中規模都市のエネルギー消費量に匹敵する。そのために最大出力では3発しか発射できない。
勿論その威力は桁違いで、ビーム光軸から半径150mは激烈なプラズマ過流が起き、灼熱の奔流が数十kmまで続く様な代物。
直撃せずとも周囲のMS含めた効果範囲内の物が一瞬にして跡形もなく消滅する上に、圧倒的な防御力を誇るビルゴのプラネイトディフェンサーすら機体諸共破壊できる程。

原型機であるウイングガンダムゼロの「ツインバスターライフル」に至っては、
二丁を連結し並列化することで18kmのスペースコロニーや遥かに巨大な資源衛星を粉砕する規模の出力を生み出せる。
漫画版ではこれと分離機構を利用してガンダム6機*9によるエネルギー供給を行いリーブラを撃破している。


アフターウォー(A.W.)

基本的に宇宙世紀と変わりなし。こちらはルナチタ(名称が同じだけの別物だが)やミノ粉の様な物が有る事が文字設定や作中描写で示唆されており、
ディバイダーのビームマシンガンの基になった武装やヴァサーゴのメガソニック砲の解説に「メガ粒子砲」というワードも存在しており
ニュータイプと言った言葉も登場するようにA.C.世界よりは宇宙世紀に似せた世界設定。
旧・新連邦軍や革命軍量産型MSの標準装備として普及している。

但し整備に一定以上の技術力やコストが掛かる為かバルチャーや個人MS乗り、サテリコンの様なレジスタンス組織の間ではほぼ使われておらず(主人公のフリーデンチームは例外)、基本的には連邦軍・革命軍双方の正規軍所属MSでしか運用されていない。
こちらもガンダムタイプは異常に堅牢な為、モブ量産機のビームライフルでは直撃した所で各ガンダムには全く有効打を与えられなかった。

一方、ガンダムタイプは通常の物より強力な「バスターライフル(前作とは関係ない)」を装備している。
これは通常のビームライフルより高出力かつ、各ガンダム専用に開発されている為、各ガンダムによって形状や特性が各々異なる専用品となっている。

例えば
  • ガンダムエアマスター:機体と同じルナチタニウム製の為軽量で連射・速射性能が非常に高い
  • ガンダムダブルエックス:信頼性の高いシンプルな構造と長銃身による高いビーム収束率で通常の数倍の破壊力
等、それぞれ独自の性能を持たされている。



正歴(C.C.)

黒歴史の設定上、一般的なビーム兵器の機能については(恐らく)宇宙世紀のものと変わりない。
但し∀ガンダムのビームライフルは金属粒子を固有振動によって収束して発射する『共振粒子砲(リフューザー)』である。
その威力は過去世界のメガ粒子砲と比較すると余りにも高く、大気中ですら減衰せずに異常なビームの速度、射程を誇る。
また、音声入力によるセッティングのみで、ビームにビームを当てて相殺させる動きをもこなす事が可能。



コズミック・イラ(C.E.)

基本構造は、荷電粒子やプラズマなどを発射するというもの。携行式のビームライフルは基本的に荷電粒子。
発射されるビームは、荷電粒子砲なら緑、プラズマ砲や複列位相エネルギー砲などは紅白と色分けされている。一斉発射のシーンはとてもカラフル。
に内蔵されていたり、別の武装と連結して使用出来たりと、ビームライフルの機能も有するMS用複合兵器も多く登場している。
ハイペリオンガンダム等の一部の機体を除いて発射エネルギーを本体から供給する仕様となっており、
これを踏まえてか歴代作品と比べてエネルギー消費の激しさが強調される描写が多い。

ちなみに、この世界におけるガンダムタイプのほとんどが持つフェイズシフト装甲が「実体弾や物理攻撃には強いがビーム兵器には弱い」という性質を持つため、
戦闘で切札的な運用をされることもあるが、オールドファン的には「今までビームは防がれるので接近戦」が基本だったのに特効兵器がビームライフルという事で、かなり戸惑いがあった模様。


西暦(A.D.)

劇中では高密度圧縮されたGN粒子を発射する。
主役機であるガンダムエクシアダブルオーガンダムダブルオークアンタの装備『GNソード』はと銃の複合武器であるが、
ソードモードがメインである上、他のガンダムが持つビームライフルもスナイパーライフルサブマシンガンなど一風変わったものが多く、
全体的に正統派なビームライフルを装備する機体は量産機がほとんどで、主役側が正統派のビームライフルを使用することが少ないという珍しい作品になっている。
但し使える機体への制限は緩く、GNコンデンサを銃本体に内蔵していればGNドライヴ非搭載機であっても使用できていた。

他作品には無い特徴として、ビームそのものに毒性の有無があるという点がある。
これは1stシーズン中期~2ndシーズン後期までに見られた光景で、初期タイプの疑似GNドライヴは高圧縮すると有害化され細胞異常を起こす。作中では左腕の再生が阻害されたり、いつ死んでもおかしくない細胞異常を抱えるキャラクターがいた。
最終的にはどちらも完治し、早い段階で毒性そのものも改良され無毒化されていたのだが、悪意を持ってそれを利用する者も少なからずいた。
なお純正GNドライヴから発生する粒子も本編開始以前は毒性があったようだが、外伝作品内で起きた事故をきっかけに改良されている。



アドバンスドジェネレーション(A.G.)

宇宙世紀のモデルと同じく、荷電粒子を発射する。
ミノフスキー粒子の存在は不明だが、連邦軍の主砲としてメガ粒子砲が使われているので大体立場は近いだろう。

当初は連邦側はビームスプレーガンを主力として使用していたが、出力は低く、ヴェイガン機の装甲にダメージを与えることはできなかった。
ガンダムAGE-1初起動直後、AGEシステムがドッズライフルを作成。後の主流となる。
ドッズライフルはAGEシステムがガフランとの戦闘データを基にして造り出した武装で、
どこぞのヤマトのごとく発射するビームをドリル状に回転させる事で貫通力を高めている。

通常モードの他、バレルを回転させてフォアグリップで両手で保持する精密射撃モード。
バレルを取り外したハンドガンモードに組み換えが可能だが、後者は劇中では使用されていない。

また、A.G.世界の手持ち銃に共通する特徴として、撃発は機体と銃との無線通信によって行う、というものがある*10

ヴェイガン側は一貫して掌部ビームバルカン系統や胴体部の固定式ビーム砲を使用しており、
ドッズ効果はないものの威力が段違いであるため数十年にわたって使用され続けている。
銃器型の携行式ビーム砲を持つ機体はゼイドラ、クロノス、レギルスくらいである。
一応は量産タイプの尻尾型のビーム兵器が「ビームライフル」と呼称することになっている。

なお、小説版のみの設定では「ドッズ」とは「Drill-Orbital Discharge System(機械穿孔電子軌道放出システム)」の略称で、
AGEシステムによって実現されるまでは理論科学の域を出ていなかったらしい。
ビームを受けた相手はこのDODS効果によって共振粒子のボルテックスへと呑まれてしまい、分子崩壊してしまう。
このため旋回はさせているのでそれっぽくはあるが、「ライフル」の意味は従来通り「小銃」に留まる模様。



リギルド・センチュリー(R.C.)

何を発射しているのかは明言されていないが、
宇宙世紀から未来の世界なので恐らくはミノフスキー粒子であろう(宇宙世紀技術の発展はNGだが、使うのはOKのようだし)。

この時代にはユニバーサル・スタンダードと呼ばれる国際標準規格が存在しており、殆どの工業製品が互換性を持っている。
ビームライフルも例外ではなく、劇中ではトワサンガ製のG-セルフがアメリア製のビームライフルを何の問題もなく使用している。

登場機体が多いだけあって、普通のビームライフルから、
サブマシンガン、バズーカ、ガトリングガン、ショットガン、手脚への内蔵式、ビームサーベルやビームワイヤーとの複合型など種類が多く、
戦闘になると非常に多彩な火器を見ることができる。

また、レクテンとネオドゥが使用する溶接機も、緊急時はビームライフルとして使用可能。



ポスト・ディザスター(P.D.)


ビームライフルは登場しない

というのもP.D.世界の兵器はMSや艦船問わず、ほぼ全てに表面が特殊な鏡面構造となる塗料を用いたナノラミネートアーマーという、ビームに対して極めて頑強な装甲が使用されている。
そのため兵装は基本的に実弾や鈍器を用いており、ビーム兵器そのものが全く使用されていない。
メタ的なことを言うと長井監督が「戦艦がビーム1発で落ちるのはおかしい」との考えを持っていたことが原因。

このような事情から一期ではビーム兵器は一切姿を見せなかったが、
二期にて登場したモビルアーマー・ハシュマルにて遂にビーム砲が登場する。
モビルアーマーという強大な存在かつ劇中初登場となるビーム砲はインパクト絶大であり、さぞかしの強力かと思われたのだが、
実際は前述のようにナノラミネートアーマーがビームに非常に強いため、ハシュマルのビーム攻撃に割って入った量産機の装甲部分にすら一切ダメージを与えることは出来なかった。
破壊出来たのはナノラミネートアーマー加工が施されていない携行武装やマニピュレーター手部などごく一部のみである。
但し熱量は防げないようで、コクピットにいるパイロットは人体に影響はない程度の高温を感じている描写がある。
実際の所、モビルアーマーのビーム兵器搭載は「対MS」よりも虐殺のための対人用の模様。最初にビームで狙ったのも食料プラントでありMSではない。
上述の通り機体は殆どノーダメージだったが、その余波により付近の施設が壊滅しており出力自体が低い訳では決して無い。

なおハシュマルのビームがどの様な原理のビームを用いているのかなどの具体的な文字設定は現在公開されていない。


アド・ステラ(A.D.)

原理については特に明示されていないが、MS用の一般的な火器として普及している。
と言うより、A.D.世界では宇宙での実弾使用が国際条約により禁止されている*11ため、正規軍のMSは「ビーム兵器が当たり前」というより「ビーム兵器しか使えない」と言った方が適切。
地球上ではミサイル等の実弾兵器を正規軍が使っているシーンがあるため、こちらは特に禁止はされていない模様。
ただ、A.D.世界では装甲の技術がかなり進んでいるらしく、劇中では機動性重視で装甲が薄いとされるザウォートヘヴィでさえ旧式機プロドロスの実弾アサルトライフルではかすり傷ひとつつけられなかった*12その割に同じ物理兵器のヒートアックスでは普通に真っ二つにされていたのは気にしてはいけない
なのでミサイルはともかく実弾ライフルはビームより弱いから使う意味がないという面もあると思われる。

アスティカシア高等専門学校ではMS同士の決闘の慣習があるが、死亡事故を防ぐためにコクピットは狙えないように機体側で設定されており、ビームライフルは専ら部位破壊のために使われる。
また、学園コロニーの内壁にはビーム対策も施されているが、あくまで決闘用の低出力ビームのみを想定しているようで、戦闘出力のビームには耐えられない。



◇ゲームでの扱い


本編同様、ビームサーベル、バルカンなどと共に多くのMSの基本装備扱い。
基本的に射程2~4の中距離に対応し、射撃武器の中でも威力と命中率のバランスが良い。
射撃の能力値がまだあまり育っていないパイロットでも比較的使いやすい武装といえる。
しかし、射程距離や威力ではバズーカやミサイル、メガ粒子砲といった他の射撃武器に劣る。
中距離での戦闘に危険が伴う、またはビーム耐性持ちの敵が増えると存在感が薄れることも。
特に鉄血のオルフェンズがメイン登場した「クロスレイズ」では鉄血ストーリーのほぼ全ての敵が高いビーム耐性を持ったナノラミネートアーマー持ちのためビーム兵器の肩身が狭くなっている。

他の射撃武器より火力で劣るのはGジェネと同様。
しかし、このシリーズでは移動後に使用できるP武器とそうでない武器に分かれており、ビームライフル系は大半が前者なので効率の良い進軍には欠かせない。
但しガンダムDXのバスターライフルや、ゼロカスのツインバスターライフル等、一部のビームライフル系兵器は長射程で非P武器になっている。
また改造やオプションパーツ装着以外で機体のエネルギーの上限を強化できない中、ビームライフルは基本的に弾数形式で使用回数も多いのも利点。

参戦機体の多くに採用されている射撃武装。
実体弾を破壊しながら直進する他、同じビーム射撃であっても相殺や消失せず現存する性質が大きな利点。
しかしABCマントやIフィールドバリアーなど、ビーム射撃限定の防御効果を持つ装備もあるので、そういった敵機と相対すると実体弾射撃武装の方が有利な戦況もあったりする。
とはいえそういった特殊な状況で無ければ安定した強さを見せるため、シミュレーション系ゲームと比べて長所が非常に分かりやすい。
いろいろと派手な機体が増える中、ブーストが切れて着地する隙をビームライフルで撃ち抜くという行為は全シリーズ通しての基本。

  • 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2
多くの機体の射撃主兵装として選択可能。同じく射撃主兵装で多いバズーカ系と比較すると、爆風がないため敵機に直接当てる必要があるが弾速が早く威力もやや高い。
ただし防御ステータスが耐実弾・耐ビーム・耐格闘で分かれており、機体やカスタム次第でビームの有効性が変わる。
なお格闘武器はビームサーベルもパンチもヒート系も一律で格闘属性。
ビーム射撃兵装には大きく分けてヒート方式と弾数方式がある。
ヒート方式は、発射の際に設定されたヒート率を消費してその後一定の割合で回復していく。回復し切る前に立て続けに連射して残量が0%を割るとオーバーヒートとなり、長時間使えなくなる。
回復速度はそれなりに高く、その武装の連射性能にもよるが20%消費の武器なら8連射くらいは可能。
ガンダム用ビームライフルを始め収束機能を持つものがあり、収束すると威力が上がりよろけを付与する効果が追加されたりするが、ヒート率も大きく上昇する。
ガンダム試作1号機以降はEパックの再現として弾数方式かつ収束なしでよろけが取れるビームライフルが増えてくる。ただ、前作の教訓*13からか連射性能がかなり落とされているため追撃は別の武装に頼る必要がある。
弾数制の場合当初は収束機能がなく単発発射のみだったが、2021年末以降の機体では3~5発分の弾数を消費しつつ収束して威力やよろけを強化できるライフルも出てきた。
またEパック普及後の世代の機体でもヒート方式が採用されているものもあり、手持ちではないビームキャノン系やジェネレータ直結型のビームライフル等は基本的にヒート式。
ただし、設定への忠実度よりはゲームバランスや機体・兵装の差別化で決められている模様。

◇余談

一般的な荷電粒子砲と同じと説明・解釈している資料も多々ある。


また、実はビームライフルは実在する
とはいっても武器ではなく純粋なスポーツ用で、当たり判定のためのレーザーを射出するもので殺傷力は当然ない。
言ってみれば銃の形をしたレーザーポインターでしかないのだが、目に当てると視力障害を引き起こす可能性がある。
ゴルゴ13はこれを使ってターゲットを失明させる殺し屋が登場している他、ゴルゴ自身も存在を危惧しておりビームライフルの製造を阻止するための寄付を欠かさず、場合によっては自身が使用したこともある。
他にはシンカリオンの男鹿アキタが競技ビームライフルの選手という設定で登場している。

そして、フィクションではなく実際にそれを軍事目的とした「目潰し用レーザー銃」の開発が検討された時期もあったのだが、
  • 特別な技術を必要とせず、とても安価に作れる
  • 簡単に人間を活動不能に陥れる
  • 受けた人間が、治療不可能かつ重大なダメージを受ける
といった理由により、実現は可能だが製造はタブーとされている。


追記・修正は実弾兵器と使い分けながらお願いします。

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最終更新:2024年03月20日 08:43

*1 電子工学用語の「キャパシタ」が元ネタらしい

*2 なおこれはMSを一撃で破壊できる兵器が当時の艦船の主砲しか存在しなかった事に由来する。従って「戦艦並の威力を持つビーム砲を持っている」「戦艦並の出力設備が無いと使えないはずのビーム砲をMSが持っている」のどちらの解釈も正しい。

*3 U.C.0120年代以降の同名カテゴリの武装とは異なる代物

*4 なおナックルバスターが「大型ビームライフル」なのは公式。またゲルググに対応していない旧ジオン軍の戦艦ではE-CAPへのメガ粒子充填が不可能なため、ジェネレーター直結式を開発するより他になかったという事情もあるようだ。

*5 現実の兵器だと戦車砲や大口径自走砲などの「同一口径砲の弾種変更による破壊性質の変化」が最も例えとして参考になる。

*6 「メガコンデンサ」自体は第一次ネオジオン紛争期のアクシズやAE製機体に採用済みである点に注意、サナリィが使用しているのはあくまで「自社製独自の大容量メガコンデンサ」である。

*7 劇中では実弾マシンガンを装備していたが、これはサイドガイアに配備されていた民間払い下げ機体が経年劣化と整備不良のせいでビーム兵器を使えるほどの出力を確保できなかったため

*8 『稼働時間延長のためにあえて実弾が基本となっている。

*9 1丁を3機で担当

*10 トリガーは無線通信が機能しなくなった時のための緊急撃発機構

*11 恐らくスペースデブリ増加や、空気抵抗による失速が起こらない宇宙で流れ弾が無関係な宇宙船やコロニー等に被害を与えるのを防止するためと思われる

*12 ディランザに至っては戦闘出力のビームライフルにかなりの時間耐え抜くシーンがある

*13 GP01が取り回しの良い弾数方式即よろけビームライフルを持ち込んだ結果、連邦とジオンのパワーバランスが大きく崩れてしまいジオンからプレイヤーが消えた。