中西学

登録日:2011/04/09(土) 16:18:59
更新日:2024/02/24 Sat 20:27:56
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中西(なかにし)(まなぶ)は新日本プロレス所属の元プロレスラー。

生年月日/1967年1月22日
身長/186cm
体重/120kg
血液型/A型
出身地/京都府京都市
入場曲/Seize The Tactticz


  • 経歴

高校・大学時代はレスリングに打ち込みバルセロナオリンピックに出場した。
新日本プロレス入門後はわずか二ヶ月で藤波辰爾と組んでタッグリーグ出場という破格の待遇でデビューを果たす。
学生時代から身体能力は折り紙付きで、後輩の秋山準曰く身体の何処かを押さえられただけで動けなかった程だったという。
新日本プロレスでは同期に同じくアマレス出身の盟友永田裕志と石澤常光(ケンドー・カシン)がおり、1~2年程の先輩で年齢下の面子に天山広吉小島聡なんかがおり、この辺りの面子が所謂“第三世代”と呼ばれるグループである。

1999年に武藤敬司を敗り、G1クライマックスで優勝を果たす。同世代で最も早いG1優勝で今後は中西の時代が到来すると誰もが思っていた。

そう……誰もが思っていた。ウッ……


2003年にK-1に出場。が、K-1初出場のTOAと対戦し1RでKO負けという失態を犯す。そしてこの敗戦が彼のレスラーとしての人生を狂わせた。

2004年は本隊を離脱、その後はパイレーツ→ヘラクレス→ソルジャーと謎の迷走を繰り返す。現在に続く野人キャラもこの時期からである。

2005年にはこれまで犬猿の仲であったケンドー・カシンと和解。永田裕志や藤田和之、カシンと共に「チームJAPAN」を結成する。
年末のブロック・レスナー戦では体格で勝るレスナー相手に肉弾戦で肉薄、ファンを驚かせた。

2009年に棚橋弘至の保持していたIWGPヘビー級王座に挑戦。苦節17年にして初のIWGPのシングルのチャンピオンに輝く。
この時の会場であった後楽園ホールは祝福ムードに包まれ、解説をしていたあの「鬼軍曹」故・山本小鉄も涙を流した。
ちなみに前年に当時チャンピオンだった武藤に挑戦するまで5年もの間一度も挑戦していなかった。
しかし翌月に棚橋とのリターンマッチで敗北。圧倒的支持率だったにも関わらずわずか一ヶ月半の短期政権で王座を手離した。


非常に恵まれた体格・パワーを持ち周囲から期待されながらも、プロレス頭が無くいつまでも成長する事が無かった。
それは本人の責任でもあるが、会社の育成法やマスコミの報道姿勢等の様々な要因が彼を大成させるに至らなかった。
彼の宿敵であるケンドー・カシンは論文で「中西学の育成失敗がプロレス界衰退の原因」と語っていた。

ワールドプロレスリング実況の吉野真治アナウンサーは中西を様々な表現で形容する。以下が吉野アナが中西を形容した発言である。


霊長類最後のゴリラ
進化を忘れた類人猿
筋肉式武装ゴリラ
ゴリラの大運動会
京都のイエティ
ハプニングゴリラ
ヘラクレス原人
黒パンを履いたゴリラ
野人の日本代表


本人は尊敬の念をこめて言っており中西本人も許容しているようである。
しかし馬鹿にしているようにしか聞こえないのでファンの中には不快感を覚える人もいる。やたらとゴリラネタが多い。

第三世代以降のレスラーで恐らく一番バラエティに登場することが多い。
世間の描くレスラー像をわかりやすく表現されているのが理由だと思われる。

その後は怪我の影響で以前よりコンディションを落としながらも、会場を沸かせていたが
2020年の東京ドーム大会終了後に開かれた会見で引退を表明。同年2月22日の後楽園ホール大会で第三世代と組んで、棚橋弘至、オカダ・カズチカ、飯伏幸太、後藤洋央紀らトップ選手らと戦ったが、彼らのフィニッシュホールドを連続して喰らう形で敗北。引退セレモニーでは馳浩らかつての恩師たちに見守られる中で不器用ながらにマイクを握り大会を締めた。

【得意技】


○アルゼンチンバックブリーカー

中西の代名詞的な技。怪力をアピールするにはもってこいの技である。自身の倍の大きさのレスラーも難なく担ぐ。G1優勝をした際に使用された技である。
最近では繋ぎに使う事が多い。また、この技から派生するフィニッシュ技もある。

○ジャーマン・スープレックス

引っこ抜く力は強く得意技の一つだが、形はあまり綺麗ではないと言われる。
高山善廣がプロレス界を席巻していた時期には、高山のエベレストジャーマンに対抗して富士山ジャーマンと称したが、当の高山からエベレストより低いじゃねーかwとツッコまれた。
尚、両者が全盛期の時に行われたこの時のシングルマッチは名勝負として名高い。

○ヘラクレスカッター

アルゼンチンバックブリーカーからの派生技。アルゼンチンの態勢から数回振り回しネックブリーカードロップを決める。
一時期コンビを組んでいたウルティモドラゴンの助け(?)もあって誕生。
余談だが、公開当時に新日本最強外国人として君臨していたジャイアント・バーナード(アルバート、T-トレイン)は来日以前のWWEで同型の技をスピニング・パンケーキと称して使用しており、中西のヘラクレスカッターに対抗してか、復活使用していた。

○マナバウアー

こちらもアルゼンチンバックブリーカーからの派生技。途中まではヘラクレスカッターと同じだが、こちらは振り回した後に一旦相手を下ろしてジャーマンスープレックスを放つ。
名称は、当時話題になっていた荒川静香のイナバウアーに由来し、イナバウアーの様に足を外側に開いてブリッジしていると説明していたものの、結局は普通のブリッジの時が殆どだった。
しばらく使用されていなかったが、2010年の中邑とのIWGPヘビー級選手権試合で久々に使用した。

○大☆中西ジャーマン

右手を天空にかざして技の発動を予告。相手をロープに振って自身も走りその反動でジャーマンスープレックスを決める。
さらにダウンした相手に通常のジャーマンスープレックス(プロレス技)を決める。中西らしい破天荒な技。

○特大☆中西ジャーマン

相手をリフトアップしてトップロープに投げつけた後にジャーマンスープレックスを決める。IWGPヘビー級チャンピオンになった際に使用された技。

○マッケンロー

片膝を着き、ラリアット気味に腕を振り抜くことで相手の足を掬う技。タッグ技『ワシントン条約』でもこの技を使用している。
クイズ☆タレント名鑑の相撲大会の企画で片膝を着けないマッケンローを予告。使用を期待されたが番組中で使われることはなく、幻の技となった。
リングでも見せたことはない。

○上からドン!

後ろ向きにコーナーに登り、相手が立ち上がった所で脳天にチョップを放つ技。この技でフォール負けを喫した邪道は「身長が2cm縮んだ」とコメントしている。
テレ朝動画で配信されている番組「人類プロレスラー計画 中西ランド」にて開発された技で命名したのは高橋広夢。後述の怪我からの復帰後の中西の代名詞となっている。

○ラリアット

折角の体格があるのに手打ちに近くフィニッシュとはしていない。
小島とのコンビ時はクロス・ボンバーも定番であった。

○スピアー

日本人選手では逸早く取り入れ、しかも名手となった。
ある時期から使わなくなったが、体格や身体能力もあり日本人としては歴代一位の使い手と言える。


基本的に直線的なパワーファイトを行うが、近年はミサイルキックやプランチャ等の飛び技も使用する。
かつてはアマレス出身なだけに相手を抱えあげてベアハッグで締め上げてからのフロントスープレックスや水車落としも得意としていた。

また、彼は試合中に特異なアピールをする。「ホー!」と叫び地団駄を踏んでラリアットをする「野人ダンス」が代表的である。

シングルだと大抵負けになることが多い。特に中邑相手には04年に一回勝っただけであとのシングルは全て負けている。勝率の良い相手は棚橋くらいである。
しかし大抵の負け試合では圧倒的な強さを見せて唐突にコロッと負ける。カウントを1で返したらその後にフィニッシュになることが多い。



何故かタッグパートナーには恵まれている。

永田裕志との同世代タッグ
ケンドー・カシンとの『ワイルドソルジャーズ』
吉江豊との『ビッグマウンテンズ』
大森隆男との『ワイルドチャイルド』
ストロングマンとの『マッスルオーケストラ』

パッと思い浮かぶだけでこれだけタッグチームがでてくる。タッグ向きなのかもしれない。
相方は永田やカシンの様に中西の操縦役に回る、吉江や大森やストロングマンの様に一緒に暴れまわって力押し、の概ね二通りの動き方をする。

2011年の6月に試合中に受けたジャーマンスープレックスで首を負傷し、以降全く音沙汰のない状態になっていたが、
12月24日の後楽園大会に来場し、リハビリをしつつ復帰に向けたトレーニングを行っているとコメントを残した。翌年10月に復帰を果たした。
前述の中西ランドに出演した中西の父親曰く「車椅子生活以外ありえない」と医者に言われた状態だったという。


【余談】

  • インターネット動画『テレ朝動画』の番組『中西ランド』の企画で幼少期の思い出を元に考えた、鯖がアイスラッガーのように飛ぶ超人「☆鯖KAIDOU」が『キン肉マン(漫画)』に登場している。
    • サグラダ・ファミリアの警備も兼ねたリングでトレーニングに励む若手超人として登場し、鯖アイスラッガーを見せる間もなくオメガ・ケンタウリの六鎗客に(おそらく)倒されたが、異様なインパクトで中西選手を知らない読者にも結構話題になっていた。
    • ちなみに元のデザイン及び初登場の211話では口が開いていたが、212話では忍者めいて口元が隠れるという地味なデザイン変更をされている。


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最終更新:2024年02月24日 20:27