スフィア(スーパーロボット大戦)

登録日:2012/04/09(月) 16:37:52
更新日:2024/04/09 Tue 20:36:08
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スフィアとは『スーパーロボット大戦Z』シリーズに登場するキーアイテムである。

【概要】

アサキム・ドーウィンが探し求めており、12個揃うと太極に至ると言われている。
一つの並行世界につきそれぞれ一つずつしか存在しないが、ZEUTHが活動している世界は多元世界であるため、二つ存在していた。

黄道十二星座をモチーフしており、シリーズ新作毎に新しいスフィアが登場している。
黄道十二星座をモチーフにしているところや代償と引き換えに絶大な能力を与えるところは某タクティクスの石っぽいが、向こうとは違い主人公も使うことができる。


星々から生み出されるオリジン・ロー(恒星に由来する破壊と再生を司る力。次元力の別名)を引き出すための機関であり、機動兵器に搭載する事で規格外の出力や能力を発生させる。

黄道十二星座にちなんだ名前を持つのはスフィアから引き出されるのは十二星座を構成する星々のオリジン・ローであるためである。

星図的に地球は太陽に集まった十二星座のオリジン・ローを引き出すのに最適な位置にあるため、様々な並行世界の地球にスフィアが存在する理由になっている。必ずしも地球だけに存在するわけではなく、地球以外の惑星でスフィアを入手した人物もいる。


【特性】

スフィアを入手し、適合した人物を「スフィア・リアクター」と呼ぶ。
前述の通り、スフィアは絶大な力を齎すもリアクターは代償として「反作用」と呼ばれる一種の副作用を強いられてしまう。
反作用の内容はスフィア毎に異なるが適合条件によっては問題の無い物から、人格その物に悪影響を及ぼしたりと様々。
またリアクターは基本的に一人だが、スフィアが求める資質を備えていればリアクター以外でも力を引き出す事ができる。
この特性を利用して別の人間をリアクターの様に見せかけたり、リアクターと複数の資格者が協力してより大きな力を引き出すと言う応用も可能。


【ステージ】

スフィア・リアクターの覚醒には段階があり、ステージで現される。

  • ファースト・ステージ
ただの動力であり、誰にでも使用できる。
当然ながら次元力もロクに行使できない。

  • セカンド・ステージ
この段階までスフィアを到達させて初めてリアクターと呼ばれる資格を得るが、同時に反作用を受けることになる。
反作用の正体はスフィアが完全に覚醒するためにリアクターに課す試練のようなもので、発動キーの感情を妨害するような内容が多い。
聖戦の関係上これは戦闘中に起こることが多く、それは即ち命の危機を常に抱えながら戦うのと同じである。加えてスフィアによっては反作用そのものが命に関わるレベルであるため、このステージで大半のリアクターは死亡する。
ここで反作用を乗り越えればステージシフトが起きるが、この時に反作用に対してどのように向き合うかで到達するステージが分岐する。

  • サード・ステージ
リアクターが反作用という試練を乗り越え、反作用に負けず己を保ち続け、かつそれを自然に行えるようになった段階。
機動兵器に搭乗しなくても、「スフィア・アクト」という超能力を行使することが出来るようになる。

しかし、それは即ちリアクターの精神状態をスフィアの力を引き出しやすい状態に作りかえているも同然である。
これはつまるところ、スフィアの属性にリアクターの心が飲み込まれ変質したことを意味しており、結果的に本人の意志とは関係なく(というよりその自覚がないままに)スフィアの属性に沿って思考・行動するようになってしまう。

実際にアイムのように性格が悪化したり、ユーサーのように自己犠牲による自国の再世を実行に移す、ヴィルダークのように自身にとって最善の道に対しても反発してしまうなど、主に自軍と対立した者たちにそういった傾向が散見されている。
味方側も例外ではなく、無印Z終盤のセツコも危うい精神状態に陥りかけていた。

またサード・ステージの段階でもスフィアの稼働に必要な精神的要素を維持し続けなければスフィアとの同調率が低下し、制御出来なくなる危険性は健在であり、完全にリスクから解放される訳ではない。
特にランドの場合は反作用による激痛に限らず、何らかの苦痛に対し屈して悲鳴を上げてしまうと同調が解けるだけでなく、暴走した次元力が放出されるという目に見える形で周囲に被害を及ぼす。
実際に過去に悲鳴を上げたことで時空震動を引き起こし、師匠のシエロ・ビーターを別の多元世界に飛ばしてしまっており、確認されている中でも最大級の危険性を誇っている。

セツコやアイムといったスフィアとの同調が高まったリアクターは、スフィアの意志の属性と同じ他者の感情を感知出来るようになる模様。
特にアイムは周囲に満ちた嘘を利用することで因子を高め、強引にサード・ステージに匹敵する段階に同調率を高めるという行動をやってのけた。*1

要するにこのステージはリアクターがスフィアに使われているのと同じ状態であり、クロウやガドライトのように同調が切れてしまうことも珍しくない。
反作用が消滅すると上述したが、正確にはリアクターが反作用に順応した状態であり、その状態が崩れればセカンド・ステージ同様の状態に逆戻りしてしまう。

  • 真のサード・ステージ
リアクターが発動キーを満たした自分を乗り越え、反作用を超越することで到達する本当の覚醒状態。
通常のサード・ステージはいわばここに至るまでの過渡期、あるいはこのステージに片足を突っ込んだ状態であり、スフィア・リアクターはこのステージに到達することでようやく完全になり、スフィア・アクトが害をもたらすものから益を与えるものに変化する。

到達時点で発揮できる力は通常のサード・ステージよりも劣り、反作用も一部しか克服されないが、リアクターの練度が上がるにつれてその力が天井知らずに増幅し、反作用も自然と消えていく。
また、あくまでもリアクターがスフィアを使う側になるため、より広範かつ本質に近い能力を行使できる。

Z-BLUEのリアクターは全員がこの境地に到達しているが、一方でスフィアの持ち主を自称していた御使いはこのステージの存在を知らなかった。

この段階に至ったスフィアの発動キーはどれも似たり寄ったりなものになるが、これはリアクターの完全覚醒に伴い、大本の姿である至高神ソルに近づいているためである。

【反作用】

セカンド・ステージに到達したスフィアが各々のリアクターに対して与える試練のようなもの。
主にスフィアとの同調を妨害するような内容がほとんどで、大半のリアクターはこれに耐えられず死ぬ。

リアクターの反作用に対する姿勢は個々人で変わるが、この際に克服の仕方を間違えると中途半端な覚醒しかできず、人格にも支障を来す恐れがある。

12の中で反作用が判明しているのは6つ。このうち「いがみ合う双子」だけは同調の妨害ではなく、同調失敗のペナルティとして反作用が存在している。


【スフィア・アクト】

サード・ステージに至ったスフィアが発現する事象制御能力。スフィアの属性に応じた形で様々な力を発現する。

主に「他者の力を引き出すもの」と「他者に害を与えるもの」の二つの力が存在している。
スフィアそれぞれで違うのかと思いきや、いがみ合う双子のスフィアはガドライトとヒビキでそれぞれ違う力を発現している。

反作用を回避して半端にサード・ステージ化したガドライトは後者、反作用を乗り越えて真の覚醒を遂げたヒビキは前者の力を発現したことからすると、アクトもまたリアクターの精神状態で変化するのか、真っ当に段階を踏まないと中途半端になると思われる(恐らく後者)。


【聖鍵戦争】

「聖戦」とも呼ばれるスフィア・リアクターの宿命。
スフィアに一定以上覚醒した者同士の戦いになった場合、勝利した者は相手からスフィアを奪う事ができる。ただしマシンごと破壊する必要があり、生身のリアクターを殺しただけだとスフィアに逃げられてしまう。
これにより勝者は敗者のスフィアの所有権も手に入れるが「所有できる」と「使用できる」は別の話であり、単純な力こそ増大するものの、スフィア・アクトを使用するには奪ったスフィアにも適合しなければならない。

12個のスフィアを手に入れた者は大極に至る。との事から古くよりリアクター同士の戦いが幾度と繰り広げられてきた模様。本編だとまともにやってたのアイム1人だけど

本来スフィアの奪い合いは、スフィア・リアクター同士でしか行えないが、幾つかの条件を満たせば、リアクターでなくともスフィアを強奪、もしくは新たなスフィア・リアクターに成り替わることが可能である。


【相性】

スフィアには相性の良さ、悪さがあり、相性の良い組合せでは互いの力を高め合うが、相性の悪い組合せだと片方の力を大きく減少させてしまう。
この特性を利用することで、次元力を無尽蔵に使用できる完全覚醒したスフィア・リアクターを無力化することが出来る。

なお、スフィアの相性補正は、スフィア同士をぶつけないと発生しない(その関係で敵同士の場合に発生しやすく、味方同士ではあまり出て来ない)。

現在確定している相性は以下の通り。

相性×
偽りの黒羊⇒いがみ合う双子
悲しみの乙女⇒怨嗟の魔蠍
知りたがる山羊⇒偽りの黒羊

相性○
傷だらけの獅子⇔欲深な金牛
揺れる天秤⇔尽きぬ水瓶




【洗礼名】

御使いがスフィア・リアクターに与える称号。
リアクターはそのスフィアの性質に基づいた運命が課せられており、その道筋を辿っていく事で力を成長させていく。

称号は全て、対応する黄道12宮の守護天使と歩む運命に因んだ単語を組み合わせた物となっている。

偶然か故意か、人物像を的確に現しているものの「スフィア・リアクターとその運命は御使いの所有物である」という証明であるため、大半のリアクターは否定している。
Z-BLUEに所属する4名は元より、表向きは本名を隠したいヴィルダークやエルーナルーナが別の名前を使用していた事からも非常に受け入れ難い物だった模様。

判明している洗礼名は以下の通り。

  • 傷だらけの獅子:ウェルキエル・ザ・ヒート
その身の炎で己を打ち付ける度に強靭になっていく鋼鉄。

  • 悲しみの乙女:ハマリエル・ザ・スター
例え愛する物を失い、孤独となっても輝き続ける星。

  • 揺れる天秤:ズリエル・ジ・アンブレイカブル
迷いに負けることなく道を切り拓く真っ直ぐな意志。

  • いがみ合う双子:アムブリエル・ジ・オーバーライザー
矛盾の狭間を乗り越えて己の意志で歩む超越者。

  • 沈黙の巨蟹:ムリエル・ザ・ゲート
生と死の境界線に佇み、死人を迎える扉。

  • 怨嗟の魔蠍:バルビエル・ザ・ニードル
憎しみを胸の中に秘め、人を蝕む毒針。

  • 立ち上がる射手:アドナキエル・ザ・ジェネラル
己を旗印に力あるものを従える将。


【人造スフィア】

スフィアを模した次元力運用機関の数々。
オリジナルには及ばないが、どれもこれも強力な力を有している。

  • カオス・レムレース
ジ・エーデル・ベルナルが開発した機動兵器。
彼曰く「機体自体が人造のスフィア」であり、実際に並行存在の召喚、自身と並行存在の置換、機体の再生といったサード・ステージレベルの事象制御を行っている。

  • ZONE
インサラウムが開発した次元力を機械的に抽出する装置。
設置した箇所を中心にして周辺の次元力を吸い出すのだが、使い方を誤ると最悪次元力を際限無く吸い尽くされて死の大地と化す。

  • D(ディメンション)エクストラクター
アークセイバーの機体に搭載されている動力。
スフィアの性質である「搭乗者の強い意志で次元力を引き出す」という点を再現している。

  • TS-DEMON
ジェニオンの動力源である、「いがみ合う双子」を模した人造スフィア。
オリジナルと同じ共鳴条件で稼働し、ステージを模したモードシフト機能を備えているというように徹底的に似せている。
ただし抽出量の関係でこれ単体ではジェニオンのスペックを最大限発揮させられない。

  • 疑似スフィア(サイデリアル製)
いがみ合う双子のスフィアを失って撃破されたジェミニアが天獄戦争で修復された際に搭載。
地球よりも次元力の技術が進んでいるサイデリアルが製造しただけあってジェミニアの基本性能をスフィアがあった時と遜色ないくらいまで再現している。
ただしD・フォルトと再生能力は流石に再現出来なかった。

  • フェイク・スフィア
アドヴェントが生み出した人造スフィア。スフィア・アクトをも使用可能な事から一番完成度が高いと言える。
オリジナルのアクトと異なる力を発揮するスフィアと、同じ力を発揮するスフィアが存在しており、差異は不明。
天獄篇の時点で自軍が所持しているものは異なり、敵側だったものは同じになっている模様。


【スフィア一覧】






【ネタバレにつき閲覧注意!】




















偽りの黒羊

●リアクター:アイム・ライアード
●搭載機:アリエティス
●発動キー:「嘘」(己を偽る意志)
●反作用:「言語能力の混乱」
●スフィア・アクト:「真偽の境界の歪曲」

アイムのいた地球に存在したスフィア。至高神ソルの「防衛本能」を司る。
発動キーは嘘、つまり己を偽る意志によって稼働する。
反作用を受けると口に出す言語が混乱し、意味があるのかないのかもわからない無茶苦茶な文章になった末、最早単語ですらない意味不明な文字の羅列に変わってしまう。
これは、口に出す言葉を意味不明にすることで真実と虚偽の境目をあいまいにする、つまり「嘘をつく」行為を妨害するものである。
『再世篇』の決戦で撃破された際にはもはや単語としてすら成立しない極限状態に陥っていた。*2
デメリット自体は感情が昂らなければ発動しないため他のスフィアの副作用と比べると命には直結しないので比較的有情。
とはいえ、スフィアの維持のためにはどんな状況下でも恒常的に嘘を吐き続ける必要があるため、平時では人間関係が完全に破綻するだけでなく、戦闘時に窮地に陥ったとしても本音が言えないのは中々に重いデメリットではある。
さらに、他のスフィアと違いこれ自体が意志を持っているような節があり、実際にアイムの意志を操って器となるアリエティスを建造させている。
もろもろの情報からするとこの現象そのものが反作用の一部だった可能性が高い。*3

スフィアが真に求めている感情は、それぞれの発動キーを満たす状況をさらに超越する、言うなればその状態を極め我が物とする強い意志なのだが、このスフィアの場合は「本来の自分を殺さず、偽りの仮面を被りそれを演じ抜く強い意志」によって真のサード・ステージに移行すると考えられる。
アイムの場合は「ハーマル・アルゴー」としての自分から逃げるためにスフィアの力を使用していたため、この境地にはたどり着けなかった。
版権作品で言えばスパロボでも共演したルルーシュ辺りがこの境地に近かったと言えるか。

スフィア・アクトは「真偽の境界の歪曲」。
「アイムは一人しかいない」「アリエティスも1機しかない」という事実を「偽る」ことで大量に同位体を出現させていた。
さらに「破界編」でアサキムに撃破されたと思われた際にも偶発的にこの力を発動させ、己の死を偽ることで逃げ延びていた。*4
死を偽れる、多数の同位体を出現させられるという点から生存力に最も長けているスフィアとも言える。
またスフィア・アクトという訳ではないが、所有者の嘘を他人に信じやすくさせる効果もある。

このスフィアは真実の自分という素顔の上に、「偽りの自分」という仮面を被り、それを演じる意志力によって稼働する。
素顔を見抜かれてもそれだけでは仮面に影響はないが、もしその素顔を暴かれ表に出されてしまえば、演じることができなくなりその力は崩壊する。そのため、あらゆる真実を好奇心のままに暴き立てる「知りたがる山羊」に弱く、実際にアサキムがその力を引き出したことで無力化されてしまった。
逆に、このスフィアの力の構造は二つの自分=二つの感情を両立させるのではなく、その境界線そのものを意志力で操り片方に傾けることで成り立つ。よって、相反する感情を絶えず衝突させることで稼働する「いがみ合う双子」を無力化することができる。
ただし、あちら側が真のサード・ステージに至っている場合、マスターコアとしての機能によってこちらが無効化されることになる。*5



欲深な金牛

●リアクター:エルーナルーナ・バーンストラウス
●搭載機:プレイアデス・タウラ
●発動キー:「欲望」
●反作用:不明
●スフィア・アクト:「他者の力の強奪」

ハイアデスのいた宇宙に存在したスフィア。至高神ソルの「欲求」を司る。
サイデリアル軍総司令官、エルーナルーナの旗艦に搭載されている。

何かに対する強い欲望によって稼働し、エルーナルーナは「闘争とその果ての充足感に対するあくなき欲望」によってその力を引き出している。
反作用は不明だが、反作用がスフィアの属性に依存すること、同調を切るような内容であることから、恐らく欲望そのものを薄れさせる「満足感の増幅」だと思われる。
一見これの何が危険なのかと思えるが、満足感が膨れ上がるということはそれでいいと妥協してしまう、このくらいでいいと諦めて止まってしまうことに繋がる。この状態が続くと最終的に生きること自体に満足してしまい死をも許容しかねない。戦場でそうなれば結果はお察しである。

なお、発動キーは上記した通り欲望であるが、より厳密には「欲望を満たすために行動する意志力」である。
それこそおうし座の性格分類のごとく、どんな障害があろうがマイペースに、欲し求め、そのために動くという強い意志がこのスフィアを稼働させると言える。
真のサード・ステージに至る場合、単純に己を満たすのではなく、己を高めるために己に求めるという向上心が必要になるとも考えられる。

スフィア・アクトは「他者の力の強奪」。
ゲーム上では気力140以上で発動し、10マス以内に存在するPC側ユニットのENをターン開始時に-40する効果を持つ。フェイクも同じ。

このスフィアの力は「欲し求めそのために行動する意志力」によって発揮される。
その心の在り方は自身の心を満たすために動く、つまりは自分のペースに他人を巻き込み振り回す=痛みを与えることでもあるため、心身の痛みによって力を発揮する「傷だらけの獅子」との相性が良い。
さらに、他人に影響されずひたすらマイペースに突き進む姿は、言い換えれば欲望を満たすためなら他人に構わないというマイペースさの負の側面の表れでもある。*6このため、他人の悲しみを引き出し疲弊させる「悲しみの乙女」に強いと思われる。あちらが感情をリンクさせてきても、逆に振り切って無効化してしまうのだろう。

一方でこのスフィアの力は「欲望のままに他人から(痛みを伴う形で)奪い取る」という形で発現する。
「傷だらけの獅子」と相性が良いのはその痛みがあちらの発動キーを励起するためだが、逆に痛みを受け入れ、底なしの慈愛を積極的に与えて来る「尽きぬ水瓶」に弱いと思われる。
あちらは自己犠牲の慈愛で稼働するため、奪うことで痛みを与えるこのスフィアでは暖簾に腕押し状態になる上、慈愛によって心を満たされることで欲望が薄れてしまうのだろう。


いがみ合う双子

●リアクター:ヒビキ・カミシロ
●搭載機:ジェミニオン・レイ
●発動キー:「相反する感情(を超越した境地)」
●反作用:「精神崩壊」
●スフィア・アクト:「霊子とのシンクロ」(真の力)

惑星ジェミナイに存在していたスフィア。至高神ソルの心の中核をなす。
元々はジェミニスの隊長ガドライト・メオンサムの搭乗するジェミニアに搭載されていた。

ガドライトはサード・ステージに到達したため、人間が発する表面的な感情と心の奥に隠した感情を反転させるというスフィア・アクトを行使することが出来、この力で連邦とネオ・ジオンの衝突の原因を作り出した。

ジェミニアの絶対的な力の要であったが、Z-BLUEに挑んだ決戦の際にアドヴェントの存在によってガドライトの中にある「怒り」が「諦め」に勝ってしまい、力が消失。
資格者たるヒビキ・カミシロが乗るジェニオンにスフィアが取り込まれてしまい、以後はヒビキがスフィア・リアクターとなった。ちなみに、ヒビキはジェニオンの力を「圧倒的力に屈する絶望の中で諦めない希望」で引き出していたが、この時はさらに「憎きガドライトを倒せるという希望の中でジェニオンが動かない絶望」を抱いたときにスフィアが移っている。つまり、二重の意味で相反する感情を得た時に真の所有者となっている。

時獄篇の時点では反作用が不明だったが天獄篇で判明。その内容は「精神崩壊」。
実はガドライトはそもそもこれを受ける境地に挑んでいなかったため、覚醒が中途半端な状態になっており本当のサード・ステージに至ってはいなかった。

このスフィアは感情がどちらかに振れると機能停止するが、逆に相反する感情の衝突を維持できなくなる、つまり立ち往生の状態になると、プラスとマイナスがぶつかって絶対値がゼロとなり、感情の動きが完全に停止して思考能力が破壊されてしまう。
ただしこの状態もまた微妙なバランスのうえに成り立っているのか、外部から喝を入れる、「揺れる天秤」で意志を呼び覚ますなど、意外にも復帰手段は多く、リアクターの自立心が強い場合は発生しても精神崩壊の前に気絶する(危険なのは同じだが)。

このスフィアを真のサード・ステージに持っていくために必要なのは、「相反する感情を両立させ、己の意志でそれを超越する」ことである。
結果として、ジェニオンはジェミニオン・レイへと進化を遂げた。
これはリアクターのみならず人間ならばだれしもが到達しうる境地であり、ゆえに「特別な資格ではない」とされる。
しかし、簡単には到達できないこともまたヒビキによって実証されており、簡潔にして複雑、言うは易し行うは難しを体現するこのスフィアは「欠陥スフィア」とも呼ばれる。

また、このスフィアは12の中で唯一「プラスとマイナス」という二つの感情を力とし、感情そのものも指定されていない。
反作用も含め、これは矛盾を抱えながら生きていく人間そのものの在り方であり、スフィアの集合体である太極の心のミニチュアバージョンとも言える。
それ故に他の11個のスフィアのマスターとなり得る存在であり、他のスフィアと力を統合することにより時間すらも操作する高度な事象制御が行える。
しかしリアクターの意志が揃っていない、あるいは単独で複数のスフィアを制御した場合、リアクターの心身が最悪消滅するほどの負荷がかかる。

スフィア・アクトについては、ガドライトは「表面化する感情の逆転」を使用していたが、これは中途半端にサード・ステージに踏み込んだゆえにアクトも中途半端になった不完全なもので、真のスフィア・アクトは「霊子との同調」
霊子とはZ世界に存在する、生命体を含む全ての存在の意志であり、アクトを発現するとそれらとリアクター、さらに周辺の味方が霊子とリンクできるようになる。
簡単に言うと、終盤で解禁される「真化融合」を擬似的に起こす力であり、スフィアを統合するマスターコアとしての能力の残滓。
ヒビキの場合、ジェミニオン・レイと自分の意識を融合することで心機一体の境地を実現させている。

ガドライトが所持者の場合は、気力140以上で発動し、ターン開始時にPC側のパイロットの気力を-3する効果を持ち、ヒビキの場合は自軍のパイロットの能力の「技量」が10上昇する効果がある。フェイクの力はガドライトの物と同じ。

このスフィアは通常のサード・ステージの場合、相反する感情を己の中でせめぎ合わせ続けることで力を発揮する。
そのため、その対立状態を「己を偽る意志」によって崩す「偽りの黒羊」に無力化されることになる。
一方でその在り方は、一つの感情に対して「でも」「しかし」「だが」と反対の感情を自ら励起させることで成立するため、「傷だらけの獅子」を無力化できると思われる。あちらの発動キーは「忍耐」だが、こちらとぶつかるとそれに対して「屈服」を励起されるため同調が切られてしまうのである。

また、「相反する感情の衝突」とは、言ってみれば一つの物事に対してポジとネガの両極の感情を併存させることで成り立っている。
そのため、「現実離れした夢想」「夢想に沿わない現実」という二つの要素から成る「夢見る双魚」と相性が良いと思われる。ぶつかった場合、こちらはあちらの想像力によって相反する感情の励起が促進され、あちらはこちら側の反対の感情の励起によって現実認識と夢想が強められることになる。



沈黙の巨蟹

●リアクター:尸空
●宿主:尸逝天
●発動キー:「虚無」
●反作用:不明
●スフィア・アクト:「精神運動の停止」

サイデリアルの鬼宿に属する尸空が所有するスフィア。彼の搭乗する尸逝天に搭載されている。至高神ソルの「理性」を司る。
『時獄篇』ではエピローグにいきなり登場してすぐに帰っていったため不明だったが、『天獄篇』にて詳細が明かされた。
スフィアの中でもかなり特殊な存在であり、人間の心に潜む「虚無」によって活性化する。
この「虚無」が何であるかは諸説あるが、尸空の場合、己が鬼宿として司る「消滅しようとする力」の結晶、即ち「死」というもっとも大きな虚無によってリアクターとなっている(尸空曰く「死とは肉体を失うことであり、何にも代えがたいその喪失感こそがもっとも深い虚無である」)。

人間の心の「虚無」とは、即ち死に向かう意志、心理学で言う「デストルドー」である。
これは、普通に生きていればどんな強い意志を持っていようとも、決して表に出て来ることはない。そのため、このスフィアのリアクターとなりえるのは、「生きたまま死に踏み込んだ存在」、つまり「消滅しようとする力」の結晶たる死を司る鬼宿の人間のみである。

ただしスフィアというアイテムの性質上、感情なくしてはそもそも機能しない。
抑え付けるものがなくては、虚無ではなくただの無になってしまい発動キーが満たせない。簡単に言うと「あるべきものがない空っぽ」ではなく「そもそも何もない」ではこのスフィアは覚醒しないのである。尸空も「虚無は無ではない、俺も生きている」と述べている。

占星術において対位置にある山羊座のスフィアの特性から、このスフィアは理性によって感情を制することで稼動すると思われる。
そのため、感情を抑え損なうと同調が弱まり力を失ってしまう。このことから、反作用は「情動の増幅」であると思われる。理性の働きを超えて感情を膨れ上がらせ、己の制御を失わせるのだろう。

スフィア・アクトは人間の感情を抑圧させ、凍結させること。
受ける方からすると「底なしの暗い穴に意識が吸い込まれる」感覚を味わうことになる。
ゲーム上では気力130以上で発動し、10マス以内のPC側ユニットのターン開始時のSP回復を無効化する。フェイクも同じ。

相性関係は不明。
このスフィアは上述した通り感情を制する理性=理性のみで己を支配する意志によって稼働し、スフィア・アクトによってそれを波及させるが、それは見方を変えれば、感情に依存する力を否定することにも繋がる。
どのスフィアも基本的には特定の感情(を生み出す精神状態)によって稼働するが、感情は意志の力によって生み出せる*7ため、普通はぶつかり合いになり力の強い方が勝つ。
しかしそうではない例外、感情を生み出すのではなく感情を糧とするタイプのスフィアにとっては致命傷となるため、「揺れる天秤」を無効化できると思われる。

一見すると相性関係はなさそうに思えるが、あちらの力は厳密に言うと「感情に揺れても迷っても折れることのない意志」、つまり己の感情に流されず、本質を見据える意志力によって発揮される。
逆に言うと己を流そうとする感情がなければ天秤は揺れることはなく、その機能を発揮しない(発動キーが成立しない)のである。感情を天秤を揺らす錘とするなら、このスフィアはそれを取り去って天秤を止めてしまうのだろう。
ただし、肝心の尸空の方は、クロウに対する同族嫌悪を抑えきれず同調の維持に何度も失敗している。*8

そして理性を超える感情を持ってしまった場合、このスフィアの力は崩壊する。
そのため、想像力を励起する「夢見る双魚」に弱いと考えられる。想像力とは突き詰めれば生存のために未来を予想する能力であるため、死への恐怖を増幅させて虚無をなくしてしまうのだろう。

一方で、理性によって感情を律し、己の内に隠し通すその在り方は、同じく生まれ持った本来の感情を心の中に押し隠す「偽りの黒羊」と相性が良いと思われる。感情を持つ自分を「そんなものは持っていない」と偽り、本来の感情を制することでそれを持つ本当の自分を仮面に隠す、というロジックである。


傷だらけの獅子

●リアクター:ランド・トラビス
●搭載機:ガンレオン
●発動キー:「忍耐(を貫いて生きる意志)」
●反作用:「激痛」
●スフィア・アクト:「生命力の励起」

∀ガンダム、ガンダムX、ザブングル、キングゲイナーの世界観を包括した「荒廃世界」に存在したスフィア。至高神ソルの「生存本能」を司る。
搭載機であるガンレオンの「魂」であり、常に共にある。

力を与える代わりに使用者の肉体に想像を絶する激痛を与えるスフィア。シンプルゆえに耐え難い、地獄の苦しみである。
ランド・トラビスはいつもその激痛を堪えつつ戦っている*9。しかし次元力を要する攻撃を繰り出す時ぐらいしかこの激痛は生じないので実はまだマシな部類。
これに耐えるには、それこそ最低でもランド並の強靭な肉体的・精神的タフネスが要求される。

搭載機であるガンレオンはスフィアが覚醒すると真の姿・マグナモード*10が解除され、次元力の行使時にこの形態と化す。
また、セーフティとして痛みに屈した場合の悲鳴を攻撃力に変換する特殊攻撃システム「ペイン・シャウター」が搭載されている。
ただし、当初のガンレオンはこの変形機構がシエロによって封印されていたため、本来の力は出せていなかった。ランドが悲鳴を上げる=反作用に屈すると時空振動が起きていたのは、恐らくこの関係で「ペイン・シャウター」が正常に稼働しなかったための暴走だと思われる。*11

リアクターとの共存を望んでいる節があり、メールが死亡した際にスフィアがメールの体の中に入ることで、彼女を蘇生するという行動をとっている。
この為か、多元戦争当時は次元力を行使する際にメールの承認が必要であり、ランド単独では力を引き出すことが出来ず、実質、二人一人スフィア・リアクターと言える。
ただ、スフィアはリアクターでなくとも条件さえ満たせば力を引き出せるため、クラヴィアやスズネと同じようにメールも無自覚のリアクター候補だったと言える(成長しない肉体や父を失った喪失感に耐えて明るく振舞っていたため、「傷だらけの獅子」に選ばれる素質はあったのだろう)。

メールを蘇生させた際に存在が分裂しており、多元戦争の間は本体とメールに分かれ、エグゼクター事件の際に本体に統合された。
ただ、この情報が明かされたのが『連獄篇』であり、それ以前はガンレオンがガソリンで動いており、スフィアが動力になっていないと推察されていた(一応、購入できる燃料を使用しているのは確か)。

スフィア・アクトは、リアクターを襲う激痛を伝播させダメージを与えることであり、ゲーム上では気力140以上でEP開始時に敵軍全てにHPダメージを発生させる効果を持つ。
ランドは真のサード・ステージに至ったことで、痛みや苦しみを乗り越えて生きる命の力を増幅させ、それを分け与える力として発現させている。
ゲーム上では気力150以上で発動し、自軍のパイロットの能力の「防御」が10上昇する効果がある。

このスフィアは痛みに耐える強い意志の力で稼働するが、逆に言えば痛みを感じることがなければそもそも発動キーが満たされない。
そのため、欲望のままに奪うという形で痛みを積極的に与えて稼働する「欲深な金牛」と相性が良く、あちらのペースに巻き込まれることで生ずる心身の痛みを忍耐のトリガーにすることで力を増幅させる。

そしてシンクロが切れる条件もまたシンプルに「痛みに屈する」ことであるため、それを励起して来る「いがみ合う双子」に弱いと考えられる。
あちらの通常のスフィア・アクトおよび発動キーは一つの感情に対して「だが、しかし」と正反対の感情を呼び起こすことであるため、忍耐とは逆の「屈服」を呼び起こされることで力が崩壊してしまう。

逆に、「立ち上がる射手」に対して強いと思われる。
忍耐とは見方を変えると、納得できない、いやな物事に対して、それを受け入れつつも屈しないという「現状維持」の在り方でもある。
そのため、納得できないことに従わず、跳ね除けて我を通す意志を力とするあちらのスフィアを無効化できるのだろう。


悲しみの乙女

●リアクター:セツコ・オハラ
●搭載機:バルゴラ・グローリーS(のガナリー・カーバー)
●発動キー:「悲しみ(を止める意志)」
●反作用:「五感のランダムな麻痺」
●スフィア・アクト:「感情への同調」(真の力)

宇宙世紀の世界に存在したスフィア。至高神ソルの「良心」を司る。
バルゴラのガナリー・カーバーに搭載されている。

名前の通り悲しみの感情によって稼働し、その力を発揮する。
ただし、真の意味で力を発揮するために必要なのは、正確には「他人のための悲しみ」であり、他のスフィアに準じるならば「自分よりも他人を思いやり、その心に寄り添おうとする意志」である。
反作用は五感のマヒで、自分のことで一杯になるような状況に追い込み他人を思いやる余裕がなくなっていくことになる*12
それをも乗り越え、悲しむ心を抱き続けることでサード・ステージに移行し、その悲しみを他人に広げるのではなく、他人の悲しみに寄り添い受け止めようとする意志を貫くことで真のサード・ステージに移行する。

搭載されている機体はバルゴラ一号機。強化後はバルゴラ・グローリー。
『天獄篇』ではサイデリアルの研究によりバルゴラ・グローリーSへと更なる強化を遂げた。
『再世篇』ではスフィアの輝きが禍々しくなっているが、五感の喪失をある程度制御出来るようになったようである。
『時獄篇』で判明した設定を踏まえると知らぬ間にサード・ステージに片足を突っ込んでいたようで、『連獄篇』では周囲の悲しみにリンクした結果、異常なローテンションに陥るも戦闘力が爆発的に上がった。

なお、ナウティラス・カーバーはオウムガイ(というか魚?)に近い有機的な姿をしている。
解説によればスフィアがカーバーを取り込み、本来の機能に近い状態へ変化させたものらしい。対極の星座がうお座であることとかかわりがあるのかもしれない。

スフィア・アクトは悲しみの感情を他者に伝播させ、それぞれの悲しみを引き出すことで心を疲弊させるもの。
ゲーム上では気力140以上で発動し、SPを毎ターン減少させる効果がある。
セツコは真のサード・ステージに至ったことで、他者の感覚にリンクし、悲しみの感情を引き出しそれを共有、同時に外界の変化を鋭敏に感じ取る力として発現させている。
ゲーム上では気力150以上で発動し、自軍のパイロットの能力の「回避」が10上昇する効果がある。

他人に対しての悲しみで稼働するこのスフィアは、「怨嗟の魔蠍」の拒絶の意志をも肯定し、受け入れることで無力化してしまう。
通常のサード・ステージの場合は心を疲弊させることで憎しみを持続させる気力を失わせ、同調を妨害することで無効化するのだろう。
逆に「欲深な金牛」とぶつかった場合、相手に構わずマイペースに驀進するその姿勢に巻き込まれ、他人に構うどころではなくなってしまい無効化されると思われる。

いずれの場合も、このスフィアの力は他人の心にリンクし、悲しみの感情を引き出すことで発揮される。
そのため、心の奥の秘密を好奇心で見抜く=他人の心を覗き込むことで稼働する「知りたがる山羊」と相性が良いと思われる。


揺れる天秤

●リアクター:クロウ・ブルースト
●搭載機:リ・ブラスタT
●発動キー:「(感情に流されず己を確立する)意志」
●反作用:「思考の固定化」
●スフィア・アクト:「集中力の励起」(真の力)

西暦世界に存在したスフィア。至高神ソルの「判断力」を司る。
ブラスタに搭載されていた「VX」と呼ばれていた物体で、スフィアの中でも群を抜いて危険な代物である。

強い意志の力によって覚醒し、その力を発揮する。
『破界篇』ではクロウ・ブルーストの因子が少なかったためSPIGOTの動力扱いだったが、『再世篇』でとあるイベントが起こった際に完全に覚醒した。
一見覚醒条件は簡単に思えるが、正確にはこのスフィアが求めているのは「感情に流されず己を保つ意志」である。
アイム曰く「天秤は揺れながらも支点はぶれず」とはこのことを示しており、どんなに揺れても迷っても、己のアイデンティティを堅固に保つ意志力によって覚醒し、それがもたらす集中力を以て物事の本質を見抜くのがその真価である。

反作用が発生すると、思考が固定化されて正常な判断が出来なくなる。
こうなると味方の言葉すら耳に入らないバーサーカーと化してしまい、固定された思考のまま感情が暴走し、目的達成の障害(と自分が見なした)全てを敵味方問わず排除しようとする。
実際にこの状態になったクロウは加減を間違えたランドに撃墜されたことでやっと正気を取り戻した。
反作用の正体は目の前の感情に意識を固定することで、本質から目を逸らさせるもの。
「上辺の感情に気を取られて本質を見失う」のがその原理と言える。イメージとしては天秤の皿が傾いたまま固定された形になる。
これに負けず判断力を維持する意志力を貫くことでサード・ステージに移行するのだが、リアクターの思考に直接干渉する関係上、リアクターが単独でこれに対処するのはほぼ不可能。
これを止める為にはそれより執着出来る何か、言い方を変えればスフィアに最優先指定された事項以上に優先できる物があれば良いわけで、クロウ向けの対策としてブラスタの後継機のリ・ブラスタには「CDS(コイン・ドロップ・システム)」と呼ばれる機能が搭載された。ちなみに 有料
これについてはリ・ブラスタの項目を参照。

搭載されている機体はブラスタおよび後継機であるリ・ブラスタ
また、アクシオン財団にこのスフィアをもたらしたのはエルガン・ローディックである。

スフィア・アクトは反作用を伝播させ、思考を固定することで行動を阻害するもの。
ゲーム中では気力140以上で発動し、敵軍のユニットの移動力を-3する効果がある。
クロウは真のサード・ステージに至ったことで、そのスタンスがもたらす集中力と直感を伝播させる力として発現させた。
ゲーム上では気力150以上で発動し、自軍のパイロットの能力の「命中」が10上昇する効果がある。

このスフィアの力は、全てのスフィアに共通して要求される意志力を励起するため、ほとんどのスフィアに対して活性化を促すことができる。
その中でも「尽きぬ水瓶」と相性が良く、自己犠牲という迷いの中でも為すべきことを定めて実行する姿勢がこちらの発動キーと共通するため、ぶつかると互いの意志力を高め合って力を増幅させることになる。
一方で「迷いの中でも折れない強い意志」で稼働するということは、言い換えればそもそも迷わない状態では発動キーが満たされず稼働しないということを意味している。このスフィアにとっての「迷い」とはリアクターの判断を惑わす感情であるため、それを虚無と化して天秤の揺れを止めてしまう「沈黙の巨蟹」に弱いと思われる。

逆に、「知りたがる山羊」に対して強いと思われる。
「真実を暴き立てる好奇心」と「本質を見据える意志力」では一見すると相性が良く見えるが、好奇心とは知らない物事に対して発揮されるものであり、言い換えれば「知りたい」という欲求が根源になる。
要するに「知りたがる山羊」のリアクターにとって「知りたいこと」を知り、「知らせたいこと」を知らせる力なのだが、そこでこのスフィアとぶつかると、通常の力の場合は思考を固定されて「知りたいのに知れない」状態になり、真の力の場合は本質を直視させられて「知りたくないのに知らされてしまう」状態になり、無力化されてしまうのだろう。



怨嗟の魔蠍

●リアクター:バルビエル・ザ・ニードル
●搭載機:アン・アーレス
●発動キー:「憎悪」
●反作用:不明
●スフィア・アクト:「他者の憎悪の暴走」

サイデリアルのアンタレスに属するバルビエル・ザ・ニードルが所有するスフィア。
至高神ソルの「怒り」を司る。

名前の如く「憎しみ」によって活性化する。
しかし憎しみを常時スフィア稼働レベルまで維持し続けるのは並大抵の精神力では困難であり、「いがみ合う双子」同様リアクターへの精神的負荷の強いスフィアである。
リアクターであるバルビエルは、常時憎しみを保ち続けていた代償なのか精神的に不安定な面が目立っていた。
バルビエルの項目に詳しいが、彼の場合憎しみを向ける対象を根本的に間違えていたため、サード・ステージではあるものの力そのものが不安定であり、サイデリアル内部でも評価は低かった。

憎しみとは過去の出来事に起因する感情であるため、反作用はそれを阻害する「記憶喪失」と思われる。
憎しみの根源に関する記憶を失うことで憎悪を薄めさせ、それに負けず憎しみを燃やし続けることでサード・ステージに、過去に囚われず正しい形での憎悪を感得することで真のサード・ステージに移行する。

スフィア・アクトは「他者の心にある憎しみを増幅し、理性を失わせること」
一度発動すれば群衆を一瞬で暴徒に変えるなど凶悪な効果を持つが、心に憎しみのない人間や憎しみを上回る程の感情やプライドの高さを持つ人間に使った場合、効果が薄いどころか一切効き目がない。例えばこの人とか。
加えて凶暴化した相手を意のままにコントロールできる訳ではないなど、他のスフィア・アクトと比べ安定性は低い。また、効果範囲と持続時間はナノマシンで補っているようである。
簡潔に言うと、この能力は「酸素」を送り込んで炎上させることしかできず、その対象である「火種」や燃え続けるための「可燃物」は別途用意しなければならない、という話。
なお、意図してかそうでないのか、Zシリーズは憎しみが戦う動機になっているの参戦作品はない*13

ゲーム上では気力140以上で発動し、ターン開始時に10マス以内のPC側ユニットに装甲ダウンの効果を与える。フェイクも同じ。
また、この力は「心の中の本音を引き出す」副次効果があり、これを受けた涼音は、裏人格であるアムブリエルに人格を乗っ取られることになった。

このスフィアを真のサード・ステージに持っていく場合は憎しみを抱く自分を超える必要があるのだろうが、憎悪とはそれ自体がネガティブな感情であり、怒りや害意、悪意と紙一重であるため普通に考えるとかなり難しい。
それでも真の意味で覚醒させるならば、それこそ明鏡止水の境地へと至り、憎むべき対象だけを、私心を交えず正しく憎む、いわば義憤や良心に起因する「罪を憎んで人を憎まず」の精神が必要になるのだろう。
翻ってバルビエルの場合は本人が憎しみの対象たる御使いに盲従し、リアクターではない「何でもない自分」を受け入れられず八つ当たり同然に全てを憎むという、尸空曰くの「独りよがり」であったため、いずれにしても彼には先がなかったと言える。

このスフィアの力は己を省みないほどの憎悪によって発揮されるが、憎しみとは一つの物事に対する攻撃的な拒絶の感情である。
そのため、同じ物事に対して受容・許容、共感を抱くことで稼働する「悲しみの乙女」とぶつかった場合、悲しみを引き出されて心が疲弊するため/拒絶の意志をも受容されて矛先を失い、無力化されてしまう。

逆に憎しみを強く抱くということは、その起因である過去の出来事に拘ることでもあるため、未来への夢想や展望を力とする「夢見る双魚」を無効化できると思われる。過去と、そこから続く現在に心を向けさせることで想像力の発揮を阻害するのだろう。*14



立ち上がる射手

●リアクター:次元将ヴィルダーク
●宿主:ヴィルダーク自身
●発動キー:「反抗心」
●反作用:不明
●スフィア・アクト:「力の発揮の妨害」

サイデリアルの皇帝アウストラリスこと次元将ヴィルダークが所有するスフィア。至高神ソルの「闘争心」を司る。読みは「たちあがる『しゃしゅ』」であり「いて」ではない。
機動兵器ではなくヴィルダークの肉体そのものに融合しており、戦闘モードに変身することでその力が発揮される。

「反抗心」によって活性化するが故に、誰かに屈すればその力は壊れてしまう。その特性上、誰かに仕える人間が所有者の場合、 裏切る気満載なのが丸分かり という光秀泣かせの一品。多分それを承知で使っていたと思われるが。

反抗心とは基本的に格下が格上に抱く感情であるため、反作用は恐らく「恐怖心の増幅」だと思われる。
戦いの中で恐れに飲まれれば負けて死ぬことになり、それに負けず、折れず、抗う意志を貫くことでサード・ステージに移行すると考えられる。
ただ、ヴィルダークはこのスフィアの属性に完全に飲み込まれており、御使いとの戦いを前にした情勢で、何の意味もないZ-BLUEとの戦いを始めている。
次元将としての立場から考えればZ-BLUEを従えるなり、加わるなりでともに戦うのが一番の選択なのだが、それが出来ず反発してしまう時点で、彼もまた打ち止めに来ていたのだろう。*15
真のサード・ステージを目指すならば、敵だけでなく己にも負けないだけの強い意志が必要だったのだと考えられる。*16

スフィア・アクトは攻撃的なプレッシャーによって、他者の力を減少させること。カミーユなどは「射抜かれるような強いプレッシャー」と表現している。
ゲーム上では気力130以上で発動し、10マス以内に存在する敵チームが与えてくるダメージが0.9倍になる効果を持つ。フェイクも同じ。

このスフィアの求める「反抗心」とは、究極的には己の理解できない、理解しえないものを拒絶・否定し己を守ることである。そして反作用と思しき恐怖心は、突き詰めれば死に対する感情であり、スフィア・アクトはこれを敵に叩き付けて萎縮させる力として機能している。
そのため、様々な方向から死を意識させることで「尽きぬ水瓶」の自己犠牲を折ることができると思われる。

また、このスフィアの反抗心が折れるということは、納得できない、理解できないものを心から受け入れざるを得なくなった状況である。
なので、そういう物事に対して忍耐を要求する「傷だらけの獅子」に弱いと思われる。痛みに耐えることはすなわち、抗いつつも痛みがあること自体は受け入れていることになるため、払い除け拒絶することで稼働するこのスフィアでは対応できないのだろう。

拒絶の姿勢を攻撃的な感情で示すという意味では、方向性の違いはあれど「怨嗟の魔蠍」と相性がいいと思われる。


知りたがる山羊

●リアクター:不明
●搭載機:不明
●発動キー:「好奇心」
●反作用:不明
●スフィア・アクト:「他者の真実の公開」

アサキムがシリーズ開始時から持っていたスフィアの一つ。至高神ソルの「探究心」を司る。
以前の持ち主は女性であり、スフィアの力でアサキムの暗黒面を覗いてしまったため闇に落ちたらしい。つまりどうなったのかは分からないわけだが恐らく死亡したと思われる。
なお、アサキムは曲がりなりにもこの力で偽りの黒羊を無力化しているため、リアクター化が始まっていた模様。

好奇心とは知らない物事に対して発揮されるものであるため、それを妨害する反作用は「知識の無差別な収集」であると思われる。
好奇心は猫をも殺すという様に、知りたがることは時に身を亡ぼす原因ともなる。勝手に知識を流し込まれることで好奇心の発露を阻害されるとともに、SAN値が減るような「知るべきでない情報」すらも知ってしまうことで精神を疲弊させるのだろう。*17
そして、それに負けず「なぜ、どうして」と探究する意志を貫くことでサード・ステージに移行し、好奇心に振り回されず知るべきことを知ろうとする意志力によって真のサード・ステージに移行すると思われる。

スフィア・アクトは「対象の真実を暴き立て、それを周囲に公開する」こと。
その無遠慮な好奇心は、非戦闘では相手の過去を強制的に暴いて標的だけでなく他人にも映像を見るように追体験させられ、戦闘においては相手のバリアを無効化する形で発現する。
反作用が知識に関するフィルターを喪失するものであることからして、「他人の情報から己を守る壁をなくす」のがその本質なのだろう。

あくなき知識欲と好奇心によってあらゆる真実を暴き立てるその力は、「偽りの黒羊」の仮面をはぎ取り、ひた隠しにしなければならない素顔を晒すことで無効化することができる。
しかしその力は、逆に言えば「知りたい」という欲求と「知りたくない」という理性のバランスで成り立つため、強制的に目を逸らさせる、あるいは強制的に見せる形でそれを崩す「揺れる天秤」に弱いと思われる。

何かを知ろうとするこのスフィアの在り方は、時に心の底に秘めた感情を探り取る姿勢にもつながる。そのため、他人の悲しみに同調することで真価を発揮する「悲しみの乙女」と相性がいいと考えられる。


尽きぬ水瓶

●リアクター:キング・インサラウム1世→ユーサー・インサラウム
●搭載機:聖王機ジ・インサー
●発動キー:「愛」
●反作用:「生命力の減衰」
●スフィア・アクト:「生命力回復の妨害」(フェイク)

インサラウム国王、ユーサー・インサラウムの搭乗する聖王機ジ・インサーに搭載されていたスフィア。至高神ソルの「情愛」を司る。

覚醒条件は身を顧みない程の他者への愛。ジェレミアにはノーブレス・オブリージュ=高貴なる者の努めとも言われている。
アイム曰く、スフィアの中では一番覚醒しにくい*18らしいが、祖国再世の決意を固めたユーサーに呼応し覚醒した。

ユーサーは顔の一部が乾いたようにひび割れ、激痛を伴っていたことと、天獄篇で登場したフェイクの力が「EN回復封印」であったこと、そして「傷だらけの獅子」と反対の性質を持つらしいことから考えるに、反作用の正体は「生命力の減衰」と思われる。
「傷だらけの獅子」が「心の痛みに耐える命の力」であるならば、こちらは「命の痛みに耐える心の力」というわけである。
つまりはサード・ステージに移行しなければ、リアクターは絶対に死ぬという、非常に危険性が高いスフィアである。

このため、ユーサーの前のリアクターであり、かつ建国に際しての大戦を戦い抜いて天寿を全うしたキング・インサラウム1世は一体どれほど偉大な人物だったのかとユーザー間でも話題になっている。

スフィア・アクトはその減衰現象を伝播させ、他人の命を削り取ること。
要は自己犠牲を強要するようなものであり、戦闘においては機動兵器のエネルギーを減少させ続ける形で発現する。
ただ、真のサード・ステージに至りかけていたユーサーのエースボーナスを考えると、真の力は「他者の心を支え、力を与える」ものであると考えられる。(SP回復の強化辺りだろうか?)

自己犠牲を前提とした慈愛は、己の死をも許容し、自分の持てる全てを大切なもののために投げうつ覚悟に裏打ちされたものである。
そのため、感情に迷っても揺れても、最後には本来すべきことに回帰する意志を持つ「揺れる天秤」と相性が良く、互いに力を高めることができる。
言い換えれば、自己犠牲の意志が消えるとこのスフィアは力を失う。要はその愛が自分に向いてしまうとアウトになるため、プレッシャーによって死を意識させる「立ち上がる射手」に弱いと思われる。

また、このスフィアの稼働に必要な「自己犠牲の慈愛」とは、要は自身にかかる痛みを受け入れ、かつ全ての痛みを己で引き受ける姿勢の表れである。
そのため、欲望のままに奪い、痛みを与える「欲深な金牛」に強いと考えられる。
このスフィアの力は「痛みを受け入れる意志」と「底なしの慈愛」であるため、奪うことに対する痛みも、奪おうとする姿勢も全て肯定される形になり、欲望のために行動するという前提が成立しなくなるのだろう。



夢見る双魚

●リアクター:アサキム・ドーウィン
●搭載機:シュロウガ
●発動キー:「夢」
●反作用:不明
●スフィア・アクト:不明

シュロウガに搭載されていたスフィア。至高神ソルの「想像力」を司る。
アサキムがシリーズ開始時から持っていたスフィアの一つだが、名前が判明したのは天獄編終盤。

名前の通り「夢」によって稼働するが、これは眠った時に見るそれではなく、将来への展望や目標といった漠然としたもの。
より正確に言えば「現実離れした夢想」「叶いそうもない目標」であり、それらを未来のビジョンとして掲げることで力を発揮する。
ゆえに、それらが実現する、挫折するなどで夢を見なくなると力が崩壊する。

そのため、反作用は夢を見ることを妨害する「想像力の減衰」だと思われる。
未来を描くことが難しくなってもなお、先を思う意志を貫くことでサード・ステージに移行し、地に足をつけて現実の上で夢を描く境地に至ることで真のサード・ステージに移行する。

スフィア・アクトは不明だが、反作用そのままではないことを考えると、恐らく「自身の持つイメージの投影」。戦闘においてはユニットの運動性を減少させる形で発現する。
相手の予想する内容に干渉することで、見当違いの対応を取らせ回避を困難にさせるのだろう。
真のサード・ステージの場合、反対の位置にある「悲しみの乙女」が過去の物事へ意識を向ける力であること、夢を見るとはつまり現実になっていない、まだ実現していない事象に意識を向ける行動であることから、「未来予知」だと考えられる。

夢を見ることは未来を描くことであるが、逆を言えば未来ではなく過去や現在に意識が向いてしまうと同調が切れてしまう。
よって、憎悪によって過去と現在に執着させる「怨嗟の魔蠍」に弱いと思われる。
一方、想像するということは可能性を考慮し、未来に備えるコトであり、究極的には生存のため、死を回避するための行動である。そのため、死のイメージを励起させることで想像力を促し、以て感情を動かすことで「沈黙の巨蟹」を無効化できると考えられる。

このスフィアが求める「夢」は現実と夢想という二つの要素によって成立するが、現実から逃げて夢に耽溺しても、夢を見ず現実で妥協してもその力は発揮できず、現実を見ながら夢想を抱くという相反する要素を両立させることで初めてリアクター足り得る。
このため、ポジとネガという二つの感情を衝突させることで稼働する「いがみ合う双子」と相性がいいと思われる。想像力によって相反する感情の励起を助け、夢想と現実のうち足りない方を励起させ対立させることでこちらの稼働を助ける、というロジックである。






【真実】

スフィア・リアクターとは至高神ソルを再臨させるために御使いによって神器ヘリオース、プロディキウム、黒い太陽とともに捧げられる生贄である。

そもそもスフィアとは、はるか古の時代、オリジン・ローを制御するシステムとして生まれた「至高神ソル」が、その意志によって御使いの行いと己の存在を否定し、自らを破壊した際の断片である。ゆえに、「ソルの心」「ソルの記憶」と言われていた。何かの比喩かと思いきやそのまんまであった。

12のスフィアのうち、11はソルの持つそれぞれの感情を表し、 「いがみ合う双子」はそれらを統括する人格のベースとなっている。

最終的に、超時空修復において至高神Zが消滅した際、取り込まれていた8つはリアクターの魂を解放して消滅。
Z-BLUEの保有していた4つは不明だが、「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」「揺れる天秤」については残存、「いがみ合う双子」については不明(ヒビキは「ジェニオンもスフィアもあの戦いで失われた」と述べているが、ジェニオンが修復されたことを考えると、スフィアだけが消滅したのか、ジェニオンごと行方不明になったのをスコート・ラボが回収したのか、となる)。



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最終更新:2024年04月09日 20:36

*1 条件さえ満たせばリアクターでない者でもスフィアの力を引き出すことは可能であり、これを応用したと思われる。

*2 実は件の文章は「プレイヤーの皆さんありがとう」と「次回作もよろしくお願いします」というスタッフからのメッセージになっている。前者はゼロレクイエムルート、後者はifルート

*3 リアクターの意志を取り込むことで己の意志とスフィアの意志を混在させ、「本来の自分」と「偽りの自分」の境界線をぼやけさせる=偽りの自分を演じることを妨害する。

*4 クロウの読みでは偶然の産物であり、アイムが狙ってやったわけではない模様。

*5 真のサード・ステージに至っているスフィア同士では相性関係が発生しないことも留意。

*6 エルーナルーナは劇中、ダバラーンから寄せられる好意にまるで気づいていなかったが、アイムやバルビエル、ヴィルダークの例を考えると、彼女もまたスフィアの属性に飲み込まれた結果、他人の心に気が回りにくくなっていた可能性がある。

*7 実際「いがみ合う双子」や「傷だらけの獅子」はそうである

*8 ちなみに尸空はスフィアの相性に対して「それとは関係なくお前が気に入らない」としか言っていない。

*9 ランドだからやっと耐えられるレベルだとか

*10 メール命名。ランド案はガンガンモード

*11 このスフィアの反作用については「痛みを受ける」としか説明されておらず、時空震動まで含めて反作用だとは言われていない。

*12 戦闘中にこの状態になれば当然生存率はガタ落ちする

*13 Zシリーズ通して憎しみで戦う事を否定する場面も何度かある。

*14 版権作品で言うと「ガン×ソード」のレイ・ラングレンがちょうどこんな状態である。

*15 そもそも彼自身、次元将を構成するヴァイオレイション・システムが間違った手段であることや、その上でこれまで続けてきた戦いは無意味であったことは認めている。

*16 そういう意味では、「頼りない主君やそれを許容する上司への反発」「強敵のみならず、未熟な自分に対する対抗心」を持っていたウェインにも資格があったのかも知れない。

*17 恐らく前のリアクターはこの影響でアサキムの本質=シュロウガの本質に辿り着き、その情報に耐えきれず精神が崩壊して死亡したと考えられる。

*18 平和な治世では捨て身の愛を見せるような事態は起こらない故