スーパー特撮大戦2001

登録日:2011/10/23 Sun 10:08:00
更新日:2023/08/09 Wed 11:59:50
所要時間:約 5 分で読めます





『スーパー特撮大戦2001』はバンプレストが発売したPSゲーム。2001年9月6日発売。

概要

タイトルから想像できる通り、『スーパーロボット大戦シリーズ』の特撮版(SLG)という感じで、ぶっちゃけた話大枠としてはスパロボと大差ないが、今作にしかないオリジナルの要素もある。
スパロボにおける「スーパー系・リアル系」の区分は「メタル系・バイオ系」。

参戦作


ご覧の通り、2001年発売であるにもかかわらず、最新作の仮面ライダーBLACK RXのみ4分の3が平成に入っているが、すべて昭和作品である
今のスパロボで言うなれば、まるで寺田Pが繰り出した没企画のようである。
バンプレスト作品の参戦作は円谷と東映に版権が偏りがちであるが、一応宣弘社が版権を有するレッドバロンが参戦している。

オリジナルの登場人物

  • ヴォルテックス/叶エイジ
バイオ編主人公。万能細胞ヴォル細胞の力で変身する超カッコいい強殖装甲っぽいヒーロー。BGMも脳汁爆発もの。
変身者は高2男子(馬術部)だからか、技がケレン味がかったものが多い。だがそこがいい。
「闇の刃よ!! 斬り裂け!!!」とか素で言っちゃうところにシビレる、憧れる。
彼女であるランのことは非常に大事に思っている。
平和のために戦いつつも、いなくなったランの兄を探している。
必殺技は胸から放つ、2マス四方を吹き飛ばす魔弾「ヴォルテックス・クライ」。
戦艦(430mのバビロスなど)が1マスで収まることを考えるとこれはすごい。
強化は武器、性能ともに成長。ステータス的にも非常に高く、高威力のマップ兵器も持つためかなり強いユニット。

  • ヴェルヴェット/日向ラン
エイジの彼女。
趣味が黒魔術で外見は某カードゲームの某黒魔術先生を紫とピンク色に塗り替えたような姿。
全体的にあっけらかんとしていた性格。
「カツラお化け(ジャイアントロボ)と消防自動車(レッドバロン)じゃん?」という問題発言が話題を呼んだ。
射程1だが、移動後回復可能。変身可能になるのがやや遅く、他のヒーローと比べるとやや非力だが、最大射程が広めでマップ兵器も持つため小回りのきくユニット。


  • ルシファード/迫水タクマ
メタル編主人公であり、本作の最重要人物。エイジ? ありゃただ巻き込まれただけだ。
元々はナガーの大幹部だったが、ギャバンとの交戦を経て正気を取り戻し、正義のために戦う。
だが、ナガーの幹部たちはかつて地球から去った迫水一家の変わり果てた姿であり、彼の戦いは家族との死闘を意味していた。
こっちは宇宙の騎士っぽい
必殺技は相手を無限の重力で押し潰す「グラビティ・ファントム」で、何処かスパロボのあのラスボスが使う武器を彷彿とさせる
とても最大射程が高く、魔空空間系マップでも活躍できるなど、結構強いユニットなのだが、
弾薬補充が必要だったり武装強化にがかかり、移動後攻撃が苦手、マップ兵器の威力が低めとどうにも欠点が目立つ。


  • ファディータ/サキ
タクマに使える女性型アンドロイド。
と言っても有機ドロイドなので見た目は普通の人間。
元々はナガーによって作られたが、タクマが正気を取り戻しても主人をタクマとみなしていたため、そのまま正義のために戦うようになる。
杓子定規な性格をしているが、意外とお茶目な一面もある。
このゲームで唯一有射程回復が可能なユニット。
アンドロイドのため硬く、射程もけっこうあるが、移動力が低く、回復は移動後発動不可であり、性能も武装も改造とクセが強い。

  • 戦闘船団ナガー
本作オリジナルの悪の組織。
鋼帝ゼファスを頂点に闘姫アテファリナ、邪学者アプファロン、黒騎士ルシファードの3人の幹部が銀河中を荒らしている。
等身大ドロイド兵器ギガントや巨大飛行ドロイド兵器ケルバーンをもつ。
他の悪の組織に戦力を貸し出したり、逆に彼らを手玉に取ろうとする。
その目的は地球を手に入れることだが、その先にも目的があるらしい…。

  • VOL細胞
日向博士という博士が見つけた古細菌の一種。
ギガントやケルバーンの素材になる他、人間に植え付けることで超能力を得たり、異形の怪物に変身するようになる。
実はVOL細胞自体にも意識があり…

ゲームシステム

ユニットは、主に「人間の姿からヒーローに変身できる主役級キャラ」「武器や乗り物を使って戦う普通の人間キャラ」に分かれている。
ステージが始まると怪人(ボスキャラ)がショッカーなどの戦闘員を引き連れて現れるため、
まずヒーローは防衛チームなどと協力しながら戦闘員を蹴散らして気力値を稼ぎ、
気力が一定以上に達したら変身して怪人に挑む…というのが大まかな流れとなっている。

が、バグやユニットの格差をはじめ問題点は非常に多い

●ヒーローと支援部隊

前述のようにユニットには大まかにヒーローと支援部隊に分かれる。
ヒーローは原作における主人公たちであり、はじめは生身の出撃でほとんど武装がないが、気力が上がることで強力な技を持つヒーローに変身できる。
宇宙刑事やゴレンジャーのように、自身の搭乗機を呼び出す能力を持つヒーローもいる。
例を挙げれば出撃時には『本郷猛』だが、気力が溜まって『変身』コマンドを使えば『仮面ライダー1号』になれるわけだ。
性能も上昇し、射程1の格闘だけだった武装も、ライダーパンチやライダーキックが追加され一気に強くなる。
巨大ロボットやシャイダーのアニー、イナズマンFの荒井誠など、非変身タイプながらもヒーロー扱いのユニットも存在する。

支援部隊はヒーローを支援する防衛組織の面々のこと。
ユニットの能力は大したことはないが、拠点の制圧が可能であり、支援メカに乗って攻撃することができる。
科学特捜隊ウルトラ警備隊MATの他、本作オリジナル要素として自衛隊も登場する。

精神コマンドがない

バランスがしっかりできていれば大した点ではなかったが、後述のように戦闘バランスがあまりよくないためむしろ向かい風になってしまった。

●改造に必要な費用が『資金』と『資材』に分けられている

敵を倒すと資金と資材を獲得できる。ユニットの改造、パーツの製造と量産、発電所での回復などに使用する。
面白い要素ではある…のだが、大体使用するタイミングではどちらも消費し、全体的に資材が余るため正直煩わしいだけで資金だけでよかった意見が多数。

●ユニットのパワーアップ方式

主に改造系成長系に分かれる。
改造は資金と資材を消費しパワーアップし、成長は本人のレベルに応じて自動的にパワーアップする。
ユニットの基本性能と武装を強化できるのだが、どれが改造成長なのかはユニットによって異なっている。
大まかに分ければ
  • 仮面ライダーなどの改造人間→体は機械なので性能は改造、武装は特訓するため成長
  • ゴレンジャーや宇宙刑事などのスーツ系ヒーローや支援部隊→体は普通なので成長、武装は武器なので改造
  • キカイダーやジャイアントロボなどのロボットや戦車などの兵器→武装も性能も改造
  • 変身前のヒーローなどの生身の人間やイナズマンなどのミュータントヒーロー→武装も性能も成長
そして、ユニットの直接攻撃力、間接攻撃力、回避、命中、技量は全てのユニットでレベルでパワーアップする。(要はスパロボにおけるパイロットステータス)。

しかし、以下のキャラのように、原作設定に基づいた細かい配慮が足りていない面がある。
  • ウインダム:「機械の体に見えるが、れっきとした生命体である」はずなのに性能は改造…特空機かな?
  • ライダーマン:体は生身で武装はアームなのに他のライダー系と同じく性能は改造、武装は成長
  • 荒井:サイボーグなのに性能は成長

正直に書くと、金欠に陥りやすいため基本的には成長のほうが有利である。
もちろん改造は資金さえあれば序盤から強くなるので悪いことではないが…

●ランドマーク

要は拠点。敵に制圧されていることもあり、その時は支援部隊で開放しなければならない。
開放することで資金、資材にボーナスが入るほか施設が利用できる。
  • 研究所:開発ができる。詳しくは後述。
  • 工場:生産ができるほか、強化パーツの装備や支援部隊の支援メカに乗り換えができる。こちらも詳しくは後述。
  • 発電所:資金と資材を消費してHP、EN、弾薬を全快できる『チャージ』ができる。

特に発電所は最重要施設であり、ここに籠もって反撃戦法をとらないとクリアできないこともある。

●博士と開発、生産

物語の進行ではユニットだけでなく博士が仲間になることがある。
インターミッションやマップ上の研究所で博士に資金を投入することで強化パーツや支援メカを開発することができる。
開発にはターンがかかる。
開発した品々は工場で資金と資材を投入し生産することでいくつでも入手できる。
こちらもある程度ターン数がかかる。

●ユニットのサイズ

ユニットにはサイズがあり、普通の人間サイズのヒーローや支援部隊の「Sサイズ」と、
ウルトラマンのような巨大サイズのヒーローやロボット、支援メカの「Lサイズ」に分けられている。
戦車より小さいものは問答無用でSサイズとなる。つまり戦車もSサイズ。

しかし、このサイズ差にはかなり問題があり、大きさで分けられたユニットは基本的に同じサイズ同士でないと戦えない。
つまり、仮面ライダーやキカイダーが怪獣を直接殴ることはできないのだ。
Lサイズ、Sサイズ用の武器を持つキャラは例外であり、レッドキングに対し科特隊がスーパーガンで応戦したり、
宇宙刑事シャイダーがビッグマグナムで怪獣を攻撃したりすることはできる。
なお、こんな面倒な制約は味方ユニットのみで怪獣や敵ロボットは普通にSサイズユニットを攻撃できる
当たればほぼ死ぬが、命中率に特殊な補正が加わるようでまず当てられない。そのため等身大ヒーローを怪獣の囮にするといった戦術も可能。
また、敵のSサイズは味方のLサイズを攻撃しない。これを利用すればドルギランや戦闘機で壁を作ることもできる。

その反面、本作では原作で見られたはずの要素がほとんど再現されておらず、かなり残念なことになっている。

  • ミクロ化して等身大でも戦えるウルトラセブン
  • ライジンゴーを使わずに敵要塞&敵戦闘機や巨大化した敵を倒したイナズマン
  • 巨大化したサーベルダブラーをギャバンダイナミック一発で斬り倒したギャバン
  • 敵宇宙人が怪獣と円盤部隊を繰り出し、ウルトラ戦士と防衛チームが共闘
  • 巨大メカで敵の戦闘機と交戦していたゴレンジャーや宇宙刑事シリーズ

その結果、SRPGとしての問題点として、「Lサイズのザコがケルバーン系しかいない」という問題があり、この関係で「巨大ユニットがザコを倒して少しずつ強くなる」ことができないMAPがある*1

これらの現象は、本来いてしかるべきのユニットを出さない*2せいで起きた問題である。

さらに、ウルトラ勢でもジャック以外は、飛行中に近接攻撃以外の攻撃手段なし(原作では空中から光線を放つこともめずらしくなかったのに)。
そのジャックですら使えるのはなぜか射程1マス飛び道具

ただしウルトラマン系は成長させると異常に強くなるし、出撃できない最終話でも意外な出番があるためロボット系よりはマシな扱い。
最強クラスのLサイズの敵であるギロチン帝王やハーケンキラーも数発で倒すこともできる。


●難易度

本作では鬼レベルの難易度を持つステージが多数見られる。
例えば・・・
★『強制行動不能ゾーンとして唐突に広範囲に魔空空間、幻夢界、不思議時空が発生する*3
★『序盤の敵とは思えない強さを持つハカイダー*4から延々と逃げろ
『猛烈に強いサイコラーと回復なしで2連戦しろ*5
『戦闘員が出現しないため、戦闘で気力があげられない状態で、恐ろしいほどのガード率を持つ剣聖ビルゲニアを三人倒せ』
『攻撃手段が拳銃しかないベル=ヘレン(シャリバンのサブヒロイン)で雑魚を6人抜きし、回復なしで怪人と戦闘員部隊を倒せ』
『レッドバロン1体で2ターン以内にレベル45のトロイホースを6機落とせ』*6
『仲間になったばかりで無改造のマリ(ビジンダー)一人でシャドウマンを3機落とせ』

などである。

特にバイオ系第59話は気力が下がって1ターン目では変身不可能な主人公をどこまでも追いすがり、
レベルを限界に上げて完全防御しようが当たれば絶対死ぬバカ火力のボスと戦えというもの。完膚なきまでの運ゲーである。
もっともバイオ系主人公は強いため、割と使いやすいクイックセーブとロードを駆使すれば割と切り抜けられる。なに?慰めになってない?そうね…

そもそも勝利条件と実際にイベントフラグを立てる行動が違っているということも普通にある。
例えば「勝利条件:ダーク破壊部隊を倒せ!、敗北条件:ジローが倒されたとき」になっているが、
実際にはジローがやられないと話が進まないようになっていることがある。

敵ユニットも
などなど、厄介な性能を持つ者がこれでもかと登場してくる。

味方ユニットも特殊能力があるにはあるが、
  • 「飛行」(地形を気にせず移動が可能だが、武器は大幅に減る上にスパロボと違い回避率はほとんど変わらない。ただし、敵から距離をとるなどには有効)
  • 「太陽電池」(ENが昼だと回復、夜だと消費だが、微量すぎてほとんど変わらない)
など、正直使えないものが多い。
ただしイナズマンに至っては敵同様に発動率の高い「分身」や「逆転チェスト」(一定確率で敵の攻撃を無効化しダメージを与える)を持つため、彼だけ性能がチートクラスである。

ちなみに地形には「宇宙空間」があるが、その「宇宙空間」が出てくるのは街中である。*11

そこを除いても計算式がややインフレ気味のようで、体力が異様に多い大ボス級を除くと瞬殺するかされるかという大味な戦いになりやすい。
この辺の煽りをモロに受けてしまっているのがキカイダー系のユニットで「動きがやや鈍いが耐久力に優れる」という個性が死んでしまっている。
それどころかキカイダーは何かと弱体化イベントが多い、技は多いがどれも射程1、ロボットなので強化に金がかかる、
など顔がそっくりなイナズマンとは対照的にハワイ人が血涙を流しそうな調整にされてしまっている。
さらにはやっと追加されたキカイダースパークは燃費が異様に悪い上にメタル系でしか使えない

しかし、高難度くらいならクリアできそうに思えてくるだろう。
そうもいかないのがこのゲームの恐ろしいところで…

出撃枠

スパロボでは1ステージごとに大体20機前後のユニットが出撃し、強制出撃のある面では強制出撃ユニットが2、3機といった印象だろう。
ところが今作ではほとんどのステージでは強制出撃のユニットがメインであり、任意出撃のユニットは数えるほどしか出せない
そもそも任意出撃がない話も珍しくなく、それまでに該当の強制出撃ユニットを育てていない場合には詰みになる可能性も出てくる
よりによって最終話では任意出撃は5人より少ないためゴレンジャー涙目。
ウルトラ系のシナリオが来たとしても、ことごとく出撃できないユニットが多い。
Lサイズユニットの味方が特に弱く感じるのはこのせいで、敵は話が進み順当に強化されているのに、
Sサイズユニットよりさらに出撃枠が少ないため強化できず、数話…下手すれば数十話前の戦力のまま激化した戦いに放り出されるのである。
ロボットをフル改造してるのに弱い!と感じるのも本体のレベルが上がっていないためなのだ。
まあ、そもそも元が非常に弱いユニットもいるのでどうしようもないことがあるのも事実だが。

このゲームにはスパロボでいう全滅プレイ*12もないが、代わりにゲームオーバーになってやり直すと敵のレベルが1下がり、10までは下げられるのである程度は補助できる。
そこまで頑張ってプレイしても…

また、敗北イベントの際に敵がEN消費武器しか持っていない状態で、味方が非常に強い場合には敵がENを使い果たしてしまい、攻撃を当てられず詰んでしまうことがある。アホか。
ウルトラマン対ゼットン、ジャック対ブラックキングなどでおこりえる。ほかのイベントでは強制敗北攻撃を仕掛けてくる敵もいたのに…

●強制離脱

生死を問わず、本作では原作キャラが離脱する場面では容赦なく離脱する
特に巨大ユニットは原作の最終回通りに故郷に帰る、爆発四散する、引退するなど最終戦前に全員離脱してしまう。
最終決戦は等身大=Sサイズユニットによる決着なため、ラストダンジョンは巨大戦艦内部、ラスボスもSサイズなのでいくら育てても意味はないにしろ、脱力感はひとしおであろう。

一応、スパロボシリーズでよく見られるIF展開もあるが、
  • 原作のように自分を見失うことなく自軍に加入してくれるワルダー
  • ヨロイ元帥を倒し博士として自軍に残ってくれる結城丈二
くらいである。

前述の強制出撃の問題点と合わせると、好きでもないユニットをクリアのために必死で育てたら離脱したという場面が何度か出てきてしまっている。

●バグや不具合

前述の通りバグが非常に多い。
例えば・・・。

  • ステージをクリアしても、使った弾薬が補充されない→そのため、わざわざリロードマガジンや発電所のチャージをしなければならない。
  • ウルトラマンジャックに装備が反映されない→なぜか武装が追加されると反映されるようになる。
  • 実害はないが、キカイダー01がシナリオ「運命の王子」で2体に増える
  • 運動性が140もあり、設定ミスが疑われている*13ワンセブンの敵ユニットのハーケンキラー*14

などである。

バグのせいで不遇な扱いを受けたユニットもいくつかあり、特にゾフィー
  • ウルトラマンジャックルートを通ると仲間にならない*15
  • 一度EN0で撤退、もしくは撃墜されると二度と出撃できない
  • 戦闘アニメにも不具合がある
  • 飛行能力を持たない
  • 技は二つしか使えない
  • 極めつけは全く成長しない
などなど、これでもかとバグが多く、かなり残念なことになっている*16

また、よくよく見ると各ユニットの技で「動く」物が少ない(本体を動かさなくていい飛び道具や本体画像をスライドで表現できる体当たり系が大半)。
ジャイアントロボなどは必殺技使用時に実写の映像を流すなど、ユニットのアニメモーションが不足気味*17

●シナリオの問題点

クロスオーバーはほとんどなく、ステージが進むにつれて各作品の原作をなぞるだけになる。
ひどい時には楽しくない方向で大きく齟齬する場面も見られる(以下はその主たる例)。

  • 盛り上がる隣で別の話のエピソードが展開
  • 敵の大ボスが重要なことを語っているのに戦うのは別組織
  • とある支援部隊の長官が同シリーズの別作品で同じ俳優が演じた真逆な性格の長官の役回りも兼任
  • それどころか一部のキャラ(特に立花藤兵衛)の性格が大きく変更
  • イナズマンFやRXが隠しユニット扱いなのに、普通に出てくるそれぞれの敵組織のデスパーとクライシス
  • 一部の作品は前半のエピソードしか再現されず、後半がほとんど未再現

序盤は

  • ショッカーに襲われるウルトラ警備隊
  • 光明寺博士を狙うショッカーとマクーとダークの三つ巴
  • ギャバンと関係あるメタル系主人公

などなど、このような感じで15話くらいまではまっとうにクロスしているが、それ以降は


くらいしか見られなくなる。
一方で、先述のキャラの死亡回避ネタ以外で良質なIF展開は、ジャックを倒す切り札として初代ゼットンを繰り出すナックル星人(原作におけるバット星人は未登場)くらいしかない。

また、巨大ユニット戦に多い「特定手順でないと敵を絶対倒せない」という展開もある。
例えば「ゼットンが無重力弾でないと倒せない」場合は原作再現でまだわかるが、
序盤のジャイアントロボ対スパーキィの戦闘で「メガトンパンチ以外一切受け付けないスパーキィ*18」など、なんでそんな縛りを設けたのかわからない展開が多い。

シナリオの分岐条件も
という脈絡のないものが多い。
特に罠選択で有名なのは、上記の光太郎がヘリのパイロットになるかならないかの誘い。
この誘いを受けると、原作と真逆でBLACKがRXにならない

ドン=ホラーや創世王など、一部のラスボスがイベント扱いで始末されるパターンもある*21
とはいえ、イベント扱いならまだまともで、シャイダーの敵組織のフーマとの決着はシナリオとしては再現されず、メッセージデモで「宇宙刑事がフーマを壊滅させた」ことが語られるのみになっている。
また、RXのクライシス皇帝の場合は、ジャークミドラ撃破後、戦いが面倒になって怪魔界に帰ってしまう。
こんな扱いならヒーローだけ出して敵組織は出さない方がマシだったのでは…?

エンディングもラスボスを倒し申し訳程度の会話の後、敵基地が爆発するムービーが入りスタッフロールとなるだけである。
序盤の力の入れようは感じられるため力尽きたのではないかという噂も。

どうやってクリアしたらいいのか



評価点

  • OP曲は『宇宙刑事ギャバン』の主題歌や『仮面ライダーオーズ』のオースキャナー音声でおなじみの串田アキラ氏。
    この曲自体カッコ良く、ムービーもPS時代のスペックを考えると出来が良いのだが、初代マンが夕陽をバックに歩いてきたり、イナズマンとギャバンがマシンに乗らずに自分の足で歩いていたり、一部のキャラが登場しなかったりと違和感のある描写も見られる。
  • 変身や必殺技などの際には、原作ムービーもなるべく入れるようにしている*24
  • ウィンキー時代のスパロボと比べてみると、アニメーションもかなり頑張っており、キャラクターの特徴も出ている。
  • ロードもそれほど長くなく、ソフトリセットやクイックセーブ、ロード*25も実装してあり、他にも△ボタンで決定して戦闘開始すれば戦闘アニメがカットされるなどプレイ自体はそれなりに快適。
  • システム自体もスパロボをなぞってるようでかなり違うものとなっており、新しいことにチャレンジしたかった意気込み感じる。
  • BGMもなかなか良アレンジであり、オリジナル主人公のBGMもかっこいい。前奏が省略されたりサビに行く前にループするなど不満点も多いが、「アニーにおまかせ」などの印象的な挿入歌を選曲したりとマニアックな面も見られる。
  • オリジナルの主人公は「敵の首領の息子でギャバンに追跡されている」「敵の組織に新種の細胞を植え付けられた」というありがちながらも魅力的なキャラクター。ユニット性能も高く(特にバイオ系)一軍として活躍できる。
  • ナレーションは『仮面ライダー』で知られる故・中江真司氏。ナレーションはフルボイス。無駄に頑張っている。ただし、一部シーンでは大平透氏や政宗一成氏など、実際の作品のナレーションが流れたりもしている。


このソフトを期に特撮のクロスオーバーをメインとしたソフトは2003年の『チャリンコヒーロー』を除けば、2012年発売の『グレイトバトル フルブラスト』『ロストヒーローズ』までおよそ10年間全く発売されなかった。
本作も順当に歴史の闇に埋もれてきていたが、2019年配信の『スーパーロボット大戦DD』にて本作の曲が一部使用され、久しぶりに存在を認知されている。




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最終更新:2023年08月09日 11:59

*1 要するに「いきなりボスしかいないマップでボスを倒せ(自軍はよくて数体、下手すると単独)」ということである

*2 特に宇宙刑事は戦闘機以外実質巨大戦の相手がいないのに出てこないので母艦の相手がいない。

*3 宇宙刑事とメタル系主人公達以外のユニットは身動きすら取れない上に、初見ではどこに起きるかわからない

*4 しかも出現するとジローの気力が下がり、倒すとゲームオーバーになる

*5 出撃メンバーは5人のみでそのうち3人の宇宙刑事が一人でも倒されたらゲームオーバー

*6 ただし2ターン目からレッドバロンはイベントで超パワーアップするのでちゃんと改造していればそこまで難しくない。改造してれば。

*7 一応カメバズーカと地獄ガッパは体内の爆弾が原作でも設定されていたが、タッコングはそんなことはなく普通に帰ってきたウルトラマンがスペシウム光線で倒していた。

*8 50%の確率でダメージを無効、しかも「精神コマンドがない」せいで気力を下げて対処ができない

*9 ウルトラシリーズの代表宇宙人らしく、原作同様に複数登場するうえに、スペシウム属性を反射するスペルゲン反射鏡まで持っている優遇ぶり

*10 というか、毒やウィルス、溶解液などを気力低下として再現しているため、どの組織も一人くらいは気力下げ武装を持っている怪人がいる

*11 亜空間のようなもので呼び出されており、生身のユニットは入れないためほぼフレーバーなものと考えていい

*12 敗北した場合に、その時点でのレベルや資金を引き継いでそのステージの前からやり直せる救済処置

*13 原作でも素早い敵だったため、仕様という説もある

*14 レベルの上がったウルトラマン系に運動性の上がる装備をつければ何とか倒せるが、それでも6から7割程度の命中率であり、本来の敵であるワンセブンをフル改造し、レベルを最高にしても一桁代の命中率しか出せないらしい

*15 本来はそこで早目に仲間にできるはずなのだが、実際は仲間にならず本来仲間になるシナリオでも加入しなくなる

*16 一応、シナリオでは原作より出番が多くなっているが・・・

*17 スパロボでも作品によってほとんど動かないものはあったが、この作品は公式ガイドブックで巨大ユニットにほぼ全員の標準装備になっている「格闘」が実際には使ってこない奴が大半(というか使えるのはほぼ味方ユニットだけ)というあたりで、「入れる予定があったが入れられなかった」が正解のようである。

*18 原作では2回登場するが、どちらもメガトンパンチは決め技ですらない

*19 使うとベル=ヘレンが仲間になるが、ライダーマンが仲間にならない

*20 おごるとゴレンジャー系の追加武装が手に入るが、ジャックにウルトラブレスレットが追加されない

*21 創世王は原作でも光太郎に最強の武器を与えて、太鼓判を押した直後にその武器で始末されるが・・・

*22 ただし、本当に準備だけでは対応できない難しいシナリオもある

*23 戦車などの複数乗りの支援メカでは運転手の経験値がそのまま同乗者にも入ってしまうバグ。これを利用すればレベルの低い支援部隊が戦闘員を倒した際の莫大な経験値をレベルの高いヒーローにも分け与えられる

*24 ただし、ドルレーザーなどのようにイベントでしか見られないのもあるが・・・

*25 ソフトリセットした際に◯ボタンを押しっぱなしにするとタイトル画面を飛ばしてクイックロードできる