ドクツルタケ

登録日:2012/04/24(火) 20:36:49
更新日:2024/01/12 Fri 12:16:17
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天然危険物 ※全然珍しくない ※毎年報道される お別れは済んだか? どこにでも生えている アニヲタきのこ項目 イチコロ キノコ コモロくん シリアルキラー タイマーチューン テッポウタケ ドクツルタケ 世界最強の毒キノコ 人類の敵 具現化した“恐怖” 大自然の悪意 天使のような悪魔の笑顔 学名:Amanita virosa 後の祭り 後悔先に立たず 恐怖と言うものには鮮度があります 惨殺 意思を持つ毒 戦慄する項目 持ち上げて殺す 探さなくても見つかる 時間差攻撃 死ぬほどうまい 死の天使 死の宣告 死神 殺人キノコ 毒キノコ 牧場物語 猛毒 猛毒キノコ御三家 白い悪魔 白銀の堕天使 第二波 終焉へのカウントダウン 英名:Destroying・Angel 誤食事故


うふふ


あなたキノコを取りにきたんでしょ?



ある場所まで一緒に来て欲しいの


…素敵なキノコがあるのよ



白い傘が綺羅星のように輝いて…


とっても美味しいのよ?









退屈なんてさせないんだから…
だからキノコ大好き発動するのはやめてね…?






―――――――――――――――――


依頼主
白いドレスの少女

報酬金:109000z

契約金:45900z

指定地:森と丘



こちらのクエストを受注しますか?


はい   いいえ

―――――――――――――――――








ドクツルタケはテングタケ科のキノコ。北半球に広く分布し、初夏から秋にかけての森林地帯の地上に生える。
その見た目はとても美しく可憐。

画像出典:PIXTA


いっさいの穢れない純白の傘はまるで舞い降りた天使のようである。
実際に西洋では天使の異名を持つ。


ただし、死の天使(destroying angel)だが。

世に危険とされる毒キノコは数多存在する。
単純な毒性の強さで言えば最強クラスの天然化学兵器カエンタケロケット燃料と同じ有毒成分を持つシャグマアミガサタケ、得体の知れない奇病のようなえげつない中毒症状を引き起こすドクササコ、長年知られていなかった致命的な毒性が発覚しキノコを食べることのリスクを改めて世に知らしめたスギヒラタケなど挙げればキリがないほどである。
しかしこの可愛らしいドクツルタケ、それらの並み居る強豪たちに勝るとも劣らぬ悪名を誇る猛毒殺人キノコなのである。
何故それほどに恐れられているかと言えば答えは単純。

致命的で凶悪な毒性を持っているにもかかわらず、あまりにも「ありふれた」キノコだから。

毒キノコの危険さというものは単なる毒性の強さだけでは計れない。
例えば上で挙げたカエンタケは持っている毒こそとんでもないものだが、実際その猛毒でもって人間をバンバン殺しまくっている……なんてことはない。
というのもそこまで頻繁に見つかるキノコというわけではないし、そもそもの話見た目からして毒々しすぎるので不用意に触れたり食べたりする人なんてそうはいないのだ。
なんならそのせいで割と長い間毒があるかどうかすらはっきりしないという扱いを受けていたくらいである。
それに対しドクツルタケは日本を含む北半球に広く分布しており、生える場所もあまり選ばない。
もし機会があるなら夏場、近くの雑木林でも散策してみよう。
大して探さなくてもその可憐な姿をお目にかかれるだろう。
嫌いな奴に食わそうとか考えるなよ
そんな身近さに加えて「純白」というよく目立つが毒々しくもない色合い、可愛らしい形から、
素人目には人を殺せるほどの猛毒キノコには見えず、誤食の例が非常に多いのである。
味の方は美味しいとされているが、もちろん興味本位で味を見たりしてはいけない
だから嫌いな奴に食わそうとするなっつってんだろ!

同様に間違われて食べられやすく、致死性の高いキノコにシロタマゴテングタケタマゴテングタケがあり、
この3つを合わせて猛毒キノコ御三家と称されている。

基本的に「天然物の白いキノコは危険なので食べてはいけない」と認識しておくべき。
中には無毒とされるものもあるが、それらのキノコとドクツルタケやシロタマゴテングタケの判別は難しく、育ち具合や状態の良し悪しによって形状が大きく変わってくることもあるので、よほどはっきり区別できるもの以外はそもそも手を出さない方がいい。
実際、松茸をそのまま白くしたようなシロマツタケモドキと間違えた例が存在する。
もっとも白いキノコに限らずタマゴテングタケやコレラタケ(ドクアジロガサ)のような地味な色合いの致命的な毒キノコは少なからず存在するので、生半可な知識で天然物のキノコに手を出すこと自体が危険な行為であることは念頭に置いておきたい。

ドクツルタケの毒はピロトキシン、ファロトキシン、ベニテングタケやコレラタケにも含まれるアマトキシン類。
しかしその含有量は上記2つを遥かに凌駕している。
その致死量はたったの15gであり、ちょうどドクツルタケ一本分
毒性としてはカエンタケの方が上だが、結局のところ食えば死ぬのは同じである以上危険性という意味では大差はあるまい。
もちろん中毒症状の重さには個人差やその時の体調も影響してくるので、「1本丸々食べなければ平気」なんて思ってはいけない。

中毒者の実に9割が助からないと言えばその恐ろしさが分かるだろうか。



中毒は食べてから6時間足らずで発症。キノコ中毒ではお馴染みの激しい嘔吐下痢に襲われ、その後一度は治まってしまう
そのためこの時点では少なからぬ人が「腹を下しただけ」と甘く見て放置してしまう。
既に手遅れだとは気づくこともなく…


だがドクツルタケの毒はまだ猛威を失ってはおらず、人間が気づかぬ間に、少しずつ…少しずつ…体を蝕んでいくのである。
エロゲの洗脳かな?

そして食べてから約一週間後、第二波が襲いかかる

この時にはもはや末期であり、体の維持に必要なタンパク質の合成を阻害するアマトキシン類が体内に残留し続けたりした結果、
自覚症状が出ないまま内臓という内臓が壊死していくことで、肝臓が肥大したり腎臓が壊れたり胃腸が出血したり内臓がスポンジのようになるなどの症状が進行し、
限界を超えたら洗面器が一杯になるほどの真っ黒な血を吐いたりしながら死に至ると言われている。
この特徴的な遅効性の中毒を、ある者は「家族に別れを告げる猶予を与えているようだ」と語っている。


更に第二波の症状は内臓が破壊され尽くした後だけにかなりの苦しみであり、
ある中毒事例では母子でドクツルタケを口にし母が死亡。
子は症状が回復し一安心と母の葬式を準備している時に第二波が襲来した際に


「俺を助けてくれ!!」


と助けを何度も求め畳に爪を立ててのたうち回り部屋中を爪痕と血反吐まみれにしながら息絶えたなんて話もある。
……こういうととんでもなく邪悪なキノコのように見えるが、向こうからすれば勝手に引っこ抜いて食べようとしてくる人間も似たようなものではある……かもしれない。


現状解毒方法もなく、早期の胃洗浄で全て吐き出させるぐらいの対処療法しかないのだが、
症状が出始めたら既にアウトなので、基本的に手遅れになるだろう。
とはいえマズいと思ったら早いうちに病院を頼るに越したことはないが。


その強い毒性ゆえに、採取のプロは如何なる理由があろうと素人による天然の白いキノコは絶対に食べない事と注意を促しているが、
繰り返しになるが、いつ如何なる理由があろうと素人は天然の全てのキノコに手を出してはいけないのが真の正解だろう。
半端な知識ほど恐ろしいものはないのだ。

また、自分一人で食べるならある種自己責任とも言えるが、販売・おすそ分けなどをする際には細心の注意を払うこと(特に知識者が間に入り辛いおすそ分け)。
キノコの研究者はどうか分からないが、キノコの販売業者においても判別を間違えた…なんて事例をちょくちょく見かける。


これはキノコだけでなくトリカブトのような野草やフグのような魚にも言える。

いずれも口にすれば手遅れな毒性が待ち受けるが、




口にしなければ


中毒にはならないのである




天然物が美味しいのは確かである。

だが天然物を食べるには確実な知識自分の命に責任をもって食べることが大切なのだ。



余談だが、純白の姿にまるで意思を持つかのような中毒症状、そして「死の天使」というやたら邪気眼チックなかっこいい通り名から、擬人化も盛んに行われている。
学名からアマニタ・ヴィロサとか名前が付けられることもある。





天然キノコには迂闊に手を出さないと誓い追記・修正をお願いします。

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最終更新:2024年01月12日 12:16