ガード・ブロック(遊戯王OCG)

登録日:2017/01/19 Thu 22:39:37
更新日:2024/01/18 Thu 21:40:39
所要時間:約 6 分で読めます








ガード・ブロック
通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。



ガード・ブロックとは遊戯王OCGの1枚。初収録は『THE DUELIST GENESIS』

相手からのダメージを0にしてデッキからカードをドローする効果を持つ。

ガードなのかブロックなのかはっきりさせろって? 知らん、そんな事は俺の管轄外だ

「戦闘ダメージ0+1枚ドロー」という効果は決して弱くはないのだが、
ドローソースとしても戦闘ダメージ無効としても上位互換がいる為、環境内においては微妙な立場のカードだというのが現状である。


まず、「戦闘ダメージを0にする」点について見ると、このカードが無効にするのはあくまで「自分への戦闘ダメージ」なので、
直接攻撃ならともかくモンスターを狙ってきた攻撃では、そのモンスターは破壊されてしまう。
そして戦闘ダメージを1回しか防げないのも痛い所。

そもそも戦闘ダメージを0にするのなら、攻撃そのもの無効にしたり、攻撃モンスターや戦闘で発生するダメージを利用してやった方が見返りが大きい。

そういう意味ではこのカードは他の汎用型攻撃反応罠や、
発動タイミングを選ばずターン中の戦闘ダメージ全てを無効にできる「和睦の使者」「レインボー・ライフ」等に対して大きく劣っている。

おまけにこのカード、相手ターンにしか発動できないので自爆特攻などでコンボなどの能動的なトリガーに利用することはできない。
この点でも使い勝手は微妙になる。


一方「ドローソース」としてみて「戦闘ダメージ0のおまけつき」と考えると聞こえはいいかもしれないが、その効果の性質上発動タイミングが限定されている。
さらにこのカード自身が事前に破壊されやすい攻撃反応型罠なので、発動できずに終わることもザラ。

もっと言うならこのカード、直接攻撃時なら1:1交換だが、
上記の通りモンスターを破壊から守れないのでモンスターが巻き込まれた場合2:1交換となり、カード・アドバンテージで1枚損をする。
このように発動における確実性とディスアドが生じずにドローできる点でどうしてもフリーチェーンである「強欲な瓶」や「八汰烏の骸」に劣ってしまう。
(あちらにはドロー以外の付随効果がないことを考えると一概に下位互換とは言えないだろうが)



このように決して弱くはないものの、現環境ではどうにもパッとしないカードである。


アニメ遊戯王5D'sでは不動遊星が使用していた。
まぁ上記のカードを考えると拾ったカードでデッキを作った彼らしいカードといえるのかもしれない。





追記・修正は上位互換達の存在に嘆きながらお願いします。













このカードに全てを賭ける!











上ではこのカードのデメリットを書いたが、ここではこのカードのメリットや主な使い方についてを解説しようと思う。



「戦闘破壊からは守れないが、ダメージを0にできる」という点からこのカードを扱える状況は以下が挙がる。

1:場が空きやすいカードを使うデッキ。
自分の場ががら空きになりやすい【スピリット】【フルバーン】ではこのカードの「破壊から守れない」所をあまり気にする必要がない為、気兼ねなく採用できる。

2:攻撃表示で場に出す必要があるモンスター
「攻撃表示の時に発動する効果」や「召喚された時に発動する効果」は、効果を使用するのに攻撃表示で出す必要がある。
そういったカードは次の相手ターンは基本的に攻撃表示でいる為、やはりこのカードと併用する事で、
自身が受けるであろうを回避でき、自身の効果も生かせる。打点が低い場合はよりこのカードの効果を生かせるだろう。

またバトルステップの巻き戻しを利用する悪シノビデッキの場合、
このカードでダメージを防いだ方が地味な部分でアドバンテージがとれるときもある。

3:破壊された時に効果を使えるモンスター
「戦闘破壊を防げない効果」をカバーしつつ、自身へのダメージをケアできる。
基本的には攻撃表示限定だが、貫通能力持ちが攻撃してくるときは表示形式に関係なく効果を使える。
「そもそもそういう効果のモンスターを相手は狙ってこないだろ。」と思った人、先生怒らないから出てきなさい。

4:エクゾディアデッキ
ざっくりいうと、基本的に戦闘面より手札の充実を重視したデッキで、
モンスターを破壊されることに対して大した痛手が無いのでダメージを防ぎつつ手札を増やせるため、相性はいい。


こういった枠でならこのカードは上手く使えるだろう。


このカードの持つ変わった特徴としては、基本的な攻撃反応型罠カードは発動タイミングが「攻撃宣言時」であるのに対して、
このカードの発動タイミングは「ダメージ計算時」である事が挙げられる。

ダメージステップには「①ダメージステップ開始時→②ダメージ計算前→③ダメージ計算時→④ダメージ計算後→⑤ダメージステップ終了時」の5つの段階があるのだが、
基本的にはオネストBF-月影のカルートなどの所謂「コンバットトリック」と呼ばれるカードの効果が発動できるのはこのカードが発動できる③の一段階前である、
②のダメージ計算前までにしか発動できないので、相手が大ダメージを与えることを狙ってそういったカードを使用してきた場合、
そのカードを無駄討ちにすることが出来るというこのカード特有のメリットがある。

因みにこのカードの様に「メインの効果」+「カードを1枚ドローする」というこのカード1枚の損失を1枚のドローで帳消しにできる、
事実上カード損失のないカードを「キャントリップ」というのだが、遊戯王OCG内では基本的に手札を増やすようなカードは軒並み規制されるので、
そういったキャントリップカードは少ないのが現状である。そういう意味ではこのカードは珍しいカードともいえる。











……と、ここまで書いたメリットや使用法はあるものの、
現環境内ではやはり上位互換カードが多い為に微妙な立ち位置のカードであり、採用するデッキはあまり多くないのが現状である。

しかしこのカードが非常によく使われる舞台が存在する。それは……





架空デュエルである





ニコニコ動画やネット掲示板などで投稿されるアニメの二次創作や別アニメのキャラでデュエルをする作品群、所謂「架空デュエル」での登場率は結構高い。



では何故か? このカードの効果を考えてみて欲しい。

ダメージを防ぎつつ、デッキからカードをドローする」という効果を「形成が圧倒的に不利な状況でこの相手攻撃を受ければ負けてしまう」というシチュエーションに持ってくる。

するとこのカード、「相手からのダメージを0にして敗北を回避し、効果によるドローで作者の都合で逆転のカードを引き当てることが出来る」
という形の勝利へのシナリオへのトリガーとすることが出来る、ある種のロマンカードと化す。
「それズルじゃん!」とか言わないの!


基本的に架空デュエルにおいて再生回数が高くなる動画や読者の多い作品は「デュエルそのもののクオリティ」が高い。
そのクオリティの上げ方はいろいろあるだろうが、その1つとして「魅せるデュエル」として効果のガチさよりも、
デュエルそのものの演出の高さを優先するもの、所謂「エンタメデュエル」がある。

架空デュエルなので手札の内容は制作者によって設定することが出来ることもあり、
その設定したカードを呼び込めてかつ相手からの攻撃を凌げるため、ピンチからの逆転の演出をする上で、このカードはもってこいなのだ。

加えて遊戯王は強力なドローソースは厳しめの制約や規制がかかる傾向があり、
「キャラにこういうかっこいいコンボやらせたい!」と思っても必要な手札枚数を確保させにくいことが多い。
そういう意味でも損失なくダメージを抑えるこのカードは便利なのである。
いわゆる「鉄壁の3桁ライフ」の調整に使われることも。

その理由から「安心と信頼のガード・ブロック」と言われることすらあり
他に登場頻度の高いドローソース仲間の「貪欲な壺」「メタモルポット」と併せて(架空デュエル)三種の神器とも呼ばれる。

そもそも三種の神器の手札補充効果は「メタモルポット」→「天よりの宝札」(遊戯)・「貪欲な壺」→「ホープ・オブ・フィフス」(十代)に酷似しており、
アニメの様にデュエルを盛り上げる為の類似効果を模索していたらここに行き着くのは当然の結果だったとも言える。

ただ逆に圧倒的登場率からマンネリ感があるのは否定できないし、
このカードにばかり頼ってしまうとデュエル内容が似通ったものになってしまうため、あえてガード・ブロックの使用を制限する制作者も多い。
また使う場合も上述のようなピンチの場面ではなく序盤のライフ調整として使って、終盤のピンチシーンにガチデッキで使わないような別のカードを持ってくる場合も多い。
どちらにせよ、いかに視聴者や読者に違和感を抱かせずにデュエルを進行させていくかが重要と言えるだろう。





こういった一部のデッキを除いてガチンコでは微妙でもエンタメでは有用になるという扱いの変化もなかなか面白いと言えるだろう。


以下は架空デュエルで使えそうな相手の攻撃を止めるキャントリップ魔法・罠(随時追加募集)

ドロー・マッスル
速攻魔法
「ドロー・マッスル」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの守備力1000以下の表側守備表示モンスター1体を対象として発動できる。
自分のデッキから1枚ドローする。
そのモンスターはこのターン戦闘では破壊されない。

OCGでは通常召喚の場合は裏側表示でのセットしかできないため若干パターンは限られるが、
守備力が低めのエースや切り札が守備表示にされた際にこれで防いでドローするなど、魅せるデュエルにするための方法も少なくはない。


カウンター・ゲート
通常罠
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
その攻撃を無効にし、自分はデッキから1枚ドローする。
そのドローしたカードがモンスターだった場合、
そのモンスターを表側攻撃表示で通常召喚できる。

このカードの場合、分類するのであればキャントリップではあるのだが、
状況によっては通常召喚が可能なモンスターを引く事もあるので、そちらを目的とする事がメインになる事もある。
というよりドロー目的だけならほぼガード・ブロックの下位互換であるし、
このカードが登場した劇場版での活躍を考えれば、このカードの役割は「直接攻撃を無効にし、デッキの上のキーカードを通常召喚する」ことと言える。
上級以上を出す場合にはリリースが必要になるが、そこら辺は「架空デュエル」。やろうと思えばガチだと多少無茶なコンボでその展開に持ち込める。


星墜つる地に立つ閃珖(スターダスト・リ・スパーク)
通常罠
「星墜つる地に立つ閃珖」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):特殊召喚された相手モンスターの直接攻撃宣言時、
そのモンスターの攻撃力が自分のLP以上の場合に発動できる。
その攻撃を無効にし、自分はデッキから1枚ドローする。
その後、自分のエクストラデッキ・墓地から「スターダスト」モンスター1体を選んで特殊召喚できる。

こちらは原作効果の再現とカードの強さのバランス取りがかみ合った結果、「ガード・ブロック」以上に創作向けな効果である。
ここからセイヴァー・スター各アクセルシンクロモンスターに繋げられるといいかもしれない。



追記・修正はこのカードの効果で逆転のカードを引き当てるイメージを描きながらお願いします。


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最終更新:2024年01月18日 21:40