タズ

登録日:2017/01/17 Tue 22:34:18
更新日:2020/10/30 Fri 09:58:51
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『タズ(TAZZ)のリングネームで知られるピーター・セネルシアは、米国出身の元プロレスラー、解説者、たこ焼き。
現役時代のニックネームは“ヒューマン・スープレックス・マシーン”で、その名のように重量級の相手すら危険な角度で投げ捨て、関節技で締め上げるスタイルで知られていた。

学生時代はレスリングと柔道に打ち込み、87年にプロデビュー。
自らのバックボーンを活かした危険なスープレックスと、必殺の片羽絞め=タズロックを武器にストロングスタイルとハードコア戦線で鳴らした強豪であった。

90年代にハードコアムーヴでWCW、WWFの二大メジャーに追随する人気を博していたポール・ヘイマン主宰のECW王者としてカリスマ的な人気を得ていた。

WWE時代は選手としてよりも、2リーグ制となって以降のSMACKDOWN!の解説者となってからの方が有名で、特にマイケル・コールとのコンビはRAWのJR&キングと並ぶ名コンビとして語り継がれる。
強いブルックリン訛りの軽妙な語り口の中にキング以上に現役選手としての視点や裏話、日本のプロレスにも精通していることを窺わせるマニアックな蘊蓄や流行技にも敏感な部分を見せるのが特徴で、その喋りはTNAでも遺憾無く発揮されている。

選手時代には格闘家路線の洒落の通じないタイプのキャラクターだった為に違和感もあった……と言いたい所だが、実はキャリア初期には原始人キャラの“タズマニアン・デビル”として日本への来日も果たす等、強面とは裏腹のタズのユーモアのセンスの源流が窺える。

【略歴】
ECWには93年に入団。
日本でも知られる“ザ・シーク”の甥のサブゥーとのコンビや抗争で活躍後、97年より“タズ”*1に改名し、妥協の無いファイトスタイルの格闘家路線に転向して圧倒的な支持を得る。

ECWでは日本帰りのクリス・ジェリコクリス・ベノワエディ・ゲレロやマイクオーサム(THE グラジエーター)、後にWWEで人気者となるダッドリー・ボーイズやミステリオJr.といった面々も参加しており、ファンはそうした所属選手の戦いを通じて、噂や雑誌で得ていた日本やメキシコのプロレスを体感して歓声を挙げていた。*2

なんでもあり路線のカリスマ王者として君臨し、ECW王座ばかりか、自らが掲げたFTW(F○ck THE World)王座ベルトも持つ等、米国インディーの象徴とまでなったがWWFと99年に接触。

マイク・オーサム、田中将斗との3WAY戦で王座を失い退団した後に、00年に移籍した。

WWFでは、デビューから連勝記録を重ねていたカート・アングルを止めている他、マイク・オーサムがECW王者としてWCWに入団すると、古巣のECWに戻り一騎討ち。
これを制して、ECW王者として時のWWF王者トリプルHと戦うも敗れる、等の活躍をする。

00年には当時の前座クラスの選手の出演するHEATの解説を務め、これが認められたのか01年に不祥事により解説者をクビになったキングの代理としてSMACKDOWN!の解説に。
WCW、ECWが崩壊すると、その所属選手達により結成された外部敵軍アライアンスの一員となるも、首の怪我の悪化から02年に引退を宣言して以降は解説をメインとするようになった。

05年のECW復活祭に現役時代のコスチュームで登場し、06年の3ブランド時にはECWの解説者に。
08年にSMACKDOWN!解説のミック・フォーリーが退団したことから、再びSMACKDOWN!の解説に戻るも、08年に退団。
09年からはTNAで解説を務めている。

【主な得意技】

■タズプレックス
タズの使用する危険な角度で投げ捨てるスープレックスの総称で、コーナーやリング外に設置された机に向かって相手を勢いよく投げ込むのが定番の姿だった。
上背(170㎝)が無い為、高速で鋭い弧を描き、尚且つ両足で踏ん張り勢いよく落としていくのが特徴で、叩きつける段階では自らの身体も宙に浮いている事も多かった。
よく知られるのはハーフネルソンスープレックス(タズミッション・チョークプレックス)だが、他にもジャーマン、ドラゴン、タイガー、コブラクラッチ、ネックロック、ショルダーロック、アームロック、エクスプロイダー、バックドロップ、フロントスープレックス、ノーザンライト……etc.といったバリエーションがある。
雪崩式や、場外では鉄索の外へと放り投げる場合もある等、最盛期のECWを象徴する技である。
基本的には投げ捨てる形となるが、ノーザンライトスープレックスではブリッジしてフォールに行っていた。
ビガロやババ・レイの様な巨漢も投げ捨てていた。

■タズミッション
ハーフネルソン・チョーク=片羽絞め。
タズのフィニッシャーで、スープレックスからこの技で締めるのが必勝パターンだった。
デスマッチでは有刺鉄線を自ら腕に巻き付けて仕掛けたりしていた。

【余談】

  • デザインやイラストが得意で、所属選手が裏方もやっていたECWではTシャツ等のデザインを担当していた。

  • 来日経験もあり、日本マット界にも詳しく日本人レスラー‘も好きだが、何故かザ・グレート・サスケだけは嫌いな模様。

  • TAJIRIによると肌が黒いのは日焼けによるものらしい。

  • TAJIRIがWWEで解説をした(ウィリアム・リーガルに頼んでやらせてもらったという設定)ときに「たこ焼きみたいな顔をしている」と発言したせいで、一部のファンからは親しみを込めて「たこ焼き」と呼ばれている。




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最終更新:2020年10月30日 09:58

*1 ※ECW時代の表記はTAZ

*2 ※現在のマット界で用いられる『Holy Shit!(糞スゲェ!)』のチャントは同時期のECWが発祥とされる。