アップルシード

登録日:2017/01/17 Tue 22:13:55
更新日:2023/12/27 Wed 23:06:51
所要時間:約 25 分で読めます





アップルシードとは、士郎正宗によるSF漫画作品である。


概要

漫画家・士郎正宗のメジャーデビュー作となったSF漫画。

1985年から刊行されており、雑誌連載をせず単行本の形で直接リリースされるという一風変わった発表形態をとっている。
そのため、雑誌連載作品とは少々違う趣がある。
雑誌連載をせずに描きおろし単行本という形での発表にもかかわらず、ハイレベルな内容によって読者の支持を集めており、士郎正宗の名を広め代表作の一つとなった。

近未来、大規模な戦争を経て荒廃した世界に突如現れた理想都市「オリュンポス」を舞台に、主人公であるデュナン・ナッツとその恋人のサイボーグ・ブレアリオスの活躍を描くSFポリスアクション。
タイトルの由来は、アメリカの開拓時代のリンゴ農園民話 『ジョニー・アップルシード物語』
またキャラクターや設定の各所に、ギリシャ神話由来の名前が使われている。
第17回星雲賞コミック部門受賞。


現在、刊行されているのは以下の通り。

  • アップルシード
1.プロメテウスの挑戦(1985年)
2.プロメテウスの解放(1985年)
3.プロメテウスの小天秤(1987年)
4.プロメテウスの大天秤(1989年)
  • アップルシード DATA BOOK(1990年)
  • アップルシード総集編 士郎正宗ハイパーノーツ(1996年)
  • アップルシード id ILLUST&DATA(2001年)


『DATA BOOK』には用語辞典や年表・設定解説などのほかに短編が一つ。
『ハイパーノーツ』には、一時期コミックガイアで連載されていた分が収録されている。
『アップルシード id ILLUST&DATA』は『DATA BOOK』の復刻版であるが、用語辞典やメカ解説のページが削除されている為、手に入れるなら『DATA BOOK』のほうが良い。


なお現在、作者の口から無期限の凍結宣言がなされており、作品は未完のままで終わっている。
士郎正宗氏によると、「ソ連崩壊に伴う作品中の世界観と現実における世界情勢の乖離、および自身のスタンスの変化により続きを描くのは困難」とのこと。
また、よく「火事で資料が燃えてしまったことも関係している」「やる気をなくした」と言われることもあるが、デマである
士郎正宗氏は雑誌のコメントや自著「PIECES Gem 01 攻殻機動隊データ+α」の中でこれを否定している。
実際のところは様々な事情により転居が相次いだ上に父親の介護問題などが重なり、容易に荷物の整理ができなくなったことが原因らしい。
ちなみにアップルシード文庫版のあとがきにも久しぶりに昔の原稿の封筒を開封してみたらすっかり時間を経た状態になってしまっていたといったことも記述している。


あまり知られていないが、士郎正宗氏の代表作『攻殻機動隊』とは同じ世界観であり、攻殻機動隊のさらに先の未来がこのアップルシードになっている
(攻殻機動隊は2030年頃。アップルシードは2127年頃の設定)
そのため、企業国家ポセイドンなど共通した単語や技術も多い。
一方で技術の発展や戦争の荒廃のため、廃れた技術も存在する(具体的に言うと、光学迷彩・電脳あたりは影が薄い)。


氏の代表作である攻殻機動隊ほどの知名度はないが、アニメ化や映画化は何度か行われており、ファン人気は攻殻についで高い。
1980年代の作品にも拘らず、世界情勢の未来予想や技術発展の考察は今なお楽しめるレベルとなっているので、そういう考察面でも面白い一品となっている。
また例の事件前にBC兵器として『サリン』が作中登場したり、中東にヤバイ宗教国家が現れる等、今思うと洒落にならない予測をしている箇所も結構存在する。






あらすじ



ある年 時を同じくして
地球の各地で戦火が交えられ
大規模な軍の移動と共に
大戦は展開していった。

情報は失せ 全ては混沌とし
かつての国家にかわって
諸勢力が台頭しつつあった。

核こそ使用されなかったが
地球は静かな星となった――。


大戦の荒野を、デュナンとその恋人のブリアレオスは、廃墟となった無人都市を転々としながら流浪の日々を送っていた。
通信網は破壊しつくされ、外部の情報は入らず、世界情勢や他の人間がどうなったのかもわからず、二人はサバイバル生活を続けていた。

そんな時、二人の前に謎のパワードスーツを着た少女・ヒトミが現れる。
彼女の話では、戦争は終わって世界は総合管理局によって統一されており、二人を中央都市・オリュンポスに迎えに来たとのことだった。
半信半疑の二人だったが、行く当てのない旅を続けることも限界があるため、オリュンポスへの移住を受諾する。
そしてオリュンポスへと連れてこられた二人が見たものは、大戦後とは思えない高度なシステムと平和が保たれている理想都市だった。

しかし、その理想都市も様々な影があった。
行政院と立法院の対立・ライフサイエンスの解禁・ヒトという種を守るためのエルビス計画*1・国際情勢の新勢力・未だに止むことのない世界の紛争。
やがてオリュンポスのエリート部隊『ESWAT』に引き抜かれた二人は、任務を通してオリュンポスを巡るさまざまな思惑や陰謀に巻き込まれていく。



登場人物


・主要人物

  • デュナン・ナッツ
主人公その1
2105年生まれで物語開始時では23歳。
元ロサンゼルス市警のSWAT所属隊員で、幼少期より父親のカール・ナッツより訓練を受けており人並み外れた戦闘能力を持っている。
サイボーグではないが、体内にいくつかの生体防御用のプラントを埋め込んでいる。
見た目は白人寄りだが、かなりややこしい混血。

第5次大戦後は恋人のブリアレオスと共に廃墟生活を送っていたが、突然来訪したオリュンポス局員のヒトミによって現在の世界情勢を知り、案内でオリュンポスに移住。
市警SWATに復職するも、その能力の高さを買われて行政院のエリート部隊であるESWATに引き抜かれた。
途中、作戦訓練中に負傷し隻眼となるが、その後回復している。

戦闘能力は高くプロ意識もしっかりしているが、中身は子供っぽい性格。
ランドメイトや家屋などもよく壊すため、壊し屋とも呼ばれている。
こんな性格のためチーム内のもめごとや、任務中に非道な行いをしていた捕虜扱いの大使官を殴るなどの問題行動も多数。

ブリアレオスからも子ども扱いされているが、彼からはそういうところも気に入られている様子。
ブリと二人で組むと、最高の能力を発揮する。

かなりのメシマズ。作るものは名前を聞かないと、何だかわからないらしい。
ブリがオリュンポス入植を決めたのはメシのせいじゃないだろうか

  • ブリアレオス・ヘカトンケイレス
主人公その2
2096年生まれで物語開始時では32歳。
全身を改造したサイボーグであり、『ヘカトンケイルシステム』に適応できた数少ない人間。
頭もまんまロボ顔のため、外見からするとロボットにしか見えない。
現在のサイボーグの身体やセンサーの塊となった頭部からは名残はないが、元は黒人だったらしい。

幼いころに旧KGBにテロリストとして仕込まれるが、作戦将校を殺害し旧アメリカへと亡命。
亡命先でカール・ナッツと出会い、その娘のデュナンと行動を共にするようになる。
その後爆弾事件に遭遇し、やむなく全身をサイボーグ化。その後もちょくちょく改造を重ねている。
そのため作中ではよく頭部のデザインが変わっている。

長い兵士としての経験とサイボーグとしての能力、剛毅だが慎重な性格はチーム内でも評判。
デュナンとは恋人として暴走気味の行動によくツッコミを入れている。
その一方であえて体温を人間と同じに調整して、デュナンが自分に触れても問題ないようにするなどの気配りもできる。
見た目はロボットだが、中身は心優しいナイスガイ。

なおよくモノアイと誤解されているが、顔の中央にあるセンサーは
目に当たるセンサーは、頭部の八ヶ所全周囲に存在している。



・オリュンポスの住人

  • 人美(ヒトミ)
オリュンポスで総合管理局・立法院に勤務している少女。
副業でコンパニオン(オリュンポスに定住する人々や訪問者の面倒を見る仕事)をしており、その一環でデュナンたちを迎えに来た。
住まいも入植者用の寮とカフェに改造している。

天真爛漫な性格で知り合いが多く、ファンも多い。
その一方でコンピュータ・ガイアの停止キーをDNAに持つなど、結構な高い権限が与えられているのだが本人はあまり自覚していない。

実はオリュンポスのバイオロイドで、2074年誕生の第3世代後期型。
実年齢は、50を超えている。
作者の趣味からか、サービスシーンやデュナンとの絡みが多いお色気担当。


  • 義経
ヒトミのボーイフレンドで、明智モーターズに務める整備士のバイオロイド。
主にランドメイトの整備をしている。
オタク気質でランドメイトの事になると話が終わらなかったり、暇さえあればいじったりしているが、腕はそのものは並。
浪費家で趣味にお金を使っているため、貯金がたまらない。

ヒトミにはそれなりに気がある。
任務に協力したりもしているが、そこまで深い仲にはなっていない様子。


  • アルテミス
獣人のような姿をしたバイオロイドの少女。
ヒトと猫のハイブリッド体。
「アルテミス」というのは型の名前で、個体名はアルペイア。
オリュンポスに重要な情報を届けるために作られた特殊なバイオロイドで、情報の防備も兼ねているため高い戦闘能力や学習能力を持つが、性格は獣同然で言葉は喋れない。

ニューヨークの廃墟で食人も厭わず生活していたところをオリュンポスの部隊によって捕まえられたものの、移送中に脱走。
その後もオリュンポス内を逃げ回っていたが、ファングの手によって確保され、情報を回収された。
回収された情報が何だったのかは、作品の凍結により不明。
一応、ガイアやバイオロイドに関するものであることは匂わされている。

情報を回収された後はヒトミの家に居候しており、彼女のストレスの元凶に。
また単為生殖により3人の子供も産んでおり、さらに頭痛のタネになっている。

可愛い


  • 双角
本名、多々良双角。
元SASサイボーグ部隊軍曹。その後フリーの傭兵となった。
ベナンダンティ作戦時にESWATに投降した後、そのままオリュンポスに居ついている。
デュナンとブリアレオスとはその時からの縁。
ブリと同じく全身をサイボーグ化しており、ポセイドン製の多機能モニターがご自慢。

爆発物のスペシャリストだが、性格は軽いお調子者。
その後は、デュナンと行きがかり上組んで金をせびったり、報復で車を爆破されるなど悪友のような関係となっている。
本人は二枚目を気取っているが、外見も合わせてギャグ担当。



・オリュンポス上層部

  • アテナ
オリュンポス総合管理局行政総監のバイオロイドの女性で、オリュンポスの最高責任者の一人。
行政局のトップで、オリュンポスの総理大臣であり首相。
ヒトの未来を真剣に憂いている。
同じくヒトの未来を憂いている立法院とは考え方の違いから対立関係にあり、動きを警戒している。

立法院所属のヒトミが連れてきたデュナンたちを当初警戒していたが、
後に能力の高さに着目して自身の管理するエリート部隊であるESWATに引き抜く。


  • ニケ
アテナの右腕のバイオロイド。
行政局のナンバー2で内務大臣の地位にある。

アテナの仕事を手伝う傍ら、私生活でも付き合いがある。
とても有能でとても美人。


  • 局長
司法局の長で、オリュンポスの最高責任者の一人のバイオロイド。
オリュンポスFBIの指揮権を持っており、アテナよりも優位な立ち位置を保っている。


  • 立法院の7人の老人
立法院を運営している7人の老人のバイオロイド。
傘下にオリュンポス議会を持っており、ヒトミの上司。
オリュンポスを管理する、ガイアの補助ユニットの役割も持つ。

ヒトの未来を憂いた結果、『エルビス計画』を発表するが、これがガイア事件に繋がってしまう。



・ESWAT

  • ランス班長
ESWATの隊長。
大佐と呼ばれる治安局長の直属であるが、ニケとも直接的なつながりを持っている
その信頼は絶大であり、また自ら戦闘訓練の指導も行うなど育成にも力を入れている。
一方で「打率は高いがホームランは出ないタイプ」という評価も。


  • ファング
オリュンポスの戦闘用バイオロイド。
正式名称は『ファング・ブラックボーン・ベリル・A10-F』で、傑作機の一つ。
現在は三体が現存しており、このうちの一体がESWAT班長のランスか借り続けている。

性格は冷徹。
常に効率的な行動を行うため、敵にも味方にも容赦がない。
感情が無いわけではなく、同僚の言葉にそれなりに思うところがあったり
ブリアレオスに感情が不安定なデュナンをパートナーにし続けることは危険と忠告するなど、意外と人間味がある。


  • バニ
元アメリカグリーンベレー所属の女性隊員。
人種差別的なアメリカ帝国に反発して亡命してきた。
射的は上手いが射撃のセンスに欠ける。

グリーンベレーを下に見ているデュナンとは反りが合わず
訓練中の連係ミスがデュナンが片目を負傷する原因となった。
マグスからは食事によく誘われている。


  • マグス
ベテランを思わせる男性ESWAT隊員。
女好きで色々な女性に声をかけているが、途中からはバニと付き合っている。
一方で、班長に絞られたデュナンにアドバイスを送ったり、テロリストの自爆を瞬時に見抜き、
顎を撃って奥歯のスイッチによる起爆を阻止するなど、いろんな面で経験の豊富さが見え隠れしている。

ムンマ勢力と因縁があるらしく、そちらからは「メアガス」と呼ばれている。


  • スドオ
古武士のようなESWAT隊員。
冷静沈着な判断はブリアレオスをも凌いでおり、ちょっとしたいざこざからやりあった時には、
普段デュナンがカバーしている死角を突いて一本取っている。
「俺にデカい口を叩くなんざ20年早いってわかったろ」

元は身体的な問題でESWATの格闘教官をしていたが、オリュンポスの医療技術の発達によって現場復帰した。
実は二人の子持ち。


  • モートン
ESWAT隊員
元旧アメリカ海兵隊に所属していたが、大戦後に米ソ連合へ編入。
その後問題を起こして除隊となり、シカゴへ帰ったが家は全焼。
オリュンポス派遣医隊の看護婦と知りあったことがきっかけでオリュンポスへと移った。

マグスの相棒だが、やや短気で感情的になる場面が多く、
作戦中にファングと口論になるなど、未熟な面がよく描写されておりイマイチぱっとしない人。



・その他

  • アルゲス
オリュンポスFBI指揮官のバイオロイド。
ブリアレオスの昔のチームメイトである『ヴェルンド』にそっくりだが、これは彼の遺伝子から作られたバイオロイドであるため。
ここで初めてオリュンポス市民の大半がバイオロイドであることを知り、ブリアレオスはオリュンポスに不穏な空気を感じることとなった。

実はバイオロイドではなく、ブリアレオスの知り合いであるヴェルンド本人
オリュンポスを作り上げた都市企画班が送り込んだ内部監視者の一人で
オリュンポスの監視を行いつつ、有事の際にはこれを制御することを目的としている。


  • 吉野一
オリュンポスに潜入している、ポセイドンのスパイの女性。
『ドリス』の偽名でESWATにも潜入しており、デュナンとも同チームになったことがある。
他にもマッサージ師に変装して活動するなど、かなり多芸。

実は二重スパイで、監視者であるアルゲスやランス班長ともつながりがあるなど、謎が多い。

+ 彼女自身の正体は
『攻殻機動隊』で人形使いと融合した草薙素子が、ネットに撒いた自身の101番目の同位体。


  • カール・ナッツ
デュナンの父親。
デュナンに幼少時からブリアレオスが苦言を呈するほどの過酷な戦闘・サバイバル訓練を施しており、
これによってデュナンは大戦を生き延びることができた。
どうも、近いうちに大戦が起きることを予測していた節がある

実はオリュンポスの計画に当初から参加しており、第一期バイオロイドのための遺伝子提供も行っている。
オリュンポスはバイオロイドに使われた遺伝子提供者を集めており、これがデュナンたちが招待されたきっかけとなった。
本人は移住を断ったらしく、現在行方不明。




用語


・勢力

  • オリュンポス(総合管理局)
大戦後の世界を統一した勢力。
巨大な人工島の上に中央都市を構えており、地球全土の統一管理保全を目的としている。

いかなる民族にも属さず、情報網化、富の再分配、環境保全ほかをグローバルに推し進めている。
また世界を統一したといっても、全面武装禁止と貿易経済の管理以外は各国の自由にさせており、外交も盛ん。
略奪者やテロリスト・廃墟と化した街や国も未だ数多く存在している。
ほかにも他の勢力からオリュンポスそのものを狙われるなど、敵も未だに多い。

国ではないため、あくまでもオリュンポスの市民は「局員」という扱い。
組織の発足は謎に包まれており、都市そのものは大戦以前から建設が始まっている。
建設当時は見向きもされていなかったが、戦後はオリュンポスをモデルケースに各国の復興が進んでいるらしい。

中央都市は超巨大人工島、巨大多層ドーム区、スーパーコンピュータ・ガイアによる管理、警務用ロボット砲台・バイオロイドなどの超ハイテク技術によって運営されており、理想都市の一つの答えとなっている。
大戦による大規模な破壊で混沌としている世界情勢に合って、ポリスの出動も少ない・軍が幅を利かせているわけでもない・スラムも存在しない・銃声と叫び声の代わりに音楽と笑い声が聞こえるという、まさにユートピアだが
自分で檻を作り、自分で檻の中に入った、変わった動物のいる動物園』という指摘もある。


かつて日本と呼ばれていた国が変化した新勢力。
現在は巨大海上都市群からなる企業連合国家で、昔「大日本技研」と呼ばれた多国籍企業『ポセイドン・インダストリアル』がその中心となっている。

高い技術力と資本を背景に強大な力を持っており、オリュンポスと並ぶ大勢力。
企業国家らしく、商売上手で金儲けのためならどこへでも出かけていく。
ハイテク商品の輸出などの経済的関係を通じて、どの勢力ともつながりを持っている。
オリュンポスとは表だって敵対はしていないが、オリュンポスそのものを狙ってスパイを送り込むなど特別友好的なわけでもない。

さらに詳しくは当該記事参照。


  • 米ソ連合
この物語世界のアメリカは貧富の格差などから一国の中で複数の政治システムを敷き国民が恩恵をシステムを選択できる。
アメリカという国家が分裂し米ソ連合とアメリカ帝国に分かれた訳ではない。
地球温暖化が現実の世界より早く進行したため、ソ連ではシベリアの開発が進み、農業と資源開発・海洋航路の開拓により貿易が活性化。
ソ連との取引が増加することによって影響を受けているようだが詳細は不明。

アメリカ東海岸(ボストン、フィラデルフィア)と西海岸(カリフォルニア)に強い支持層を持つ。

勢力としては保守的なアメリカ帝国とは敵対しているが、アメリカ合衆国として手を結ぶこともある。オリュンポスとは友好関係にある。


  • アメリカ帝国
第三次核大戦のきっかけとなったEC議長ヘンリー・クリスト将軍を排出したクリスト家を帝家に頂く作中のアメリカ合衆国の社会体制の一つ。
『米帝』とも呼ばれる、軍需産業や保守派などによって構成される右翼的な側面を持つ勢力が中心となっている。
アメリカ合衆国の南部地域に強い支持層を持つ。
前述の通り、この物語世界ではアメリカは一国の中に国民が選択可能な複数の公共サービスを提供しており、帝国はそのうちの一つ。
その歴史上、王家などの伝統や歴史的後ろ盾を持たないアメリカにあって帝家が創設されたことは主に外交面で効力を発揮出来ているらしい。
俗に現実の世界で呼称されるパックス・アメリカーナ的帝国主義傾向を揶揄した単語である「アメリカ帝国」とも無関係。
アメリカ帝国軍は統合アメリカ軍よりもトガっており機動力やインパクトパワーに特化している。

米ソ連合とは抗争中であり、オリュンポスとも対立している。

なおアメリカ帝国と米ソ連合は地域毎における支持層がの強弱はあるものの、地理的にはアメリカ合衆国のそれであり地域内部での移動制限は無い。
両勢力は競合状態にはあるものの、実際には各々の主要機関には互いの勢力の人間が入り混じっておりいざとなればアメリカ合衆国として機能する。


  • ムンマ教国
イスラム圏に新しく立国した、新宗教ムンマによって建てられた国家。
過激な教義を持ち、イラン・イスラエルと並ぶ新たな紛争に火種として周辺国家の緊張を高めている。

アメリカやソ連・イスラエルおよびイスラム諸国などムンマ教国に反対する国々を「サタンズ」と呼んで軽蔑しており、イスラム過激派等の敵対勢力と合わせて「ムンマの敵」と呼んでいる。
オリュンポスとの仲も、もちろん悪い。
唯一ポセイドンだけは、商売を通じてこの国とつながりを持っている。


他にもイギリスやフランスなど、その他の国々も存命中。



・オリュンポスの組織

  • ESWAT
SWATのさらに上位に存在する、オリュンポスの特殊部隊。
正式名称は『ESpesialy Weapon And Tactics

行政院直属の特殊犯罪を扱う執行組織で、警察組織のSWATとは上位だが管轄は微妙に違う。
任務も単なる警察活動にとどまらず、カウンター・テロや軍事色の強い特殊任務も引き受けるエリート部隊。
そのため厳選された少人数で構成されており、人材も能力重視で選ばれている。
装備もLM『ギュゲス』やプロテクタ『オーク』『K-2 ガーシム』など。最新鋭のものが配備されている。

主人公のデュナンとブリアレオスの再就職先。


  • 行政院・立法院・司法省
それぞれオリュンポスの行政・司法・立法を司る重要組織。
志は同じなものの対立しており、互いに目を光らせ、時に手持ちの部隊を送り込み揺さぶりをかけるなどけん制し合っている。

ある意味、理想的な三権分立。


  • 都市企画班
オリュンポス総合管理局を企画設計し、作り上げた謎の機関。
総合管理局よりもさらに上の組織であり、オリュンポスの成り行きを観察している。
オリュンポスに何か有事が起きた際は、潜ませている手駒を使い解決するなどの手段も取る模様。

」ということで、この機関自体も大きな組織の一部分であるらしいが、正体が不明なため謎が多い。


・技術

機械(人工的な加工部品)で構成された人間。
かつての大戦で大量に投入された結果、社会では広く認知されており
サイボーグ協会によって規格や規範となる倫理規定などが適用された。
それによって発生した義務とともに、しっかりとした権利も保証されている。

機械と言っても無機物で構成されているのが全てではなく、有機的な人工部品が使われている場合も多い。
主人公の一人ブリアレオスは全身サイボーグだが、皮膚などはそれなりに柔らかい。


遺伝子操作によって人為的に作られた人間。
ヒトに奉仕することが根幹にあり、オリュンポス市民の八割はバイオロイドで構成されている。

見た目は人間と変わらず、ロボットとは違い意思や感情もちゃんとある。
オリュンポスでは人権のようなものも確立しており、ヒトに奉仕することが根底にあっても扱いはヒトとほぼ同じ。
第一世代型は遺伝子提供された人間のクローンのようなものであったが、世代が進むにつれてその傾向は薄くなっている。
延齢処置も施されているため、見た目と年齢が乖離していることが多い。



  • ヘカトンケイルシステム
ブリアレオスに搭載されている多重情報処理能力システム。
名前の由来は、ギリシャ神話に出てくる100本の腕と50の頭を持つ巨人。

簡単にいうと、無数の手足や頭を接続されても混乱することなく自由自在にそれらを使いこなせるシステム。
別名・タコ足配線脳システム
これによって自身に繋げた複数の腕部などの端末やセンサーなどの感覚器官・他の機械などを乗っ取っても、全て同時に自身の肉体のように処理することができる。
また手足などを破壊されても適応のための処理等をすることなく部品を交換できるため、すぐに戦線に復帰することができるという利点も。

開発には長い年月と多大な努力が支払われており、また十分に使いこなせるものも少ない。
現在はブリアレオスを含めた数名のサイボーグのみに搭載されており、脳(補助脳)を増量することで使いこなしている。


  • ランドメイト
いわゆるパワードスーツ。略称はLM
全高2-3mで『着る』というよりも『乗り込む』といった感じで装着する。

マスタースレイブ操縦方式をとっており、操縦者本人の動きをトレースした繊細な動作が可能。
操縦者本人の腕が機体から露出する形となっており、見た目は四本腕のロボット。
これによってコクピットの閉鎖空間に囚われない、高い自由度の動作が可能になっている。
反面、露出したマスターアームを抑えられると動きを封じられてしまうという難点も。

その高い性能から、工事用や災害用、警察用、軍用など用途は多岐に渡っているが、一方で保安上の問題点も抱えている。
現在オリュンポス内では外部からの入植者や一部の局員のみに使用が許可されているが、まもなく年齢制限をかけた市販化がされることがほぼ決まっている。

ギュゲス、ギュゲスMM、ギュゲスD、グレーハウンド、パーン、HUMSなど多数の型がある。


  • プロテクタ
ランドメイトよりは簡易型のスーツ。「動甲冑」という呼び名も。
どちらかというと、こちらの方がパワードスーツに近い。
全長はランドメイトよりも小さく、『着る』感覚で使用する

ランドメイトと共に、オリュンポス内ではバイクのような感覚で使用されている。
オリュンポスESWAT内では、さらに出力や運動性・通信機能を強化した『オーク』や、LM装着時スーツ用の『K-2 ガーシム』という機種が使用されている


  • ダミュソス
超振動と静電斥力を使った重力制御システム。
2125年に実用化した最新の技術。

劇中で翼やプロペラがないのに浮いたり飛んでいたらこれのおかげ。
LMのギュゲスD(ダミュソス)や多脚砲台に搭載されている。


  • 多脚砲台
オリュンポスを外敵から守ることと、各国が秘かに保有しつづけている軍備に対抗する意図で開発された超大型クモ型自律戦闘ロボット。
対LM用の公安機械で、コンピュータ・ガイアと直結している。
ダミュソスが搭載されているため、べらぼうにデカいにもかかわらず浮遊も可能。

見た目はでっかい機械のアシナガグモ。
本体は砲と銃口の塊で、凄まじい弾幕を張ることができる。


  • ガイア
オリュンポスの都市機能を司る巨大コンピュータ。
非常に強力かつ有能で、単なる管理者としての立場以上の機能も持つ。
『ガイアの耳』と呼ばれる情報収集システムも備えており、オリュンポス市民の意見が直接ガイアに届くようになっている。

ある程度自意識があるらしく、他のコンピュータと協議を重ねることがあり、オペレーターはこれを「対話」と呼んでいる。
バイオロイドと同じくヒトに奉仕することが根底にあり、オリュンポスの運営を通してヒトの幸福な繁栄を目指している。


・大戦

  • 第3次世界大戦(第3次核大戦)
1996年に起きた米・ソ連・ECによる核戦争。
各国による核兵器の使用と報復によって、世界中に核攻撃が行われた結果、一瞬で決着がつき米・EC陣営が勝利を収めることとなった。

全地球規模の破壊こそ免れたものの、ヨーロッパ・米・ソはひどい荒野と化し地球全体に核の冬が到来。
人類史上最悪の戦災となってしまった。


  • 第4次世界大戦(第4次非核大戦)
1999年に勃発した戦争。
ECとアジア*2の摩擦が発端となり、アジア諸国対EC米の対立で勃発。
日本の東京に核攻撃が行われ首都圏が壊滅、開戦する運びとなった。
さらに同年、中国の北京に隕石が落下し(ノストラダムスの大予言にある『恐怖の大王』とされている)*3、首脳陣が壊滅。
これによって中国の民主化が一気に進み、アジア側につき参戦。
規模がさらに拡大することとなった。

この日本への核攻撃を最後に核兵器はほぼ存在しなくなり、核兵器が使われない非核大戦に移行。
その結果、両陣営とも決定力を欠いたままの泥沼の戦争となり、終戦まで実に20年以上の年月を要することとなる。
最終的には、もともと第3次世界大戦で疲弊していた西側諸国が疲弊の極みに達し、2026年頃にアジア側の勝利で終結。
第3次世界大戦からの長い戦争がようやく終わることとなった。
この戦争によって、電脳兵器やサイボーグ(義体)技術などが大きく発達している。


余談になるが、攻殻機動隊シリーズで『大戦』やら『戦後』やらで指している戦争はこれの事。
同作の日本の描写で中国などの文化が流入しているのも、隕石落下による中国崩壊後にアジア連合が発足し、人の流入があったことが原因。*4
紅殻のパンドラ』で行われている「核兵器とBC兵器に懲りた人類が、条約で互いの手足を縛って戦う今の戦争」もこれのことである。


  • 第5次世界大戦
2125年頃に、突如起こった世界各地での武力紛争。「第5次世界大戦」という呼び名も多数の紛争を一纏めにしてそう呼ぶ者もいるといった曖昧な呼称。
国同士の対立ではなく、民族紛争や市民暴動も含めた多数の中規模な紛争の集合体であり、これらが起きた明確な原因は不明。

+ だが…
実際には国連でアポルシード計画の内容が発表されたことにより生じた衝撃と混乱から元来潜んでいた各国家の内部や外交面での軋轢が表面化し同時多発的に紛争が勃発した模様。
化学兵器・生物兵器も使用され、その結果長い時間をかけて核の冬から復興が進んでいた国家や情報網が再びズタズタにされることに。

その後、オリュンポスの総合管理局が地球全土を統一。
各国の復興が進むこととなった。



・その他

  • エルビス計画
2巻にて立法院の7老人によって提案された、人々の問題を解決するための計画。
「理想世界は理想人の集合でしかなしえない」「普通の人間では普通の社会しか生まれない」という思想から生まれている。

ヒトにバイオロイドと同じようなプログラミングを施すことによって、ヒトの未来に対する危機を乗り越えるというのがその内容。
理性と感性の統一された動的平衡状態のヒトを作りることによって、理想郷を構成しうる個体を作り出し、崩壊を回避することを目的としている。
強制しないことを前提としているが、目的の正当性以外にも道徳的、倫理的な面をはじめ複雑な問題を数多く含んでおり、
ヒトに対する反逆ではないかと、バイオロイド間で論争が巻き起こっている。


  • ガイア事件
上記のエルビス計画を受け、コンピュータ・ガイア が引き起こした事件。
一連の計画の提言を「バイオロイドによるヒトへの反乱」とみなしたガイアが、人間を守るためにバイオロイドの全消去に動き出し、
バイオロイド生成管理コンピュータ "タルタロス" への襲撃が行われた。

本来、ガイアは局員であるバイオロイドも護衛の対象としているが、今回の件で「失敗作」と認識。
また守るべき対象である人間も、ガイア制圧に行動した者は『テロリスト』と認識して自己矛盾を回避して排除に動いている。
式典でお披露目となった多脚砲台の指揮権を奪い、破壊活動を開始。
多脚砲台制圧後は、太陽光を収集するためのヘリオスタットを使い、太陽光の反射による膨大な熱攻撃がタルタロス区域に行われた。

最終的にはガイアの回線を直接抑え、植物状態に移行させたことで鎮圧されている。




派生作品


数が多いので簡易的な情報のみ記載

・小説

  • アップルシード外伝1 オリュンポス・アイ
著:大武完、原作:士郎正宗
2007年発売。
本編の世界観の外伝。
オリュンポスに入植したシフォンとその友人たちが主人公の復讐劇。
デュナンとブリアレオスたちは脇キャラとして登場する。
ちなみに1とあるが、それ以降は発売していない。

  • エクスマキナ
著:竹内清人、原作:士郎正宗
2007年発売。
映画エクスマキナのノベライズ。
背景設定に多少の齟齬が見られるが概ね映画に忠実なノベライズ版。

  • 小説アップルシード サーティーン アルケイデスの子どもたち
著:櫻井圭記、原作:士郎正宗
2012年発売。
映像作品APPLESEED XIIIのノベライズ。
結末は映像作品とも漫画化作品とも異なり、よりコンパクトに纏まっている。

・OVA

  • アップルシード
監督・脚本:片山一良
制作:ガイナックス*5
1988年制作。
多脚砲台暴走のエピソードを中心に、OVA用に手直しされている。

・ドラマCD

  • 近未来的音楽学習専科アップルシード
音楽:山中紀昌
OVAのサントラだが、ドラマパートがある。
が、キャストはなぜかOVAとは別。

・アニメ

  • APPLESEED
監督:荒牧伸志
脚本:半田はるか・上代務
2004年劇場公開
初めてフル3Dライブアニメという表現手法によって映像化されており、トゥーンシェーダーやモーションキャプチャーなど当時の先端技術を複合して制作されている。
ストーリーは原作1巻と2巻の内容を再構成したオリジナル。

  • EX MACHINA
監督:荒牧伸志
脚本:たけうちきよと
2007年劇場公開の劇場用映画で前作『APPLESEED』の続編。
なんとプロデューサーを映画監督のジョン・ウーが行っている。
キャストはデュナンを除いて変更され、CGが前作よりもリアル寄りになっている。
任務で負傷したブリアレオスの代わりに配属されたデュナンの新パートナー、テレウス。
彼はブリアレオスの遺伝子を使ったバイオロイドだった。
揺れるESWATだったが、そんな事情に関わらずオリュンポスにサイバーテロが迫る。

  • Appleseed Alpha
監督:荒牧伸志
脚本:MARIANNE KRAWCZYK
2014年劇場公開。
原作第一巻をベースとしたリブート作品。
前二作よりも実写的なフォトリアル調で制作されている。
原作第一巻初期状態の放浪生活を続けるデュナンとブリアレオスの様子をクローズアップしている。

  • APPLESEED XIII
監督:浜名孝行
シリーズ構成:藤咲淳一
2011年から期間限定上映公開された全13話のCGアニメーション。
「アップルシード」の映像作品としては、初めての話数形式。

  • APPLESEED GENESIS
2008年に制作発表された3DCCGTVアニメ。
2009年に放送を予定していたが制作会社と製作元のゴタゴタによりストップ。
その後倒産したことにより、実質的に製作中止になってしまった。

・漫画

ちなみにこれらの作品には、原作者の士郎正宗は関わっていない。
  • アップルシード・サーティーン
作:宮川輝
『APPLESEED XIII』の漫画版。
映像作品やノベライズ版とは異なる展開を見せる。

  • アップルシードα
作:黒田 硫黄
『Appleseed Alpha』のスピンオフ作品。2巻巻末に士郎正宗氏のコメントあり。
オリュンポスに招かれる前のデュナンとブリアレオスを描いている。
映像作品を骨子には置いているものの内容は大幅に異なる。



+ ネタバレ
  • アポルシード計画
オリュンポスの最高機密の計画
オリオングループと呼ばれる組織の保全計画の名前で、これによって地球は滅びずに済んでいる。
この計画の遂行のためにオリオングループの都市企画班によってオリュンポスは作られており、エルビス計画やガイア事件もこの計画の予定内の出来事だったらしい。

アップルシードの根幹にかかわる計画で、本編では5巻以降から登場し明かされる予定……だった
が、登場する前に作品のそのものが凍結されてしまったため、本編の超重要単語にも拘らず発表された巻の中ではこの単語は一切登場してない
その詳細は、唯一『アップルシード DATA BOOK』の用語辞典と年表に、簡単な経緯と解説が載っているのみとなっている。
作品再開のめどが全く立っていないため、おそらく今後も計画の全容が明かされることはないと思われる。残念。

+ と、思ったら
後年、作者が原案を務めた同じ世界観の『紅殻のパンドラ』にて、突如この単語が登場
実に25年以上の歳月を経て、この作品に根幹に関わる計画の新情報が明かされることとなった。
その内容とは人類による宇宙繁種計画。*6
『紅殻』の2020年代では、謎の組織『秘密結社ポセイドン』がこの計画を遂行するために活動しているが、人類の蛮行に絶望した同結社の構成員のみが助かるための計画だった。
だがその時代の技術では目的に対しての水準に到底達しておらず、仮に『紅殻』の中でポセイドンが世界を出し抜いていたとしても成功には至らず人類は緩やかに滅亡していたとのこと。
結果的に計画は福音やクラリオン、P-2501などの手によって阻止され、秘密結社ポセイドンの幹部たちはP-2501によって記憶を改竄され計画放棄を決定・指示。
その決定を受け入れられない一派がオリオングループに亡命。ポセイドンの計画は潰えアポルシード計画はオリオングループにて主催者と性質を変えて継続されることとなった。


  • オリオングループ
強大なネットワークを持つ組織。
オリュンポスを作り上げた都市企画班はここの一部であり、アポルシード計画を施行している。
活動は古く、第4次非核大戦勃発の1999年頃から活動が確認されており、その頃に都市企画班の第一回会議が行われている。
世界の核汚染を除去した技術も、元々はここが所有するものだったらしい。

『オリオン』とあるが、同作者の『仙術超攻殻 ORION』との関連は不明。
こちらもアポルシード計画と同じく、5巻以降から登場する予定だったため本編未登場。後に『紅殻のパンドラ』内に名前だけ登場している。



+ アップルシード年表(要約)
出来事
1988年 ・米ソのデタント INF条約調印 先進国の平和
・ソ連平和外交 ペレストロイカ進む
・イラン-イラク戦争停戦 経済的理由
1989年 ・中国-天安門事件 日本-民主主義始まる 
アジア各層の遅れを全世界に告知 世界の失望と怒り
1991年 ・ソ連 日本に北方4島返還 生活と政治のギャップ
1992年 ・EC統合 4大ブロック時代 アジア叩きと平和続く(準戦争とも言う)
・原発ロボット ケンタウロス発表
・マスタースレイブ兵器 本格開発始まる 義手技術進む
1993年 ・東西ドイツ併合
1994年 ・4月 バルト3国 ポーランド チェコ ハンガリー ECに加盟
1995年 ・9月 アラブ―イスラエル(第5次中東戦争)開戦
・11月 イスラエル核兵器使用 シリア南部消滅 ネクサス同盟に亀裂入る
・乗じてイランがイラクに侵攻 イラン内部で強硬派が実権掌握 揺れるイスラム教世界
・米ソ連合――決裂
ソ連中東へ派兵(軍事介入)イスラエルをおさえ、追って地中海へ
ECと正面衝突 ローマに本陣
1996年 ・2月 第3次世界大戦⇒核攻撃
核の冬 黒い雨と士気消失
米の報復 ソ連被害甚大 大量核による米、ECの勝利
ハッタリと整備不良、原因不明の発射不良が大量に発生
全地球破壊は免れたが史上最悪の戦災が出てしまう
終戦
・バングラディシュ大水害
1997年 ・ムンマ教国立国 世界各地で関係者流血事件
・イギリス ボツリヌス菌によるテロ 大量死
・香港 中国に返還 民主主義要求再燃
1999年 ・ECとアジア摩擦が深刻化
アジアの不満(中国、韓国、日本など) 大戦の傷とアジアの豊かさが摩擦
オリオングループとEC米ソの一部代表 8月訪日
(第一回都市企画班会議⇒失敗に終る)
・9月 日本に核攻撃 首都圏壊滅
・第4次世界大戦 アジア諸国対EC米開戦
・マカオ 中国に返還 北京に巨大隕石落下(核と誤認)
・電脳技術革新 バイオコンピューター臨床応用
11月 第2回都市企画班会議⇒放射能ろ過とアポルシ-ド計画 取引成立
・中国 民主化
2000年 ・オリュンポス建設始まる (非公式…情報網の破壊)
・食料危機が日本とアジアの結束を強める ソウルサミット
2002年 ・ポセイドン海上都市建設始まる(まずはスペースボート)
・日本 核の冬ろ過プラント建設打ち上げ
2003年 ・超SQUIDセンサーの応用で磁場対人センサー実用化
・ガン完全制圧 2月
・8月 初の電脳兵器(タンク)実戦につく 故障多く不人気
2005年 ・超電動レールガン(ソレノイドクエンチガン)「ヴェルヌ」地上3箇所で設置
光学迷彩実戦配備⇒40年頃まで続く
・大東合衆国(アジア連合)結成 アジア統合「ECに学べ」
2007年 ・インド ラムジェットのスペースブレーン実験
2015年 ・日本で核の冬の浄化に成功「日本の奇跡」起きる 終戦の動き出始める
・パキスタン モンゴルにろ過プラント建設
・太陽熱利用技術進む⇒低緯度帯発展 日本再び儲ける
・「記憶」の機構解明される
2024年 ・ルナシティ「アリスト」で分子工学ロボットによる実験
ドーム1号建設 ムーンベース30人で稼働開始・電脳公害白書論争おきる
・レーザー兵器 多量のサイボーグ 戦線投入される
2026年 ・終戦 アジアの勝利 地球統一ブロック
2027年 ・日本政治の電脳化 ベビーブーム 真の硅石器時代幕開け
2029年 ・月から火星へ有人飛行 フォボスへ出発
・ポセイドンに攻殻機動隊できる
・オリオングループ資源回復放射能汚染除去始める
2030年 ・火星有人探査隊月へ帰還(滞在は一週間)
・アポルシ―ド計画始まる(オリュンポス建設はほぼ完了)
バイオロイド第1世代誕生
各種保存動物の復元作業始まる
2048年 ・へカントケイルシステム 発狂事件多発(15例のうち14例)
2074年 ・ヒトミ生まれる(第3世代後期型)
・火星に分子工学ロボット投入される
2076年 ・サイボーグ協会設立される
高度技術、部品、メンテナンスなどが最高機密という枠から開放されたことを示す ポセイドンのサイボーグ企業が機能し始めた
規格統一、共有部品、戦災組合の功
同時にヤミサイボーグ横行し始める
2089年 ・フランス人権宣言300周年 各国の復興進み出す
2096年 ・ブリアレオス誕生 両親不明
(ポセイドン火星の大北海へ)
2100年 ・国際調停監視機関「総合管理局」運営始まる とりひき成立
・ブリアレオス ソ連KGBへスカウト
2102年 ・アマゾン復元 日本のろ過プラント停止 緑化進む
7月7日 地球復活の日宣言 地球サミット(国連主催)
2105年 ・デュナン誕生
2106年 ・ブリ初仕事
海底ケーブル、通信衛星設置 再ネットワーク
2108年 ・ブリ作戦将校殺害し逃亡 以後フリーになる
2115年 ・デュナン母死亡 親子南下
2116年 ・デュナン ブリと出会う ブリ引退、カールのチームへ
2122年 ・デュナン ポリスアカデミー入学
ブリ事故でサイボーグ化
2123年 ・デュナン 特殊訓練センターへ移動 七ヶ月後初勤務
ブリ リハビリセンターへ
新処理のヘカトンケイルシステム導入
2125年 ・アポルシ―ド計画 国連総会で公開(一般公開ではない)
・世界各地で突然武力紛争(第5次世界大戦) 情報網更にズタズタに
中規模で多数 民族対立や市民暴動も含む BC兵器使用
・ダミュソス実用一号リフト完成⇒多脚砲台へ
2127年 ・アポルシ―ド計画一般公開 各国の復興進む 立法院の計画
・9月 デュナンとブリアレオス オリュンポスへ入植(原作1巻)
ガイア襲撃事件
・火星で遺跡発見 先史文明の可能性有り
ダイモスコロニー説
・11月 多脚砲台式典⇒ガイア事件(原作2巻)
2128年 ・6月 ベナンダンディ作戦(原作3巻)
・7月 アルテミス連行される
・8月 アルテミス ヒトミの家へ
・9月 べゼクリク事件(原作4巻)
イスラエル暗躍とムンマ強硬派低迷
米帝国と米ソ連合 再びデタント
火星の遺跡発掘団地球出発
・12月 OASハイジャック事件
エルビス計画各地で導入
2129年 ・デュナンとブリアレオス ポセイドンへ ディープカバー
・日本 社会主義化論争ふきあれる
2130年 ・オリュンポス―ポセイドン間共同千年王国宣言
・オリオングループと正式外交 始まる⇒金星開発に分子ロボット投入
イシュタル、アフロディア共に企業活動始まる
2135年 ・ケンタウリ系使節訪星 常設テレポートゲイト イオに設置
2147年 ・第1次スターシード地球出発(恒星間航法輸入⇒散法、密法)
・金星整う⇒調査移住始まる
・宇宙外交時代始まる 地球の夜明け







追記・修正は完結の望みを捨てない人がお願いします。



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最終更新:2023年12月27日 23:06

*1 「エルピス」が正しいと思われるがここでは原作表記に準じて「エルビス」と記述する。

*2 中国・韓国・北朝鮮を中心としたグループが想定されている。日本は不参加。

*3 が、士郎正宗氏による紅殻のパンドラの裏話ではこのアンゲルモア隕石それ自体にソロモン級人工知能を搭載したサブナクとラウムというアステロイドベルトに位置するシステムプラント巨大マシンが関与している可能性、つまり何者かの意志が介在した可能性が示唆されている。…が、飽くまで裏話である。

*4 SACシリーズでは中国に隕石が落下していないが、戦後復興の労働力確保のために難民政策がとられている

*5 名義のみ。ガイナックスは実写プロモーション映像程度にしかタッチしておらず、実際の制作はAICとセンテスタジオ

*6 ただし士郎氏によるとこれはあくまで秘密結社ポセイドンによるアポルシード計画であり、後にオリュンポスで企図されたものとは些かニュアンスが異なることが示唆されている。