真・女神転生IV

登録日:2017/01/14 Sat 23:25:16
更新日:2023/12/13 Wed 19:49:59
所要時間:約 25 分で読めます




神と 悪魔と
あなた   RPG
人間の 物語


真・女神転生IVは、2013年にニンテンドー3DSにて発売された、女神転生シリーズの作品。
2003年に発売された『真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE-』より、約10年振りに発売されたナンバリングタイトルである。
『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』との一部設定共有があるが、世界観的な繋がりはない。
製作は『真・女神転生III-NOCTURNE』などを手掛けた「マニアクスチーム」が行っている。


概要

新規悪魔デザインに特撮スタッフを起用、シンボルエンカウントの導入、キャラクターボイスなど革命とも言える試みを多く盛り込み、
新しい世代の製作陣による新しい女神転生ということを感じさせる要素が多い。
全滅の際にはゲームコインによる復活も可能であり、すれちがいも含め携帯機らしい試みが導入された。
また、主人公のガントレットはスマホのようにタッチで操作し、3DSの下画面のメニューもタッチ操作に対応している。
他には、キャラクターの立ち位置などいろんな部分で『真・女神転生』をオマージュしている部分が見られる。
なにも魔人の出現率の低さまでオマージュしなくても・・・



ただし、新たな試みを多数投入し、ペルソナ寄りのシステムやビジュアルでシリーズの新たな活路を見出そうとしたものの、
これまでの作風と合致しない部分も多く出てしまったことが否めなくなっている。
ゲームとして遊ぶことはできるものの、メガテンとしては今ひとつといった評価が定着しつつある。
『SJ』の方がよっぽどナンバリングに相応しかったのではないかという意見が多く、今後のシリーズに課題を残す結果となった。

特に聞かれるのは外注絵師の悪魔のデザイン。
各種ボスなど計40体ほどが外注なのだが、絵柄に統一性がないため金子一馬氏の絵に慣れた旧作ファンが混乱した。
一部は金子氏の絵以外を認めないロウの鑑のような輩なのだが
特にリリス、メデューサ、四大天使などは評判が悪く、ルシファーもそのビジュアルから「ハゲ」呼ばわりされている。
ただし、ミノタウロス、アスモデウス、クエビコ、必殺の霊的国防兵器などは評価が高い。
あくまで擁護すると、絵師の実力が足りないということは全くなく、各種実力者を集めている。
メガテンにあっているかどうかが別という話になっている。
悪魔合体も、魔法が前作の⚪︎×ゲームから選択制になり簡単になったが、簡単に作れる反面個性が無くなってしまい、面倒とされた前作の合体が「苦労して育てる故の愛おしさ」が評価されるという結果に。

ただし、微妙な評価が目立つものの、新規ユーザーやライトユーザーにはとっつきやすい作品である。
どこでもセーブ可能であったり、主人公が倒れる=終了でなくなったり全滅からの回復が楽など新規勢にはかなり優しい。
丁寧な作りのチュートリアルや自由に難易度変更が可能な点なども評価点になっている。
もっとも2回目からはスカウトを失敗する=全滅のいつものメガテンになるのだが
特に、東のミカド国から初めて東京へ行けたときの感動は中々味わえないものであり、
ファンタジー的な雰囲気を醸し出す東のミカド国と退廃的で現代的な東京の2つの異なる世界をつなげた世界観は面白みがある(「TOKYOミレニアム」と「ミュータントの地下世界」という前例もあるが)。



漫画作品として『真・女神転生IV -Prayers-』と『真・女神転生IV DEMONIC GENE』の2作が存在する。
それぞれヨナタンとワルターを主人公にすえており、ゲーム版主人公は別の扱われ方をしている。
ゲームにも影響があり、次回作によるとゲーム版とも一定のつながりがあることが示されている。
特に『DEMONIC GENE』の作者であるフクダイクミ氏は、次回作のムービーの一枚絵や小説の挿絵を担当することになる。

ストーリー


主人公であるあなたは、東のミカド国で暮らす18歳の少年。

ある日、少年は不思議な夢を見る。
夢は彼に啓示した。

「もはや汝の成す選択は汝の為のみに非ず。
世界を創るため、汝は歩まねばならぬのだ」…と。

夢から覚めたあなたは、
幼馴染とともにサムライを選出するという「ガントレットの儀式」へ向かう。
そこであなたと同じくしてサムライに選ばれたのは、夢の中で出会った少年たちだった。

サムライとしての暮らしは故郷の村での暮らしとは大きく異なり、
あなたの日常は非日常へと移り変わっていく。


世界観や用語



  • 東のミカド国
カントーと呼ばれる緑豊かな大地に存在する、アハズヤミカド王が治める国。
王の居城であるミカド城を中心に建造された城塞都市。文明レベルは中世ヨーロッパくらいを想像するといい。
18歳になった者は「ガントレットの儀式」を行い、「サムライ衆」を選出するしきたりがある。
上位階級「ラグジュアリーズ」と下位階級「カジュアリティーズ」との間に明確な身分格差が存在する。

下流階級は労働にいそしみ、黒きサムライに出会うまで本すら読んだことがないなどどこか歪なところのある国。
後に判明するが、東京より時の流れが60倍ほど早い。主人公が東京にいる間にも色々と情勢が変わっていく。


  • サムライ衆
「ガントレットの儀式」で魔法の篭手「ガントレット」を起動させることが出来た、選ばれし存在。
宮仕えの身として城で暮らし、秘密裏に「ナラク」に存在する悪魔を討伐しミカド国を守る任務に就くことになる。
「ガントレット」の「悪魔召喚プログラム」を使い悪魔を使役することが出来る。
また、下流階級のカジュアリティーズが上流のラグジュアリーズになれる唯一の手段でもある。

ナバールの口ぶりから、選ばれた人物がサムライになるのはどうやら 強制 らしい。
選ばれる人物にはある共通点があるのだが、能力や人格は考慮されないためナバールのように適さない人物もいる。


  • ガントレット
サムライが身につける魔法の篭手。ガントレットを起動させられることがサムライの条件となる。
女性型オペレーティングシステム「バロウズ」がインストールされており、装備者のサポートをしてくれる。
ガントレット内の悪魔召喚プログラムによる悪魔の使役や管理をしているのもバロウズ。
篭手というものの、どう見てもハイテクデバイスである。
中世ヨーロッパ程度の文明レベルであるミカド国に何故このようなものが存在するのかは謎。
東京の人々はガントレットではなくネットにて広まった悪魔召喚プログラムを「スマホ」に用いて悪魔を行使している。


  • 東京
荒廃し悪魔が蔓延る、暗闇に支配された都市。
地上は悪魔の巣窟となっており、人々は地下街での生活を余儀なくされている。
悪魔討伐や依頼などで生計を立てている「人外ハンター商会」と悪魔と共存を図る「八部連合阿修羅会」、そして適者生存思想の「ガイア教団」が対立している。

なぜか周囲を分厚い岩盤で覆われており、一年中日が射すこともなく、悪魔から逃げられる場所もない。
その理由を考えると、『真・女神転生』のある地点から分岐しているとも考えられる。

一般的に悪魔に対抗する手段が存在するためか、人間を蹂躙する悪魔という構図が続いた従来シリーズに比べると悪魔に対して好戦的な面も目立つ。食料も限られていることから、倒した悪魔の肉を食べて生活もしている。

  • 人外ハンター商会
フジワラとツギハギの2名によって設立されたレジスタンス組織。ハンターはそれぞれ悪魔召喚プログラムが入ったスマホを用いて活動し、閉鎖された東京で人々の依頼を受けて悪魔退治から食料調達まで行う。
阿修羅会やガイア教団と比べると規模が小さく、劣勢な状況が続いている。
続編の主人公はこの組織に属している。

  • 八部連合阿修羅会
タヤマを頭とした、東京を取り仕切るヤクザ組織。
悪魔と「赤玉」なるものを提供する代わりに「地下街にいる人間を襲わない」という不可侵協定を結ばせている。
そのため東京で大変幅を利かせており、彼らに逆らうことは悪魔に襲われ死ぬことを意味しており評判はよろしくない。
実際管轄外である人外ハンター協会の活動を阻害するために橋を壊したり秋葉原を爆破したりと汚いことも平気でやっている。

+ 赤玉って?
ちなみに「赤玉」は 人間の神経伝達物質を直接脳から取り出したもの であり、人の思念から生まれた悪魔たちの餌になりうる。
さらに赤玉の製造のために人間を苗床にしたり、無垢な子供たちを洗脳するなど人の道を外れたことも散々やっている。
・・・ただし、どうも状況を見ると赤玉という名前やパスワードが絵画『受胎告知』が描かれた年であったり、赤玉を取り出す台がどう見ても分娩台だったことを考えて
初期案では 胎児 を原料にしていたのではと推測される。CEROに引っかかるから変更になったのだろうか。

  • ガイア教団
銀座に拠点を置く組織。「力ある者が生き残る」という適者生存の思想を掲げ、悪魔との共存を謳う阿修羅会とは敵対している。
阿修羅会が人間と悪魔の間に仕切りを設けているのに対し、こちらは双方強いものが歩み寄る形。
笠を被った修行僧といった容姿をしており、己の肉体を駆使して戦う。
築地にある根願寺に本拠地があり、中には『SJ』のラスボスであるメム・アレフの像が祭られている。

いわゆるカオス的思想のグループだが、序盤はセイオウボに粗方やられてしまうなど扱いはあまりよくない。
こちらのリーダーは黒きサムライ。後に正体は判明する。


  • 必殺の霊的国防兵器
ある有事の際に召還され、国防を司る存在として日本を守護することに強い意識を持っている悪魔たち。
依代と呼ばれる自身にまつわる霊具を持つ者に忠誠を誓うという制限があり、大半をタヤマが所持しているため中盤のボスとして対峙する。
また、それ以外にも「東京の守護神」なるものも存在する。

アトラスのネーミングセンスが光りまくったキャラ達
全て外注の絵師がイラストを手がけた新規悪魔たちであり、ビジュアルに賛否ある新規悪魔の中では全員概ね好意的に受け入れられている。

  • 悪魔&天使
シリーズお馴染みのキャラクタたち。
従来は魔界や天界に潜んで人間を操って…という連中であったが、本作では人間の畏敬や願望に依存しており、強い負の感情を抱いた人間が悪魔化する場合もある。むしろ、ペルソナ2のそれに近い。
そのため、人間に存在を望まれれば例え死のうとも復活することもあり、逆に存在を心から拒否されれば倒すまでもなく消え失せる。希望の感情を糧とする存在もいる。
合わせて魔界の定義も従来とは異なっている。

サブクエストで特に顕著だが、本作は『真1』のオマージュのほかにその悪魔の登場する元の神話に沿ったエピソードが多い。
元ネタを知ると大いに楽しめるが、知らないとちんぷんかんぷんな話もちらほらあるので気になったらググろう。

システムなど


戦闘システムはメガテン3からの「プレスターンバトルシステム」を採用している。
弱点を突けば行動回数が増え、無効、回避などをされると行動回数が減るためとにかく弱点を突くことが優先される。
また、本作には防御力の概念がなく、ダメージは全て耐性によって決定するため、レベルが10離れた雑魚戦でも油断はできない。

  • ニヤリ
本作で初登場したシステム。敵味方どちらにも起こりうる状態変化。
弱点を突いたりクリティカルを出したり敵の攻撃を無効・反射・吸収すると、「◯◯はニヤリと笑った・・・」と表示される。
次の自ターン終了時まで攻撃威力・クリティカル率が上昇し、100%攻撃が命中する(状態異常、ハマムド等即死攻撃は除く)。
また、回避率が大きく上昇し、弱点を攻撃されても弱点判定が出ない(=相手の行動が増えない)など様々な恩恵が得られる。
あまりないが、パーティ全員がニヤリ状態になるとHPMPを大きく回復できる。
ただし状態異常にかかると上書きされ消滅する。また、ニヤリ時にクリティカルを出しても2回連続でニヤリは発生しない。

・・・とまあ色々あるが、正直理不尽要素を上乗せしたとしてあまり評判は良くない。
まず回避率の上昇値がかなり高く、よほどのことがない限りほぼ避けてしまうと思っていいほど。
状態異常で上書きできるとあるが、 まずその状態異常攻撃自体があたらない うえにボスに基本状態異常は効かない。
順調にボス戦を進めていても、一度のニヤリから全滅するとかザラである。

次回作では回避率上昇は削除され、さらに能動的にニヤリを解除できるスキルが登場して理不尽感はなくなった。


  • 同行者
本作では基本的にはヨナタン、ワルター、イザボーと共に旅をすることになる。
パーティに加わる扱いではないが、戦闘開始時にランダムで一人選ばれ、毎ターン終了時に援護をしてくれる。
HPも個別に設定されており、そちらにも攻撃が飛んでくる上一度倒れたらその戦闘中復帰はできない。
場合によっては上の3人以外のキャラが加わることもある。

・・・正直AIがアホであり、敵の耐性を考えずに効かない攻撃を放ち、敵がニヤリ状態を発生させる事態が起こりうる。
特にミノタウロス戦のワルター、アスラ戦のノゾミが有名であり、どちらの味方かわからないような状況になる。
一応戦闘中1回やったら2回目はやらないが、そもそも1度やられたらそれで全滅することも多いバランスであるわけで・・・

次回作ではAIが向上し、攻撃が一切効かない場合は手出しをしないなどかなり的確な行動をするようになった。
・・・ある一人はそんなの関係ねえ!とばかりに突進するのだが・・・

  • 軍勢
本作の雑魚戦では敵が徒党を組んで襲ってくることがあり、「○○の軍勢」と表示される。
アイコンが2つでありHPが高く、レベルも周りに比べて高め。さらに倒すのに時間をかけると援軍が来ることもあり、なかなか厄介。
敵は1体という扱いであるが、全体攻撃は3ヒットするようになっている。また、話がまとまらないため悪魔会話は不可能。
初見では苦戦する相手だが、対処法さえあれば増援を片っ端から処理してたっぷり経験値をもらうことも可能である。


  • ウィスパーイベント
シリーズ主人公はそもそも魔法を使えなかったり、半分悪魔のためマガタマから習得するなどしていたが、
本作では、レベルアップで習得する技を覚えきった悪魔から伝授されるという形で覚えることになる。
ちなみに主人公が同じ魔法をすでに習得してた場合、その魔法が最大8回まで強化される。
他のキャラもそうして当たり前のように魔法を習得している。



エンカウント形式はシンボルエンカウントであり、『ペルソナ3』『4』のダンジョンと同じような感覚である。
フィールド上の敵シンボルに先に斬りつけると先制攻撃でき、そうでないと敵から先制攻撃を受けることになる。
・・・がこれもあまり評判が良くない。まず敵と戦う上でワンアクション挟む必要があり面倒。
剣の判定がお世辞にも大きくないうえ、いきなり周囲をシンボルにいっせいに囲まれる場面があり完全な回避が不可能。
本作で敵との戦闘を避ける「エストマソード」も敵シンボルを切りつける必要があるため、アクションに不慣れな人には不評。
おまけに一定時間主人公の行動をとめる見えないトラップも要所に存在し、ひっかかると無抵抗に敵シンボルにつっこまれてしまう。

一応前作にあった、先制されると敵のクリティカル率が上がるということはなくなっている。
次回作では切らなくてもシンボルを回避できる「エストマ」が復活した。




キャラクター

以下ネタバレ記述もあるので注意


新人サムライたち


  • フリン(声 - 梶裕貴)
本作の主人公。東のミカド国のキチジョージ村に住んでいる少年。M字のデコとポニーテールが特徴。
東のミカド国に伝わるガントレットの儀式に挑み、ガントレットに認められたことでサムライ衆の一員となる。
様々な運命に巻き込まれた変革の種子たる存在。また、25年前の東京にも似たような外見・雰囲気の少年がいたらしい。

彼を象徴するのがなんといっても カツアゲ
というのも本作では悪魔会話で「スカウト」のほかに「ファンド」「チャリティ」「トレード」「ムダ話」「ネゴシエーション」
などなど様々な会話選択肢が存在する。おまけにボスにも専用台詞まで用意されていたりする。
そのためボス戦でも金をせびりまくるフリンが続出し、いつの間にかファンドが彼の代名詞となった。
悪魔化した親友相手に延々と金をむしり取る悪魔より悪魔な主人公
他にも「ムダ話」は相手の行動回数を減らすことも可能なため、実際かなり有効な手段でもあったりする。

また、作中のある人物が命乞いの際に呼んだ「そこのポニテ」という呼び名もある程度浸透している。


  • ヨナタン(声 - 神谷浩史)
フリンが夢の中で出会った人物の一人。物腰柔らかなラグジュアリーズ出身の少年。
カジュアリティーズにも分け隔てなく接する。生真面目な性格で秩序を重んじる。
ただし、間違っていると判断したことは例え敬愛すべき存在の意思だろうと反意を示す場合もある。
物語の中盤である人物たちとの邂逅によって、先人たちが守り続けてきた事実に倣い「明日も続く安寧の世界」を望むようになる。

いわゆる「ロウヒーロー」ポジションの人物。
ただし、今までのシリーズではこうと決めたら意固地なキャラが多いのに対し、ワルターにも一定の敬意を払っているのが相違点。
また、彼の望みは「民の幸福」であって「神への隷従」ではない。そのため、神の使徒であろうと民を苦しめるのであれば刃を向ける場合もある。
そのため、ロウルートを選んだ後の彼の性格の変わりようには困惑するプレイヤーが多い。

最近では『ペルソナ5』にそっくりさんが登場したとか。
キャラクターデザイン原案元はQUEENのギタリスト、ブライアン・メイ。

  • ワルター(声 - 小西克幸)
フリンが夢の中で出会った人物の一人。外見や言動は粗野だが情に厚いカジュアリティーズ出身の少年。
規律に縛られず表裏がない奔放な性格。ただし、下手に出る必要があるときは態度を改めたりするなど、喧嘩腰な性格ではない。
ヨナタンとは方向性の違いから言い合いになることもあるが、さほど仲が悪いわけではない。
黒きサムライの思想や言葉に強く影響され、また「傲慢な支配者」の姿を目の当たりにして秩序の無力さに失望したこともあって、
流されるままにただ生きることを拒み「強者が望むがままに変えられる世界」を願うようになる。

いわゆる「カオスヒーロー」的存在。
彼もまたヨナタンと同じく、スタンスの違う相手にも一定の敬意は払っている。
曰く、「自分も年を取ったらああなる」。彼が老けているとかではなく、自分以外に守りたい存在ができれば、という意味だろう。
漁師の息子の癖に魚が怖いという意外な一面もある。

本作一番の難所であるミノタウロス戦で彼が出てくると最悪の事態になる。
キャラクターデザイン原案元はSEX PISTOLSのベーシスト、シド・ヴィシャス。


  • イザボー(声 - 沢城みゆき)
本作のヒロイン。ラグジュアリーズ出身の少女でサムライ衆の紅一点。短いパンツからのぞく太ももが大変セクシー。
お嬢様のような口調で喋る品性高潔な少女だが、黒きサムライのバラ撒いた漫画にハマる乙女な一面がある。
物事を冷静に捉えられる反面、優柔不断なところがあり自己主張に乏しい。ただし、一度決めれば貫き通す意志は持ち合わせている。

ルート分岐時までいまいち影が薄く、ロウ・カオスルートを選んだ場合は彼女と敵対するのだが、そこが一番の見せ場だと言う声も多い。
また、「 おっさんの殿方 」と発言するなどわりと独特なセンスの持ち主。


  • ナバール(声 - 大畑伸太郎)
国王の侍従の家系であるラグジュアリーズ出身の少年。カジュアリティーズ出身のフリンとワルターを見下している。
序盤でフリンとワルターに嫌がらせをするも、逆に悪魔の恐ろしさを知り精神に異常をきたしてしまう。
その後はサムライを辞めてフェードアウトし、メインストーリーには関らない。

いかにも最後まで関るキャラのように紹介されておきながら、あっさり退場してしまった悲しい男。
身分を鼻にかけたいやみなヤローとして登場し、最後は精神崩壊してフリンのことすら忘れてしまった。

果たしてどういう教育を受けたかは分からないが、彼にとってラグジュアリーズとは「人間」であることと同義である。
それを示す一幕として、忘れてしまったフリンに対して「君は優しいからラグジュアリーズだな」と言っている。

次回作ではなんと幽霊として登場。お調子者ながらやるときはやる男になっており、ある意味一番の成長を遂げている。
ただ、何故か精神崩壊&記憶喪失設定が見事に崩壊喪失しているが。
ちなみに漫画版では臆病で小心者な面が強いもののそれなりに活躍できている。


サブキャラクター


  • ホープ(声 - 中井和哉)
サムライ衆を率いる頭。任務に厳しいが民の想いを尊重し、部下からの人望も厚い。
かつて悪魔絡みの事件で最愛の女性を失っている。女物の指輪を私物として所有している。
サムライの最初の試練はナラクからそれをとってくるというもの。 そんな大切なものを新人サムライの訓練に使っていいんですかね・・・?


  • イサカル(声 - 前野智昭)
キチジョージ村に住むフリンの幼馴染で兄貴分。サムライになることに固執していたが、夢破れて故郷へ帰る。
後に儀式に合格したフリンへの羨望など負の感情から悪魔になってしまい、フリンに引導を渡されることになる。
『真・女神転生』における母親のポジションに当たると考えられる。
しかし、周回プレイでは ファンドやムダ話などのリアクションを楽しまれてしまう悲しい男である


  • ウーゴ(声 - 多田野曜平)
若くして修道院の院長に就いた切れ者。丁寧ながら高圧的な態度を取り人情味に欠け、サムライ衆から嫌われている。
自分の分を弁えているようで、自分の置かれた状況を客観視して適応できるなど、決して無能ではない。
慇懃無礼ながら彼なりに民のことを考えて魔法の遺物の回収を命じていることが明かされている。
修道院が天使に牛耳られた際も、民を守るために恭順する道を選ぶ。
そもそも修道院に属していること自体、民の奉仕するためという側面が強く、その必要がなくなればさっさと院長を退いている。
プレイヤーとしてはなんとなく苛立ちを覚える存在。


  • ギャビー(声 - 田中敦子)
ウーゴの部下。ある日突如、その地位に就いた謎の美女。部下ではあるが、ウーゴもあまり彼女に強く出られない。
Kが現役時代から全く姿が変わらないなど謎の多い存在。黒きサムライを捕らえることを主人公たちに依頼する。
正体は『真・女神転生』をやったことがある人ならうすうす気づけるはず。

  • K(声 - 秋元羊介)
Kの酒場を営む元サムライ。右目にアイパッチを付け、左腕には鋏のような義手を装着してる。
ホープが頭になる以前はサムライ衆の頭を務めていた。当時の彼は悪魔より恐ろしいという評判。
Kというのは単純に前任の「J」から引き継いだ「順番」というだけで、本名ではない。

  • アキュラ
東のミカド国の初代国王。
1500年前の人物なので、作中では顔を見せることはない。国王という立場ながら、当時の天使たちからの扱いはあまり良くない。

  • アハズヤミカド王
現在の東のミカド国国王。メインストーリーでは一切絡まないものの、ウーゴの魔法の遺物探索に許可を出している。
終盤の展開により国を追い出されてしまい、最後は今までの神ではなく魔王ベルゼブブに助けを求めることになる。
何故かといえば、彼が依然読んだ本に載っていた、自分と同じ名前の王が救いを求めた神がベルゼブブの元であるバアルだからである。
このチャレンジクエストは難易度がかなり高いため、心してかかる必要がある。

東京の人々


  • タヤマ(声 - 大塚芳忠)
八部連合阿修羅会を統率する男性。突如東京に出現した悪魔と交渉し、秩序をもたらした人物として知られている。
六柱の「必殺の霊的国防兵器」と呼ばれる日本古来の地霊神たちを従えているが、忠誠度は低い。
元は下っ端のチンピラだったが、悪魔出現の混乱に乗じて現在の地位を確立することに成功した。

いわゆるヤクザだが、東京におけるロウスタンスである。
明らかにやっていることは人の道を外れているし、東京の私物化も大きいが、人間を悪魔から守ろうとする意思は本物。
いわゆる汚れ役を買っている自負もあり、何もしてないくせに綺麗ごとばかり言うんじゃねえと主人公に憤るシーンもある。
また、秩序の維持に諸事情で子供が必要なのだが、部下が誘拐すれば早いと主張しているのに対し、彼の方針は交渉である様子。
実際阿修羅会の加護がなくなった池袋では、悪魔であるセイオウボが人を食い荒らす無秩序地帯と化していた。


  • カガ(声 - 笹島かほる)
ガイア教団に所属する勇ましい女性。池袋における「地母神セイオウボ」との戦いで他のガイア教団員共々捕食される。
しかしなおも抵抗する彼女達の強靭な意志が、フリン達に勝機をもたらす。
違ってもガガではない。

ナバールと同じくいかにも重要そうな紹介のされ方をしておいて早々にフェードアウトしたお方。頭にきました。
まあワルターがカオス思想に傾くきっかけにはなっているためまだましであろう。


  • ヒカル(声 - 井上麻里奈)
フリン達の前に現れる少女。荒廃した東京において綺麗な女子高生の制服を着ており明らかに浮いている。
東京にやってきた主人公一行に興味を示す。先が行き詰ると不意に現れて助言めいたことをするなど謎の多いキャラ。

その正体は、シリーズおなじみのあの人。前作で衝撃の女装を披露した彼だが、今作でも女装して現れている。
今作ではバレバレの偽名ではないうえ、カオスルートを選ばない限り正体不明のままである。


  • フジワラ(声 - 森田順平)
一般人風の服装をした元新聞記者の中年。純喫茶フロリダでのどかにコーヒーを嗜んでいる。
タヤマが恐れる唯一の男。過去にアキラという少年に触発され、ツギハギ達とともに天井の上を目指したことがある。
東のミカド国に到達できたものの天使たちに追い返されてしまい、再起を図って人外ハンター協会を設立した。


  • ツギハギ(声 - 山路和弘)
名前の通り顔に継ぎ接ぎがある男性。軍人のような武装をし、荘厳な拵えの長太刀を携える。
顔の傷は、かつて天使たちとの交戦で負傷した名残。ニュートラルルートでは彼の持つ刀が重要な意味を持つ。

顔がツギハギだらけだからツギハギなのかと思いきや、どうやらツギハギと言うあだ名が先らしいことが次回作でわかる。


  • ターミナルの番人(声 - 高木渉)
阿修羅会管轄+αにあるターミナルを守る謎の人物。ターミナルに結界を張り、近づくものには容赦なく悪魔をけしかける。
場所によって外見が違うが、声は全く同じ。女性の格好をしている場合もある。
立ち寄る順番を変えることで場所と召喚悪魔によってそれぞれ異なる内容のボイスを聞くことができるなど、凝った力の入れ方をされている。


  • ノゾミ(声 - 園崎未恵)
蔵人の女性人外ハンター。フリンたちの腕前を見込んで度々依頼をして来る。写真収集が趣味で、前半はそれにちなんだ依頼が多い。
彼女から課されるクエストは任意だが、ニュートラルルートでストーリーを進める上で必ずこなすことになる。

あるクエストでは彼女と共に戦うのだが、銃撃と衝撃が無効の敵にザンマを放ち戦況を不利にすることで有名。
次回作では固有グラをもらってメインキャラに昇格する。

その他のキャラクター


  • 黒きサムライ(声 - 田中敦子)
突如ミカド国に出没した謎の人物。東のミカド国に漫画や小説などの本を授けて回っており、フリンらに意味深な言葉を投げかける。
一度はフリン達に無抵抗のまま捕縛され、「自分は蘇る」という言葉を遺して処刑されるも言葉通りに復活する。
その姿は前作『STRANGE JOURNEY』のデモニカであり、変わらぬクソダサバケツスーツ姿に懐かしさを覚えたプレイヤーも多いとか。

その正体は、ギャビーと同じく『真・女神転生』のプレイヤーなら予測がつくはず。


  • スティーヴン(声 - Cho)
シリーズ恒例の、フリン達の前に現れる車椅子の紳士。
東のミカド国内の結界の中などありえない場所に突如出現し、時折有益な情報をくれる。
悪魔召喚プログラムの開発者であることが明言されているが、それ以外のことは相変わらず不明。

  • バロウズ(声 - 甲斐田裕子)
サムライたちのガントレットに搭載された女性型オペレーティングシステム。ミカド国の人々からはガントレットに住まう妖精と認識されている。
悪魔召喚プログラムによる悪魔の使役やアプリケーションの管理、サムライ達のナビゲーションを担当する。

無機質な機械のAIかと思いきや結構感情が豊富。 やっちゃえ、マスター
終始主人公と行動を共にすることやイザボーの影が薄いこともあって、このゲームの真のヒロインと言う声が後を絶たない。

  • ホワイトメン(声 - 多田野曜平、秋元羊介、 沢城みゆき、前野智昭)
魔界に潜む、人間だった者たちの意思。ウーゴ、K、イサカル、イザボーを真っ白にした姿を取る。
神による滅びを回避するために様々な手段を試みるも、いずれも失敗したことで最早全てを虚無に返すしかないと思っている。
そのために、主人公を懐柔して天使も悪魔も宇宙さえもまとめてブラックホールで葬ろうとしている。
主人公たちを「五番目の人類」と呼ぶが、理由は不明。
+ 余談
「五番目」に関する可能性の一つとして、本作がSJを含めて真・女神転生の五番目であるということが考えられる。
というのも、彼らが仮の姿で取っているキャラたちは、旧作の主人公と被る要素が散見されるため。
ウーゴ:人々を守るために天使に恭順する道を取った、真Iの「ヒーロー」。
K:仮の名を名乗る者の一人にしてあるコミュニティにおいて最強を誇る、真IIの「アレフ」。
イサカル:変革の中核の知り合いでありながら本人はその他大勢に過ぎなかった、SJの「ただの人」。
イザボー:選ばれこそしたが自身の中に明確な方向性を持たなかった、真IIIの「人修羅」。
尤も、続編のFinalではむしろIIIが本作の後のような可能性もあり、全く無関係である可能性も十分である。

また、ギリシャ神話には5番目に世界に生まれた「鉄の種族」として人間がおり、こちらを指す可能性もある。
各種族の概要は以下の通り。
①「黄金の種族」:クロノス神に最も近い種族で、長く安らかで穏やかな生涯を送るも発展することなくゆっくり朽ちていった
②「銀の種族」:クロノスの子であるゼウスが生み出した種族で、子供のままで粗暴で短命で神を敬わず成人してすぐに死ぬ種族で、神に滅ぼされた
③「青銅の種族」:ゼウスが新たに生み出した種族で、銀の種族よりも粗暴で暴れまわり、津波によって沈められた
④「英雄の種族」:生き残った青銅の種族最後の男女によって生み出された。冒険心にあふれ、幾度の困難に挑み、神々との子を成した。それでも神を敬わないものが生まれ、トロイア戦争によって滅んだ。
が、これはこれで各シリーズのホワイトメンの姿に符合していたりする。
ウーゴはそのまま、Kは悪魔使いとなれるのは旧人類の血を引き継いでいるから(=子供のまま)、ただの人はいつまでも世界中で争いシュバルツバースという波にさらされた、人修羅は生き残った人類が異界の神と融合して絶望的な状況を打ち破ろうと足掻いた、という形。


余談



本作には東京の守護神かつ祟り神として有名な平将門が、重要な立ち位置で登場する。
以前のシリーズにて彼を出演させようとしたら不可解な事件が続発したため、参拝の上「マサカドこう」という表記になったのは有名な話。
開発秘話にて、今回は「御払いには行っていない」ことが判明したが、このゲーム発売後1ヵ月後になんと 親会社のインデックスが倒産した
現在はセガゲームスの子会社として転生を果たしているが、祟り神の影響はこうも恐ろしいものなのか・・・。*1
この影響か、次回作では「タイラ マサカド公」表記に変更されている。


続編の『真・女神転生Ⅳ FINAL』が2016年2月10日に発売された。
あんなことがあってか今回以降お詣り&お祓いは復活した模様。
この作品の世界観を引き継いだ新作であり、UIなどの不満点を改善しており評価は高い。
『真・女神転生』に対する『』のような立ち位置のため、本作の世界観が気に入ったならプレイして損はない。


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最終更新:2023年12月13日 19:49

*1 ただし厳密にいうと、インデックスはアトラスを吸収した時から取引銀行であった日本振興銀行の経営破綻により経営が苦しい状態であり、吸収合併当初からかなりヤバイ状況だった