スペース・マウンテン

登録日:2017/01/13 Fri 19:07:46
更新日:2024/04/15 Mon 21:19:02NEW!
所要時間:約 9 分待ちで読めます






スペース・マウンテンとは、世界のディズニーパークにあるアトラクションである。



概要


トゥモローランド(パリのみディスカバリーランド)に位置する、宇宙をテーマにしたローラーコースター。
パリを除き、巻貝のような形状をした白いドームのような外観が特徴である。
コースレイアウト等の細かい点はパーク毎に異なるが、ロケット型のライドに乗り宇宙空間を模した暗闇の中を疾走するという点は共通である。
暗闇なので基本的にレールは見えず、次の動きが予測できない中カーブの連続するコースを走り抜ける。

各パークで高い人気を誇るアトラクションであり、設置されている5パーク全てでファストパスの対象となっている。
また東京以外のスペース・マウンテンにはライドフォトも実装されている。

オープン当初のコンセプトは、アメリカ人宇宙飛行士ゴードン・クーパーのマーキュリー計画(1959年~1963年)における体験であった。
クーパーはアメリカ初の宇宙飛行士7人(通称"オリジナル・セブン")のうちの1人であり、マーキュリー計画では最も長時間にわたって宇宙に滞在した。
クーパーらオリジナル・セブンのメンバー*1はアナハイムのスペース・マウンテンオープン時に招待されている。
しかしながら各パークともリニューアルに伴い、ゴードン・クーパー絡みの設定は消失した。


東京ディズニーランドのスペース・マウンテン


概要

ビッグサンダー・マウンテンおよびスプラッシュ・マウンテンと並び三大マウンテンと称されるアトラクション。
世界のディズニーパークでも特に混雑が激しい東京ではファストパスなしで乗車するのに長い待ち時間を覚悟する必要があるが、バズハニーハントほど待たされることはなく、三大マウンテンの中でも一番待ち時間が短くなる傾向があり、パレード中や閉園間際などタイミングを選べばあっさり乗れてしまうこともある。

構造等は基本的にアナハイムのものを踏襲している。
上りきった後は最後まで高速を維持したまま疾走するタイプであり、東京ディズニーランドで最もスリルを味わえるアトラクションと言えそうだ。
コースは落差の大きいドロップが少ない一方カーブが多く、右カーブの数が左カーブと比べてかなり多い。より大きい遠心力を味わいたいなら左側、そうでなければ右側に乗り込むと良い。

入口からパークに入場し、ワールドバザールの十字路を右に曲がり、あとは道なりに進むと右手に白いドームが見えてくる。
またパーク中央のプラザからトゥモローランドの方向を見ればドームがよく見える位置にあり、辿り着くのに迷うことはないだろう。

他の三大マウンテンと同様、乗車するには身長102cm以上であることが必須(アトラクション入口で測定できる)。
また当然乗車できるのは健康状態の良い人に限られる。

スポンサーは日本コカ・コーラで、これを押し出した画像・映像があらゆる場所で見られる。


略歴

1983年4月15日、東京ディズニーランドの開園と同時にオープン。
2003年12月5日に脱輪事故を起こし、2004年2月18日まで運休した。
2006年10月30日にリニューアルのため運休、2007年4月28日にリニューアルオープンした。
2024年7月31日に2度目のリニューアルのためクローズ予定。
今回のリニューアルは現在の建物を解体し、周辺環境の整備と共に新たに建物を作るという大規模なものとなっている。
2027年にリニューアルオープンを予定している。

実は三大マウンテンのうちオープン当初から存在していたのはスペース・マウンテンだけである。
(ビッグサンダーは1987年オープン、スプラッシュはクリッターカントリーごと1992年にオープンした)


スペック

コース全長:1052m
最高部高度:23m
最高時速:48km
所要時間:約3分
定員:1台12人
ドームの高さ:38m*2
ドームの直径:61m

以上のスペックは基本的にアナハイムのものと同様である。

最高到達地点の高さは地上23mであるが、これは東京ディズニーランドの全アトラクションの中で最も高い*3
最高時速は東京ディズニーリゾート内ではセンター・オブ・ジ・アース(75km)、スプラッシュ・マウンテン(62km)、レイジング・スピリッツ(60km)に次ぐ4番目の速さ。

ライド1台当たりの定員は12人と一般的なローラーコースターと比して少ないが(ちなみにビッグサンダーは30人)、ライドは比較的短い間隔で次々と発車しており、回転率は非常に良好である。いっぺんに10台程度のライドが走行しており乗車中にもよく見ると他のライドが走ってるのがわかるほどであるが、通常の巻き上げ式コースターとは異なり緊急時にはレールの平坦な部分でライドを停車させられるシステムになっている。加えて発車直後セーフティーバーのチェックをされている辺りで実は重量測定がされており、発車間隔を調整しているなど、安全性と回転率の両立や演出にカネをかけてる*4辺りはディズニーらしいと言えるかもしれない。

ドームの高さは38mであるが、これは東京ディズニーランド内ではシンデレラ城(51m)に次いで高く、実はビッグサンダーの岩山*5(33m)やスプラッシュ(30m)よりも高い。ずんぐりした外観からは少々想像しにくい事実ではある。


内部

【※一応アトラクションの微ネタバレのような形となるため未体験の方は閲覧に注意して下さい】













ドーム内部にはエスカレーター状のベルトコンベアーに乗って入る(これは東京にしかない)。
キューラインの途中にはいくつもの途中退出口が設けられており、何らかの理由で乗車を断念したい場合に利用できる。
ドーム内ではかつてキューライン途中の大きなガラス窓から宇宙空間部分が見られた(とは言ってもレールが通っている部分の端っこであるが…)が、リニューアル以降は見られなくなった。

さて、ライドに乗り込みセーフティーバーのチェックを受けると、ライドは右に曲がり1つ目の短い巻き上げを上る。
これを上りきって光の流れる中直進、続いて2つ目のやや長い巻き上げに入る。これを上りきるといよいよ無数の星が流れる宇宙空間に出る。
3つ目の短い巻き上げを上った後は左に大きくカーブしつつスピードを上げて走り出す。ここからが本番。

ライドはカーブの連続するコースを走り続ける。
序盤はコースの中でも高度の高い部分を走るが、中盤にドームの外周をなぞるように進むあたりからは高度も下がってきており、暗闇の中でも頭上をレールが通っているのがなんとなくわかる。
終盤に入るあたりでスペース・マウンテンとしてはちょっと落差が大きめのドロップがあり意表を突かれる(実はこの時2つ目の長い巻き上げの下をくぐる形になっていたりする)。
終盤はひたすら右カーブが続く。ライドの高度も地面に近くなりスリルタイムの終焉を予感させる。そして右カーブが続く中左にカーブしたところで、ライドは光の中急ブレーキ。この後ライドは乗り場へと戻り、約3分間のトリップはこれにて終了である。


海外パークのスペース・マウンテン


マジック・キングダム(ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート、フロリダ州オーランド郊外)

1975年1月15日にオープンした、世界で初めて登場したスペース・マウンテン。
2009年末にリニューアルした。

最大の特徴はコースが左右対称に2つ存在すること。一方はアルファサイド、もう一方はオメガサイドと呼称されている。
当然コースレイアウトはアナハイムや東京とは異なるが、カーブの多い構成や全長1000m程度・最高時速50km程度というスペックは同様である。
またライドが2列ではなく1列で乗り込む形となっているのも他パークと異なる。

2コースを有するためかドームの規模も大きい。
その高さは183フィート(55.8m)と東京のシンデレラ城よりも高く、マジック・キングダムのシンデレラ城よりも6フィート低いだけである。但しコースターの最高到達地点は20m程度である

トゥモローランド内を巡るアトラクション、ピープルムーバー*6のルートにスペース・マウンテンも含まれており、宇宙空間部分を見られるようになっている。



ディズニーランド(ディズニーランド・リゾート、ロサンゼルス郊外アナハイム)

1977年5月27日オープン。東京および香港の原型にもなったスペース・マウンテン。
1998年に外観が茶色になった*7
2005年のリニューアルで内装が変わったり乗車中にBGMが流れるようになった。ついでに外観も白色に戻った。

ちなみにアナハイムのディズニーギャラリー*8には、かつてスペース・マウンテンのコース模型が展示されていたことがある。英語でググれば画像も見つかるが、レールや骨組みがかなり複雑に入り組んでいるのがわかる。



ディズニーランド・パリ(ディズニーランド・リゾート・パリ)

パークのオープンからおよそ3年経った1995年6月1日にオープン。
現在は"スペース・マウンテン:ミッションII"という名称で運行中である。

他のパークのスペース・マウンテンとは大きく異なる。
最大の特徴はライドがリニアモーターで加速する点である。乗り場を出たライドはドームの屋根を上るように進むのであるが、ここで巻き上げではなくリニアにより加速し宇宙空間へと進んでいく。そしてコースにはループとスクリューが含まれており、これを最高時速70kmという他のスペース・マウンテンには考えられないスピードで走り抜けるのである。

また、設置されているディスカバリーランドがレトロフューチャーをテーマとしているためか、外観も他パークと大きく異なっている。
ちなみに世界のスペース・マウンテンのうち唯一シングルライダー*9を導入している。



香港ディズニーランド(香港ディズニーランド・リゾート)

パークがオープンした2005年9月12日から存在している。
基本的にアナハイムのものとほぼ同じ。

別バージョン


海外パークでは通常とは異なるバージョンで運用されていることがある。

スペース・マウンテン ゴースト・ギャラクシー

ハロウィーンのイベント期間限定で運行されるバージョン。BGMがそれらしい不気味なものになったり暗闇で怪物や亡霊たちが映し出されるようになる。この企画は香港で最初に実施され、好評だったためかアナハイムにも逆輸入されている。

ハイパースペース・マウンテン

大人気SF映画「スター・ウォーズ」シリーズをモチーフとしたバージョン。当初は期間限定だったが、2023年現在も以下のパークで実施されている。
  • ディズニーランド(アナハイム)
  • 香港ディズニーランド
  • ディズニーランド・パリ

余談


○2016年6月にオープンした上海ディズニーランドにはスペース・マウンテンが存在しないが、同じく暗闇の中を疾走するコースターとして映画「トロン:レガシー」(これの続編)をモチーフにしたアトラクション「トロン・ライトサイクル・パワー・ラン」が設置されている。

○東京では乗り場にあるスペースシップを天井から吊す車輪がマニア大好き隠れミッキーとなっている。









追記・修正は身長102cm以上の健康状態の良い方が60分待ちでお願いします。



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最終更新:2024年04月15日 21:19

*1 7人のうちガス・グリソムは訓練中に事故死していたため出席していない。

*2 35mとしている資料もある。

*3 かつて存在していたスカイウェイよりもわずかに高い。

*4 蛇足であるが、最高時速153kmや全長2479mといった世界でもトップクラスの規模を誇るナガシマスパーランドのスチールドラゴン2000の総工費が50億円であるのに対し、最高時速42kmかつ全長約1000mのビッグサンダーの総工費は80億円であり、いかにコースター自体以外にカネがかかっているかが窺える。

*5 通称、メインビュート。

*6 かつてはアナハイムにもあった。

*7 同年にトゥモローランドが後述のディスカバリーランドのようなレトロフューチャーテイストを取り入れたリニューアルを行ったため。

*8 東京にもあったが2016年9月にクローズ。

*9 1人で乗る場合に奇数人数のグループによってできる空き席に優先的に乗れるシステム。東京で導入しているのはスプラッシュ、インディジョーンズ、レイジングスピリッツの3つ。