1主人公(幻想水滸伝)

登録日:2011/01/19(水) 16:25:19
更新日:2022/10/29 Sat 01:40:31
所要時間:約 4 分で読めます




1主人公とは、『幻想水滸伝シリーズ』に登場するキャラクターである。

CV:鈴村健一(ドラマCD版)

1995年に発売された初代・幻想水滸伝の主人公。デフォルト名はなく好きな名前を付けることができるが、
ファミリーネームである「マクドール」は変更できないので、いずれの作品においても「○○・マクドール」という名になる。
ファンの間での通称はグレミオからの呼称でもある「坊っちゃん(ぼっちゃん)」。
武器は長棍で、師匠のカイから習った棒術の使い手。
小説、ドラマCDではティル、漫画ではリューイと設定されており、攻略本や設定資料集などの媒体では1主人公となっている事が多い。
ちなみにカードストーリーズではファーストネームは設定されておらず「マクドール」とのみ表記されている。


◇プロフィールと物語
出身は赤月帝国の帝都グレッグミンスター。帝国六将軍の1人、テオ・マクドールの長男として生まれる。
電撃ゲーム文庫より発売された外伝小説によると、幼い頃に母親と死別しており、幼少期は多少反抗的だったが、
ゲーム開始時点では、年相応に素直でやんちゃな少年に育っている。

家族構成は父・テオ、使用人のグレミオ、クレオ、パーン。友人のテッドとも仲が良く、お互いを親友と言える存在。

赤月帝国皇帝・バルバロッサとの謁見時に勧められ、赤月帝国で働くようになる。
しかし、行く先々で帝国の行政に苦しめられる国民の現実を目の当たりにし、今の帝国に疑問を抱き始める。

その後、山賊討伐の任務の際、テッドの右手に真なる27の紋章のひとつ、ソウルイーターが宿っていることが判明。
宮廷魔術師・ウィンディにこの事が知れると、テッドは帝国に追われる身となった。
ウィンディの追手から逃れられないと悟ったテッドは、坊ちゃんにソウルイーターの継承者となる事を懇願、
紋章を引き継いだ坊ちゃんは自らも反逆者として追われる中、宿屋で偶然知り合った男・ビクトールに出会い、
赤月帝国打倒を掲げる解放軍へ参加する事となった。

以後は解放軍のメンバーとして活動するが、解放軍のリーダーであるオデッサ・シルバーバーグが致命傷を受けた際、
彼女から解放軍リーダーの座を譲られ、後に「門の紋章戦争」や「解放戦争」と呼ばれる戦いの中心人物となっていく。


◇ソウルイーター
坊ちゃんを語るうえで欠かせない、親友のテッドから託された紋章。
真なる27の紋章のひとつであり、「生と死を司る紋章」とも呼ばれる。
ゲームシステム的にも非常に強力な紋章で、高い攻撃力と即死効果によりシリーズファンの間でも「歴代最強の紋章」との呼び声も高い。

一方で「宿主に近しい人間の魂を喰らって成長する」という特性も持っており、
作中でも坊ちゃんの仲間、友人、家族など数々の命を奪うことになった*1
さらに1の物語そのものがソウルイーターを狙う陰謀に端を発しており、ある意味すべての元凶であるため、
強力な力によるカタルシスよりも、「宿主を不幸にする呪われた紋章」という負のイメージが強く残る。

暴走や宿主の精神への働きかけなど厄介な性質を持つ事の多い真の紋章の中でも、
宿主自身を蝕む『幻想水滸伝4』の「罰の紋章」とは逆の方向で、最も関わり合いになるのが危険な紋章である。

また真なる27の紋章を宿す事の恩恵(または代償)として宿主は不老となり、1の3年後にあたる幻想水滸伝2で再登場した坊ちゃんや、
1の150年前にあたる幻想水滸伝4に登場したテッドは共に外見的な変化が全くない。

後の作品では眷属*2にあたる「闇の紋章」が登場している。

◇性格
シリーズの主人公にほぼ共通するが、台詞は選択肢のみとなっており、一人称から性格付けまでプレイヤーによって様々。
ゲーム中では、グレミオに悪戯をするあたり、年相応に子供らしいところもあるようで、
エンディングや2のエピソードから、心優しい少年として描かれることもある。


◇能力
  • 幻想水滸伝
主人公という事もあり、攻守共に安定しており素早さも高くバランスが良い。
特に固定紋章のソウルイーターは前述ように「最強の紋章」との呼び声が高く、単体・複数の敵に即死効果あるいは大ダメージの魔法ばかりで、
はっきり言ってチート、ボス以外ならどんな強敵にも即死魔法が効く。
協力攻撃は武術の師匠・カイとの師弟攻撃の1種類。主人公なのに…と思うが、前述の紋章があるのでそんなに気にはならない。
ただし、この『師弟攻撃』が全体攻撃(1倍ダメージ)と、大量の敵と戦うのが基本な本ゲームでは非常に強力で、師匠さえ味方にしてしまえば後の戦闘が無双ゲーと化す。敢えて難を云えば少し演出がくどい位か。

  • 幻想水滸伝2
チートっぷりは変わらず、ソウルイーターの魔法グラフィックもバージョンアップしている。
また、2主人公との『Wリーダー攻撃』は、前作の『師弟攻撃』とは演出が共通しているマイナーチェンジ版といった所で、敵が複数いるときは有効。ただし、効果は全体攻撃(0.75倍)と、前作が強力過ぎたためか少し弱体化されており、一回で敵を全滅させられない場合も少なくなくなった。
効果からも『2』に限れば『おさななじみ攻撃』の下位互換となる訳だが、此方は坊っちゃんさえ迎えにいけば使っていけるというメリットがある。


◇1以外での出演
3年後を描いた続編である『幻想水滸伝2』では、1のセーブデータをコンバートしてゲームを開始すると、
ルカ・ブライト戦後にイベントが発生し仲間になる。
ただしイベントは任意発生であり、カスミの目安箱や探偵調査*3など、それとなくイベント発生のヒントが示されるが、
初見では気づかずスルーしてしまったプレイヤーも多いだろう。
名前はコンバート元のセーブデータから引き継がれ、2主人公に同じ名前を付けていた場合、周囲から言及されるなど何気に芸が細かい。

スタメン確定クラスの非常に強力なキャラクターだが、唯一の難点として、本拠地には帯同せず一度パーティーから外れたら、
グレッグミンスターの実家まで加入を誘いに行かなければいけない。マクドールさん家の門限は厳しいようだ。

ソウルイーターの影響で外見年齢は変化していないはずだがグラフィックが2基準に書き直されているため、
前作の溌溂とした少年から、落ち着きのあるイケメンな印象になっている。
ちなみに基本的には前作同様セリフを喋らない無口キャラだが、パーティーメンバーが喋る汎用イベントに彼を入れておくと、少しだけ喋る事がある。


◇制作サイドのエピソード
彼の外見は、ゲームの主人公らしい格好をしているが、貴族としてはみすb……地味な格好をしている。
これはゲームの初期設定であった、『主人公は山賊の息子』という設定の名残である。
また、キャラクターデザインを務めていた河野純子曰わく、開発終盤までデザインが決まらなかったそうで、非常に悩んでいたとか。

1作限りで代替わりしたものの、やはり初代主人公、ファン投票でも毎回上位に入るほどの人気とカリスマ性を持つ。
その人気は根強く、1の16年後の2011年に発売された『FRONTIER GATE:フロンティア・ゲート』のサントラ特典として、
同ゲーム内で使用できる「坊ちゃんなりきり衣装」が付いたほど。


◇人間関係
  • グレミオ
坊っちゃんを語るうえで欠かせないキャラその1。
戦争孤児として放浪し生き倒れていた所を、坊っちゃんの父・テオに拾われ、子守を任される。
母親は他界し、父親は忙しくあまり家にいない坊っちゃんに対し、孤独だった自分の姿を重ねている。
また、自身の力不足のため坊っちゃんを誘拐されてしまったことがあり、その際にもう二度とそんな目には遭わせないと、父の形見の斧に誓っている。
そのため重度の坊っちゃん至上主義となり、その過保護さはさながら母親のよう。
常にパーティー入りして外せない為、言動と合わせてウザイと感じる人もいるかも知れない。
しかし、中盤のとあるイベントで彼はパーティーから離脱する事になる。
具体的な内容は伏せるが小説版でのこのイベントはゲームでは無言を通す坊っちゃんの心情描写と美麗な挿絵が相まって、涙腺崩壊ものである。

また、108星を集めると終盤で特別なイベントが発生する。
さらにそのデータを幻想水滸伝2にコンバートすると、これまた特別なイベントが発生する。


  • テッド
坊っちゃんを語るうえで欠かせないキャラその2。
父・テオが戦争孤児としてマクドール家に連れてきた少年。
坊っちゃんとは唯一無二の親友であり、マクドール家の近くに家を借りて暮らしている。

上記にもあるように、ソウルイーターの影響でウィンディに見つからないよう姿を隠し、
犠牲を出さないよう誰とも関わることなく300年もの年月を孤独に生きてきた。

そのせいか他者には心を閉ざしていたが、坊っちゃん達と交流を持つうちに本来の明るく人懐っこい性格になった。
ストーリーの進行上、パーティーに加わるのは序盤のみである。
口癖は「一生のお願いだよ!」
150年前が舞台の幻想水滸伝4にも登場しているが、前述の心を閉ざしている期間のため、1のテッドとは大分印象が違う。


  • カスミ
坊っちゃんを語るうえで欠かせないキャラその3。
後の作品でもお馴染みとなる主人公に明確な恋心を抱くヒロインポジションの初代。

前述の2のイベントの際、彼女をパーティに入れていると会話イベントが追加される。
坊ちゃんが姿を消した後も彼女の恋心は変わる事は無かったが、ソウルイーターを宿した坊っちゃんは不老である為、
3年の間に確実に成長している自分と、容姿が全く変わらず時間に取り残された坊ちゃんの間の距離に複雑な気持ちになる、
といった内容で非常に切ない。
一方2のエンディング後も彼女は休暇の度に健気に坊っちゃんの屋敷に通っており、
更に続編となる外伝Vol.2でも坊っちゃんと仲睦まじく語り合うシーンもある。

3の炎の英雄とサナの様に添い遂げる事が出来たのか、カスミにとって辛い失恋となったのか、ソウルイーターの力によって悲劇的な別れとなったのか、
そのいずれとも違う未来があるのか、現時点で二人の結末が描かれた作品はなく、各プレイヤーの想像に委ねられている。



追記・修正は、「坊っちゃん(ぼっちゃん)」と呼ばれてる方のみお願いします。

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最終更新:2022年10月29日 01:40

*1 ゲーム的にも、誰かの命を奪うたびにソウルイーターが新しい術を覚える演出となっており、力が増す事を素直に喜べないような見せ方をされている

*2 リスクの低い下位互換の様なもの

*3 「バナーの村まで行きたいので、休みを貰いたい」「時々バナーの村に行っている。会いたい男でもいるんじゃないか?」といった内容