グソクムシャ

登録日:2016/12/03 Sat 06:13:06
更新日:2024/04/13 Sat 17:23:46
所要時間:約 6 分で読めます




6本の 腕で 巧みに 戦う。 普段は 深海の 岩穴で 瞑想するように 静かに 過ごす。


ポケットモンスターシリーズにサン・ムーンから登場したポケモン


■データ


アローラ図鑑No.183/アーカラ図鑑No.110/ポニ図鑑No.71/全国図鑑No.768
分類:そうこうポケモン
英語名:Golisopod
高さ:2.0m
重さ:108.0kg
タマゴグループ:虫/水中3
性別比率:♂50♀50

タイプ:むしみず

特性:ききかいひ(体力が半分になれば野生ポケモンとの戦闘では逃走、対人戦では手持ちと交代する)

HP:75
攻撃:125
防御:140
特攻:60
特防:90
素早さ:40
合計:530

努力値:防御+2


■概要


アローラ地方に生息するコソクムシが進化した姿。
弱々しい外見や名前だった進化前とは反して鎧のように見える殻を身に纏った、まさに武者のような風貌をしている。
名前の由来は恐らく「グソクムシ」+「武者」。鎧武者の事を「具足武者」と呼ぶこともあるためネーミングセンスが光る名前である。
モチーフはグソクムシやフナムシなどの海やその周辺に生息する甲殻類であろう。
フィールド上で近付こうとすると素早く逃げるところはフナムシの生態をモデルにしている。

爪による一閃は空気や海水でさえ一刀両断できるほどの腕前。
それを表すかのように「つるぎのまい」や「みねうち」、「シェルブレード」と言ったに因んだ技も多く覚える。

特性は専用特性である「ききかいひ」。
だがその効果はぶっちゃけ進化前のコソクムシの「にげごし」と全く同じである*1
実際の武者も劣勢を強いられれば撤退することもあるため、或る意味妥当だと言えばそれまでだが。
???「退却ではない、未来への進軍である!」
「レッドカード」や「だっしゅつボタン」と同様、相手の特性が「ちからずく」の時は無効となる。

因みに色違いは白を基調としたトリコロールカラーとなっており、一部で某モビルスーツに似ていると言われてたり言われてなかったり。

その容姿からゲノセクトの改造ベースであるという説も一部で囁かれている。


■ゲームでのグソクムシャ


野生では出現せず、コソクムシがレベル30になることで進化できる。

進化前のコソクムシは2番目に訪れるアーカラ島の8番道路に存在する磯部、もしくは終盤に訪れるポニ島のポニの荒磯で固定シンボルとして登場し、コソクムシに接触できれば戦闘となる。
……のだがこのコソクムシ、中々捕まえづらいことで有名。というのも登場する固定シンボルはかなり逃げ足が速く、生身で追いつくのはまず不可能。そのためライドポケモンであるケンタロスの力を借りなければ追いつくことができない。
やっと追いついたとしても体力を半分以下にしてしまえば特性「にげごし」によって強制的に逃げられてしまう。
そのため戦闘開始直後にクイックボールを使うのが吉。ちなみに特性の仕様上 バインド技やくろいまなざしによる逃走防止は不可能 なので注意。特性を無効化する方法であれば有効だが、準備は多少面倒なことになるか。
なお、この固定シンボルは逃げられてもエリアを切り替えれば必ず復活するのだが、一度捕まえると出現するかどうかはランダムとなるため、2匹目を捕まえたくても中々出てこない…という事も。

ウルトラサン・ウルトラムーンではワカツダケトンネルにも出現するようになる。
こちらは巣穴がないため、奥の方向から手前に向かってジグザグに走り抜ける。
待ち構えて接触することはできるが、やっぱり速いし主人公を避けるのでケンタロスは必須。

またコソクムシの段階では覚える技がかなり少なく、レベルアップで覚える……というよりも素で覚える技が「むしのていこう」と「すなかけ」の2つのみ。
このように育てるのも手間がかかり、こうした苦労を乗り越えてレベルアップさせることでグソクムシャへと進化できるのである。
しかし一度進化してしまえば高いこうげきとぼうぎょ、強力な技の数々によってまさに荒武者の如く頼りになるポケモンへと変貌する。
ちなみにコソクムシ自体はちゃんと技マシンに対応してくれるので、技に困ると言う事はないのでご安心を。

ストーリー上ではスカル団ボスであるグズマがエースとして使用する。が、彼との戦闘は度々発生するもののどの戦闘においても必ずこのグソクムシャが初手で繰り出される。
前述の通り高い攻撃と防御、そして専用技である「であいがしら」で多くのプレイヤーを苦しめた。
この「であいがしら」という技はその名の通り場に出た直後にしか使えないものの、むしタイプの物理技で威力90もあり、更にはなんと優先度+2で放つことができるというトンデモ技。
自身の高い攻撃力も相まって紙耐久やむしタイプが弱点であるポケモンがこれを喰らえば耐えることはまず不可能
しかも登場時期やコソクムシの育てにくさなどからこのグズマとのバトルが初対面になる人も多く、それ故に「であいがしら」の存在や性能もこの時初めて知ったという人も多く、主にサトシゲッコウガがその被害にあっているという報告が多数。

具体的には「むしタイプっしょwwつばめがえしあるしサトシゲッコウガで全抜き余裕ww」→「グソクムシャのであいがしら!」→「ゲッコウガはたおれた!」→(゚Д゚)

こんな具合である。
素早さの種族値が122(しかもサトシゲッコウガは体験版の時点で既にすばやさの努力値が限界まで振られている)のため先手を取れるはずが逆に先手を取られた上に抜群で一撃で倒されるサトシゲッコウガの姿に多くのプレイヤーは唖然とした。アマージョのじょおうのいげんでスカせるのは内緒

しかも防御は140もある上に旅パ特有の半端な火力では仕留めきれないことも多く、結果「ききかいひ」の発動を許してしまい後続と交代された上にまた繰り出された直後に「であいがしら」を打たれる……と言ったコンボも苦戦を強いられる要因。

だがこの暴れっぷりが逆にプレイヤーの心を鷲掴みにしていることも少なくない。
そのため彼の存在や性能を知るや否やコソクムシを育て上げ旅パにしている人も見受けられる。能力は高いため、トレーナー戦で頼りになること間違いなしだろう。
ただしこの「ききかいひ」だが、野生ポケモンとの戦闘でも発動してしまう。しかも野生ポケモンとの戦闘の場合は逃走して戦闘そのものから離脱する
つまり伝説のポケモンとの戦闘で行おうものなら体力が半分を切ったその瞬間に戦闘が終了してしまう。
そのため厳選や捕獲にはオススメできないポケモンでもある。素直に他に任せましょう。
???「退却ではない、未来への(ry


剣盾にも続投。ワイルドエリアでは広域において出現するほか、ストーリー中でも第二鉱山でコソクムシを見かけることができる。シンボルが逃げ回って捕まえづらいのも相変わらず。
ガラル地方では人気のポケモンなのか、ジムリーダールリナがファイナルトーナメントで先鋒に組んだり、セレブな王族ゴージャスボールに入れた個体を繰り出してきたりする。




■対戦でのグソクムシャ


高い攻撃と防御、そして低い素早さとステータスだけ見れば典型的な鈍足アタッカー。
最も高いのは防御だが特防も高く、特殊攻撃でも不一致抜群ならば一撃は耐えることも。さすがは装甲ポケモンか。
また鈍足ではあるが強力な一致技「であいがしら」を始め、読みが必要なものの威力が高いあくタイプ先制技「ふいうち」、タマゴ技だが安定して使える「アクアジェット」と鈍足を補うかのように先制技を多く覚えるのが特徴。
このため高いこうげきを活かしてトドメを刺したり、最後っぺとして潰しをすることも可能。

メインウェポンも時たま相手の防御を下げる「アクアブレイク」、今作で威力が大幅に強化された「きゅうけつ」と一通り揃っている。特に「きゅうけつ」は回復も行えるため相性が良い。
一方でサブウェポンが乏しく、現時点でだが教え技が伝説専用やシリーズ恒例の「りゅうせいぐん」を除いては存在しないことからでんきタイプひこうタイプ対策となりうる「じしん」や「れいとうパンチ」を覚えることができない。
しかもサブウェポンも含め、Zワザを使用しない限りは素の威力が100を超えている技を覚えられない。そのためステータスとは裏腹に案外火力が足りないことも。
比較的有用なのは上記の「ふいうち」のほか、ひこう対策の「いわなだれ」やフェアリー対策の「どくづき」あたり。

そのため、ドヒドイデといった、一致技がほとんど通らず、積み技が通用しない強力な物理受けに対しての突破手段がない点に関しては致命的。

またグソクムシャの強さを支えている柱の一つ「であいがしら」だが、主力技故に殆どのグソクムシャがこれを搭載しており、すなわち読まれやすいこともある。
むしタイプは半減されることも多いタイプであり、今作から特性によって先制技を封じるハギギシリカプ・テテフ、強力な物理受けのドヒドイデも登場したため出られない相手には出られない。

何より忘れてならないのが自身の専用特性である「ききかいひ」。
これは体力が半分になれば戦闘を離脱するという特性であり、対人戦では手持ちと交代することになってしまう(ボルトチェンジと同じで交代するポケモンは選べる)。
自身の鈍足やみず、むしタイプと弱点の多いタイプであることも相まって後攻で攻撃をしようとした際に「ききかいひ」が発動すれば攻撃することなく後続と交代する羽目になる。
因みに攻撃によって体力が半分を切っても「オボンのみ」や「ゴツゴツメット」などの持ち物によって体力が変動した後、残っている体力によって発動するか否かが決まる。
逆にこれを利用してダメージ調整を行い、後続に有利な対面を作ったりまた繰り出して「であいがしら」で確実にトドメを刺せる状況を作ることができるという独特なプレイングを楽しめる。

要するに豪胆そうな見た目やステータスとは裏腹に超繊細な立ち回りを求められるポケモンでもある

扱いは難しいが優秀なポケモンであることは間違いなく、現在でも熱心に研究が進められている。
如何にしてグソクムシャのための状況を作るか、或いはグソクムシャでどれだけ状況を作れるかというゲームメイクの腕を問われるポケモンであり、玄人好みと言える。
落ち武者になるか、一騎当千の兵となるか。まさにプレイヤーの腕次第。
もし彼を活躍させることができれば、その独特な魅力に病みつきになること間違いなしのポケモンだろう。

USMでは専用技だった「であいがしら」をカモネギも習得。
一方で自身の教え技に「アイアンヘッド」「ドリルライナー」「はたきおとす」と有用な技が多数追加された。

しかし、それでもドヒドイデの前では形無し。
「ドリルライナー」で弱点は突けてもトーチカでどく状態にされ、「ドリルライナー」ですら確3に抑えられ、積み技も「くろいきり」でリセットされる。


第8世代では大きな変化はなし。「はたきおとす」を覚えなくなった点にだけ注意。
新要素ダイマックスとの相性は最悪であり、ダイマックス中でもHPが半分以下になればダイマックスを解除して勝手に撤退する。
なのでダイマックスエースには不向きであり、基本的には従来と同じような立ち回りになるだろう。
今作では新たに「いやなおと」を覚えることが出来るようになったので、戦略的撤退の利用幅が広がった。
また、しれっと「ダイビング」も習得。鈍足故に活かすのはかなり難しいが、上手に組み込めば、相手の計算を狂わせるのに一役買うことが出来るかもしれない。
今作はむしポケモンはかなり風下に立たされているため、戦略もなにもなく火力で圧倒されてしまうことも珍しくない。手持ちに入れるのであれば前作以上に戦略を練り、唯一無二な持ち味を生かしていきたい。



■アニメでのグソクムシャ


アニメ115話にて原作と同じくグズマの手持ちとして初登場。
実力は非常に高く、サトシピカチュウスイレンアシレーヌを終始圧倒するレベル。

瞬間移動と見間違うような速さの「であいがしら」
スイレンのアシレーヌの「うたかたのアリア」を後の先で潰せる「じごくづき」
抜刀術のように使えるだけでなく、Zワザですら一刀両断できる大剣になる「アクアブレイク」
近接迎撃択およびデバフ効果付きの「どくづき」
遠距離攻撃用の「ミサイルばり」など技の構成はバランスがよく、全体的に隙がない。

防御力も桁外れに高く、腕の装甲はピカチュウの「10まんボルト」や「超絶螺旋連撃」ですら受け流す。
グズマによる的確かつ冷静な指示と、グソクムシャの辛抱強さの相性は抜群であり、容赦なく相手の行動を封じていく様は観客も絶句するほど恐ろしい。

一方でただの冷酷な戦闘マシンかというとそうではなく、グズマの容赦無い指示に一瞬躊躇したり、「こごえるかぜ」によって足を凍らされた状況で「わだつみのシンフォニア」を放たれた際にテンパったりと意外とかわいらしい一面もある。


追記・修正は初手であいがしらを打たれてからお願いします。

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最終更新:2024年04月13日 17:23

*1 ちなみにコソクムシのにげごしも第7世代現在専用特性。つまり同一内容の特性をフレーバーに合わせてわざわざ設定しなおしているわけである