鑑定士と顔のない依頼人(映画)

登録日:2016/12/02 Fri 08:00:00
更新日:2023/11/15 Wed 00:20:08
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いかなる偽物の中にも、必ず本物が隠れてる


『鑑定士と顔のない依頼人』は、2013年のイタリアの恋愛ミステリー映画。
監督・脚本はジュゼッペ・トルナーレ
原題は「La migliore offerta」



人嫌いの美術品鑑定士と、引きこもりの女性の二人が織りなすミステリー&ラブストーリー。
数多く登場する美術品の半分以上は本物を使用しており、重厚な音楽と相まって贅沢な映画体験を楽しめる。

恋愛映画ではあるが、女性だけでなく恋に臆病な男性諸君こそが最も楽しめる作品でもある。
一人でいることに寂しさを感じるWiki篭りにこそ是非おすすめしたい秀作

もちろん女性にもオススメだし、もし恋人がいるなら共に見ることで互いの絆をより深めるきっかけになるだろう。
若干セクシーなシーンもあるので、家族で見るにはやや気まずいか。



あらすじ

大物美術鑑定士ヴァージル・オールドマンは、
ある日、決して姿を見せない依頼人クレアから、家財の鑑定を依頼される。
約束してもそこに現れず電話越しだけで話すクレアに、ヴァージルは不審に思いながらもだんだん惹かれていく
そしてクレアも、自分に対して興味を持ちアプローチをかけてくるヴァージルを想うようになっていく

似た者同士による数奇で不器用な恋愛が始まった



主要人物

  • ヴァージル・オールドマン
物語の主人公。ベテランの美術品鑑定士。
生来の人嫌いに加えて女性が苦手で、この歳まで一人で美術品(大量の女性の肖像画)に囲まれて暮らしていた。
彼のATフィールドはかなりのもので、手袋がないと物や人を触れないほど。
友人のビリーと組んで、自身が開催するオークションで気に入った女性画を安く落札する不正行為を行っている。
どことなく寂しさを感じつつ仕事を順風満帆にこなしていたある日、クレア・イベットソンなる人物から鑑定の依頼を受ける。
出向いた先の屋敷で待っていたのは・・・
ちなみに名前を直訳すると童貞老人。ひでぇ

  • クレア・イベットソン
本作のヒロインで、イベットソン家の一人娘。27歳
両親の死によって屋敷の維持が困難になり、ヴァージルに鑑定と売却を依頼する電話をかけた。
とあることがきっかけで広場恐怖症を発症。外界に恐怖を感じるようになり12年間屋敷の中に篭っている。
彼女の屋敷には何故か至る所に自動人形の部品が落ちており・・・
母親の絵が屋敷に飾ってあるが彼女同様かなりの美人。

  • ビリー・ホイッスラー
ヴァージルと旧知の老人。彼と協力して美術品を安く手に入れている。
元々は絵描きだったが、才能が無いので諦めた。
友達思いの気のいい人物で、親身になって相談に乗ってくれる
昔ヴァージルに絵の才能が無いと言われたのを未だに根に持ってたりする

  • ロバート
腕のいい機械職人。彼が屋敷で拾ったオートマタ部品の復元作業を行う
ヴァージルとクレアの仲を進展させるために様々なアドバイスをくれる好人物。
女性関係はややだらしないながらも、美術品復元への情熱は本物。
エレベーターなんかも作れる。

  • バーの女性
クレアの屋敷の向かい側にあるバーに入り浸る小人症の女性。
完全記憶能力を持っており、一度見たものは決して忘れない。
ネタバレになるので伏せるが、彼女の存在が終盤で奇跡を起こす。
案外面食い。




親愛と感謝をこめて
追記修正は大切な人と一緒にお願いします。


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「項目内容は美術品と同じで偽装できるんだ」

「真実と見分けがつかないくらいに巧みな嘘を書く」

「不穏なタグはつけなかったり、まるで感動作のように紹介したり、正しいネタバレを書かなかったり、コメント欄を捏造したりな」







「いかなる偽物の中にも、必ず本物が隠れてる」










「見 抜 け な か っ た ね」



「あなたは既に過去の遺物」

あらすじ(後半)

様々な出来事の末、ついにオールドマンはクレアにプロポーズをしクレアもそれを受け止め「何があってもあなたを愛する」と誓う。
プロポーズが成立し、長年続いた仕事も勇退し帰宅したオールドマン。
ビリーから受け取った絵画を飾ろうとコレクションルームに訪れるが、そこはもぬけの殻…これまでため込んだ絵画は消失していた。

そしてビリーやロバートのもとへ訪れるものの、彼等の家ももぬけの殻…。
そう、オールドマンは結婚詐欺にあってしまったのである。
長年連れ添った相棒も、齢の離れた親友も、愛した人も全ては偽物…。
それを突き付けられたオールドマンは傷心のあまり、一時期は精神病院に入院する事になる。

回復後、オールドマンは警察署を前に通報するかを悩むが結局は踵を返す。
そしてかつてクレアを名乗った女性が話してくれた思い出の喫茶店を訪れる。
彼は店員に「連れを待ってる」と告げ、来るかどうかも分からない愛する人を待つのであった…。


  • クレア・イベットソン
イベットソン家の屋敷を管理する小人症の女性。
普段は屋敷の向かいのバーに入り浸り、完全記憶能力を披露して客達を喜ばせている。
映画関係者の撮影などの用途で屋敷を有料でレンタルしている。

つまり、彼女こそが本物のクレア・イベットソンであり、作中でクレアを名乗っていた引き篭もりの女性は真っ赤な偽物。
ヴァージルを破滅させる詐欺グループの一味である。
実は、上記の主要登場人物はヴァージルと本物のクレアを除けば全員詐欺の一団だった。
かつて絵の才能を貶された主犯格のビリーによる、ヴァージルを信用させて全てを奪い尽くすための壮大で回りくどい報復劇だったのだ。

  • ビリー・ホイッスラー
オールドマンが退職する日、別れ際に「もう会えなくなると思うと淋しい」とさり気なくボロを出している。
仕事を辞めるだけならば、いつでも会えるのだから普通はこの発言は出てこない。
もっとも、オールドマンはそれに気付けなかったようだが…
最後に送った絵画の裏には「親愛と感謝を込めて」というオールドマンにたいするイヤミメッセージを残す。贋作士は己のマークを残したがるという言葉通りに、彼との長年の付き合いも贋作だった事を示している。

  • ロバート
ガラガラになったロバートのコレクションルームにメッセージ付きのオートマタを残す。
贋作士は己のマークを残したがるという言葉通りに、彼との友情も(ry

  • 詐欺師の女性
クレアを名乗りオールドマンを夢中にさせた結婚詐欺の一人なのだが…。
電話先の相手に「本来の予定よりハッピーエンドにしたい」などと意味深な発言を残す、贋作士は作品に己のマークを残したがるという言葉に対して彼女だけは得に何も残さずに姿を消す。
いかなる偽物の中にも本物が隠れている。

  • ヴァージル・オールドマン
ラストシーンは冒頭シーンとの対比になっている。
冒頭の彼は他人との距離が離れた高級レストランにて専用の食器を持ち込み手袋をつけたまま食事をとるなど極度の潔癖症だったが、ラストシーンではガヤガヤとにぎわうカジュアル喫茶店にて素手で注文をとっている。少なくとも極度の人嫌いや潔癖症は改善された事を示している。
肖像画に夢中になっていた頃と比べれば対人との距離は大分縮まっているのだ。
もし仮にクレアを名乗った女性がラストシーンの後で現れなくとも、もしかしたら傷心を癒してくれる「本物」に出会えるかもしれない。


追記修正は手袋なんてせずに、にぎやかな喫茶店でどうぞ。



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最終更新:2023年11月15日 00:20