アシレーヌ

登録日:2016/11/30 (水) 17:40:34
更新日:2023/07/26 Wed 17:58:11
所要時間:約 6 分で読めます




アシレーヌにとって戦いはステージ。華麗に歌って舞い踊り獲物を仕留める。

アシレーヌとは『ポケットモンスター サン・ムーン』に登場する御三家ポケモンの1体。


■もくじ

■データ


アシレーヌ

アローラ図鑑No.009/メレメレ図鑑No.009/全国図鑑No.730
分類:ソリストポケモン
英語名:Primarina
高さ:1.8m
重さ:44.0kg
タマゴグループ:水中1/陸上
性別比率:♂87.5♀12.5

タイプ:みずフェアリー
特性げきりゅう(HPが1/3以下の時、みずタイプの技の威力が1.5倍になる)
隠れ特性:うるおいボイス(音技を使用する時、みずタイプ扱いになる)

HP:80
攻撃:74
防御:74
特攻:126
特防:116
素早さ:60
合計:530

努力値:特攻+3

進化:アシマリ⇒オシャマリ(Lv.17)⇒アシレーヌ(Lv.34)

オシャマリ

アローラ図鑑No.008/メレメレ図鑑No.008/全国図鑑No.729
分類:アイドルポケモン
英語名:Brionne
高さ:0.6m
重さ:17.5kg

タイプ:みず

アシマリ

アローラ図鑑No.007/メレメレ図鑑No.007/全国図鑑No.728
分類:あしかポケモン
英語名:Popplio
高さ:0.4m
重さ:7.5kg

タイプ:みず


■概要


『サン・ムーン』のみずタイプ御三家である、アシマリの最終進化形態。
アシカと人魚を足して2で割ったような姿をしており、水色の長い髪を泡の髪留めでまとめ、ヒトデのような髪飾りをつけた可憐なルックス。
その風貌から、『Go!プリンセスプリキュア』のキュアマーメイドに似ているともっぱらの評判。アニポケの中の人はこっちのプリキュアだが
同じ鰭脚類モチーフの御三家であり、鎧武者という男らしいデザインとなったダイケンキとは対照的なデザインであると言える。

名前の由来はアシカ+シレーヌ(セイレーン)であろう。
その他にも鰭脚類つながりで、ケルトの民間伝承に登場するアザラシの妖精、セルキーのイメージもあると思われる。
(セルキー伝説については『フィオナの海』『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』などの作品が詳しい)
英語名もPrimarinaであり、やはり日本語とほぼ同じニュアンスで海の歌姫のイメージから名付けられている。

モチーフ通り歌を得意としており、「歌姫」「大海原のシンガー」の異名を持つ。
水のバルーンを歌声で操る力を持ち、月明かりを反射してきらめくバルーンは、幻想的なステージのように美しいと評される。
また、その歌やバルーンの動きは様々なバリエーションがあり、群れごとに異なるという。
その戦法は割れないバルーンを使ってジャンプして相手を翻弄し、破裂するバルーンで連鎖爆発を起こして攻撃するというトリッキーなもの。
ゆえに、喉の調子を悪くすることは死活問題であり、乾燥地帯や連戦での酷使は禁物とされるデリケートな一面も。
サーナイトニンフィアなどの「ハイパーボイス」使いが見たら何を思うであろうか……

色違いは金髪に胴体の色が濃くなる。さらにフリルの色が薄いピンクに。
これもまた美しい。

ポケリフレでの喜びポイントは頭部のフリル。嫌がりポイントは手。
パルレ開始時の左手を添えて微笑みながらお辞儀する姿がかわいらしい。

このようにプレイヤーをメロメロにしているアシレーヌだが、同期のジュナイパーがヒスイ地方でリージョンフォームを獲得し、最強テラレイドバトルで大々的にピックアップされながらパルデア地方に先行登場した上に、ガオガエン大乱闘に進出したりしている中、登場作品が少ないアシレーヌのみ取り残されている感が否めないのが残念なところ。今後、何らかの形でピックアップされることに期待しよう。


■ゲームでのアシレーヌ


御三家なので、ゲーム開始時から使用できる。

専用技はみずタイプの一致技「うたかたのアリア」。ガオガエンの「DDラリアット」と共に、明らかに異彩を放っている技名である。
うたかたとは泡のことであり、実際の技エフェクトでも弾ける水泡が美しい音を奏でている。
更に専用の攻撃モーションがあり、使用時には後ろ足で立ち上がり、髪がほどける。
威力90・命中100の全体攻撃技で一見「なみのり」と同じような性能だが、こちらの方がPPが少ない上相手のやけどを治してしまうという奇妙なデメリットを持つ。
そのため、前情報の段階で「きつけ」や「めざましビンタ」と同じように、状態異常を回復する代わりに威力2倍という効果ではないかと予想した人も多いと思われる。
が、この技は威力倍加の効果こそないものの音技に当たるため、みがわり」を無視できるというメリットがある。
アシレーヌZ」を持たせると、威力195の単体技「わだつみのシンフォニア」に変化。
使用時は元技と同様に髪がほどけるだけでなく、発動直前に咳払いをしたり、決めた後にはおじぎをするという、かなり凝った仕草を見せてくれる。かわいい。
音技ではなくなるがみず技であるため、「げきりゅう」発動時の威力補正対象技でもある。
元の威力がジュナイパー、ガオガエンの専用技に勝っていることを考えると、やたら破格の性能である。

みずタイプの御三家はどの世代においてもシナリオ攻略で安定した使いやすさを持つが、アシマリも例外でない。
最終進化でフェアリーがつくことで、一致技を両方半減する相手は少ない上、弱点3・耐性7という攻守共に優秀なタイプとなるのだ。
ただ、自力技の習得は「バブルこうせん」がオシャマリでLv24、「ムーンフォース」がアシレーヌでLv44と遅めで、レベル技に頼ってばかりだと火力不足になりがち。
とはいえ「ねっとう」のわざマシンをせせらぎの丘で拾え、かくとうどく対策の「サイコキネシス」をエーテルパラダイスで貰えるためさほど気にならない。
但しUSMでは「ねっとう」の入手が大幅に遅くなったせいで中盤の一致火力に大いに悩まされる事に……。

そんなアシマリのシナリオでの最難関、それは最初のイベントで貰う時だろう。
御三家ポケモンの性別比率はオス:87.5% / メス:12.5%なのだが、アシレーヌは見ての通り非常に女性的なルックス。
前作、前々作の御三家であるマフォクシージャローダよりも更に女性的である。
そのため、メスが欲しい人は何度もリセマラすることになりかねないのだが、困ったことに『サン・ムーン』ではこのイベント前後の拘束時間が非常に長い
性別はもちろん、性格まで厳選したい人はかなりの覚悟が必要である。
(それらを気にしなければ実際の最難関は一致弱点を突いてくるマオマーマネの試練あたりか)
USMでは多少短くなった。

ちなみに最初に選んだポケモンがモクローだった場合、ハウがアシレーヌを使うことになるのだが、タッグを組む時かなり危険なことになる。
というのも、みずZワザを使う時、こちらのポケモンを攻撃対象にしてくることがあるのである。
おそらく元技の「うたかたのアリア」が味方を標的にして処理しているために、このような事態が起きると思われる。

USMではレベルアップで「こごえるかぜ」を習得するようになった。
こおりタイプは苦手なくさタイプに抜群と相性補完は良く、追加効果の素早さ確定ダウンもぬしポケモンの弱体化させたりと何かと役立つ。
通りが良いかは別として
一方で教え技は有用な技が乏しい。

また同期2匹と同様、ポケモンバンクで隠れ特性持ちが配布された。

■対戦でのアシレーヌ


メガシンカを除けば歴代御三家トップの特攻を誇る特殊アタッカー。
さらにみずタイプ全体で見ても、伝説メガシンカを除けば「むれたすがた」のヨワシに次ぐレベル。
それ以外のステータスは特防が高く一致抜群でもかなり耐えたりするが、物理耐久や素早さはやや低め。
早い話、同じ御三家のエンペルトの物理系ステータスを削って特殊方面に回した配分。
同タイプのマリルリは物理アタッカー、カプ・レヒレは高耐久と、上手いこと住み分けている。

一致技の範囲が広いため、「こだわりメガネ」との相性がいい。
C特化「ハイドロポンプ」でH252D4のクレセリアやシールドフォルムギルガルドしんかのきせきポリゴン2さえ確2に持ち込める。
ほぼこだわり系やチョッキ型専用になるがサブにも恵まれ、「れいとうビーム」や「サイコキネシス」、「シャドーボール」、「エナジーボール」と一通り揃っている。

変化技も「アンコール」「ほろびのうた」「あまえる」「つぶらなひとみ」などなかなか良質。
鈍足なのも「アクアジェット」である程度カバー可能。これのおかげで、タスキガブリアスマンムーにもタイマンで勝てる。

とはいえやはり素の物理耐久には不安があるため、半減でも上から押し切られかねない。
役割を持ちたい相手の多くが物理型なのを考えると、耐久調整をしておくと使いやすいかもしれない。
実際、物理耐久に厚めに振って「オボンのみ」を持たせ、役割を遂行しやすくした型も存在する。
また、素早さ種族値も同じラインにギルガルドやポリゴン2など、さらにその一つ上にはバンギラステッカグヤと何気に激戦区だったりするので調整必須。
S20振りで4振りバンギやカグヤを抜け、28以上振っておけば同じ程度のSラインの相手をだいたい抜けるくらいになる。
このように、アシレーヌは細かい調整が非常に熱いポケモンでもあるのだ。

最大の特徴は、「うたかたのアリア」がみずタイプの音技であること。
今までの音技はノーマルむし、スキン補正でもこおりひこう、フェアリーと悉くはがねに半減される致命的な問題を抱えていた。*1
(新登場した音技は他にもジャラランガ専用技の「スケイルノイズ」があるが、ドラゴンタイプであるため、やはりはがねに半減される)
この技の登場により、ヒードランクレッフィといったはがねの害悪戦法使いにまともなダメージを入れられるようになったのだ。ナットレイ?知らんな

他にも、ポイズンヒールとみがまもによるループ戦法で有名なグライオンにも抜群を入れられる。
「アンコール」で変化技を縛れたり、「ほろびのうた」で居座る相手を流せることもあり、アシレーヌは害悪キラーとしての素質を高く備えていることになる
また、味方に「ちょすい」や「よびみず」以外にも「ぼうおん」持ちを据えることで巻き込まなくなるので、「なみのり」よりダブル適正があると言える。

ちなみにZワザ化した「わだつみのシンフォニア」はC特化かつ特性込みだと、前述のギルガルドを確1、ポリゴン2を高乱数1発(75%)で倒す恐るべき火力を発揮する。
特性を発動させやすい絶妙な耐久からの「わだつみのシンフォニア」はシンプルながら非常に強力であり、PGLの持ち物ランキングでも「アシレーヌZ」が一位。*2

ダブルでは、御三家最高の特攻とその遅さから誓いパのアタッカー役として最有力。
「くさのちかい」と「みずのちかい」を合わせると攻撃は「くさのちかい」として扱われるものの、どのポケモンが攻撃役になろうとタイプ一致として扱われるため、
C特化メガネグラスフィールド込みで、天敵のカプ・ブルルさえ耐久に振ってなければ余裕で落とせてしまう
さらに湿原状態が発動することにより4ターンの間相手の素早さが1/4になるため、鈍足さもカバーできて一石二鳥である。
相方としては、素早さの高いジュカインジャローダとよく組まされる。
前者はメガシンカ型だと「ひらいしん」ででんきを代わりに受けることができ、後者だと壁張りや蛇睨みのサポートができる。

隠れ特性「うるおいボイス」は自身の使う音技を全てみずタイプにするというもので、「ハイパーボイス」や「りんしょう」等を一致みず技として使える唯一の存在となる。
「うるおいボイス」で相手のやけどが治るデメリットを避けたい場合に「ハイパーボイス」で代用できるようになるが、そのためだけに「げきりゅう」を捨てるかは微妙。
むしろ「ハイパーボイス」はダブルでは相手全体への攻撃となる点が魅力だが、「ちょすい」「よびみず」「かんそうはだ」持ちには注意。
一方「りんしょう」は単体攻撃なので余計な相手を巻き込む心配がなく、技の仕様上「みずのちかい」と同じく鈍足高火力な種族値を活かすこともできる。
また、「ほろびのうた」もみずタイプに変換されるため、隣に「よびみず」持ちを据える事でデメリットを無視しつつ強化できるので、滅びパの新たな戦略の開拓が期待されている。
これらの理由から、この特性は実質ダブル専用と言えるだろう。

ただ、環境トップメタのカプ・コケコに圧倒的不利なことを考えると、相性補完にはでんき無効のポケモンが欲しい所。
ガブリアスやマンムー、「ひらいしん」のアローラガラガラなどを据えればでんきの一貫性を切ることができる。
他の補完要員には攻撃面ではメガボーマンダ、苦手タイプを幅広くカバーできるジバコイルナットレイあたりが優れている。
そんな中、最近は「特性と専用Z技のシナジーを警戒して上から一致技で叩く」セオリーを逆手に取ったCS振りタスキ型というのも現れた。
これにより、中速ポケモンにも先手が狙える上、本来苦手なでんきなどへの居座りが可能になり、特性込みアリア+アクアジェットで返り討ちにできるのだ。
さらに性格もあえて「おっとり」にすることで、特性を発動させやすくなる。

なお、発端がアシレーヌの技であるためここに記載するが、YouTubeでは専用技の演出が著作物として見做しており、アップロードされた動画に含まれている場合、著作権侵害として認識され、動画がブロックされて再生できなくなる。
無許可配信であり著作権的に真っ黒だから、という理由ではなく、演出の長さから、公式動画と比較したときに一致する部分が多くなり、自動判定に引っかかるというだけである。
すなわち、公式動画で紹介されている他の専用技の演出も同時にこの判定にひっかかってしまう。
ゲーム配信は法的にグレーであるが、権利者が削除を要請することは稀であり、この動画ブロックも意図して行われているものではない。

剣盾では、ポケモンHOMEのリリースと同時に他のアローラ御三家と共にガラル地方に連れていけるようになった。
ランクバトルではシリーズ3から使用可能に。
仕様変更により、最大の強みだった専用Zワザは今作では使えないが、強力な積み技「めいそう」を新たに習得できるようになった。
冠の雪原でカプ・レヒレが登場するまでの間ベスト30に常駐した実力の持ち主。シリーズ6の上位禁止環境では使用率2位を記録したシーズンもあるほど。やはり、みず/フェアリーという複合タイプは侮れない。
カプ・レヒレが解禁されてからも、非力なあちらと異なり特攻の種族値に優れるため独特の需要を保ち続けている。


■アニメでのアシレーヌ族


アシマリ

スイレンの手持ちとしてサン&ムーン1話から登場している。
CV:愛河里花子
鼻からバルーンを出すのが得意。
後に試練を経てZワザ「スーパーアクアトルネード」を使えるようになった。

オシャマリ

40話で登場した海の民の一人イア(CV.釘宮理恵)の手持ちとして初登場(CV:西村ちなみ)。
ただし、106話での再登場時にはアシレーヌに進化した状態で登場している。
また、スイレンのアシマリも106話でオシャマリ(CV:清水理沙)に進化している。
ちなみに、進化当初スイレンはそのままアシマリと呼んでおり、次話からオシャマリと呼ぶようになった。

アシレーヌ

前述の通り海の民のゲストキャラクター、イアが106話での再登場時に手持ちとして所持。
また、スイレンのオシャマリも120話で進化している(CV:清水理沙)。&123話でZワザ「わだつみのシンフォニア」を成功させたのでいつの間にか「うたかたのアリア」を習得した。130話でアローラリーグ本戦1回戦ではマオとの親友対決となり、アマージョの対策としてこごえるかぜを覚えた。
ただし、実は63話のモブこそが初登場。


追記・修正は、喉のメンテナンスを欠かさないようにしてからお願いします。

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最終更新:2023年07月26日 17:58

*1 例外はあくタイプのバークアウトだが、あちらは実質補助技と言うべき性能である

*2 実際の威力はZワザ化した「ハイドロカノン」に僅差で負けているが、元技の汎用性は言うまでもなく段違いである