発令!艦隊作戦第三法(艦隊これくしょん)

登録日:2016/11/29 (火) 18:35:33
更新日:2024/02/02 Fri 13:14:24
所要時間:約 56 分で読めます




波濤の先にたどりついた渚にて

幻想を追い求め

あの光を超えて―







艦隊これくしょん -艦これ-の2016年秋に開催されていたイベント。
事前に難易度「乙」「甲」の提督は準備を!という通達があったこともあり、歴戦の提督たちは準備に追われることとなった。
イベント規模は夏に続いて中規模イベントである。
資源を多少なりとも使う秋刀魚祭りが直前にあったこともあり、字面通りなら妥当と言ったところだろう。


イベント期間は11/18の21:30のメンテ空けと同時に開始。*1
前回が少々の延長のみでスムーズに始まったこともあり、メンテナンス期間に関しては楽観視する提督が多かったのだが…
データサーバ上でデータの錯誤が発生したらしく、やはり延長が入った。
延長は1時間半→30分強と推移していき、正確な開始時間は11/18の23:45からとなる。
超長時間延長の末にバグまみれだったイベントに比べればバグは敵ボイスが再生されないこと数か所のテキストミス程度で収まった。
また、いつものごとく開始と同時にDMMゲームスのサーバーが大量接続による過負荷で落ちている。
おのれ艦これ!またDMMのサーバが破壊されてしまった! よそのDMMゲームからも自然災害的に認識されているようである。すまない、本当にすまない


期間は中規模イベントらしく2週間強(12/7まで)となっている。
期間もごく普通の中規模イベント並の規模だったが、途中で海外からの攻撃があったためか、12/9までの3週間に延長した。


今回の新要素は、イベント開催の約1月前に実装された6-5にもあった敵の連合艦隊が出現。*2
通常海域で先行実装されてるのでまったくの新規要素とも言えないが、通常海域最深部のため、こちらで初めて相対した提督も多い。
また、6-5では通常艦隊だったが、今回のイベントではこちらの連合艦隊VS敵連合艦隊での初の戦いとなる。

連合艦隊・海域ごとの出撃制限札・甲乙丙の難易度選択が用意されているのはいつも通り。


イベントのモチーフは、浦波の新規実装・鬼怒の改二実装によって
レイテ沖海戦と予想していた提督も多かったのだが…*3
まさかのドゥーリットル空襲であった。
「艦隊作戦第三法」とは、東京空襲を受けた日本がただちに発令した敵爆撃機隊の撃墜命令のことである。
主力艦隊が珊瑚海海戦のために出払っていたことと敵爆撃機隊がかなりの高度を飛んでいたことが合わさり、撃墜はかなわなかった。
艦これ世界ではすでにAL/MI作戦は完遂され、同時に行われた本土攻撃(恐らくドゥーリットル空襲モチーフ)を防いだのに何故また攻撃されたのかは謎。
そして、後段作戦まで行った提督は本イベントにドゥーリットル空襲に隠されたもう一つのモチーフが存在する事に気付く事になる…
イベントバナーに何故かいる約2名の艦娘や最終海域突破報酬艦で予想は可能だったりするが。


なお、イベント開始から1週間後に劇場版の公開が控えていたため、かつてのアニメ版コラボイベント同様に劇場版の楽曲が使われるのでは?と予想する声もあったが、
特にそんなことはなかった。まぁ、劇場版主題歌の『帰還』は戦闘向きの曲ではないので仕方ないっちゃ仕方ない。
…が、ある意味『帰還』の歌詞に相通じるイベント内容ではあった


また、完全にギャグイベントであった前回と異なり、今回はゆるい雰囲気は一切存在しない。
特に最終マップの衝撃はおそらく過去最大級だろう。



連合艦隊(敵)

ついに実装されてしまった敵の連合艦隊。
12隻vs12隻の大海戦が実現することとなった。また戦闘時間が伸びる…

基本的にはこちらの連合艦隊と同じ仕様であり、連合艦隊専用の特殊陣形を組んでいる点も同一。
命中率の低下効果についても同様。スナイパーに定評のあった空母棲姫ですらだいぶん攻撃を外すあたり、かなり強烈な補正がかかっている。
ほとんどの場合、輪形陣相当の第三警戒航行序列なのと、昼戦中に敵本隊が2巡しかしないので、火力面では一応低くなりがち。

夜戦突入においてのみ若干仕様が異なり、敵の随伴艦隊を4隻以上撃破しなければ夜戦が行えない。
随伴艦が無事な状態で本隊に突撃しても後ろから夜戦カットインをぶち込まれるだけだろうしね
昼戦終了時に残存していた随伴艦隊は、夜戦突入時に退避してしまい、撃沈することができなくなる。
そのためS勝利狙いならば、昼戦中に随伴艦隊を全滅させなければならない。
さらに敵艦の数が倍になっていることと、第一艦隊砲撃2巡目・第二艦隊雷撃が、どちらの艦隊に向くかランダムなので、
撃ち漏らしが発生しやすく、S勝利率は従来よりかなり落ちる。
ちなみに、従来の連合艦隊対通常艦隊での、夜戦突入した際に第一艦隊MVPが旗艦固定になる仕様は修正され、昼戦中のダメージ量で普通に計算される。

また、第二艦隊搭載の艦載機も航空戦に参加するという要素もひっそり加わっている。
そのため、第二艦隊に軽空母を入れて更に制空を稼ぐという選択肢もないことはないものになった。
もちろん夜戦要員がいなくなるので、リスクの方が正直大きいのだが、後にこの仕様が大幅に改善されると軽空母も猛威を振るうことになる。
しかし、この仕様により航巡の少ないスロットに搭載の瑞雲などの水上爆撃機やたった9機で大和すら撃ち抜く絶技・速吸流星拳は実質死亡宣告を喰らったようなものである。ツ級「お!ノロマやんけ!叩き落としたろ!」
とねちくはせっかく夜戦火力において最強になれるようにこのイベントでなったのに、その強みを100%活かせる戦いがやりにくくなってしまった。
一方で、第二艦隊でも水上戦闘機による制空補助が可能となる。

攻撃順について


初出の6-5においてはなんと通常艦隊で相手することになったが、
  • 随伴艦隊が重巡1隻、軽巡1隻、駆逐4隻という輸送護衛部隊か何かかと思うくらいに貧弱さ
  • 本隊も空母棲姫以外はフラグシップ止まりで特筆すべき耐久力もない
  • 基地航空隊が弱点に設定されており、接敵前に大打撃が狙える
  • 陣形が輪形陣相当の第三警戒航行序列であり、連合の命中下降補正と合わさって空母棲姫ですら命中率はそこまででもない
という状態であったため、見た目ほどの絶望感はなかった。しかし今回は…


余談ではあるが、敵の連合艦隊は全国のゲームセンターにて絶賛稼働中の艦これアーケードにも登場している。
本家における2013春イベント、敵泊地強襲作戦のラスボスである泊地棲鬼・泊地棲姫の編成が連合艦隊であった。
敵本隊の陣容こそ当時の編成(鬼・姫以外はすべて浮遊要塞)であるものの、随伴艦隊にはしっかりと戦艦が入っている容赦ない仕様。
アーケードにおける敵連合艦隊との戦闘は敵本隊と随伴艦隊に挟撃される仕様も相まって、かなり歯ごたえのある戦闘が展開される。
ちなみにアーケードでは艦娘側は連合艦隊を組む事は多分ないと思われる。組むだけでGP削られそうだし
本作戦から4年後、反撃!第二次SN作戦(艦これアーケード)でついに連合艦隊システムが実装された。詳細は該当項目に譲るが、最大24名が同じ画面で撃ちあう姿は壮大である。
…編成画面のGP消費や戦闘時間はどうなったかって?知らん、そんな事は俺の管轄外だ


新規実装艦娘


今回実装された艦娘は以下の4隻。

  • 改白露型駆逐艦 山風
  • Commandant Teste級水上機母艦 Commandant Teste(コマンダン テスト)
  • 神風型駆逐艦 朝風
  • Lexington級正規空母 Saratoga(サラトガ)

Commandant Teste、Saratogaの2隻は海域突破報酬としての入手。山風と朝風はドロップ限定となる。
海外の正規空母はドロップ限定…というジンクスがついに破られた。
提督たちが歓喜したのは言うまでもない。

また、Saratogaは1月ほど前に開催された鎮守府秋の秋刀魚祭りにて、「海外の大型正規空母が参戦」という形で
実装が事前告知されていた。
多くの提督が様々に予想したが、「Iowaと同じ国」「煙突が特徴的」ということでLexington級の二隻に絞られ、
最終的に運営からSaratogaの告知が出て確定した。
イベント名がおかしいって?気にするな!

一方、Commandant Testeはイベント直前の三越コラボで一足早くお披露目されていた。


今回の報酬は非常に海外製艦載機が多いのが特徴。
初の海外水上爆撃機であり、初の雷装と爆装を併せ持つ機体でもあるLate 298B。
アメリカ海軍の序盤を支えたTBD デヴァステイター、SBD ドーントレス、F4F-3/F4F-4 ワイルドキャット。
機数にしてなんと5機である。特にアメリカ機はどれもこれも日本空母たちにとって因縁深い機体となる。
もっとも、アメリカ機はSaratogaを入手すればその初期装備で入手可能、そもそも基本性能自体が低すぎたり、*4
Late 298Bは性能に一定評価を得ているが、やはりCommandant Testeが持ってくる。
装備入手のために無理して甲攻略するのは必須でもない。

また、いくつかの既存装備も報酬となっている。
三式戦 飛燕一型丁、雷電、試製甲板カタパルト
…必要数の足りているはずのカタパルトが配られた理由はあまり考えないほうがよさそうである。
強いて言えば、本イベント終了直後に五航戦改二甲専用艦載機である噴式戦闘爆撃機が遂に実装されたのでその関連…なんだろうか。



出撃制限

  • 輸送部隊:E-1
  • 迎撃部隊:E-2・E-3
  • 増派部隊:E-4
  • 決戦艦隊:E-5甲作戦

今回の呪いのお札の枚数は4枚
誤表記ではない。5マップで4枚であり、縛られっぷりは過去最高峰。
さらに今回は甲作戦に限り最終マップにお札が存在する。つまり甲種勲章を目指すなら恒例の札を無視した総力戦を行うことができない。
一方乙以下ならば、E-5では札自体がつかないため、従来イベントと変わりないが。

その上E-4は輸送作戦後に戦力ゲージが追加される2段ゲージ式。ただでさえキツキツの戦力状況から輸送艦を絞り出す必要がある。
トドメに、E-5はスタート地点が変更されるギミックの解除がほぼ必須であり、実質的に7マップあると言っても過言ではない。中規模とは*5
イベント初日は後半マップが解放されていなかったことも合わさり、多くの提督が様子見を選択することとなった。
イベント期間がそんなに長くないこともあり、結構心理的な圧力にもなった。

なお、今回の「ギミック」は、一度解除すれば日が変わってもそのままではあるが、
丙・乙作戦で解いたギミックは、甲作戦に難易度変更するとリセットされてしまう。
ギミック解除だけ低難易度でやり、お札を節約するといったことは不可能。
丙・乙作戦間での難易度変更および、甲作戦から丙・乙作戦への難易度変更の際はギミック解除は発生しないので、その点は安心しよう。



BGM


新規BGM

  • 警戒線:E-1~E-3マップ画面
  • 機動部隊を追え!:E-1~E-4道中
  • 泡沫のシャングリア:E-1~E-4ボス、E-5道中
  • 水底の世界:E-4・E-5マップ画面
  • 渚を越えて:E-5ボス

既存BGM

  • 迎撃隊、発進!:基地空襲時

後半海域のボスBGMは今までの艦これになかったテクノタイプの楽曲となる。
短めだがシズメシズメ、モドレナイノ以来となる歌詞つきのコーラス入り。
舞台が舞台なだけに盛り上がること間違いなしだろう。



海域解説


海域の数はE-5までと、中規模イベントにしては多め。
特に後半海域のE-4甲は、イベント中最難関とも称されるほどの高難易度。
さらに札が独立している最終海域も、舞台が舞台なだけあって一筋縄では突破できない。
多くの提督が、もし実装されるのであればサービス終了間際大規模イベントの〆と予想していたある作戦がモチーフとなる。

なお、事前に作戦名が大本営から発表された際はE-4作戦名を見た提督は「さよなら蒼き日々よ」だの「アニメじゃない」だの「夢にKISS KISS KISS」だの言い合い、
E-5作戦名が「渚を越えて」だったため、波濤を越えたトラウマを思い出して震える提督が続出したりした。
「歌はいいねぇ」とか「渚は二人の夢を混ぜ合わせる」とか言ってる提督もいたにはいたが

また、近時のイベントでは珍しく陸上型ボスが存在していないイベントとなった。
陸上ボスキラーの航巡はE4などで輸送・索敵担当として出番があるものの、三式弾やWG42などの陸上型特効装備は本イベントではお留守番である。

余談ではあるが、このイベントでは輸送ワ級の登場が非常に遅い。
どれくらい遅いかというと、最終海域のE-5でやっと登場。
よって、イベント攻略とろ号作戦の両立は過去のイベントより面倒になっている。



E-1 本土近海諸島補給線 作戦名:海上輸送作戦




E-2 本土沖 作戦名:本土防空戦




E-3 本土沖太平洋上 作戦名:発令!艦隊作戦第三法




ここまでが前段作戦となる。
これ以降は後段作戦であり、前段作戦の実装から1日経ったのちに開放された。


E-4 MS諸島沖 作戦名:シャングリラ捜索追撃 艦隊前進配備




E-5 MS諸島沖B環礁 作戦名:渚を越えて



コレデ…コレデイイノカモシレナイ……

ワタシハコレデ……ホントウニ、ネムリニ……

エッ……コノヒカリ…ワタシモ…そう、なの…?




忘れないで 駆け抜けた風

墜ちる海 爆ぜる空 零れ消えても

いつか 巡り出逢う

繋ぐ君への 帰投



追記修正はシャングリラを見つけてからお願いします。














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最終更新:2024年02月02日 13:14

*1 秋刀魚祭りの際に「秋中旬に開始」と告知されていた。具体的な日時は開催9日前の11/9に告知

*2 ちなみに6-5自体は基地航空隊が整備されていれば4-5より少しきつい程度のマップである。5-5の惨状から戦々恐々としていた提督たちにとっては朗報だった

*3 どちらもレイテ沖海戦の後に行われた多号作戦の参加艦

*4 大戦初期の機体であり、烈風彗星流星やネームド機で固められる現行装備との差を考えれば仕方がない

*5 ちなみに艦これ公式サイド側の立ち位置にいるはずの藤田咲氏も「これが中規模ってなんだよ!」と劇場版舞台挨拶で言ってたとか…

*6 最高峰の水上観測機紫雲や、零式水上観測機を☆3くらいまで改修したものを装備すると観測機のスロット数を減らすことが可能である。

*7 ちなみに水上爆撃機を装備していない場合は攻撃すらしてこない。

*8 この性能ですらかなりのゲタを履かされている

*9 それでも駆逐艦などの類に比べれば遥かに大きいのだが

*10 利根型改ニで熟練艦載機整備員と積むと昼間は火力三桁、夜戦火力最強という化物航巡が完成したりする。…イベントだとなかなか万全の状態で発揮できるマップがないのだが。

*11 日本近海から凄まじいところまで追撃しているが、「シャングリラ」の出典が「失われた地平線」という小説から来たものからか。近くに陸地が無い=地平線が無い

*12 課金上等なタイムアタック組などがそんなに苦戦していなかったのはこの辺が原因であろう。それでもかなりの出血を余儀なくされたが

*13 カタパルトは必要になった場合は任務での供給がありえる。陸攻は航続距離8と10、制空値3と4であり相互互換の関係

*14 ただし、アメリカ戦艦ネバダ・ペンシルベニアなど大型艦艇の中には沈むことなく生き残り、後に別途標的艦として生涯を終えたものも多い。

*15 他の大型艦艇には生き残りも多かったが、長門の場合アメリカに引き渡された時点で戦時中に空襲で受けた損傷が修復されず、ボロボロ状態であった上、わざわざ爆雷まで設置されたとされる。

*16 乙作戦では2回、丙作戦では1回に減少する

*17 確証は取れていないが、何度か3隻編成を撃退していると2隻編成の確率が上がるという報告も上がっている。そうだとするとそこまで無理ゲーというわけでもないだろう

*18 Saratogaで画像検索すれば出てくるが、本当にそのままでもラスボスを務められそうなくらい怖い

*19 恐らくF6F-5?

*20 ただし、道中でまともな戦闘はトリプルヲーマスと機動部隊だと初手の水雷戦隊のみ。低速編成だと航空戦2つと潜水艦1戦、高速編成だと航空戦2つのみなのでそもそも速吸の補給に意味はない。補給がもったいないので考えるまでもないだろう…

*21 WarspiteやCommandant Testeも連合国艦だったが日本海軍と砲火を交えたことがない。ただし、Warspiteはセイロン沖で出撃したら日本海軍と出会わなかったということがあった

*22 そして夕食にビールを出してさらに夜酒にしけこもうとする酒豪である…あれ?これ声帯の妖精さんじゃね?

*23 実装初期から図鑑で触れられていた。彼女曰く「煩い」そうだ。

*24 信頼性の高い通信機による連携戦術

*25 1.ゼロとは格闘戦をしない。2.低速時にゼロと同じ機動をしない。3.低速時に上昇するゼロを追わない