阿修羅(龍が如く)

登録日:2016/11/28 (月) 00:17:40
更新日:2024/02/24 Sat 15:25:18
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阿修羅とは、クロヒョウ2龍が如く新章 阿修羅編 に登場する地下格闘技団体である。


【概要】


2010年頃に純粋な格闘団体として、当初10人程度の小規模なメンバーが発足したこの団体は、僅か2年間のうちに所属構成員100人以上の組織へと膨れ上がった。
そしてそれと同時に、格闘技団体から極めて悪質な所謂半グレの犯罪者集団へと豹変した。

関西を拠点とするこの組織の主な収入源は、格闘技の試合とそれによる賭博。
密かに財界人にも愛好者が居り、ネット中継も人気を博していた2012年頃には、主業の(違法)興業だけでも莫大な収益を上げていた。
しかし、それ以上に阿修羅の組織基盤を支えるのは、先述の通り副業(だった筈)の犯罪行為だった。
暴行や殺人、恐喝、誘拐、人身及び臓器売買の斡旋、各種詐欺、闇金融業者との提携、銃火器の密売等、
CEROの都合で扱えないのだろう白いクスリを除けば、作中で手を染めていない犯罪行為は存在しないと言って良い。
海外のギャング組織のように、確立された周到な手口で次々と手を染めている。
法の網を掻い潜るために方策や撤収の手筈は十分に整えた上で実行しているため、下っ端の実行犯すら長期刑を喰らう危険性を抑えている。
これは、元々犯罪行為に手を染めてノウハウを培った輩をスカウトして取り込んでいるお陰でもあるが、最大の要因はまた別で、預言者として畏怖される男にある。

この躍進の立役者であるその預言者の存在によって構築した関西政財界とのパイプは極めて太く、そのコネこそが阿修羅の成長と暴走を助長させている原因でもある。
まず、本拠地用に郊外のとある超高層ビルの最上階と屋上をまるごと貸し切っている。
更に、この超高層ビルへの移動ルートとして、蒼天堀地下に存在する旧日本軍の地下壕の使用が出来る。
この地下壕は都市伝説レベルのもので一般人は存在すら知らないが、財界人から使用の許可が下りている。

関西には極道組織・近江連合が既に存在するのだが、流石に近江連合といざ抗争になれば阿修羅にはまず勝ち目が無いため、阿修羅の下っ端構成員などは近江連合の名前を聞いただけで裸足で逃げ出す。
しかし、近江連合の方も、既に警察上層部の一部の人間の援助を受けるまでに成長したこの新参組織の全容を図りかねており、2012年当時は基本的に相互不干渉を決め込んでいた。


【作中での顛末】


2012年、東城会直参の二岡組組長と提携して神室町に進出。

神室町を拠点として、関東で同業者として高い知名度を誇っていたドラゴンヒートに対して、
「神室町の若者達を次々と襲撃して、ドラゴンヒートのファイター候補を虱潰しにしていく」
という手段で宣戦布告した。
ドラゴンヒートで九鬼組が更生させようとしていた行き場のない不良達が相手なら、阿修羅が幾ら襲おうが警察が本気で介入することも無く、神室町は何時もの無法ぶりに更に拍車がかかっていた。

そして、若者達の襲撃行為の中止を条件に、ドラゴンヒートの代表と阿修羅の代表による8本先取の勝ち抜き形式の勝負を持ちかけ、
阿修羅が勝利した暁にはドラゴンヒートの経営者である九鬼組の土地の権利書を譲渡するよう迫り、神室町の不良達を人質にしてこの条件を呑ませた。
この8戦勝負と言うのは、後述の「阿修羅八部衆」を総動員することが前提の人数である。
この時期のドラゴンヒートは大量の人材流出によるどん底から立ち直ろうと新人育成を始めたばかりで、精鋭揃いで有名な八部衆に対抗出来る戦力なぞ全く居ない。
九鬼の無条件降伏か阿修羅側のストレート勝ちは避けられない。
誰もがそう思っていた最中に、右京龍也が参戦したことで状況は一変。
阿修羅八部衆は皆敗北した。


……しかし、このドラゴンヒートを賭けた一連の試合は、二岡組長と彼が裏で手を結んでいた黒幕達が、東城会への目くらましとして用意したパフォーマンスに過ぎなかった。
一連のパフォーマンスの裏に隠した真の狙いは、黒幕の一人である鶴見都知事が目論む計画、神室町一帯を都市型カジノへと刷新する「神室町べガス」建設支援の為の地ならしである。

神室町を実質的に支配しているのは東城会幹部連だが、
「単に長年の因縁があった九鬼と二岡の小競り合いに過ぎず、その過程で二岡が阿修羅を動員しただけ。所詮火遊びの範疇だから、賭け試合でシノギにもなるなら、好きにやらせれば良い。」
と彼等に信じ込ませることで、東城会による介入の動きを鈍らせて、その間に阿修羅の手で神室町の治安を更に悪化させた。
この工作活動によって「極道による揉め事は神室町恒例行事だったが、それ以外の厄介事も増えて、治安悪化がより目立つ」状況を演出して、治安改善の為なら不自由も止む無しと都民が容認する世論を醸成する。
この策でもって、都知事直轄の自警部隊「神室保安隊」の導入という施策を世間を受け入れやすくなるよう仕向けることが目的だった。

また、物語全体を通して、阿修羅の暴走や単なる二岡組のシノギとしての取り立てに見せかけて、神室町内の地上げも遂行。未来の神室町べガスの為に必要な土地を着々と確保していった。
ドラゴンヒートを賭けの対象にしたのは上記の対東城会用の目くらましだけが理由ではなく、「九鬼組事務所のあるドラゴンヒートの真上も、神室町べガスに必須だったから」というのもある。

阿修羅八部衆と繰り広げる激闘を尻目に、鶴見都知事は上記の策を着々と進行させた。
そして遂に、神室町べガス計画の為の前準備である、神室保安隊の導入とお披露目でもある一斉摘発までは予定通りに完了してしまった。
加えて、九鬼組にも警察のガサ入れと見せかけて手駒を送り込み、ドラゴンヒートの土地の権利書を盗み出すことにも成功。
阿修羅首魁と鶴見都知事の思惑通りにコトは運び、試合に勝って勝負に負けた状態に陥った龍也達ドラゴンヒート陣営は実質的に完全敗北を喫した。
このまま黒幕達の計画が順調に進捗し続けるかと思われた。

だが、ここからドラゴンヒート側の逆転攻勢が始まる。

東城会を欺く為に短期決戦を狙った二岡組の無理な地上げへの不満に目を付けた九鬼組組長・九鬼隆昌が奔走して、神室町の一般市民に呼び掛けて、二岡組をはじめ背後に潜む東京都へ訴訟を起こす予想外の事態を起こした。
寝耳に水の二岡は東城会幹部連による制裁を恐れ、鶴見と早々に手を切る翻意を決意。
幹部会での口添えを交換条件に、隆昌と龍也に二岡と鶴見の会合の盗聴記録が流出した。
盗聴記録の流出に勘付いた鶴見は刺客をけしかけて盗聴記録の入ったUSBを所持する隆昌を襲撃するも暗殺は失敗、USBは龍也の手に渡った。
龍也はミレニアムタワー屋上でドラゴンヒートの土地の権利書と盗聴記録の交換を持ちかけたが、両者の間で交渉が決裂。
格闘戦のみならず発砲騒ぎに発展し、鶴見都知事と、この場に居合わせた阿修羅首魁が死亡する事態となった。


この一連の騒動によって、格闘技団体としての求心力が落ちただけでなく、八部衆頭目である秋田を含めた阿修羅の心臓と頭脳を一遍に失ってしまった。
作中で行く末を語られることはなかったが、最早組織としての体を保てずに解散への一途を辿ると思われる。


【主要メンバー】


  • 阿修羅八部衆
阿修羅の中でも突出した実力を持つ、8人の所属選手達。
メタ的に言えば「クロヒョウ2」における、チャプター毎のボスキャラクターである。

秋田靖人
阿修羅八部衆の頭目。
阿修羅との対抗試合八戦における龍也の最後の相手。
「鬼狩りの秋田」という異名とつけられ、蒼天堀の若者との喧嘩では無敗で知られる。
このシリーズでもかなりの年齢不詳な顔だちで、まだ20歳そこそこの若者にもかかわらず
「郷田龍司の生き別れの兄」などとウソ設定すら信じかねない程老け込んでいて貫録がある。
詳細は該当項へ







金城風太
龍也の第七試合の相手。
阿修羅八部衆の中でも、出番の短さの割にプレイヤーに色んな意味で強烈なインパクトを残した。
どれくらい強烈かと言うと、コイツだけかなり前から個別の項目が存在する程である。
詳細は該当項目

  • その他

野崎亮
阿修羅専属の整体師。
詳細は該当項目


【関係者】


  • 鶴見正
CV: 大友龍三郎(クロヒョウ)、大杉漣(クロヒョウ2)
1の時点では警視正*9だったがラストで都知事選に出馬。2では当選して都知事となっている。

清濁併せ持ち混沌とした神室町の現状を良しとせず、当人曰くの浄化を目標としている。
当選時から、断固たる決意を持った清廉潔白な人間と喧伝していた。
しかし、1995年の九鬼組と連携してのチャンピオン街地上げや再開発計画の利権にも一枚噛んでいたり、1作目の黒幕と共に汚職に手を出していた。
更に、裏カジノに入り浸ったり、数々の犯罪を繰り返す息子の素行の悪さに目を瞑り、小遣いも望むままに渡している馬鹿親でもあり、自分に甘く他人に厳しく、潔癖と言うより排他的な人間。

1作目では、龍也との抗争で筒井が過去の犯罪の隠蔽の為に奔走していた時、彼をスケープゴートにして自分の過去の罪状も全て押し付けることを思いついて、筒井の懐刀だった新城も懐柔して筒井を嵌め、見事逃げ切ることに成功。


自分が気に喰わない神室町の風俗店や遊戯施設等を一掃して、大々的な再開発をする「神室町べガス計画」に2012年になってようやく着手。
裏工作用の尖兵とする為に二岡組を介して阿修羅と結託するようになった。
しかし、既得権益を神室町に築いている東城会の人間である二岡を後々排除する必要があると考えていんた鶴見は、二岡の頭越しに阿修羅の野崎と直接やり取りをするように。
邪魔になった二岡を適当に殺して縁を切ろうと思っていた頃合いに、一足先に隆昌が2人の間に介入し、逆に二岡によって足元を掬われることに。

二岡との会合の盗聴記録という、鶴見を失脚させ得る証拠を入手した隆昌と龍也から何とか盗聴記録だけでも奪い取る方向へ方針を切り替え、隆昌に刺客を差し向けて銃撃し、佐伯を引き連れて龍也と対峙。
しかし、佐伯共々龍也に返り討ちに遭った上に、真意を晒した野崎に嵌められ醜態を晒し、社会的にも抹殺されてしまう。

完全に奈落の底に叩き落されたことで錯乱した鶴見は、そのままミレニアムタワー屋上から飛び降り自殺してしまった。
やはりミレニアムタワーは呪われている。


  • 佐伯淳
鶴見が警察に所属していた頃からの部下で、今では都知事秘書。
蛇の様な容貌のスキンヘッドの男。鶴見の汚れ仕事担当でもあり、九鬼隆太郎を襲撃、死においやった張本人である。

鶴見曰く、「剣術の世界大会*10で優勝したこともあり、龍也なぞ比べものにならない実力」とのことだったが、実際に龍也と戦った結果は返り討ち。
しかも、「阿修羅八部衆の方がマシ」と吐き捨てられる始末だった。

ゲームとしては、最終盤のボスだけあって流石に秋田以外の八部衆よりは高レベル。

まず日本刀を所持した状態で仕掛けて来るが、ゲームの仕様上鉄パイプで殴るモーションと違いが無いので、剣術家と戦っている感は無い。
そして、本編同様、刃物で斬られたからと言って即死する訳ではない。
しかし、日本刀を所持している間は、掴み投げやキャッチが無効で、打撃でも軽くノックバックする程度でダウンはしない仕様。
日本刀の振りや発生は速めでガードも受け付けない。
そのため、手数の多いコンボ重視のスタイルで戦えば一方的に殴れるサンドバッグ雑魚と化すが、投げ主体等のスタイルの選択を誤ると詰みゲーに限りなく近い怪人に化ける。

ある程度ダメージを与えると日本刀を手放して失うQTEが発生し、素手の戦いに移行。
こちらからが本番で、手刀をメインに立ち回る手数が多い古武術で攻める。
ヒートアクションは、アクロバティックなラッシュからの「裂空乱舞」。内容はざっくり言えば、餓狼伝の虎王。

龍也にKOされた後の顛末については不明だが、全てが終わった後に現場に踏み込んできた竹中刑事に逮捕されたものと思われる。



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最終更新:2024年02月24日 15:25

*1 前作最序盤では、龍也は九鬼組構成員3人相手にしただけでボロボロになっていたため、九鬼組下っ端4人を一蹴出来る沖田の敵ではない。

*2 本作から導入された、壁に叩きつけて怯んだ相手に発動出来るお手軽ヒートアクション

*3 所謂パリィ・カウンターに相当するアクション

*4 エアガンに法律上の許容量のガスを詰められるように改造して、人体の表皮を貫く程度の威力でBB弾を撃ち出す

*5 一応瞬殺劇に理由はあり、阿修羅の派手に演出された試合形式に不慣れだった。ちなみに龍也が嶋に苦戦した原因は、網膜剥離を経験した嶋の為に頭部を一切狙わない手加減をしたため。

*6 現実には黒星を連想させるため、大相撲の幟の力士名に黒は使われない

*7 野崎の手で体よく葬られたと推測されるが、この件について真相は定かではない。

*8 この試合と並行して龍也の姉を金城に拉致させ、龍也の精神を乱した。

*9 シリーズで言えば、宗像警視監の一つ下の階級

*10 これは存在しないに等しいので、剣道世界大会のことと思われる